とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

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何か予約投稿してもうまく行かないんですよね。
内容は変わってないですけど投稿し直しです。


連れを起こさないでくれ、死ぬほど怒ってる

 前回のあらすじという飲み物は飲めないのでとりあえず今回のあらすじというオレンジジュースをください。え?そんなものはない?お前の意見を聞いてないんだよ!よこせ今回のあらすじ!

 

「確実に潰す…もうリャフレなんてどうでもいい!」

 

「とち狂ったなお前!そんな焦り方をしたら俺のハートを砕く事なんて出来ないぜ!」

 

「好き勝手言いやがってッ!」

 

 キョウスケの挑発に唸り声を上げながら怒鳴り散らかしたリナはボールからコバルオンを繰り出す。最初と当たった時から何もポケモンは変わっていない。

 

 コバルオンが睨みを効かせる中でキョウスケの前に構えるのはガルーラ。少し呼吸をしながらもコバルオンをしっかり見据えたガルーラに対して戦う前からその怒りはピークに達しているリナ。怒り任せにコバルオンに指示を出す。

 

「コバルオン、せいなるつるぎ!」

 

「技構成まで一緒とは基礎を知らねえな!ガルーラ、防御の態勢!」

 

「がる!」

 

 足元を強く蹴り出しガルーラの元に向かって行ったコバルオンがガルーラの目の前で深くジャンプをするとそのままトサカをガルーラに振り下ろす。

 

 両腕で受け止めたガルーラがコバルオンに対して効いていないと言わんばかりにニヤリと笑ったのを見てコバルオンが驚く中でガルーラがコバルオンのトサカを跳ね除けた後にキョウスケが声を張り上げる。

 

「きしかいせい!」

 

「がる!」

 

「ちっ!戻れコバルオン!」

 

 ガルーラが拳を握りしめてコバルオンに殴り掛かったその瞬間だった。リナが決断したのはポケモンの交代。これでガルーラの技の命中を阻止し少し離れた場所にビリジオンを繰り出す。

 

 ガルーラの子供をガルーラがキョウスケの元に行かせる中でガルーラは軽くジャンプを挟みながら、拳を握りしめビリジオンを睨みつける。そして軽くキョウスケの方を見たためキョウスケが頷きながらガルーラに指示を出す。

 

「ガルーラ、からげんき!」

 

「がる!」

 

「シザークロス!」

 

 トサカをビリジオンが光らせながらジグザグにこちらに向かってくる。ガルーラも足元を強く蹴り出し足音を立てながらビリジオンに向かって行くとビリジオンが左側の方から再び足元を強く蹴り出しガルーラに強くぶつかるが、ガルーラはビリジオンの体を掴みそのまま地面に強く叩きつける。

 

 技を喰らっている筈なのに平然としているガルーラに対してリナが歯を強く食いしばる中で彼女もまた諦めていない。

 

「せいなるつるぎ!」

 

「のしかかり!」

 

 ビリジオンの体を振り回しての斬りつけるような仕草をしてきた中でガルーラは地面を強く蹴り出しジャンプする形でビリジオンの攻撃を回避。そしてそのまま風切り音を立てながらビリジオンの元に落下しそのままビリジオンにのしかかった。

 

 ガルーラがビリジオンから離れるとビリジオンが戦闘不能となっている姿。リナは最初のころから変わっていないやられ方に自分自身腹が立った。

 

 彼女の握りしめられた拳からは既に血が滲んでいる。見ているだけでも気が入っているのが筒抜けだった。キョウスケはガルーラを一旦後方に下がらせると次に繰り出したのはテッカグヤ。

 

「一旦子供を見てやってくれ。こっちは何とかする」

 

「がる」

 

「何故だ…!何故届かない!お前と私の何が違う!」

 

「その感情が俺に届いていないって証拠なんだよ」

 

「貴様ァ!」

 

 もはやキョウスケの出したポケモンを見ていなく見据えるのはキョウスケただ一人。ビリジオンがボールに戻され繰り出されたのはコバルオン。怒り狂うリナに対してキョウスケは冷静そのものだった。コバルオンに対してリナが声を張り上げる。

 

「コバルオン!つるぎのまい!」

 

「テッカグヤ、タネばくだん!」

 

 コバルオンが咆哮を上げる中でテッカグヤが腕から種なるものを放出しコバルオンに放って行く。そしてコバルオンはリナの指示なしで回避するとそしてテッカグヤを見据えた中でリナが指示を出す。

 

「コバルオン、せいなるつるぎ!」

 

「みがわり!」

 

 コバルオンが接近してきたタイミングでキョウスケが指示を出したみがわりという指示。それによってテッカグヤが身代わりに変貌し身代わりがテッカグヤに変わってダメージを受ける。

