よろしくお願いします〜。
ポータウンにてリナの目を覚まさせるという激闘を繰り広げたキョウスケは一息つく間もなくイレイナたちと別れてザンスが向かったというポ二島にへと向かっていた。
船長の船に乗せてもらい船に乗られること30分間。キョウスケはウラウラ島での激闘の疲れからか眠ってしまい、その傍らでは今か今かとキョウスケを起こそうとするキョウスケのポケモン達の姿。
恐らく最後の戦いにはなるだろう。その堂々とした眠った姿に船長の傍らにいた船員たちはかなり驚いたようなそんな様子だった。
「凄い…もう30分ぐらい…ずっと揺られながら寝てますよ」
「肉体的な疲労やなんや精神的な疲れもそうやろ。あんだけ突っ走っていたらそら疲れも無意識に出てくるやろうて」
「もう少しで決戦…なんですよね」
「決戦と言っても何も世界を揺るがすような戦いやない。アローラ地方の面々はほぼ知らん結末で終わるやろうで」
船長の言葉に船員の一人はグッと拳を握りしめる。そこに通りかかった人にとってはキョウスケがやってきたのはただの旅。リナやそしてザンスとぶつかっていたかなんてそんなの知る由もない。
本人たちは一生懸命なのにと他人事でありながらも船員は少し悔しかった。そんな会話が繰り広げられている間にポ二島が眼前にへと迫る。近づいて来た船を見てライトを照らしここに止めてと指示を出してくる住民。
それを船員たちが確認している間にキョウスケはヨクバリスにぶん殴られて起床する。
「あだ!おいクソリステメエ!誰の頭をしばいてやがる!」
「トンカチがあればもっと良い感じで音が鳴るんだろうなぁ!」
「んだとこのリス。細切れにしてやる!」
「喧嘩はそこまでにして下さい!まもなくポ二島です」
「そんなに寝てたのか俺…よっしゃポ二でも頑張るぞい」
キョウスケのポケモン達はヨクバリス以外全員ボールに戻りそして住民から指定された船着き場に案内される。船長達と海に浮く木の板に足を置きながら降りていくと船長達は住民と握手を交わす。
キョウスケも遅れて降りてきたその時だった。遠くでキョウスケの顔を手で作った額縁に収める一人の少女。キョウスケがその少女に近づいてく。
「顔だけで色々な物語をかけそうなアナタ。なるほどパートナーはヨクバリスと来ましたかー」
「何だてめえ!俺のリスを馬鹿にすると言うのか!」
「おっとジョークですよー。こんな島までようこそいらっしゃいませー」
「すいません客人様。この子いつもこんな感じのスローペースでして」
「マイペースじゃね?」
「そーそー。私マツリカ。アナタは知ってますよ。世界で有名な人を倒した人ですよねー」
ポ二島キャプテンマツリカ。服に絵の具を塗ったかのようなそんな感じの服を身に纏い顔や髪にもペンキのようなものが付いている少女。
自分の名前を言いながらその場を家族の者に引っ張られながら去っていくマツリカ。何だったんだアイツと思いながら困惑するキョウスケに対して一人の長らしき男性がキョウスケに話しかける。
「キョウスケ君だね」
「船長教えたか!?」
「いやいや教えとらんて!」
「大体の事情はエーテルパラダイスから連絡があってね。君たちが追ってきた人物はこの村の先にあるポ二の原野に入ったばかりだ。村からの警告を無視して強引に島に上陸していった」
「人数は?」
「その人物一人だ」
「来るのを想定の上か…上等じゃねえかアイツ…!」
パシッと拳を合わせ表情を引き締めるキョウスケ。そのままある程度の人物の言葉を聞いた後にポ二の原野に向かって走っていった。その間に船長が戦いに巻き込まれるかもしれないという事で村全体に警告してほしいというのを伝える。
色々なサポートが得ている間に原野に走り出したキョウスケは少し高めの岩場にてこちらを見ながら座り込むザンスの姿を発見する。
「アナタもしつこいですね…単身で良かったのですか?」
「俺たちの行く道にまとわりつくおめえが悪いんだよ。ここで終わらせてやるぜシルクハット野郎」
「人の名前すら呼べないとは…人はどうしてここまで退化してしまったのか…残念だ」
