とんでもない馬鹿が世界を巡るそうですよ?   作:命 翼

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お疲れ様です命です。まあこちらもボチボチ更新していきます。


お前!何か勘違いしてないか!これはバトル系じゃないんだゾ!

「あのトレーナー…緊張してるね」

 

「何で分かるの?」

 

「勘って奴?」

 

 ワカシャモの技をヨクバリスが受け止めたのを見て辺りが騒然する中で口を開いたのは宿を取って戻ってきたヒガナ。ハルカがかいていた冷や汗を彼女は見逃さなかった。

 

 リナが問いかける中でヒガナは一瞬首を傾げながらもどこか寂しげにそう呟く。キョウスケもあぶねえと一言呟く中で…

 

「重症だったらどうするつもりだったんだこの野郎!」

 

「ワカシャモ、すなかけ!」

 

「守りに入らせてたまるか!ヨクバリス、10まんばりき!砂をかき消せ!」

 

 ワカシャモがヨクバリスから離れて砂をかけてくる中でヨクバリスは両腕を地面に叩きつけてその振動でワカシャモの砂をヨクバリスの頭上に散らす。そしてやられっぱなしのキョウスケが黙っている筈もなくヨクバリスに指示を出す。

 

「もう一度10まんばりき!」

 

「みきり!」

 

 ヨクバリスが地面を蹴りだして突撃してきたのを見てワカシャモは守りの態勢に入る。ヨクバリスが思い切りワカシャモに突進を食らわせたが守りの態勢に入っていたワカシャモは多少その場から動かされながらも踏ん張り切る。そんな中でワカシャモにハルカが指示を出す。

 

「スカイアッパー!顔面に喰らわせて!」

 

「ここで決めんぞヨクバリス!カウンター!」

 

「シャモ!」

 

 ヨクバリスの頭上に飛び立ったワカシャモは思い切りヨクバリスに向かって拳を握りしめヨクバリスを思い切り殴りぬく。カウンターの構えに入っていたヨクバリスは顔面でその一撃を吹き飛ばされることなく耐えきるとワカシャモの体を掴み、ハンマーのように振り回した後に地面に思い切り叩きつける。

 

 若干出てきた砂煙が晴れると底には戦闘不能となっているワカシャモの姿があった。

 

「ワカシャモ!」

 

「どうだ!俺のヨクバリスはそこらへんのマッチョよりも強いぜ!」

 

「キョウスケ楽しそうだね」

 

「逆に焦っていないとでも言えるかな。みんなが言うガリュウを倒したってのが本当なら。経験の差が出ているとでも言えるんじゃないかな」

 

 ワカシャモを戻したハルカは次にオオスバメを繰り出す。呼び出しのベルは残り4分と書いてある。このままでは経たなくても終わるんじゃないかと周りがキョウスケの一撃での攻撃に盛り上がる中で一人ため息を吐く。幾ら何でも実力の差が空き過ぎている。

 

 あれじゃあただポケモンを戦わせているだけだと。ハルカは焦りの色を見せつつもオオスバメに指示を出す。

 

「オオスバメ、でんこうせっか!」

 

「ひこうタイプなら…!ヨクバリス、こおりのキバ!」

 

 オオスバメが羽根の音を響かせた瞬間にヨクバリスの体に衝突しヨクバリスをその場から少しだけ吹き飛ばしたがそんなのなんのその。ヨクバリスはすかさず反撃の構えを取るとオオスバメに噛みつく。そして噛んだままハルカの元に吹き飛ばした。

 

 オオスバメは一瞬耐えた素振りを見せたがそのまま戦闘不能に。その場にいる全員が盛り上がる中でハルカはオオスバメを戻し次に繰り出したのはサメハダーだった。

 

「凄いなぁ…!本当に強いんだなあの人!」

 

「これを無料で見れるのか!すっげえ!」

 

「黙っては終わらない!行くよサメハダー!私たちの意地を見せる!」

 

 黙ってその場を見守っていたトレーナーたちが拍手を送りだす中でハルカは軽く深呼吸をした後で軽くリボンに手を掛けた。するとリボンが光始めサメハダーが声を上げる。

 

 案外ぼーっと見ていたヒガナが驚きを見せる。リナは何をしたんだとばかりにキョロキョロしていたがこれにはキョウスケも苦笑い。殻のようなものに包まれたサメハダーが次に出てきた瞬間に姿が変わっていた。

 

 そうメガシンカだ。ただの初心者トレーナーかと思っていたトレーナーたちもこれには唖然とする。

 

「マジかコイツ…!」

 

「サメハダー!つじぎり!」

 

「ハダッ!」

 

「押し返すぞヨクバリス!ギガインパクト!」

 

