とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

66 / 80
おつおつ。お疲れ様でございます。
今回もやって行きますよお。


穏やかな心を持ちながら…後のセリフなんだったっけ

「アローラライチュウ…!」

 

「でも…!無敵のヨクバリスでもカプでも敵わなかったんですよ!?ライチュウで勝ち目は…!」

 

「いや…ライチュウはザンスとタイプが一緒。これまで繰り出したミロカロス、テッカグヤみたいに不利で立ち回る心配はない」

 

「こざかしい…だったらその最後の希望を蹴散らしてくれる!」

 

「来るぞライチュウ!」

 

 ザンスはライチュウに対して高らかに笑った後に足元を蹴りだすとライチュウに向かって拳を繰り出していく。ライチュウはキョウスケの言葉に頷くとそのまま尻尾を出して攻撃を受け流す。

 

ザンスはこの仕草に驚かせられたがさらに驚いたのはその後だった。ライチュウはニヤリと笑いながら懐から星を繰り出しザンスに投げつけた。ザンスに直撃した星は電気を帯びていたがザンスはすぐに電気を取っ払うと思わず驚いた表情でライチュウを見る。

 

「今のはスピードスター!?何故電気を纏わせられる!?」

 

「ライチュウ!サイコキネシス!」

 

「ライ!」

 

「小賢しい!」

 

 ザンスが驚きながら手からビームを放ってこようとしたその時だった。ライチュウが放った念力がザンスを拘束し思い切りザンスを空中に打ち上げる。

 

 打ち上げられたザンスがそのまま空中から地上に戻ろうとしたその時にライチュウが構えさせていたスピードスターが地上からザンスのいる空中に向かって打ち上げられて行き星がザンスの体に直撃。電気を何個か喰らいながらザンスは地上に落下した。

 

 ザンスが歯を食いしばりながら状況を整理しようとしたが当のライチュウは余裕そうにこちらを見つめている。そのライチュウの攻撃に混乱しているのはザンスだけではなかった。

 

「何やあれ…ホンマにポケモンの技なんか!?」

 

「スピードスターはノーマルタイプの技…フェアリースキンみたいに技のタイプを変えられるならまだ分かるけど…」

 

「なんなのだそのライチュウ…!調子に乗るなぁ!」

 

「ライチュウ!なみのり!」

 

 ライチュウは地面を叩きつけるとそのまま波を海の方から水面の方から引き起こす。だがその起こされた波にも電気が帯びておりザンスはかわし切ることが出来ずにそのまま直撃。だがザンスは敢えてかわさずに目の前にいたライチュウを強襲。

 

 思い切り殴り飛ばしたのだがその瞬間ライチュウの体がゴムになったかのように思い切り伸びそして下半身だけがその場に残り、上半身だけがザンスにぶつかりザンスを吹き飛ばす。

 

「チュチュ!!」

 

(馬鹿な…私は…何に押されているんだ…あれは何だ!ポケモンなのか!)

 

「ライチュウ、スピードスター!」

 

「ライ!」

 

 ライチュウが高笑いした後にザンスに視線を戻すとその場に浮遊し尻尾だけを動かして星を発生させるとそのままザンスに向かって投げつける。左へ右へかわしながらザンスは若干しゃがみ込んだ姿勢から地面を抉りながらライチュウに向かって行くとライチュウを2回殴りつける。

 

 ライチュウは今度こそ吹き飛ばされたが一瞬星になって吹き飛んで行ったあとに地面からザンスの真下から出てきてザンスの腹に頭突きをかます。

 

「くそ…まるで俺みたいな動きしやがる…楽しいなライチュウ!」

 

「ライ!」

 

「この電気ネズミがぁ!」

 

 ザンスが体中に電気を纏わすとそのまま再度拳を握りしめてそのままライチュウに殴りにかかる。ライチュウは笑顔を崩さないままにしゃがんでザンスの攻撃をかわすとザンスが纏わせていた電気だけを掴んで縄のように作り出すと鞭のようにしならせてそのままザンスにぶつけていく。

 

 ザンスは電気を掴もうとしたが電気がすり抜けていき顔面にぶつかった。顔に焦げた跡が付く中でザンスはライチュウから距離を取る。

 

 一体自分は何にやられているのか。それが全く持って分からないまま。だが微かながらその様子を見ていた船長は誰の動きをしているのかを察していた。

 

「そうか…兄ちゃんや…ライチュウの目の前にいる…どうりで動きが似てるわけや」

 

「兄ちゃんってもしかしてあの人の!?」

 

「ポケモンであの動きは不可能と思ってたら…いたわ兄ちゃんのヨクバリスが似たような動きしていた」

 

