ホテルにて一泊を挟んだキョウスケ達はキンセツシティを出た後にフエンタウンに繋がる112番道路にへと出た。この112番道路を横に突っ切ったらフエンタウンにたどり着くのだが立ちふさがるのは厄介な段差。そこでキョウスケは112番道路からえんとつ山に繋がるルートにヒガナとリナと共に向かっていた…
「おー…山だ…あんなに山の下でポケモンが生活しているんだね」
「ねえキョウスケ。目の前に見えたじゃん段差みたいな所。あそこレックウザで越えたら良かったんじゃないの?」
「ダメだ。レックウザは胸が付いている奴は乗せたくないと言っている」
「それって私の事かコラァ!」
「次いでに私のポケモントレーナーも乗せたくないって言ってたよ」
「俺と話した時は言ってなかったよなレックウザ!」
リナが興味津々にロープウェイの窓から見える景色を見つめる中でヒガナは112番道路を突っ切れば良かったんじゃとキョウスケに提案したがまさかのレックウザのわがままにより拒否。ついでにキョウスケにも流れ弾が行く事態となり二人でレックウザのモンスターボールを見つめたが当然レックウザからの反応はなし。
山を見つめている間に指定の場所に到着し3人はえんとつ山に下りる。一緒に乗っていた客たちがえんとつ山の方に向かって行くがキョウスケ達は山登りしに来たわけではないので…
「本当に降りるの…ここ…こんな軽装なんだよ?」
「ジャッキーさんみたいに飛び降りたらどうにかなるだろ」
「骨折するわ。てかジャッキーさんって誰!」
「段差が大量にあるから気を付けてって書いてあるよ」
「そら山やから当然やんか。何言うてんねんおーん」
「誰の喋り方か分からないけど無性に腹立つなその言い方…」
えんとつ山の方に向かって歩いて行く客たちを尻目に自分達はデコボコ山道に繋がる道へと歩いて行く。当然112番道路程ではないが段差はある。えんとつ山からの灰が若干舞う中で歩き始めたキョウスケ達。その眼前には危ないから飛び降りないでなどの警告の看板。
そらそうだろと思いながらヒガナが看板からキョウスケに視線をやったその時だった。
一番やっては行けないとされる飛び降りを行っているキョウスケが。リナも気づいていなかったようで二人がキョウスケに視線をやった瞬間にキョウスケが山の石かのように転がっていく。
「ちょ!アイツ何やってんの!?」
「飛び降りたね」
「そんなもん見ればわかるわ!」
飛び降りて転がっていくキョウスケをヒガナとリナが慌てて追いかけていく中でキョウスケは急停止し何かに持ち上げられた。それはボールの中にいたヨクバリスとレックウザだった。キョウスケが転がる度にボールが地面に直撃していたので予想以上のダメージを喰らっていたからか怒り心頭でヨクバリスがキョウスケを持ち上げていた。
「おいてめぇ!今転がったな!?振動ヤバいからやめろって言ったよな!」
「きゅうり!」
「レックウザがきゅうりって鳴いてる!」
「解釈違いじゃない?」
「俺のカップラーメンがこぼれたじゃねえか!どうしてくれんだよ!」
「何でカップラーメン食ってんだよ」
ヨクバリスにつまむかのように持ち上げられたキョウスケは思い切りヨクバリスにカップラーメンが掛かっているのを見て馬鹿にするかのように大笑いする中で、ヨクバリスがキョウスケに殴り掛かろうとしたその時だった。レックウザからの破壊光線がヨクバリスとキョウスケを飲み込みあっという間に体黒焦げの頭アフロとなった。
リナが冷静にその場面を見つめる中でヒガナは呆れたような反応を見せていた。
「あんたぐらいよ。こんな降り方するの」
「何言ってんだ。これは山登りはこうしろってのばあちゃんの教えなんだよ」
「どんだけクレイジーなばあちゃんなんだよそれ」
「じいちゃんはジャンプした際に骨折したって」
「何でしたんだよ」
思い切り段差を飛び降りた先は二つの分かれ道のような場所だったが思い切り転がった影響からか細かな段差がそれなりにある右側のルートに落ちたようだ。アフロを取りそして服の埃を払ったキョウスケはヒガナ達と共に歩き始める中で近くでポケモンの鳴き声がした。
リナが揺れる草むらに視線を向けるとそこから現れたのは軽い山があるようなポケモン。
