とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

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お疲れ様です。ここからどんどんクライマックスに入って行きますぞ。


やればッ!!できるッ!!絶対やってみろ!!

 イレイナたちがポータウンにてザンスの組織と交戦していく中でリナの説得に動いたキョウスケとニシノはリナと対面し彼女のポケモンと対峙していた。公式ルールなんて関係なしのフルバトル。

 

 現在両者3体が削られた中でキョウスケの場にはテッカグヤそしてリナの場にはルカリオ。両者はがねタイプのバトルが繰り広げられていた。次第に地面に降りしきる雨粒も大きくなっており、既に両者体中びしょ濡れになっている。

 

「ルカリオ、はどうだん!」

 

「みがわり!」

 

 ルカリオが波動を溜め込み、思い切りテッカグヤに向かって放って行く中でテッカグヤは自分の前に身代わりを張りその波動のダメージを受けたぬいぐるみがテッカグヤの位置に戻る。テッカグヤの姿が見えなくなる中でキョウスケが声を張り上げる。

 

「タネばくだん!」

 

「ッ!ラスターカノン!」

 

 ぬいぐるみが一回無くなりそしてテッカグヤの姿が出てきたかと思えばテッカグヤの手から放たれた種の爆弾がルカリオに向かって行く。

 

 ルカリオが手に波動を溜め込み種に向かって放つと種は爆散しそして雨の中で霧が立ち込める中でリナの耳に何かため込んでいる音が響き渡る。

 

「コイツ…!」

 

「テッカグヤ!てっていこうせん!」

 

「そんなもの打ち返してやる!インファイト!」

 

 テッカグヤの両腕から鋼のビームが眩い光を発しながらルカリオの元へ。ルカリオの目の前の地面を抉りながらルカリオに迫っていく中でルカリオは目にもとまらぬスピードで拳を繰り出していくルカリオ。

 

 然し相手は当然物理の技ではなくそのままルカリオに技が直撃。リナが歯を食いしばる中でルカリオは膝を付くと一瞬立ち上がる素振りを見せたが立ち上がれずそのまま戦闘不能に。

 

 次々にポケモンがやられるパターンは今までと同じ。だが今までの彼女なら情緒不安定な姿を見せていたかもしれないがニシノにはその場面だけ悔しがっているような今までの彼女とは違う何かを感じていた。

 

 そしてそのテッカグヤのてっていこうせんは反動でぬいぐるみをなくしてしまい、そしてリナは5体目のブラッキーを繰り出す。

 

「もう変な戦術を使わせない…ここで…!」

 

「へ…」

 

「何がおかしい!」

 

「ポケモン戦術が分からない奴が変という言葉をあまり使うもんじゃないぜ?」

 

「知ったような口を!ブラッキー、あくのはどう!」

 

「ストーンエッジ!」

 

 握りしめられた拳には既に血が落ちてきている。そんな中でリナの指示を受けたブラッキーはテッカグヤに向かって波動を放って行く。テッカグヤは目の前を叩きつけ岩を突き出していく中で波動により岩が真っ二つにされそしてブラッキーの技をテッカグヤが直撃。

 

 そのまま爆風が巻き上がった中でテッカグヤが前に倒れ込む。執念とはいえ苦しめられていた相手にタイの善戦。ニシノは拳を握りしめ…

 

「何やってんだよキョウスケ…!」

 

「いいんだニシノ。これでも本気でやってる」

 

「お前…」

 

「まあ見てな。お前との約束絶対守ってやっから」

 

「空元気も馬鹿らしいぞ!」

 

「随分元気になってきたじゃねえか。ちょっとでも勝ちが過ってきたか?」

 

「減らず口を…!」

 

 キョウスケのポケモンバトル内でのセンスはいつもより鳴りを潜めているようにニシノは感じた。だがキョウスケは余裕な感じを見せている。苦戦している感じになっているのはキョウスケも分かっていること。

 

 だが彼は一向に笑みを浮かべることをやめない。リナを挑発する中でキョウスケが繰り出したのはカプ・ブルル。急な守り神の登場にリナは睨みをきつくする。

 

「貴様…守り神を仲間に…!」

 

「守り神さんの気まぐれでな…行くぜ?ブルル、しぜんのいかり!」

 

「あやしいひかり!」

 

 ブルルは声を張り上げると地面を伝って真っ先にブラッキーの方へ。回避の指示なんて間に合うスピードではない感じでブラッキーから光が発生し爆発が起きる。このせいであやしいひかりの照準がずれブルルに直撃せず。さらにキョウスケが畳みかける。

 

「ブルル、メガホーン!」

 

「おんがえし!」

 