 サメハダーが突撃してくる中でヨクバリスもオーラを溜め始める。そして両者が激しい火花を散らしながらぶつかり合う中で押し切ったのはヨクバリスだった。サメハダーは壁にこそは当たらなかったが席に陣取っている客の前まで吹き飛びまだ倒れまいとヨクバリスに牙を剥ける。

 

 ヒガナもつまんなそうにしていたが笑みを浮かべる。キョウスケもニヤリとした笑みを浮かべた。

 

「耐えきったか…!」

 

「サメハダー、こうそくいどう!」

 

「次で決めるぞヨクバリス!10まんばりき!」

 

「クイックターン!」

 

 地面に両腕を叩きつけようとしているヨクバリスに向かって行くサメハダー。地面からの振動でサメハダーが空中に押し上げられそのままメガシンカの状態も解除となり力なくヨクバリスの前に落下し戦闘不能となった。

 

 ハルカがサメハダーの前に駆けつける中でキョウスケは一息をついて安心した表情を浮かべる。周りから拍手が送られる中でキョウスケがしゃがみ込んだハルカに手を差し伸べ…

 

「ナイスファイト。またやろうぜ」

 

「流石にお強いですね…手も足も出ませんでした」

 

「メガシンカには流石に驚かせられた。やってこねえと思ってたからよ」

 

 ハルカがサメハダーを戻し苦笑いを浮かべる中でちょうどいいタイミングでベルが鳴り響く。ヒガナとリナが立ち上がる中でヒガナが戻ってきたのに気が付いてなかったキョウスケがヒガナの存在を見て驚きを見せる。

 

「あれ!?お前いつの間に!?」

 

「人を亡霊みたいに扱うのやめてくれる?とりあえず3人前頼んでくれたんでしょ?取りに行こうよ」

 

「お、そうだな。それじゃ…ハルカって言ったか。またバトルしようぜ!」

 

「…はい!」

 

 チャンポンを取りにキョウスケとヒガナそしてリナで向かったのだが何故かチャンポンを作っていた店主が涙を無言で流していた。顔をしかめっ面で涙を流している姿にキョウスケは思わず二度見したがチャンポンを受け取る際に店主から…

 

「感動したッ!こんな強いトレーナーを見たのはユウキ君以来だ!」

 

「う…うっす…」

 

「遠慮なく食べてくれ!汗と涙の結晶だ!」

 

「こ、こんな感じだったの最初から?」

 

「大体こんな感じ」

 

 ヒガナが若干引いたような反応を見せる中でチャンポンを受け取った三人はそのまま席へ。その間にハルカはその場からいなくなっていたみたいでキョウスケは少し周りを見渡してみたがその姿は無かった。

 

 席に座りチャンポンを食べようとしたその時だった。3人ぐらいの子供がキョウスケの前に駆けつけ…

 

「あの!サインください」

 

「…俺?ヒガナの方がいいんじゃないか?ホウエンでは有名人なんだろ?」

 

「そこの人は知らないです」

 

「私を巻き込むな。てか教えてないんだから知らなくて当たり前だろ」

 

「えー!?」

 

「いちいちうっとおしいな!さっさとサインしてやりなよ!」

 

 子供たちの帽子に受け取ったボールペンでサインする中で子供たちは嬉しそうに親元に戻っていく。今俺サインしたんだよなとばかりにヒガナとリナの方を見つめるキョウスケ。

 

 リナは頷いたがヒガナは若干表情が不気味な笑みに変わったキョウスケに対して呆れながら一言。

 

「きもい」

 

「サイン貰った奴が!きもい!?」

 

「きもい」

 

「いいから食べようよ」

 

 キョウスケが首を傾げながらチャンポンに口を付けていたがヒガナから受け取った言葉はチャンポンを食べ始めた瞬間に消えたようだ。そして食事中にリナが二人に向かって一言呟く。

 

「みんなガリュウって言っているけどそんなに強い人だったの?」

 

「40年間無敗だったとか…今勢いのあるイレイナのお父さんらしいよ」

 

「イレイナってそんな強いのか?アローラで見たが…」

 

「ポケモンの雑誌は全てアイツだよ最近。父みたいに無敗を重ねているらしいよ」

 

 キョウスケにとってはイレイナは見たぐらいの人物だった。ヒガナの言葉にふーんと流すかのように返しつつ一瞬考え事をしたがすぐにその考えを消して食事に集中した。

 

 周りから何言っているか分からない言葉が聞こえてくる。先ほどの子供たちを中心とした親子の会話だ。キョウスケは横目で見てみたが本当に嬉しそうだ。

 

 その姿を見たキョウスケは二やつきながらチャンポンを食べ終わりそして店主の元に皿を返しに行った。その時先ほどサインを求めたうちの一人の少年がキョウスケ達に近づいて来た。