「どうしたのリナ」
「あのポケモンこっち見てるなって思って」
「そら草むら前であんなに転がっていたら気にはなるでしょ」
「ひょっとしてそれ本気で言っているのか?」
「その発言のどこが冗談に聞こえたんだよ」
現れたのはドンメルというほのおとじめんタイプを持つポケモンだ。普段はのんびりしているポケモンなのだがびっくりしたからかこちらに敵意のような視線を送っている。リナの言葉に答えたヒガナをキョウスケが若干煽るような目線で見つめる中でそんなキョウスケに向かってドンメルから思い切りひのこが飛んできた。
そんな中でキョウスケも何故か出したひのこで対抗し案の定人間が出す技がポケモンに勝てるはずがなく返り討ち。
キョウスケが再び黒焦げとなりアフロを頭に付けた形となった。
「メラゾーマだと?今のはメラゾーマではない。かえんほうしゃだ」
「あんな弱いかえんほうしゃ初めて見たわ」
「ドン!」
「何だテメエ!俺とガンダムファイトで勝負するというのか!」
「そこはポケモンバトルじゃないの?」
「外野は黙ってな!これは男同士の決闘だ!デュエル!」
キョウスケが黒焦げにされたのにまさかのどや顔で発言しているのを見てヒガナが呆れたような目つきで見つめる中で威嚇してくるドンメルに対してキョウスケが顎を突き出しながら身構える。謎に構えたキョウスケが急に黄金に輝き始める中でその傍らにいたヨクバリスも急に表情を引き締める。
「行くぞぉ!吹き飛ばせヨクバリス!」
「おっす!」
何かの光に包まれながら頭だけが出ているという不思議な状態でヨクバリスがキョウスケを思い切り蹴り飛ばす。そのままキョウスケはドンメルの元にまで吹き飛ばされていったがドンメルは軽々とかわした後にキョウスケはヨクバリスの元に落下し大爆発を起こす。
その間キョウスケのボールから出ていたレックウザがヒガナ達を守った中でヨクバリスとキョウスケは地面に埋まった。
そして地面から再びアフロを付けた状態で出てくる。
「くそ…やるな…貴様…!」
「何がよ。かわしただけじゃないドンメル」
「流派東方不敗の技が通用しないとは…!」
「そんな流派あってたまるか」
「ここポケモンの世界だから…」
「メタいことは説明せんでもええ」
ドンメルがキョトンとした表情で周りを見渡す中でドンメルにキョウスケ以外何も攻撃を喰らっていないのにも関わらずボロボロなヨクバリス。思わぬリナの一言にヒガナが呆れながらのツッコミをかます中でキョウスケとヨクバリスはじりじりとドンメルに詰め寄っていく。
ヒガナ達は見えなかったが余程ドンメルから見るキョウスケ達の表情が恐ろしかったのか、威嚇までしていたドンメルが青ざめた表情で一歩ずつ草むらに引き下がっていく。
「お前が始めた喧嘩じゃあ!逃げるな卑怯者!」
「原因起こしたのお前らだろ」
「ドンメ!」
「オムァキサマヲムッコロス!」
「なんて?」
逃げようとしたドンメルを追い込んだキョウスケ達。リナと共にヒガナが何とも言えない表情でその場面を見つめる中で二人の表情が一気に青ざめる。キョウスケとヨクバリスはまだ気づいていない。キョウスケの後ろから浴びせられた鼻息でキョウスケも事の重大さを理解しゆっくりと後方を見つめるとそこにいたのはドンメルの親らしきバクーダだった。
バクーダはレックウザに視線を向けるとレックウザからは「構わんやれ」みたいな感じの首の動き。
バクーダは思い切りキョウスケとヨクバリスに頭突きをかまし二人を星になるまで吹き飛ばした。
「ブオオ!」
「ド派手に吹っ飛んだねこりゃ」
「あ、用事が済んだみたい」
バクーダはキョウスケとヨクバリスを吹き飛ばした後にドンメルと共に草むらの中に戻っていった。そしてヒガナとリナが一旦顔を見合わせた後にデコボコ山道降りるのを再開する中で二人は隕石となってヒガナとリナの前に何故かゴニョゴニョのシガナと共に降り注いできた。
「うわあびっくりした!あれシガナ!どうしてキョウスケと一緒に?」
「ゴニョ?」
「コイツの存在を作っている奴が忘れていたから急に出したのだ」
「メタい事言わないでキョウスケ」