「ヨクバリス…確かにふざけた時に似たような動きしてましたけど…」

 

 流石にあのヨクバリスでもバトルするときはふざけた動きを一切してなかった。船長達が見たピチューはそのような動きを一切してなかったのも事実。だが目の前でそれが起きている。

 

 ライチュウは実際に誰にも真似できないような動きでザンスを翻弄し苦戦させている。ザンスは息を切らしながらも頭は混乱状態だった。ずっと自問自答で自分は何にやられているのかが分からない。

 

 拳を握りしめると歯を食いしばりながら地面を叩きつけ電撃を流し込んでいく。ザンスの電撃を見たライチュウは持ち前の尻尾でサーフィンするかのように電撃に尻尾を付けるとそのまま滑っていき…

 

「ライチュウ、エレキボール!」

 

「チュウ!」

 

 ライチュウはザンスが放ってきた電撃を吸収するとそのまま一個の電気を纏ったボールにへと作り上げてそのままザンスに向かって投げつける。ライチュウのエレキボールをザンスは腕で食い止めそして自分の腕の中でかき消した。

 

 余裕のライチュウに対して息を切らすザンス。その中でザンスは服を破り捨てそしてシルクハットも脱ぐと自分の周りに電気を発生させ…

 

「来い…ここからは手加減なしだ。舐めた代償は受けてもらう」

 

「そんな事関係ねえさ。コイツは誰よりも自由なライチュウだ。そんな舐めたとかそんな常識一切通用しねえ。最後までふざけ倒すぜライチュウ!」

 

「チュウ!」

 

 ザンスの体の筋肉がさらに増大しそれは筋肉から血管が分かるぐらいに。ザンスがニヤリと笑う中でライチュウも余裕の笑みを浮かべる。自分とヨクバリスを見てこんな感じに成長したライチュウを見てキョウスケは笑みを浮かべる。

 

 ザンスは地面を叩きつけ地面をひび割れさせていくとそこから炎が発生。ライチュウは尻尾で空中を浮遊しながらザンスを空中越しに見据えると…

 

「ライチュウ、なみのり!」

 

「お前がそう来るなら!俺はこうだ!」

 

 ライチュウが尻尾を振り上げると突如雨雲が発生しそこから大量の雨粒がザンスに向かって行く。その中でザンスは念力で水面の近くに埋まっていた巨大な岩を掴むとそのままライチュウに向かってぶん投げていく。

 

 雨粒で岩が削れていく中でザンスは地面から思い切りジャンプするとそのまま岩を経由してライチュウの元へ。ライチュウの体を掴むとそのまま声を張り上げながら地面に叩きつけた。

 

「ライチュウ!」

 

「これで終わりだぁ!」

 

 地面に叩きつけられているライチュウに対してザンスは思い切り殴りつけると地面からマグマのようなものが噴出したとともにその場が大爆発が起きる。村まで被害が及びそうになったが村に行ったのは爆煙のみ。

 

 全員が息を吞む中で黒く焦げた地面にはライチュウの姿はなし。そのまま粉々になったかと思えばライチュウはいつの間にかザンスの後ろへ。

 

「馬鹿な…!」

 

「ライチュウ!エレキボール!」

 

「させぬわぁ!」

 

 ライチュウが尻尾を振り上げた瞬間にザンスの拳がライチュウの顔面に炸裂しライチュウの上半身だけが吹き飛んでいく中でライチュウの上半身がゴムのように再度ザンスの元に戻ってきてザンスに直撃。少し吹き飛ばされる中でザンスはライチュウを見据える。

 

「私はイシジマの最高傑作!欠陥品の貴様なんぞに!」

 

「ライチュウ!再度エレキボール!」

 

「チュウ!」

 

 ライチュウが空中に行きそして雨雲を作り出しそして電撃を喰らいそのまま身に纏う。尻尾を中心に電気のボールを作り出す。ザンスはもはやライチュウの元に向かって来ようとはせずにライチュウのエレキボールを受け止める構え。

 

 ライチュウはザンスに向かってエレキボールを落としていく。エレキボールはザンスに向かって行きそのままザンスの腕に直撃。ザンスのいる地面がどんどんひび割れていく。

 

「人間に服従したポケモンなんぞに!」

 

「部下の気持ちも分かってやれねぇような奴に…!世界を道連れにしようとしたような奴に!」

 

「好き勝手言われて言われてたまるか!」

 

「ぬああ!負けると言うのか!最高傑作の私が!下等生物なんぞに!」

 

 ライチュウのエレキボールがザンスの体に直撃していく。ザンスの体からあちこち火花が散りそしてキョウスケにとっては兄が残した最後の遺品。最後は無言でグッと拳を握りしめた。その瞬間にザンスの断末魔と共に大爆発が巻き上がり、その場が光に包まれた。

