とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

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ついにパルデア編完結です。いや絶対終わらせます。
次回はまだ決まってないんでまたアンケートでも書きます。


あばよパルデア!

 エリアゼロにてキョウスケ達が起こした行動は瞬く間に記者キラによってパルデア中に広がって行った。

 

エリアゼロから帰還した彼らはパルデアを救った英雄として人々の間で話題となり、その英雄がパルデア最強トーナメントに出場すると分かった途端に期待のコメントがネット中に溢れかえっていた。

 

リーグ全体を通してもキョウスケやその他のメンバーはパルデアの一番注目となると誰もが思っていたのだが…

 

「辞退!?はあ?アイツ何考えとんねん!」

 

「まあまあチリ。理由を聞こうではありませんか」

 

 当然アカデミーのアキロゼからその情報を聞いたオモダカ達は大きく驚いた。アキロゼも何と言い出せばいいか分からない状況だった。

 

キョウスケはただ彼に「やりたいことがある」と伝えただけ。

 

絶句して思わず声を張り上げるチリをオモダカは諫めながらリーグ本部に訪問したアキロゼにその理由を尋ねる。彼は堂々とした表情で二人にキョウスケからの伝言を伝えた。

 

「やりたいことがある…ですか」

 

「まさかポケモンフード店とか言わんやろうなアイツ…」

 

「そんな知識キョウスケにはありませんよ…」

 

「具体的な理由は?」

 

「さあ…ただそのやりたいことがあるから3か月後にそれが終わっているかどうか分からないと。パルデアから出る予定だそうですが…」

 

「パルデアが暑すぎるからちゃうやろな…」

 

 適当な理由を出すチリをオモダカが頭を叩く中で若干困った様子のアキロゼにオモダカは笑みを浮かべながら彼らしいと呟いた。

 

常識に捉えられていないところをオモダカは知っていたからだ。

 

そしてアキロゼから今キョウスケはミライドンに乗り、ハッコウシティに向かったことを言われたオモダカ達だったが追いかけることはしようとしなかった。

 

彼らしいと呟いたオモダカに対してチリは引くような表情を浮かべていたが…

 

 人知れずハッコウシティに向かっていたキョウスケはジム前にてとある人物と遭遇していた。

 

「何でお前がいるんだよガリュウ。俺のストーカーかテメエ」

 

「君にしては水臭いことをするじゃないか。ライバルに連絡もなしとは」

 

「ライバルも何もアンタ、パルデアの教師だろうが」

 

「まあそうともいう。パルデアを出るとは本当か?」

 

「ああ。やりたいことが出来たからな。アンタも一緒に来るか?」

 

「君と違って多忙なんでな。この用事を済ませたらアカデミーに戻るつもりだ」

 

 サラッと言われた一言にキョウスケは顎を突き出しながら拳を握りしめたが、すぐに落ち着くと息を吐きその横を悠然と通り過ぎていく。

 

ガリュウの横を通り過ぎたその瞬間にガリュウはキョウスケに向かって呟く。

 

「夢を持ってみるのもいいよなキョウスケ」

 

「え?急に何?頭でもとち狂った?」

 

「そうかもしれないな。だがトレーナー魂に火が付いたのも事実だ。再びチャンピオンを目指そうと思ってな。いつかのカントーで君を待つ。腕落とすなよ?」

 

「負けた奴が偉そうに言いやがって。余計なお世話だっての。アンタこそ腕落とすなよ。あばよ」

 

 お互いにそれ以降は振り返ることをしなかった。お互いに分かったのはお互いにこちらに一切話しかけなかったことと去っていった音。息を吐くキョウスケに対してボールから出てきたのはヨクバリス。

 

ヨクバリスはボールから出るなりキョウスケの顔面をいきなり殴りつけ、キョウスケを一度星にした。キョウスケは地面の中から頭出して出てきたのだが、キョウスケはヨクバリスを見つめ…

 

「おいクソリス!折角最終回ぽい雰囲気出していたのに何しやがる!」

 

「尺稼ぎだよ!」

 

「正直に言いやがったなくそったれ!」

 

「ポケモンはいつだって正直なんです!そしてお前はふかした芋なんです!」

 

「誰がふかした芋だコラ!上等だ!ついでにお前との因縁も終わらせてやる!」

 

「いいだろう木っ端みじんにしてくれる。あの地球人のように…!」

 

 キョウスケとヨクバリスが逸れっぽい恰好をしてその場の空気を暑苦しいものにしていく中で、その雰囲気を止めたのは鳴り響いた電話だった。

 

これによりバトルになりかけたところは中断し、キョウスケは電話に出ると電話主はミリだった。

 