 

 だがその身代わりは一撃では消えない。そしてキョウスケがもう一度指示を出す。

 

「テッカグヤ、てっていこうせん!」

 

「かきけせコバルオン、アイアンヘッド!」

 

 コバルオンの後方から放たれた鋼色の光線はコバルオンが振り向く前にコバルオンに命中し爆煙をまき散らす。ガルーラからキョウスケとテッカグヤが見えなくなる中で、煙が晴れるとそこには戦闘不能となっているコバルオンの姿。

 

 冷静な表情で立っているキョウスケを見てリナはまたしても怒りが湧いた。何故何もないかのように立っているんだと言わんばかりに。

 

「何故…お前は何回も同じようにッ!」

 

「お前が変わっていないだけだ。お前にとっては俺が不思議に見えるかもしれないが…今のお前は最初のお前より遥かに弱くなっている」

 

「人を知ったかのようにッ!」

 

「分からんさ。お前じゃないんだからな」

 

 テッカグヤをボールに戻したキョウスケはそのままピカチュウを繰り出す。どこか哀れみすら感じたキョウスケの目。リナは自分の弱さを否定するかのように首を振り続けた。そしてコバルオンをボールに戻し最後に繰り出したのはテラキオン。変わっていない。

 

 キョウスケの中の疑問だけが現実のものとなった。キョウスケは静かに目を瞑った後に息を吐いて…

 

「来いよ。お前との因縁ここで終わらせてやる」

 

「もう勝った気でいるのか!まだ私とのバトルは終わっていない!」

 

「ピカチュウ、手を抜くなよ。俺が撒いた種だ。お前は気にするな」

 

「ピカ…」

 

 自分の中で何故リナがこうなったかは分かっていた。彼女は恐らく一度たりとも失敗をしたことが無かったのだろう。だから冷静でいられた、だから冷酷にいられた。だがその味を吸ったことで最初に失敗させた人物が憎くなった。その相手こそがキョウスケだ。

 

 キョウスケは自分を殺そうとして来る姿を見て初めて彼女が自分をどれほど憎んでいるのかを察した。冷静な口調の中での覚悟をピカチュウは感じ取っていた。

 

「終わりにしてやる…お前なんかッ!いわなだれ!」

 

「ピカチュウ、エレキネット!なだれを食い止めろ!」

 

 ピカチュウが尻尾に溜め込んだ電気をテラキオンが降らせてきた岩に向かって放出。網のように絡まった岩に対してキョウスケがピカチュウに指示を出す。

 

「ピカチュウ、ネットを掴め!そのままネットをテラキオンに投げつけろ!」

 

「ピカ!」

 

 ピカチュウがジャンプし岩を包んだネットを掴むとそのままネットをハンマー投げのように振り回してテラキオンに思い切り投げつける。ネットが投げられたタイミングで千切れ岩が一斉にテラキオンにぶつかっていく。だがテラキオンは角を尖らせて岩を自分の体が当たる度に粉砕していくと…

 

「アイアンヘッド!」

 

「ピカチュウ、まもる!」

 

 岩を真っ二つにしながらピカチュウに向かってきたテラキオン。そしてピカチュウがバリアを張ったタイミングでテラキオンがバリアに衝突。そしてはじけ飛んだタイミングでキョウスケがピカチュウに指示を出す。

 

「ピカチュウ、かみなりパンチ!」

 

 拳に雷を纏わせ足元を蹴りだすとそのままテラキオンの顔面を思い切り殴りつける。吹き飛びまではしなかったがよろめかせることに成功。そしてこのタイミングでキョウスケはピカチュウをボールに戻す。引導を渡すとして戦うポケモンはもう決まっていた。

 

 テラキオンが態勢を立て直したタイミングでキョウスケの前にいたのはヨクバリス。最初に彼女に3タテを食らわせたポケモンだ。

 

「来いよ、終わりにしてやる。いつまでも付き合っていられないからな」

 

「貴様ァ!テラキオン、せいなるつるぎ!」

 

「カウンター」

 

 ヨクバリスが両腕を前に出して防御の構えを取るとテラキオンの突進をヨクバリスが受け止める。押しも地面を抉ることも無かった。テラキオンとリナが少し驚く中でヨクバリスはテラキオンの体を掴みそして空中に放り投げた。落ちてきたテラキオンは砂煙をまき散らしながら地面に衝突。そしてテラキオンはそのまま戦闘不能となった。

 

 リナが力なくその場に膝を付く中でキョウスケもヨクバリスをボールに戻そうとしたその時だった。

 

