異世界から帰還したら、変な化け物が闊歩する日本だったんですけど、これってどういうことですか!?   作:火星で1,000往復

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オリ主(レミエル)VS銀髪オッドアイになります。


30話

 

 カイコさんに助けを呼びに行ってもらい、寮から出てきた銀髪オッドアイと対峙したわけですが。

 目標発見とか言っていたし、やっぱりこの銀髪オッドアイの狙いは僕で間違えなさそうです。

 

 うむむ……これが普通の人間なら、オッドアイに銀髪の美少年からのアプローチなんて両手を上げてウェルカムしたいところなのに。外見だけは敵ながら見惚れちゃうくらいに美少年だからなあ、この銀髪オッドアイ。

 でもその場合、僕が変質者として捕まりそうです。絵面だけ見たら銀髪美少年と絡む隠キャ不審者ですからね。……自分で言ってて悲しくなるから、この話題は切り上げます。

 

 それにしても、こいつそろそろ名前くらいは教えてくれませんかね? 

 僕の方だけ一方的に知られているというのは居心地悪いし、名前教えられてもあえて銀髪オッドアイ呼ばわりして煽りたいとも思うので、時間稼ぎも兼ねて尋ねてみることにしました。

 いきなり戦闘開始よりは、会話することで時間を稼げればそっちの方がいいので。

 

「戦う前に一ついい? 今更だけど、名前くらい教えてくれないかな。僕の方だけ一方的に知られているのは嬉しくないんだけど。戦う相手に名乗るくらいはして欲しいのですが」

 

「自己固有名詞の開示を拒否。解答の必要無しと判断」

 

「何でだよ!? 名前くらい教えくれてもいいじゃん! 何を理由に解答拒否したんですか!?」

 

 というわけで名前を教えてくれと頼んだら、なぜか必要ないと拒否されました。

 いや、何でですか!? 名前くらい教えてくれても良くないですか!? 

 

「…………」

 

「会話のキャッチボールしてよ!」

 

 しかも理由も教えないし。

 この銀髪オッドアイ、無機質なくせに煽りスキルがやたらと高いよね!? 教えないというなら銀髪オッドアイではなく、クソガキシルバーさんって呼んでやろうか!? 

 

「なら僕は今日から君をクソガキシルバーさんと呼びます」

 

「五番組副長個体名称“五木カイコ”、並びに天馬型敵性体の姿を確認できず。救援要請、或いは生存目的による離脱と推測。会話は時間稼ぎが目的と推測」

 

「今度はペラペラ喋るね!? でもキャッチボールになってない──っていうか時間稼ぎの狙いバレてるし!?」

 

 クソガキシルバーさん呼ばわりは流石の銀髪オッドアイもいやだから会話に応じてくれたのかと思いきや、名前の回答を拒否した理由と僕の狙いを当てられました。

 

 そしてやっぱり会話のキャッチボールになってないです。

 こいつ、ちゃんと日本語喋るくせにコミュニケーション取らないのかな? 

 この無機質な喋り方といい、無表情といい、会話拒否して自分の考えとか推理とかばっかり事務的に羅列する喋り方といい──喋り方って二回言っちゃったよ──コミュ障でしょこのクソガキシルバーさん。

 

「君コミュ障でしょ! 見た目良くてもトークつまらないとモテないんだよこの世の中は!」

 

「異性から好意を受けるに容姿も重要要素の一種。目標もまた他者との交流が同世代に比べ少なく、推測するに──」

 

「お前マジでふざけんじゃねえぞ!」

 

『マイヴァンガード!?』

 

 挑発したら、向こうとしては否定と事実の羅列をしているつもりだろうけど僕にとってはトラウマ抉る挑発になることを言われたので、もう我慢できなくなって飛び出しました。

 というか、機械的な口調で小難しい表現にしているけど、要するにこいつ僕のことを隠キャブス呼ばわりしたよね!? 事実だから否定できないけど、クソガキシルバーさんに言われるとものすごい腹立つのでぶっ飛ばします。

 

 結局僕の方から切り掛かるあたり、会話で時間稼ぎできるならしてみようとか思ってた過去の自分を否定する所業だったけど、やっぱりあいつ嫌いだから! もう無理、我慢できない、これ以上の精神的ダメージを受ける前にいますぐあの口縫い付けなければ! 

