キョウスケがブチギレ中なので前回のあらすじはなしです。ごめん…え?元々なかったようなもん?うるせぇ!ハゲー!
「ガリュウを破った奴もそんなもんだよな!本音を出してしまえばさ!逆に叩き潰してやる!行くぞマスカーニャ!」
「ヨクバリス」
「ヨクバ!」
「おいおいマスカーニャ…!大丈夫なのかあの人…!?」
ハルトはしてやったりだった。キョウスケがここまで感情を剥き出しにするのは想定の範囲内。周りの人々がハルトのエースポケモンであるマスカーニャを目の当たりにしてざわめき始める中、キョウスケの前にはヨクバリス。誰もが静まり返り誰もがその場から動けない状況。
ハルトは満面の笑みを浮かべながら自信満々に自分の前に出したマスカーニャに指示を出す。
「くたばれッ!マスカーニャ、トリックフラワー!」
「…カウンター」
マスカーニャがニヤリと笑みを浮かべながら前に歩き始め指を鳴らす。指を鳴らした瞬間にヨクバリスの頭上に錬成された魔法陣から巨大な岩がヨクバリスに降り注ぐ。トリックフラワーは急所かつ必ず命中する技。ヨクバリスに岩が直撃し砂煙が広がる中、その岩は一瞬にして砕け散る。
「嘘…!?」
「ダメージは受けている筈…!マスカーニャ、アクロバット!」
「ニャ!」
砂煙の中マスカーニャはヨクバリスに突撃していき、その眼前からヨクバリスを引っ掻こうとしたその時だった。ヨクバリスの握りしめた拳がマスカーニャの目の前に。確実にマスカーニャの顔面を殴り抜いたパンチはトレーナーであるハルトの右横を一瞬にして通り過ぎ、遠方のカフェのテーブルに直撃。
ハルトが驚く中マスカーニャは一撃でノックアウト。ヨクバリスは傷付いてはいたもののまだまだ余裕のある様子。キョウスケも睨んだ目つきのまま表情を崩さない。その握りしめられた拳には血が滲み始めている。
「一撃…!?」
「次を出せ。言っただろ?正々堂々叩き潰してやるって」
「調子に乗って…!」
「マスカーニャが一撃…!?アイツ何者なんだ!?」
「ニュースで見たことがある…確か…」
戦闘不能となったマスカーニャをボールの中に戻すとハルトは歯を食いしばりながら2体目であるミカルゲをフィールドに。ミカルゲを出した瞬間にハルトが再び笑みを浮かべる。その自信に満ちた筈の笑みがキョウスケには痩せ我慢のように見えた。
息を吐きながらキョウスケはヨクバリスをボールに戻すと無言のままガブリアスをフィールドに出す。響き渡るガブリアスの咆哮。ハルトから笑い声が漏れる。
「俺から居なくなったポケモンに何ができる…!ミカルゲ、かたきうち!」
「ちょいと付き合ってくれよガブリアス。あなをほる!」
ミカルゲが地面を強く蹴り出す中ガブリアスはジャンプし地面に潜り込む。ミカルゲの突進があなをほるによって容易にかわされる中、ミカルゲの背後に出て来たガブリアスの突進をミカルゲがまともに喰らいハルトの目の前に突き飛ばされる。
ガブリアス自身も一瞬困惑したがキョウスケの一言で覚悟を決め表情を引き締め直し立ち上がったミカルゲを見据える。ハルトの表情から既に焦りが出ていた。声を張り上げミカルゲに指示を出す。
「ミカルゲ、あくのはどう!」
「ドラゴンダイブ!」
「グウ!」
ミカルゲが身体全体から衝撃波をガブリアスに向けて放って行く中でガブリアスは地面蹴り出しからのジャンプで容易にあくのはどうをかわすと目の前に着地してもう一度突進を喰らわしさっきマスカーニャが墜落した同じような場所まで突き飛ばす。
ミカルゲもここに来るまでで戦闘不能。カフェの店員が見かねてキョウスケ達に注意しに行こうとしたが店長が止める。
「店長!」
「お互いにお互いのトレーナーしか見えていない今に言いに言っても仕方ない。後にしろ」
「然し…!」
「余程の事があったんだろあのトレーナー…あの目から憎しみしか感じない…」