キョウスケの言葉に思わず失笑したザンスはため息交じりにニヤリとした笑みを浮かべながら指を力強く鳴らす。すると原野全てに電撃が走っていき、ポケモン達が逃げ惑う中でキョウスケの背後には電気で作られた檻のようなものがある。
ザンスも逃がす気が無いというのは今の行動だけでも伝わってきた。キョウスケは少しの冷や汗を拭いそして息を一回飲み込む。顔を思い切り叩いて気合を入れ直すと、ザンスは岩から降りてきた。
ポケモンを構える素振りは一切ない。生身でポケモンと戦うようだ。
「素手かよ…全くトレーナーじゃない奴のやることはよくわかんねえな!」
キョウスケが呆れながらも繰り出したのはガルーラ。ガルーラからも緊張感が伝わってくるが落ち着いてはいるようだ。ザンスがニヤリとした笑みを浮かべると…
「そんな脆い奴が通用しないってこと教えてやる!」
「ガルーラ!かなしばり!」
クラウチングのスタートの構えを取ったザンスは地面を蹴りだしてガルーラに向かって行くと一瞬の間に目の前に迫っていく。だがかなしばりの目線を送った瞬間にザンスが固まったのを見てキョウスケがさらに指示を出す。
「からげんき!」
「そんな小細工!」
ガルーラのかなしばりによる動きの封じ込めをなくしそしてガルーラが自身に向けてきた拳を迎え撃つかのようにザンスも拳を突き出す。両者ぶつかり合ったが力はポケモンの方が上なのは彼も知っている筈。だが押しているのは何とザンスの方だ。
「何!?」
「私をただの人間と勘違いしたようだな!だったらこれは勘違い代で取ってもらおう!」
「ガル!?」
ガルーラの腕を引っ張りながらなんとガルーラを持ち上げそのまま遠くの方にへとぶん投げた。ガルーラは原野の岩壁に衝突した後にザンスはシルクハットを取りながらキョウスケを横目で見ながら…
「驚くのはこれからだ」
「まじかよこいつ…」
「行くぞ!」
「ガルーラ!きしかいせい!」
ザンスが地面の一部分に穴が空くぐらいに強く足をけり出すとそのままジャンプしていき、空中で拳を握りしめながらガルーラが受け身の構え。
ガルーラの腕にザンスの拳が命中しガルーラの後方の岩に一気にヒビが入っていく中でガルーラはザンスの攻撃を受け流すと拳をザンスの顔面に叩き込み、そのまま地面に向かって殴りぬく。砂浜の砂を霧のように巻き上げながら着地したザンス。
ガルーラも一撃一撃が重いからかかなり息を切らしている。あのパワーは一体…?指示しているキョウスケの頭もかなり混乱していた。電気によって近づけないが船長達もその様子には驚くばかりで…
「何やアイツ!あんな動きできるんかいな!?」
「人間じゃない…でもポケモンの力を入れた素振りも…」
「お前…人間じゃないなザンス!」
「ほう?何故そう言い切れる」
「ポケモンを圧倒するその動きと…隠されていて分からなかったな。人間みたいに目に水分がない…この世界にあるとは思わなかったけどよ…!」
ザンスは目が機械染みていてさらにスーツが破けた足は鉄のような色をしている。人間のような色をしていると言えば腕だけだろうか。でも血管の見え方が普通の人間のように見えない。何かが気持ち悪いぐらいに脈打っている。
「そう…私はサイボーグ。この世の中で最も優秀な科学者にして…アナタの兄であるイシジマの制作の者です」
「ッ!」
「イシジマ?」
「制作した機械たちで人を殺しまくった殺人犯や。死刑囚となってそのまま…」
「ここでそいつの名前を聞くとは思わなかったぜ…あの機械の生き残りって訳か!」
キョウスケの家系には親と3人の兄弟がいる。次男キョウスケと長女レイカ。ここは何にもない家系なのだが二人より先に6歳上でいたのがイシジマ。
キョウスケがジムチャレンジに挑んだころにはカントー地方におりミュウツーを作り出したプロジェクトに関わっていたと言われている。そしてどこかで調子に乗ったイシジマは自身に従順な機械たちを作り出し、暇つぶしに街に放出。
その暇つぶしが無数のポケモンと人の命を奪い彼は投獄され死刑囚となった。だがその死刑はキョウスケがジムチャレンジが終わった時に執行され既に亡き人物。ザンスはその機械の生き残り。暇つぶしで人やポケモンを殺していたあの機械の生き残りなのだ。
