同じパーティで、いっつもイジワルだったりすぐぼーりょくするひどいひと。だけどきっと だれよりもどりょくをしてるすごいひと。
だからわたしは、あのひとをおたすけしたいとおもった。
「なんだ、コレ」
「だきまくら」
宿屋にて、夕餉(ゆうげ)も終えてこれから自室で研究を進めようとした時、リヴリィに変なでかい人形を渡された。
「ヨウさんとユウシャさんに手つだってもらって、よく寝れるこうそう(香草)を集めてもらったの。それで、そのだきまくらの中にいれた。それできょうからよく寝れるよ!」
「…………いらん」
「ちょ!? せっかくつくったんだから! せめて1回くらいはつかってくれてもいいじゃない!」
「そんなのボクにはいらないって言っているんだ、自分で使ってろ」
「まいあさ、まいあさふきげんなマホーを見るこっちのみにもなってよ! ダメだったらすててもいいから! とにかく1回だけ使って!」
「チッ……わかったよ」
どうやら最近のボクはこんなリヴリィに気を使わせれる程だったらしい、どうにも気に食わないが年下が他人に頼んでまで作った物を使わず捨てるのも目覚めが悪くなるだけか。
そうしてマホーは自室に戻るといつも通り魔法についての本を読みながら、魔法式に対する個人的な考察をノートに書きまとめていた。
紅茶が冷めている事に気が付き、そろそろ寝るかとペンを置き後ろのベッドに振り向く。子供くらいの大きさがある抱き枕に面喰らう。
「美的センスがヨウ・ヘイだったのがまだ救いか……」
そう思いながら諦めて抱き枕を抱いて寝始める、爽やかな香草達が、疲れて熱を帯びてる脳をスーッと休ませてくれるのがすぐわかった。
(これは……悪くない)
思えば産まれて、学校に行き、そして冒険者として活動している今の今まで……どれだけ安息した睡眠を得られただろうか。
故郷は、お世辞にも『貧しくない』なんて言葉をかけれない程だった、進学した後も寝ても覚めても魔法の事だけを追い求めた、冒険者になった今なんて安宿に野宿なんてよくある事だ。何時だって『寝る事よりも優先すべき事』があった、だからこそ睡眠なんてのは『煩わしくも最低限取らなきゃイケナイ存在』だった。だが、コレは──
「リヴリィ」
「あ、マホー…………だきまくら、つかってくださったのね」
「……そんなに普段と違うか」
「ええ、めつきはやっぱりするどいですが……やさしいです」
「そうか……」
「はい! って、コレは?」
「抱き枕の礼だ。ボクがよく贔屓にしてる店のクッキーと紅茶の茶葉、ヨウ・ヘイとユウシャと一緒に食うといい」
「〜ッ! でしたらマホーもいっしょにたべますよ! みんなでおちゃかいです!」
「…………わかったよ、今回だけな」
「はいです!」