「アイツを使って俺を誘き出した割には…笑わせてくれるなよチャンピオン」
「貴様ッ…!確実に叩き潰してやる!ウルガモス!」
ハルトの3体目のポケモンはウルガモス。キョウスケは帰る素振りがない。ずっと睨みつけている割には冷や汗をかいておりそれなりの緊張は感じているようにも見える。誰も口出しが出来ない状況。市民達の他にもアカデミーに戻って来ていた生徒達も足を止める。
「ウルガモス!むしのさざめき!」
「アクアブレイク!」
ウルガモスが羽を羽ばたかせ音波を発生させる中ガブリアスは再び地面を蹴り出しジグザグに動き回りながら音波をかわすとウルガモスに接近。そして飛びかかり水を纏わせた腕をウルガモスに振り下ろす。地面に墜落したウルガモスが地面を抉り、砂埃を撒き散らす。
ハルトがウルガモスの方を見つめると戦闘不能になっている姿。ハルトはそれを見て焦りを募らせる。
「馬鹿な…!水テラスクリスタルはしてない筈…!」
「次」
「っ!?」
「こうして欲しかったんだろお前は…!来いよ」
キョウスケの声からは明らかな怒りを感じられた。そしてハルトは自分が手放すように働きかけたガブリアスにここまで苦しめられるのは計算外でしかなかった。確かにキョウスケも2体フィールドに出したがハルトはもう4体目。周りがさすがに騒めき始める。
「あのトレーナー本当に犠牲なしで終わらせてしまうんじゃないか!?」
「怒ってる中で冷静にバトルを動かしてる…初めて見た…あそこまで感情的でも優位に進める人…」
「俺はパルデアチャンピオンなんだぞ!お前と何が違う…何がッ!行くぞクエスパトラ!」
「グウ?」
「頭の芯までは感情的にはなってねえ。もう少しだけ付き合ってくれ」
騒めきもハルトの怒りも伝わってくるくらいに周りも見れていた。ガブリアスはキョウスケの方を見て不安そうな表情をしていたが改めて頷くとハルトが繰り出して来たクエスパトラを睨みつける。トレーナーの色はポケモンにも伝わるもの。
クエスパトラはハルトの顔色を疑っているようにも見えた。
「ルミナコリジョン!」
「あなをほる!」
クエスパトラが身体を震わせ念波を放とうとしたその瞬間。ガブリアスが再び地面に潜り込み念波を回避する。クエスパトラの背後に出て来たガブリアスは突進をかましクエスパトラのバランスを崩させるとキョウスケがさらに声を張り上げる。
「ドラゴンダイブ!」
「サイコキネシス!」
地面に着地後力を込めもう一度地面を強く蹴り出すガブリアス。クエスパトラは背後に振り返るとガブリアスに念力をぶつけるがガブリアスは念力を突っ切りクエスパトラにそのまま突進を食らわし吹き飛ばす。キョウスケの前に吹き飛んできたクエスパトラはそのまま戦闘不能。
アカデミーに戻って来たハルトの配下の生徒達もそのハルトの苦戦の仕方には驚きを隠せなかった。
「これは夢か…!?ハルトさんが…!」
「何よ…ハルトさんがここまでやられるなんて…!」
「確実に潰す…!エリアゼロから手に入れたコイツで!」
「エリアゼロだって…!?」
「トドロクツキ!」
クエスパトラを戻したハルトが次に繰り出したのはエリアゼロにいたと言うトドロクツキ。ボーマンダに似たようなポケモンだ。その場がさらに騒めき始める中その場には過呼吸から戻ったネモ達が。ただならぬキョウスケの雰囲気にネモが青ざめる中…
「キョウスケ…?」
「ダメだネモ。今だけは」
「ペパー?」
「何となく嫌な匂いがする…今だけはやめた方がいい」
「戻れガブリアス。お前がその気ならこちらも容赦はしねえ」
ペパー達が遠方で見つめる中ガブリアスを戻したキョウスケが次に繰り出したのはウネルミナモ。堂々と繰り出した事に市民達が改めて静まり返る中ハルトとのバトルは佳境を迎えていた…
見てくださりありがとうございます。後1話だけ続きます。