 ハスデヤから呆れ半分驚き半分の声を上がったけど、僕にだって我慢できることとできないことがあるんです! 

 ……ごめんなさい。短気で我慢できないことの方が多いと訂正します。

 

 宝具の刃を叩きつけるけど、銀髪オッドアイは無傷。

 しかし斬りかかられたのならば──元からバトルするつもりでここに来ただろうから関係ないけど──反撃すると、蹴り付けてきました。

 それを跳躍と翼を使った飛行で回避してクソガキシルバーさんの頭上をとると、今度は上からその銀髪の頭目掛けて踵落としを仕掛けます。

 

「脳天かち割って──かった!?」

 

『かち割れないことくらいわかりきったことではないですか!』

 

 踵落としを受けた銀髪オッドアイは衝撃に体勢が崩れはしたけど、やっぱりダメージは皆無でした。

 そして銀髪オッドアイにはノーダメージ、場合によっては僕の方が自爆するような攻撃をしたことに対し、桃を食べていない僕では攻撃が効かないことなどとっくにわかっているのになんで踵落としを選択したのかとハスデヤから叱責が飛んできました。

 ごめんなさい、頭に血が上っていたんです。

 

「ならもう一回頭から沈んでもらうから!」

 

 ハスデヤの叱責で頭冷めました。

 攻撃は効かなくても戦い方はあります。

 というわけで、銀髪オッドアイが踵落としで崩された体勢を立て直す前に翼を使い一瞬ホバリングしつつ、銀髪オッドアイの後頭部に上からヒップドロップを叩き込んでもう一回銀髪オッドアイの顔を地面に沈めました。

 踵落としで顔は地面の方を向いていたから、銀髪オッドアイからはレミエルのスカートの中身も見えません。

 銀髪オッドアイがそういうのに興味あるかはわからないけど、いい思いなんかさせてやらないぞばーか! 

 

「土でも食べてなよ!」

 

 攻撃が効かなくても、銀髪オッドアイは体格相応の体重しかないから押さえ込んで仕舞えばこっちのもの。

 というわけで、頭を抑えつつ銀髪オッドアイが自慢の怪力で抜け出す前に両手を捕まえ捻り上げて拘束します。

 ワハハ! 参ったかクソガキシルバーさん、これでフィニッシュホールドだ! 

 

「よし、これでフィニッシュホールド!」

 

『油断禁物ですよマイヴァンガード!』

 

「分かって──危な!?」

 

 押さえ込んで調子に乗ったら、ハスデヤからまた叱責が飛んできました。

 直後にフラグを無事回収し、銀髪オッドアイの伸びる両足が飛んできて、それを予期していたかのように飛んできたベカとハスデヤがそれぞれの脚に剣を叩きつけて逸らすことで守ってくれました。

 

『危機一髪、ですね?』

『ほら、言ったそばから!』

 

「ごめん2人とも、今のは本当に助かりました!」

 

 ベカとハスデヤの剣もこの銀髪オッドアイに傷をつけることはできないので切るどころか弾くのが精一杯だけど、それでも助かりました。

 1人だったら今ので蹴り飛ばされてまた形勢逆転するところだったので、ベカの言う通りまさに危機一髪のタイミングです。

 

『こちらは私が!』

『では私はこっちですか?』

 

 一度弾かれながらも鞭のように振り回して僕を蹴り飛ばそうと狙ってくる二本の伸びる脚に、ベカとハスデヤがそれぞれ対応して守ってくれます。

 おかげで僕は銀髪オッドアイを抑え込むことに集中できて、僕たちと違って1人しかいないために助けてくれる相手のいない銀髪オッドアイを抑えて時間を稼ぐという目的を遂行できそうです。

 

 手を押さえた、伸びる脚も仲間が抑えてくれる、そして頭は地面の中。

 両手両足と頭を制圧された銀髪オッドアイはぼっちなので誰も助けに来てくれません。桃を食べてないから傷つけることができない相手にこうして抑え込まれるとは、ぼっちの銀髪は惨めだねざまあみろ! 