「アンタどういうつもりよ!」

 

「耳が!耳がァ!」

 

「パルデア最強トーナメントを辞退してガラルに一旦帰るって?お母さんそんなの許さないよ!」

 

「お前がいつお母さんになったよ!ちゃんと理由を聞けお前!」

 

「5文字で」

 

「短気だな!」

 

 どうやらアキロゼから理由を聞いていたミリはいてもたってもいられなくなり、電話に至ったそうだ。

 

キョウスケは彼にしては珍しくしっかりとした理由を話したが…やりたいことが出来たという言葉を受け入れてくれるわけもなく…

 

「トーナメントよりやりたい事!?何よそれ!歌手になるとか言うつもりじゃないでしょうね!」

 

「カラオケ20点台のお前よりは上手ですー!」

 

「なー!今それ言う必要ないでしょ!?てかやりたいことって何よ!」

 

「短気な野郎だな。ガラルに帰ってから言ってやるから」

 

「もったいぶるってアンタ…キョウスケの皮を被った偽物?」

 

「俺をどんなとんちんかんな奴と思ってんだてめえ!」

 

 ミリから言われた一言にキョウスケが思わず突っ込んでいたがそんな中でミリが思い出したかのようにキョウスケに呟く。

 

「そういえばアンタ。パルデアを巡っていたそうね。その仲間がアンタを探してアンタのいるところに向かってるって話だったけど?」

 

「見つけられるかよ。アイツらには何も言わなかったんだからな」

 

「アキロゼが言ったって」

 

「え」

 

 ミリからの一言で思わずキョウスケは固まった。

 

そしてヨクバリスから肩を掴まれたのを見てキョウスケの表情がどんどんと青ざめていき、冷や汗を大量にかいて行く中でヨクバリスが指を差した方角にキョウスケが振り返るとそこには向かってくるネモ達の姿が。

 

キョウスケが逃げようとしていたその時にボールから出てきたガブリアスとウネルミナモに阻まれ…

 

「キョウスケ!何で私たちに何も言わなかったの!?」

 

「じゃ説明頑張って」

 

「おいコラミリ!逃げんな!…切りやがった」

 

「らしくねえぜ。何言ってくれねえなんてよ」

 

「違うこれは誤解なんだ。まず話を聞くんだ」

 

「すっごい棒読み…」

 

 キョウスケのポケモン全員が出てくる中で駆け付けたネモ達に訳を話すキョウスケ。当然ミリと一緒でやりたいことがあるという事に納得してくれるわけもなく、ネモは思い切り首を横に振っている。

 

ちなみに来ていたのはネモとアオイとペパーの3人。ハルトとキラの姿はそこには無い。

 

「トーナメントはやりたいことじゃなかったの!?」

 

「当初はそうだったさ」

 

「当初?」

 

「だがな…お前らと旅をしていく中でその感情が強くなっていってな。初めてだったんだよ。目的があったとはいえ旅をしたというのは」

 

「…やりたいことって結局…?」

 

「今度は目的もなく旅がしてえと思ってな。行きたいところがあるんだ。そこ行くためにガラルに一旦帰る」

 

 キョウスケがそういう話をしたのは初めてだった。だからこそ理由を聞いたネモ達は戸惑うどころか驚いていた。今までの真剣な表情とは全く違う雰囲気でアオイが思わず黙り込む中で大きく息を吐いたペパーがキョウスケに向かって呟く。

 

「何だそんな事かよ。パルデアのトーナメントまで辞退するんだもんな。何事だと思ったぜ」

 

「ペパーは止めないの?パルデアから…」

 

「いなくなったところでいつかまた会えるだろ?俺は理由だけが聞きたかった。ダチの決断さ。その決断を背中を押してやりてえ」

 

「ペパー…」

 

「大人になったなお前…」

 

「キョウスケが大人になってねえだけだよ」

 

 背中を押したいという言葉をキョウスケは理解していたがそれよりも彼がいら立ったのはペパーがキョウスケが大人になっていないだけという言葉。

 

キョウスケは顎を突き出しながら拳を握りしめながらボクサーのようなポーズをする中で3人の中で唯一納得が行っていなかったのはネモだった。拳を握りしめ体を震わせていたネモはキョウスケに詰め寄ると両手で胸倉を掴みながら…

 

「何で…?他の地方に行かなくてもパルデアで旅が出来るじゃん!私たちが一緒にいるじゃん!何でっ!!」

 

「ネモ…」

 

 キョウスケは自分を強く不安そうにしながらも訴えた表情を浮かべるネモに向かって大きくため息を吐くと自分の胸倉を掴んでいるネモの震えた手を力強く離し、そしてネモの方を見つめながら…

