とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

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随分お久しぶりです。今回も書かせていただきます。
リハビリ感覚ですが頑張ります。


テラパゴスだって?コイツ脳みそ詰まってんじゃねえか!

前回のあらすじというのが存在すると思っていたのかね?私と戦うと言うのかね?ひざまづけ!命乞いをしろ!その時間を3分間だけくれてやる!さあ石のありかを…

 

「バルス」

 

「ぐああ!目が!目があ!」

 

「なにやってんのペパー」

 

「いやキョウスケがこうなった時はこの言葉を言えとハルトに言われてな。実践したらこうなった」

 

「ラピュタ王に一番効く言葉だからな」

 

「そんな言葉をどこで勉強したんですかチャンピオン…」

 

 ペパーのバルスの言葉でその場に倒れ込みのたうち回るキョウスケ。訳の分からない表情をするペパーに対してハルトは倒れるキョウスケを見てしてやったりの表情。

 

 そんな3人を呆れるように見つめていたのはアオイ。

ネモは何やっているか分からないのでキョトンとしているが、その傍らにいるキラも呆れたような表情だ。エリアゼロにてポケモンと戦っていた一行が現在どこにいるのか。

 

 大量のポケモン達を蹴散らしたキョウスケ達は巨大な岩奥にある小さな洞穴のような場所に身を隠していた。

 

 ポケモン達は探している素振りをしているが匂いを嗅いでも分からない様子。地味に危機的な状況にあるのだが、キョウスケはポケモンが来ないのをいいことにニヤリとした表情を浮かべている。

 

「おいてめえら!外にいるポケモンを爆弾で吹っ飛ばすぞ!俺に続け!」

 

「対処できないから隠れたんでしょうが!この野生猿!」

 

「野生猿って言ったなネモ!許さん!ひざまづけ命乞いをしろ!」

 

「バルス」

 

「ぐわああ!」

 

「その流れさっき見た奴!」

 

 外ではポケモン達に早くも見つかったのか岩が叩かれる音が響き渡る中でネモが発したバルスという言葉でキョウスケが再び地面にのたうち回る。

 

キラが思わず声を張り上げる中でポケモンの雄たけびが外から響き渡る。長くは持たない。全員が覚悟を決めたその時だった。

 

押し寄せようとしていたポケモン達の足音が止まった。数秒してまた足音が聞こえてきたが、離れていくような足音。

 

何もしていないのに助かったとキョウスケ達が思ったその時、後ろの方から…

 

「君たち面白いね。だから助けてあげたよ」

 

「声!?ど、どこから!?」

 

「ここ!君たちの…あー…見下げてごらん」

 

「何!?貴様よしも…!」

 

「名前上げんな」

 

 キョウスケ達がふと見下げてみるとそこにいたのは小さな一体のポケモン。亀のような体をしている。

 

 この小さなポケモンを見つめるために全員がしゃがみ込む。キョウスケ達に近づいて来たので、キョウスケが持ち上げたのだが持ち上げ方がどこか見たような姿で…

 

「誰がライオンキングやれって言ったよ」

 

「ハルトも名前出さないで!夢の国の使者が!」

 

「何を言っているんだいって奴ですか?」

 

「もっとダメ!」

 

「凄いや僕偉いものになった気分だ」

 

「で亀、お前は一体なんだ?」

 

 キョウスケの手からふわふわと浮かび始めた亀のポケモンは今度はキョウスケ達の頭上に位置を移す。キョウスケ達を見下ろしながら亀はテレパシーを使って話し始める。

 

「僕テラパゴス。エリアゼロに暮らしているポケモンだよ。お兄さんたちは何しに来たの?人間が来るなんて珍しいけど」

 

「ああ、俺たちは精神と時の部屋で修業をしに来たんだ」

 

「そんなものしにきてないでしょ!」

 

「テラパゴス!?まさか伝説の…!」

 

「いるかどうかも分からないと言われていた幻のポケモンだ。実在していたとはな」

 

「ねえねえ真ん中のお兄さん。アナタキョウスケって言うの?」

 

 自在に動き出しテラパゴスはキョウスケのもとに降り立つ。キョウスケはテラパゴスの言葉にしてやったりの顔で首を横に振ると…

 

「違うな!俺はイケメン伝説!凄いサイヤ人のキョウスケだ!」

 

「凄いね!決めた!僕案内してあげるよ博士という人がいるところまで」

 

「こ、コイツ!ボケを軽々と流しただと!」

 

「い、いいのか?」

 

「心配無用!付いてきてイケメン伝説!」

 

「イケメン伝説のキョウスケだ!名前覚えろ!おい聞いているのか亀!」

 