 

 その光はエーテルパラダイスにてある程度の決着を済ませたレイカ達の船からでも見える程。そしてその爆発からの爆風はレイカ達が乗っている船を大きく揺らした。

 

 村にいた船長達や船にいたレイカ達。さらに村の民達が息を吞む中ゆっくり爆煙が晴れていくとそこには若干爆風に巻き込まれ黒くなっているキョウスケとその場でへばっているライチュウの姿が。それを見た民たちがキョウスケの勝利を確信し歓声を上げた。

 

「わざわざ近くまで来てどうした。私に殺されたいのか」

 

「ギャグ作品なのに物騒な言葉使いやがる。こんだけ見知らない島で暴れ散らかしてまだ不完全燃焼ってことかよ」

 

 歓声が大きく湧き上がる中でキョウスケはゆっくりとザンスの体が落ちて行った場所にへと近づいた。へばっているライチュウの傍にミロカロスらが待機する中でキョウスケはヨクバリスと共にザンスの元へ。

 

 まだ刃を向けて来そうなザンスに対してキョウスケは見下ろしながら苦笑いを浮かべている。キョウスケの言葉に鼻で笑ったかのように溜息を吐いたザンス。

 

「完敗だよ。イシジマは言っていたんだ。俺の弟には立派な正義感と優しさを持った奴がいると」

 

「兄貴が…」

 

「それをまじまじと見せつけられた。お前は正義感は重要なときにしか出さないみたいだがな」

 

「ずっと出していたら作品として盛り上がらないだろ」

 

「何の事やら…」

 

 ザンスの上半身だけがキョウスケの前にある。もう再生する力も残っていない。ザンスが爆発したと同時に元々発生していた電気は消え失せ、一行の目線はザンスの元にいるキョウスケそして一緒に戦ったミロカロスたちに向いていた。波の音が静かに鳴り響く中でザンスは目を瞑りながらキョウスケに一言を残す。

 

「イシジマの言うとおりだ…お前は…立派なポケモントレーナーだ。その優しさ…正義感…消すんじゃないぞ」

 

「敵に言われるまでもねえ」

 

「ふん…そう…だったな…」

 

「あばよ…兄の最高傑作さんよ」

 

 ザンスはそのままチリとなって消滅する形となった。チリとなって空中に流されているのを見てキョウスケは一息吐くとヨクバリスの方に頷きを入れゆっくりとその場から離れていく。

 

 村に戻ろうとしたキョウスケに全力ダッシュで近づいてくる人物が二人。リナとリャフレだ。今にでも鳴きだしてしまいそうなぐらいに笑顔を浮かべながらキョウスケに抱き着いて来た。

 

 キョウスケはそのまま押し倒される。

 

「お前ら…!びっくりするじゃねえか…!」

 

「良かった!本当に良かったよキョウスケ!」

 

「せっかくここまで来たのに死んでしまったら私…!」

 

「随分モテモテですなあ兄弟」

 

「誰が兄弟だゴラァ!」

 

 二人に抱き着かれながらキョウスケの目の前に現れたニシノに煽られたのを見たキョウスケは思わずゆっくりリナとリャフレを吹き飛ばすとそのままニシノに絡みだしたが、その状況を見届けたイレイナはその場から去ろうとする。そんなイレイナにレイカが声を掛ける。

 

「帰るんですか?」

 

「ああ…私は元々部外者さ。そこまで肩入れする必要はない」

 

「そうですか」

 

「キョウスケに一言お願いしてもいいかな。妹さん」

 

「はい?」

 

「カントーで待っていると。そこで勝負しようと」

 

 イレイナの言葉にレイカは静かに頷くとそのままイレイナはその場からリザードンに乗って去っていった。キョウスケの周りに色々な人が感謝を伝えていく中で、空中に浮かび出したカプ・ブルルをキョウスケの視線は見据える。

 

「ブルル…」

 

(キョウスケと行ったか。お主の旅は一旦終了となるのだな)

 

「こんな予定じゃなかったがな」

 

(それは我も一緒だ。余興にしては楽しかったぞ。機会があればまた会おうではないか)

 

「行っちゃうのブルルさん!?」

 

(また会えるさリャフレ。人間達と仲良くな)

 

 ブルルはそう告げるとその場から去っていく。リャフレは手を振る中でキョウスケはニヤリとした笑みを浮かべる。そんな中でイレイナとの会話を終えて戻ってきたレイカとハイタッチを交わすキョウスケ。やり切った両者の笑顔は太陽のように光り輝いていた…




見てくださりありがとうございます。
またよろしくお願いします〜。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。