「その通りですよ」
「ザンス…あの族だけは生き残らせるわけには行かねえ…お前をここで終わらせてやる!」
「やれるものならね!」
「ガルーラ!のしかかり!」
「下等なポケモンで私に勝てると思っているのか!」
ガルーラがジャンプしてザンスに降りていく中でザンスはガルーラの体を地面にヒビを入れながら踏ん張るとそのままガルーラの足を掴みそして思い切り地面に叩きつけた。ガルーラがその地面を叩きつけられたので戦闘不能となった。
「ガルーラ!」
「お楽しみはこれからでしょう…ねえ!イシジマの家系よ!」
堂々と指さしてキョウスケに言い張るザンスを見てキョウスケは少しのいらつきがあったものの、心は意外と冷静であの力をどうするかをキョウスケはかなり考え込んでいた。
大きく息を吐きそしてキョウスケはガルーラをボールの中に戻し2体目で繰り出したのはテッカグヤだった。急に現れたウルトラビーストに驚く住民たちだったがキョウスケに従っている様子があったため何も言わなかった。そもそも電気で近寄れないのでどうしようもできない。
「さっきの電気が余程目に入らなかったようで…!捻りつぶしてあげます!」
「テッカグヤ!みがわり!」
「何!?」
テッカグヤが身代わりに変貌しそしてザンスが電撃で作った槍をテッカグヤにぶん投げたその瞬間だった。身代わりに槍が命中しそのまま身代わりに突き刺さっている。ザンスが歯を食いしばっている間にテッカグヤが出現し…
「タネばくだん!」
マシンガンのような感覚でタネばくだんを投下していくテッカグヤ。ザンスは走り回りながらタネばくだんを回避していくと少しふらつき倒れかけたところで逆立ちのような態勢となり両手を思い切り地面に押して、テッカグヤの元へ。
思い切り蹴りを入れるがまだ身代わりで身代わりが攻撃を受けて消滅。そこでテッカグヤがザンスに向かってエネルギーを溜め込んでいるのが目に入った。
「っ!」
「テッカグヤ!てっていこうせん!」
テッカグヤの両腕から放たれた光線は空中に無防備の状態となったザンスに命中しそのままザンスを飲み込んだまま先ほどガルーラが叩き込んだ岩壁に叩きつけた瞬間に大爆発を巻き起こす。とんでもない爆風で全員が息を吞む中でキョウスケが息を吹いていると…
地面に少しボロボロの状態で落下してきたザンスだったが平然そうに首を回している。これにはキョウスケは苦笑いを浮かべるしかない。機械の部分が丸見えになる中でザンスがニヤリと笑い…
「このくらいじゃあ俺は倒れん!消し炭にしてやる!」
「来るか!テッカグヤストーンエッジ!」
ザンスが手に電気を纏った槍を再び作り出し、声を張り上げながら前に足を踏み出し思い切りテッカグヤに向かって槍をぶん投げる。槍はテッカグヤが作り出した岩に命中したがそこから爆発しテッカグヤを感電させた。
テッカグヤは僅かその一撃でウルトラービーストが陥落するという一撃。キョウスケは息を吞みテッカグヤをボールに戻す。
「あまい…あまいあまい!そんなもので本当に決着を付けると思っていたのか!」
「なんて奴だ…あれあの野郎の本気…」
「か、勝てるんでしょうか…」
「勝てるんでしょうかって…お前…サイボーグと対戦したことあらへん分からへん…」
「しっかりしてくださいよ船長!」
ザンスがニヤリとしながらキョウスケに近づいてくる中でキョウスケは息を吞みながら繰り出したのはまたしてもザンスの電気を喰らってしまうミロカロス。ザンスはニヤリと笑った。
それはそうだ。不利な属性に挑みに行っているわけだから。キョウスケの背中をミロカロスはポンと叩き…
「怖がってるのバレバレか?流石に人間じゃねえのと対するのは初めてさ。力を貸してくれ」
「クウ!」
「何しようが一緒…蹴散らしてやる!」
「絶対この先には行かせねえ…ここで終わらせてやる!」
ザンス対キョウスケ。ポ二島で始まった最終決戦はキョウスケ劣勢でスタート。だがボールの中で小さく牙を研いでいる一匹のポケモンが戦況をずっと見つめていた。そのポケモンが最後の希望となるとは知らずに…
見てくださりありがとうございます。
またよろしくお願いします〜。