 洞穴に閉じこもって数分。ようやく動き出したキョウスケ達。テラパゴスが先頭で進んでいく中で先ほどまで牙を剥いていたポケモン達は全く持ってこちらを向く素振りもない。

 

急な変更に驚かせられるキョウスケ達だったが特に警戒することもないままに、エリアゼロの最深部に向かって進んでいく。

 

前進むのに小一時間は費やしていたのに、テラパゴスが前に陣取り始めてからスイスイと進めていくように。

そして最深部に付近に足を踏み入れると、再びシャリタツたちの狂気に当てられたポケモン達がこちらに向かってくる。

 

「ぜ、全員って訳じゃないの!?」

 

「僕に任せて!」

 

「まさかお前自爆でもする気か!?」

 

「いや、絶対その流れじゃない」

 

 向かってくるポケモン達に対してテラパゴスは思い切りキョウスケ達の前に出ると何やら衝撃波を放ち始める。

 衝撃波を直撃したポケモン達はその場に倒れ込み、すぐに立ち上がるとキョウスケ達なんて見向きもしないような気配で歩き始めた。

 

とんでもない力にネモ達が息を吞む中で再びテラパゴスについて行くキョウスケ達。そんな中でテラパゴスはこちらに振り向きながら…

 

「ねえねえキョウスケ。人間界ってキョウスケみたいに面白いの?」

 

「おい亀!さっきから俺の名前連呼してお前は何だ!俺のお父さんだってのか!」

 

「特別変なのはこいつだけだ」

 

「おい話進めんなハルトォ!」

 

「そっか!一番面白いのはキョウスケなんだね!」

 

 テラパゴスとともに進み始めたことでさっきまで張り詰めていた空気がキョウスケ達は馬鹿らしくなっていた。ネモとアオイが終始笑みを浮かべる中、ペパーも笑みを浮かべている。

 

 ポケモン達にほぼ見向きもされないまま一行は巨大な滝のような部分に達した。ここで改めてエリアゼロというのがとんでもない奥にある場所なんだと思い知らされた中で、その傍らには無数の結晶が咲き誇っている。

 

ネモとキラは一瞬目を奪われたが別の目的を思い出した面々はまた歩き出す。

 

 作られたラボを抜けて一行はあっという間に研究所がある場所の目の前にへと迫った。

 

 当然相手はその持ち主であるフトゥーのためパスワード含めて完全ロックされている。テラパゴスがもう一度こちらに振り返り…

 

「皆はこの先に行きたいんだよね?」

 

「待ってください!テラパゴス…あなたは何故私たちをここまで案内してくれたんですか!?」

 

「それはね。キョウスケがシェイミを大切にしてくれたからだよ」

 

「シェイミぃ!?」

 

「僕の友人の子なんだ。だからエリアゼロに来た時は助けてあげようって」

 

 キョウスケ達がシェイミと会った時からテラパゴスの恩返しは始まっていた。キョウスケがシェイミをボールから出そうとしたがこれからも大切にしてあげたらそれでいいと会う事を拒否。

 

 そして研究所の方に振り返ると念波を送り込み、研究所のロックをすべて解除。扉が開いて行く。

 

 ペパーたちが思わず言葉を失う中、テラパゴスはキョウスケ達の驚きを無視するかのように先に進み始める。然しその足は急に止まった。

 

「どうした亀公?」

 

「まさか本当にここまで来るとはな」

 

「フトゥー博士!」

 

「父ちゃん…!」

 

「そのポケモンテラパゴスか。何故そいつらに協力する?我々の理想郷を消そうとしているんだぞ?」

 

「君たちだけの理想郷じゃん。この人たちは君たちの理想郷には迷惑しているんだよ?」

 

 目の前に姿を見せたのはフトゥー。ペパーが歯を食いしばる中で全てを見下しているようなその眼はキョウスケ達に緊張を走らせた。テラパゴスはそんなフトゥーに臆することなくさらに近寄る。

 

 キョウスケ達も助けようとするがキラがそれを止める。何か絶対あると踏んだ様子だった。

 

「テラパゴスまさかとは思うがこの私とヘイラッシャの軍団に勝てるとでも思っているのか?」

 

「勝ち負けにこだわっていないよ。仲良くできるかしか僕らポケモンには無い。人間が言う戦争なんて言葉はよくわからないから」

 

「父ちゃん!」

 

「その声…ペパーか。何ようだ」

 

「何で親父がポケモン達側についてんだよ!親父はポケモンを研究する立場じゃなかったのかよ!」

 

「そうですフトゥー博士!私たちが対立する理由なんて分からないですよ!」

 

 キラの静止を阻止しペパーたち全員はフトゥーに詰め寄っていく。いつもなら先陣切って話に加わるキョウスケではあるがこの時は加わる素振りすら見せない。

 