シガナはキョウスケから離れると真っ先にヒガナの元に戻っていく。さりげないキョウスケからの一言にリナが真顔でツッコミ返す中でそんな背後から近づいてくる一体のポケモン。再び後ろにリナが振り返るとそこにいたのは再びドンメル。だがさっきのドンメルとは違い好戦的ではないようだ。
「おい!何だそのドンメルは!再び俺達を攻撃しに来たのか!」
「ドンメ」
「何か持ってるよ?」
「これってまさかバンギラスナイト!?」
ドンメルが口で咥えていたのはまさかのバンギラスナイト。どういう経緯で持っているのか知らないがキョウスケの前にポトリと落とした。キョウスケはそれを受け取るとドンメルは何かに満足したのかそのまま去ろうとする。警戒していた割に拍子抜けしたキョウスケ達。そんな中でキョウスケはニヤリと笑みを浮かべると…
「待てドンメル!」
「め?」
「お前もメガシンカできる!いや俺がさせてやる!」
「め」
「響いていないみたい」
「だったら交渉だ!ボール転がしておくからしたかったら入れ!」
ドンメルの前にモンスターボールをそっと転がしそんなことあり得ないと言わんばかりに見つめるヒガナとリナがいる中でドンメルはゆっくりとボールに近づいて行きそそしてボールに触れてボールの中に入っていった。交渉が上手く行ったキョウスケは高笑いをする中で信じられない様子のヒガナとリナ。
「マジ!?」
「ハッハ!賭けは俺の勝ちだ!どうだヨクバリス!」
「知らんがな」
「んだとォ!?」
「満足したなら降りようよそろそろ夕暮れになっちゃう」
リナがそう促す中でゴニョゴニョのシガナが先に降りていく中でドンメルを加えたキョウスケ達もデコボコ山道を降りきる。112番道路を抜けた先に見えたのは巨大な湯気。レックウザとヨクバリスをキョウスケが一旦ボールに戻す中でふざけ切っていた態度から一変しゆっくりフエンタウン内に入っていくキョウスケ。
その様子を見たヒガナとリナは彼の横につく形でフエンタウンに入っていく。
キョウスケの存在に気付いたフエンタウンの人物がキョウスケに近づいてくる。
「お前ガラルに行ったキョウスケ!?キョウスケじゃないか!」
「お久しぶりっす」
「その隣の二人は何だ?彼女さんか?」
「ホウエン地方を旅してましてね。その仲間ですね」
「キョウスケの敬語初めて見た」
「ガラルの人には使ってるみたい」
キョウスケに話しかけてきたのはキョウスケの叔父のような人物。キョウスケの言葉に納得した感じで肩を軽くたたく。叔父が「ちょっと待ってな」と呟くとそこから叔父は温泉の近くにたまたまいたキョウスケの祖父と祖母を呼んでくる。
「お前キョウ…キョウか!」
「よう帰ってきたねぇ!お仲間さんの方も大変でしたでしょう?」
「い、いやあそんなに…」
叔父に言われるなり歩いて来たのはキョウスケの祖父と祖母。祖母はキョウスケの手を取り嬉しそうにした後にヒガナ達の方を見て一礼をする。ヒガナは苦笑いを浮かべる中でとりあえず家に来いと祖父が語り掛けるとキョウスケ達を自分たちの家に案内しに行く。その際に祖母が…
「この子はね。自分を強く見せる為にとんでもない態度してるって話だけど。本当に良い子でね。迷惑かけることもありますが見捨てないでくださいね」
「余計な事喋り過ぎだってばあちゃん!」
「あらそう?ごめんねぇ」
「家族…か。私家族っていないから」
「私もいないも当然かな。だからちょっとキョウスケが羨ましいや」
キョウスケの照れる姿を見てこの祖父と祖母には本当に態度を気を付けようとしているんだなと悟ったヒガナとリナ。そんな中でキョウスケのボールに入っていたヨクバリスとレックウザさらにドンメルが祖父と祖母に向かって軽く鳴き声を上げる。祖父はヨクバリスの手を取ると…
「お前さんがヨクバリスか!お前さんの話は聞いておる!いやあ孫がお世話になってるな!」
「ポケモンだぜじいちゃん?」
「でもだ。立派なもんだ。ガリュウを破ったってときはこっちの新聞にも載ったからな」
ヒガナとリナにはあまり見せないキョウスケの表情に全員が少し戸惑ったようなそんな表情を見せる中で安心しきったのはキョウスケ。リナはそんな様子を見て軽く笑みを浮かべながら祖父と祖母の家にキョウスケと一緒に入っていくのだった…
見てくださりありがとうございます。
また書ける時に頑張ります。