 リナのボールから現れたのはゴルバットだった。ゴルバットはヨクバリスを睨みつけながら掛かってこいと言わんばかりに声を張り上げている。

 

「ゴルバット…?お前ゴルバットなんて」

 

「何で出てきた…お前にバトルの場は用意しないと言っただろ!」

 

「ゴル!」

 

「……」

 

「その辺にしたってくれへんか。おふざけのあんちゃん」

 

 リナの言葉を否定するかのようにゴルバットが首を横に振りやりようのない気持ちにキョウスケがなっていた中でその奥から単身歩いて来たのはリナの下にいたニシノだった。

 

 ガルーラとヨクバリスが臨戦態勢に入ろうとした中でキョウスケが腕を広げ制止に入った。そしてニシノがリナの隣に立つと…

 

「こいつは囮だったのか」

 

「まあアンタを引き寄せるには十分な囮やな。しっかしザンスのおっさんはむごいことを考えるもんやで。怒りの対象にわざわざ囮しに行けと言うなんてな」

 

「それを受け入れたんじゃないのかお前…」

 

「まあ聞けや。今いたリャフレから少しばかりの血を貰った」

 

「何だと…!」

 

「それが元々俺たちの目的や。安心せい死ぬ量やない。行くでリナ。アンタはまだくたばるべきではない」

 

 リナを運ぶまでがけじめと話したニシノは事の詳細を冷静に話した後にその場から離れていく。ニシノの心は既にザンスへの忠誠心など無くなっていたようにも感じて怒りなど湧いてこなかった。リナは抵抗もなくゴルバットも付き添う形で離れて行った。大きく息を吐くとそこにレイカが戻ってきた。

 

「リャフレは?」

 

「聞いたんだ」

 

「ああ。その感じだと重症じゃなさそうだな」

 

「最初は攫おうとしてたけどカキやダイチも中心で抗ってくれて怪我程度で済んだ感じ」

 

「アイツらの目的は何だ。話してないのか」

 

「隠している訳でもなくて本当に分からないってニシノが言ってた。ただ血だけ持って来いって」

 

 重症じゃないからかキョウスケの語り掛けに対してのレイカの発言は冷静だった。キョウスケの問いかけにレイカは淡々と答えていくとキョウスケは自身に納得いかせるかのように頷いた。

 

 そしてレイカはその後にリャフレが「リザレクション」と呼ばれる能力を使って自分の傷を回復させたことを明かした。リャフレの能力は使うたびに体力を数段階持って行くことをカキが明かしたという。

 

「その能力を使わせないためにメレメレ島一丸となってアイツを匿っていたのか」

 

「本人にも分からなかったって」

 

「嫌だねえ…何か人間のエゴが隠れている形で」

 

「そうだね。ガルーラの件片付いたら降りてきて」

 

「…分かった」

 

 レイカが降りて行きキョウスケはグッと拳を握りしめる。リャフレを守るにしても守れなかったにしても見えてきたのは人間のエゴ。リャフレの存在を隠したい人間とリャフレを利用したい人間達。

 

 その温度の違いにキョウスケは吐き気がした。空を見上げながら大きくため息を吐くキョウスケに対してガルーラがキョウスケに近づく。

 

「がる」

 

「ガルーラ。俺についてきたら待っているのは見たくねえような人間のどす黒い部分ばかりだ。俺でも吐き気がしたよ。どうすればいいか分かんねえ」

 

「がる…」

 

「ちょっと待てい!」

 

「あん?」

 

「どす黒いのは今のお前の考えだろうがぁ!」

 

 しんみりしている風に見えたのだろう。ヨクバリスがガルーラの横側から現れるとキョウスケの顔面を思い切り殴りつける。空中に飛んで行ったキョウスケはそのまま星となり隕石となって落下してきた。頭がアフロになりながらキョウスケはヨクバリスに近づき…

 

「何しやがるクソリス!」

 

「テメエ!拳を合わせたガルーラが信じられねえと言うのか、はあん!?」

 

「んだとコラ!」

 

「がる!」

 

「ガルーラ…そうだな…俺と一緒に行こうぜ!エゴぶっ飛ばしによ!」

 

「がる!」

 

 この言葉にガルーラの子供が了承しそして親のガルーラも了承した。ヨクバリスと煽り合ったキョウスケだったがレイカの元に戻ってきた時には元の元気な姿に戻っていたという。一行はカキのリザードンの力を借りてそのまま戦の遺跡の方に向かって行くこととなる。

 

 そしてキョウスケに負けたリナとニシノがザンスと出くわしこのエゴがさらに混沌としていく形になるのだがそれはまたこれからの話…




見てくださりありがとうございます。
とりあえずまた次回よろしくお願いします。
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