「なあ父ちゃん!また母ちゃんと暮らさねえか…そうしたら母ちゃんも…!」

 

「ペパーよ。お前は…父に家族という洞穴に戻れとそういうのか?」

 

「ほら…あな…?」

 

「話は以上か。だったらそこのカメを連れて帰れ。私は忙し…」

 

 フトゥーの言葉にペパーは固まった。アオイやネモも信じられないような反応をする中でその中で何もしなかったハルトとキラの横を通り抜けていき、フトゥーはフトゥーの肩を掴み、強引にこっちに振り返るように仕向けるとその振りむいた瞬間。

 

 顔面の一番ど真ん中に握りこぶしを思い切りぶつけ、フトゥーを殴り飛ばす。全員が声の出ないまま驚く中でテラパゴスは何やら楽しそうだ。

 

「殴ったな…!ポケモン博士号を持つこの私を!」

 

「き、キョウスケ!?」

 

「今の家族という洞穴という言葉に対しての俺たちのアンサーだよ。ふざけんじゃねえよインテリじじい。もう一遍その言葉を言って見ろ。今度は鼻が赤くなるぐらいじゃ済まねえぞ」

 

「貴様っ!」

 

 フトゥーが立ち上がったその時。フトゥーの前に2体のヘイラッシャが着地し片方はキョウスケ達の行く手を塞ぐかのように睨みつける。

一体はさっきキョウスケ達と対していたヘイラッシャ。ヘイラッシャは鼻を拭うフトゥーを見て笑いながら…

 

(無様だなポケモン博士とやら)

 

「うるさい!中に戻るぞ良いな」

 

(ではそこの連中よ是非そこのヘイラッシャの相手をしてやってくれ)

 

「逃げんのかインテリ!」

 

「この痛みの代償は後できっちりと支払ってもらう。絶対にだ!」

 

 キョウスケ達が他のヘイラッシャと対している間にフトゥー達は研究所内にへと戻っていく。

 

 ペパーたちが覚悟を決め、マフィティフやマスカーニャ、そしてウェーニバル、ウォーグルそしてフローゼルがヘイラッシャの前に陣取る中でキョウスケ達の方はヨクバリスが出陣しヘイラッシャを迎え撃つ。傍観者であるテラパゴスはその様子を見つめるだけだ。

 

「わりいなヘイラッシャ。俺らに遊んでやれる時間がねえんだわ。最初からマジで行かせてもらう」

 

(俺と対していた時のキョウスケの表情…味方で見てもこんなに恐ろしいものだとはな)

 

 キョウスケ達がフトゥー達を追うためにヘイラッシャと戦おうとしていたその時。

 エリアゼロの序盤の方では一人の男が気負う事も無ければ焦る様子もなしでゆっくりと降り立っていた。

 

「こんなことを任せて済まない。君しかこれは任せられないんだ」

 

「いざとなったらこれを使えという事だな分かった。そんな表情をするなオーリム。彼らはきっとこんなエリアゼロの魔境なんて軽々と通り抜けるさ。それは私が行かなくてもわかることさ」

 

「っ!」

 

「さ…行ってくるか。生きているとは思うが気持ち早めぐらいにはしておくか」

 

 オーリムとの通信が切れそして一人の男がキョウスケ達に向かって歩き始める。到底追いつくのは不可能な距離だが男性に焦ったようなそんな色は存在してなかった。

 

 そして足止めとばかりに食い止めていたヘイラッシャをあっさり倒したキョウスケ達はフトゥー達を追って、テラパゴス誘導で最深部のエレベーターに乗り込んだ。そんなことを知らないフトゥー達は一番最深部の部屋で集結していた。

 

(いよいよ…我々の計画が実現の者に…!)

 

(さあフトゥー。そのパスワードを入れ込むのだ)

 

「そのパスワードってコイツの事かい?」

 

「!?」

 

「貴様ら!?」

 

 想定外の速度で最深部にたどり着いたキョウスケ達に驚きを隠せないフトゥー達。

 

 そして最深部の装置に必要なパスワードはペパーが持っていたバイオレットブックだ。事前にフトゥーがそれを使う前提でいたらしいが、ペパーが持っている以上計画というのは実現できない。

 

「おのれ…!」

 

(やれヘイラッシャ。バイオレットブックを奪ってこい)

 

(了解…!)

 

「ここで全部終わらせてやる…ケリつけようぜ元凶さんよッ!」

 

 エリアゼロ最深部で行われるキョウスケ達とシャリタツたちの戦い。そしてシャリタツたち側に回ったフトゥーはポケモンを所持していないためこの状況を見つめる。

 パルデアでのヌシを倒すための戦いはついにクライマックスの始まりを迎えようとしていた…




見てくださりありがとうございます。
また次回も頑張ります。
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