 角を光らせブラッキーの方に向かって行くブルルに対してブラッキーは体を光らせオーラを纏いながらブルルに突進。両者ぶつかり光が立ち込めたかと思えば、光はそのまま空中へ。

 

 その影響からかきつくなっていた雨が多少弱くなったようなそんな気がしていた。両者が少し吹き飛ぶ中でキョウスケが言葉を強くする。

 

「ブルル!ウッドホーン!」

 

「シャドーボール!」

 

 ブラッキーに向かってブルルが再び突進していく中で闇の弾をブルルに向かって放つブラッキー。ブルルに確かに弾は命中したが軽くかき消されそして角がブラッキーに直撃。

 

 そのままブラッキーが吹き飛びそのまま立ち上がることなく戦闘不能。表情は崩れなかったが彼女の手が震えている。ニシノはそれを感じ取っていたがキョウスケも前を向いていたので敢えて何も言わなかった。

 

 リナはブラッキーを戻し最後のポケモンであるカビゴンを繰り出す。ブルルはキョウスケの前に戻っていき…

 

「このまま行くか?主よ」

 

「いや…いい。アイツには6体で向き合いてえ。いいか?」

 

「構わない。我は一時的ではあるがお前のポケモンだ。主の言葉に従おう」

 

 キョウスケが大きく目を瞑りながら一息吐いている間にブルルはボールに戻る。そして場に出てきたのは6体目のヨクバリス。リナにとってはすべての始まりとなったポケモン。

 

 カビゴンの目も若干きつくなりそしてリナの表情も一層険しくなる。そんなことは分かっていた。そんな中でキョウスケがリナに一言呟く。

 

「こいつがお前の負の連鎖の始まりだったとしたらコイツと一緒にそのお前の幻を消してやる」

 

「消えないさ…消えるわけないだろ…お前なんかが!私の感情を語るな!カビゴン!のしかかり!」

 

「ヨクバリス、10まんばりき!」

 

 カビゴンが地面を強く蹴り出した中でヨクバリスに向かって落ちていく。そんな中でヨクバリスは地面を両腕で強く叩きつけそしてカビゴンに岩の壁を直撃させる。

 

 カビゴンは少し苦しそうな態度を見せたがそれでも岩を粉砕しそのままヨクバリスの目の前へ。

 

「おんがえし!」

 

「ギガインパクト!」

 

 ヨクバリスの拳とカビゴンの拳が同じタイミングで突き出されて激しい火花と爆発音を響かせながらぶつかり合う。

 

 そして傘をさしていたニシノの傘が吹き飛ぶぐらいにきつい爆風でニシノも思わず驚くが、銃声のような爆音で両者が吹き飛び息を切らす中でリナが歯を食いしばりそしてキョウスケは何かを悟ったかのような表情をしている。そして今一度表情をグッと引き締め直した。

 

「おんがえし!」

 

「ヨクバリス…カウンター!」

 

 カビゴンが少しボロボロになりながら同じくボロボロのヨクバリスに向かって行く中で、カビゴンの拳が防御態勢を取ったヨクバリスに直撃。少し地面を抉り吹き飛ばされそうになったがヨクバリスは声を張り上げながらカビゴンの拳を押し返すとそのままカビゴンの腹部に拳を叩きこんだ。

 

 そこでカビゴンが停止し仰向けに倒れた。決着は意外とあっさりしたもの。だがリナにとっては今までより何か自分に突き刺さる敗戦となった。雨音が流れる静寂がその場を少し満たす中でリナが少し下の方を見つめる。

 

 カビゴンが倒れたのを見てヨクバリスが膝を付く中でキョウスケが軽くヨクバリスの背中を軽く叩き労う中でキョウスケはリナの方に一歩踏み出していく。倒れたはずのカビゴンが彼女への道を塞ごうとする中でキョウスケが表情を崩さずにカビゴンに語り掛ける。

 

「お前の主と話がしたい。通らせてくれ」

 

「ゴン…」

 

「リナ…」

 

 その場に静かに下を向いているリナに対してキョウスケがリナに語り掛ける。

 

「なあ。お前大事なものを見落としてはいないか」

 

「何…?」

 

「お前が持っていたポケモンは全員懐き進化でしか進化しないポケモン達だ。幾らホロを中心に持っていたとはいえそんなこと分かっていたはずだ」

 

「お前はどれだけ私を苦しめさせたら…!」

 

「お前の苦しみは全てザンスのためだった!アイツに失敗した姿を見せたらダメだと…お前は思っていたんじゃないか?」

 

「うるさい!何が分かる!親みたいな人に認められたいのはどんな人でも一緒だった筈だ!」

 