 

「あの!僕キョウスケ選手のファンなんです!」

 

「おお、さっきのサイン少年。ありがとうな」

 

「そのどや顔を消せきもい」

 

「きもい」

 

「おいゴラ!サイン少年の前でキモいってなんだテメエら!」

 

 少年の前でニヤつこうとしたキョウスケに対してヒガナとリナからぶつけられるきもいって言葉。キョウスケは思わずムキとなり二人に反論したが目を輝かせる少年の母親らしき人物が慌てて近づいてきてキョウスケに謝りを入れる中で…

 

「すいません!この子ガラル地方の時からあなたのファンで…!普段はこんなに行動を起こすタイプじゃないんですが…!」

 

「ガラル地方の時から!?え?マジ?」

 

「僕もポケモンを持ってキョウスケ選手と試合がしたいです!これからも頑張ってください!」

 

「人気だねキョウスケ」

 

「少年。だったら俺は少年のファンになるぜ。お互い頑張ろうな」

 

「…はい!」

 

 少年にそう語りかけた後にキョウスケはヒガナとリナに何も言わずにその場から立ち去っていく。ヒガナが何か言おうとしたがその嬉しそうな背中を見たらニヤリと笑うしかできなかった。サインが書かれた帽子をグッと握りしめる少年。リナも凄い人と旅しているんだなと感心するかのようにその背中について行った。

 

 フードコートから立ち去ったキョウスケ達。そんなキョウスケ達の視界に入るかのように一人の人物が壁にもたれかかっていた。

 

 その人物はキョウスケを見つけるとこちらに近づいてくる。

 

「フードコートからとんでもない音がするなと思って来てみれば…ホウエンに何の用だ」

 

「あー!この人空の柱でレックウザ捕まえた人!」

 

「テメエか…レックウザにあんなあざを作った野郎は」

 

 そこにやってきたのはフードを被り正体を隠すように行動していた一人の人物。声でヒガナはすぐにその正体がユウキだと確信した。キョウスケはレックウザのボールが揺れているのが分かった。間違いない。レックウザを捨てたのはこの人物だとキョウスケ自身も確信した。

 

 ヒガナが声を出そうとしたその瞬間にキョウスケは彼の胸倉を掴んでいた。リナが慌てて止めようとしたが…

 

「残念ながらこのぐらいされて当たり前の奴でな。ホウエンに何の用?フエンのばあちゃんやじいちゃんに合う用事もあるが。たった今決まった。テメエをぶっ飛ばす目的もな」

 

「貴様…!」

 

「いいか!今回は実力行使で行ったが今度はポケモンでお前をぶっ飛ばしてやる!首を洗って待ってろよチャンピオン様よ」

 

 キョウスケが投げ飛ばすとそのフードが取れた。周りには偶然にも人はいない。リナはその様子を息を吞みながら見守っていたが早々にユウキを見つけるという目的が果たされたヒガナだったが、強引にその場から立ち去っていくキョウスケをリナと共に追いかける。

 

「どういう事?」

 

「アイツはレックウザを縛りそのまま捨てていったんだ。俺のボールの震え方でよくわかる」

 

「そんな…!レックウザは伝説のポケモンなんだよ?」

 

 ヒガナの問いかけに近くにあったベンチに座り込みながら頷くキョウスケ。だがキョウスケ自体にも確信があったとはいえそれはレックウザの反応だけ。その場でもしユウキが何のことだと聞き返してきたのなら言い返せなかったのも現実。混乱し気味のヒガナにリナが語り掛ける。

 

「レックウザには確かにあざがあった。犯人があの人物だというならそうなんだと思う。でも口論になったら不利だったと思う。証拠がないから」

 

「なるほど…」

 

 一言しかヒガナは言い返せなかった。キョウスケのポケモンが確かにユウキと思われる人物にアクションを起こした。ただそれだけ。キョウスケがベンチに座り込みながら頭をかいているのを見て…

 

「元々首ツッコんだ案件だ。私もその証拠集め手伝うよ」

 

「ユウキには会ったんだぞ?」

 

「変な質問はなし!私自身が納得したいのもあるから」

 

 きっと何かしらの事情があるとヒガナも思っていたが問いただすほどの時間が無かった。そして何故彼が姿を隠す感じとなったのか。それを突き止めないと行けないと思っているのも事実。

 

 ヒガナはキョウスケ達と別れるのを一旦やめ再び行動を共にすることに。フエンタウンはキンセツシティのほぼ上を進んだところ。

 

 ホテルで一泊する中でキョウスケはこんな状況とはいえ祖母と祖父に会えるのを楽しみにしていた…




次回はさすがにギャグとか増やします。
今回はまあ…バトル挟んでいたので。ではでは。
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