 

「じゃあお前が喪失感を二度と抱かないように一つだけ約束をしようぜ」

 

「え?」

 

「この俺の旅が佳境に迎えた時にカントーに向かう。カントーにてお前を待つ。そのメンヘラをしっかり治してから来いよ。待っているからな」

 

「キョウスケ…」

 

「カッコつけたこと言いやがって。いつの間にお前は結婚詐欺師みたいな感じになったんだよ」

 

「堂々と言うんじゃねえ。俺が疑われるじゃねえか」

 

 ネモがキョウスケの言葉に一瞬戸惑いながらも笑みを浮かべ頷く中でネモの足元にはシェイミが鳴き声を挙げながらネモに語り掛けるとネモがシェイミを撫でていく。

 

カントーにて待つという言葉でネモが笑みに変わったところでキョウスケが息を吐いた後に笑みを浮かべ…

 

「ほんじゃ…一旦別れだな。お前らにはよーく世話になった。ここにいないキラやハルトによーく伝えといてくれ」

 

「ナーバスになってパルデアに帰ってこないでよ?堂々としているキョウスケが見たいんだから」

 

「アオイもな。そんじゃまたな」

 

「もういいのかネモ」

 

「これ以上言うのも野暮だから。カントー目指して頑張ろ…!」

 

 アオイとペパーが心配そうにネモを見つめた後でネモが笑みを浮かべながら首を横に振った。

 

そして去り行くキョウスケに手を振った。いつの間にかキョウスケのポケモン達がボールに戻った中でキョウスケはハッコウシティの空港に入ったその時だった。こちらに向かって手を挙げる一人の女性。キラだ。

 

「先週になるのですか。お疲れさまでした。私も心の中のモヤモヤが消え順調に仕事をしております」

 

「まさか先回りしてるとはな。お前も俺を止めるのか?」

 

「いいえまさか。少々びっくりはしましたけどね。…貴方とは多分また会えるとは思っているので」

 

「奇遇だな。俺もだ」

 

「さてここにいる理由は伝言ですかね。ハルトさんからです。今度会った時はまたポケモンバトルしようとの事です」

 

「丸くなりやがってアイツも…」

 

 動揺していたネモ達とは違いキラは平然としていた。キョウスケは若干不思議に思っていたがボソッと呟いた後に再び小さく息を吐き…

 

「お前にも世話なった。また会った時は食事でもしようぜ」

 

「お別れだと思いましたか?」

 

「は?」

 

 キラが何を別れるかのように言っているのかと笑みを浮かべながら呟いたその時だった。キョウスケが疑問を抱いているとキラが手に持っていたのは既に2枚用意されていたガラル地方行きのチケットだった。

 

「おま…!?」

 

「あなたの旅には同行しませんが…ガラルまで同行させていただきます。アナタのルーツが気になりましてね。しばらくガラル地方に滞在させてもらう予定です」

 

「用意周到だこと…」

 

「帰宅まではご一緒致しますよ」

 

 驚いたのは誰にも当初は知らせてなかったのに先回りしてかつ二人分のチケットを購入していたというところ。動くだろうなと思っていたのは記者としての勘だろうか。

 

キョウスケは唖然としつつも驚くしかなかった。自信満々に笑みを浮かべるキラに対してもう何も言えなかったキョウスケは言わずにキラと距離を取ると…

 

「チケット取ってくれたんだろ?今なら単独インタビューも聞いてやらあ」

 

「ぜひお願いします。そういえばウネルミナモは…」

 

「エリアゼロに返すことも当然考えたさ。然しよ。出そうとしたらボールから出なくてよ。あいつ自身はエリアゼロに帰りたくないらしい」

 

「そうですか。他にもあなたに聞きたいことがあるんです。例えば行く場所とか」

 

「飛行機の中でいいか?」

 

「もちろん」

 

 同乗することとなったキラと呆れながら話そうとしていたキョウスケ。パルデアを一旦後にし彼らはガラルにへと戻る。

 

ガラル地方にてミリやレイカにはキラが同乗していたことを驚かれていたが、そこにてキョウスケが改めて語った行きたい場所。それを聞いたミリたちはただ驚くしかなかった。

 

 ガラルを経てパルデアに行きパルデアからまたキョウスケは新しい地方へ。とんでもない馬鹿は次にどこに向かうのか。

 

それはしっかりと決めていたキョウスケ以外明確なところは定かではない。そしてキョウスケの物語はパルデアを経て新しく始まって行く…




見てくださりありがとうございました。グダグダでしたがこれにてパルデア編完結です。見ていただいた方ありがとうございました。
これからも続きます。
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