 リナはその場で大きく首を振りキョウスケに向かって声を張り上げた。ニシノがキョウスケの後ろに少しだけ迫る中でキョウスケは「人か…」と小さく呟き笑みを浮かべた。リナは血相を変えキョウスケに突撃していったがカビゴンがリナを止めた。

 

「何をしている…!お前!」

 

「お前はまだ人間なんだよ。アイツがお前に求めていたのは人ではなく…機械のように任務をこなす姿だけ。安心したよ。お前はまだ真っ当な人間に戻れる。こんなに愛情深く…ポケモンを育てられるんだから」

 

 キョウスケの言葉にリナはハッとした表情で止まった。そしてカビゴンの姿を見た。そして彼女の指示なしでポケモン達が出てくる。

 

 彼女に対して笑みを浮かべている姿を見てリナは周りを見た後にその場に静かに座り込む。リナはそこまで怒りにずっと満ちていたがこの時初めて笑みを浮かべた。

 

「ごめんよ…お前たちはこんなにも私を愛してくれていたのに…私は…」

 

 溜まっていた涙がブラッキーたちに対して漏れていく。ポータウン郊外の雨が図ったかのように止みそして眩い太陽がキョウスケ達を照らす。空に掛かった虹はこれからの道を照らしているようにも感じた。

 

「良かったな…やっと人間に…」

 

「お前涙で顔面崩壊してっぞ?」

 

「うるせえ!このキチガイ!」

 

「誰がキチガイだゴラァ!」

 

 リナがニシノとキョウスケの絡みを見て笑みを浮かべる。もう機械だった彼女はいない。それはキョウスケとニシノも分かっていた。その対面が終わったと同時にポータウン内からイレイナたちが出てきた。その場にザンスの姿はない。

 

「もっと遅く戻ってくると思ったんだがな」

 

「すまん逃がした。私たちが組織の者と戦っているうちに逃げたみたいだ」

 

「仲間を堂々と見捨てる姿は賞賛するぜあの野郎」

 

「そっちは…終わったみたいだね」

 

「いや…まだ終わってない。ザンスとのケリを付けたい」

 

「だってさ。さっきまでザンス様と言っていた奴が…」

 

 イレイナたちの話によればザンスはイレイナたちが屋敷に到達する前に組織の仲間を見捨てて単身テレポートで逃走したという。その事を聞いたキョウスケとニシノは呆れの反応を見せたがその後にレイカが呟いた一言にリナが反応し表情を引き締めて立ち上がった。

 

 それを見た今日キョウスケは彼女を煽るように一言呟いたのだが…それが侮辱と受け取られてしまったのかリナのカビゴンに直接殴られて吹き飛ばされる。

 

 一旦星になったキョウスケだったがすぐに地面から生えてきて復帰した。

 

「あんなに説得してもらって…私どうにかなっていたんだと思う。だからそのケジメみたいなのは付けたい」

 

「お姉ちゃん前より表情が明るくなってるね」

 

「ありがと。えっと…?」

 

「私リャフレ!よろしく!」

 

「…うん。よろしく」

 

 リナの言葉に全員が笑みを浮かべる中でリナの話によれば自身の野望を完成させるためにザンスはポ二島に向かうと言うのがポータウン入るまでに聞こえたという。だったら話が早い。そう思っていた全員がポ二島への段取りを組もうとしたその時だった。

 

「いやポ二には一人で行かせてほしい」

 

「キョウスケ?」

 

「もう一人…ここには全く持って出てきてねえがザンスの他に決着を付けないといけない奴がいるよな」

 

「アイツはエーテルパラダイスの方が…」

 

「そう言いだしたという事は何か考えがあるんだねキョウスケ」

 

「イレイナさん!」

 

 その表情は真剣そのものだった。ザンスを指示していたたった一人の人物がいた。その者は表舞台にこそ一ミリも姿を見せなかったが十分この一件にはケジメを取らないといけない。イレイナの言葉にキョウスケは無言で頷くとイレイナは相当な覚悟を感じたのか一言こう呟いた。

 

「分かった。キョウスケに任せよう」

 

「イレイナさん!本気なんですか?」

 

「彼は我々が思っているより本気だ」

 

「サンキューな」

 

「それはいい。ただ死ぬなよ。命までかけたらお前が必死に救った存在も意味がなくなるからな」

 

「…分かった」

 

 ここの地点でイレイナとリャフレ達全員と別れキョウスケはウラウラを探索していた船長の力を借りてポ二島にへと向かって行った。アローラ地方で軽い気持ちで始まったはずのキョウスケの旅は意外な方面で最終局面に向かおうとしていた。

 

  その結末がどんなものになるのか、それは今の彼らは知らない…




見てくださりありがとうございます^_^
いやあまた頑張って行きますのでよろしくお願いします。
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