 

『はーい、はい! よっ! 通しませんよ?』

『くっ! この! 脚の一本程度、食い止めて見せます!』

 

「時間を稼ぐのが目的だから、弾くのに集中して! 頑張って2人とも!」

 

 べカとハスデヤが奮闘してくれてる中、地面にめり込むちょうどいい銀髪の椅子に座っている僕は今、実に爽快な気分です。

 

「さてと、聞こえているかわからないけどさっきのお返しがまだだったねクソガキシルバーさん? 傷一つ貰わないような相手にこうして椅子にされる感覚はどうかな?」

 

『マイヴァンガード、調子に乗らないように!』

『あっという間にフラグを回収しますよ?』

 

「大丈夫! ここからこの銀髪にできることなんて──あれ?」

 

 ──そして調子に乗って銀髪オッドアイに乗り続けていたためか、ベカ達のいうとおりあっという間にフラグを回収することになりました。

 

 

 

 ベカとハスデヤが銀髪オッドアイの脚をそれぞれ抑えていてくれたのですが、銀髪オッドアイは突然足を引っ込めるといつの間にか姿を消してしまったのです。

 

 突然お尻に敷いていた銀髪頭の感触がなくなったことに困惑した瞬間、形勢は逆転しました。

 僕と同様に消えたことにベカとハスデヤも困惑すると、銀髪オッドアイはその一瞬の隙をついてきたのです

 

 瞬間移動していつの間にか僕の背中に回り込み立っていた銀髪オッドアイは、レミエルの金髪を乱暴に掴み、僕が背後を取られたことに気づいた時には寮の外壁目掛けてボールのように投げつけていました。

 

「──あぐっ!?」

 

 ちょっと待って、何が起きたの今!? 

 本当に前触れも何もなくお尻の下にあった銀髪の頭の感触が消えたと思ったら、髪を乱暴に掴まれて投げ飛ばされてたんですけど!? 今のは本当に訳がわからなかったです。

 

 そして何が起きたか理解する前に、僕目掛けて投げつけられる天使の姿が──

 

「──うごっ!?」

 

『あう──!? ……す、すみません、マイヴァンガード……』

 

 僕のお腹にドストライクで飛んできたのはハスデヤ。

 その向こうではさっきまで確かに地面に頭をめり込ませて抑えていたはずなのにいつの間にか自由になりベカの翼を掴んで振り回している銀髪オッドアイの姿が見えます。

 

 あのクソガキシルバー、エンジェルとはいえ女の子をあんな乱暴に扱いあまつさえ投げ飛ばすなんて……! 

 

 大切な仲間のユニットが乱暴に扱われる光景に怒りを覚えるけど、止めろという前に銀髪オッドアイはその怪力を用いてベカをボールのように投げつけてきました。

 

「やめ──」

 

 銀髪オッドアイに投げ飛ばされてきたベカがハスデヤに激突し、ハスデヤは限界を迎えて悲鳴を上げる間も無く消えてしまいました。

 僕とハスデヤが投げつけられた衝撃で崩れかけていた壁はベカが激突する衝撃に耐えきれず崩れ、僕はベカとともに屋内の硬い床に投げ出されます。

 

「ベカ……しっかり、して……!」

 

『ごめんな、さい……マイヴァンガード……力に、なれず──うぐっ!?』

 

「ベカ!」

 

 手を伸ばした先にいたベカに、銀髪オッドアイがディバインシザースを投げつけてその体に突き刺しました。

 ハスデヤに続きベカもそれがトドメとなり、限界に達して消えてしまいます。

 

 立て続けにユニットたちをやられ、僕の方も銀髪オッドアイのことを笑えない状況になりました。

 ぼっち呼ばわりは口に出して言ったわけじゃないのに……この銀髪オッドアイ、心を読んだ上で意趣返しでもしてきたのかな? 

 

「ぼっち呼ばわりの意趣返しかね……?」

 

『軽口を叩いている暇はないですよ!』

 

「分かってるよ! ライド、“団結の守護天使(ソリディファイ・セレスティアル) ザラキエル”!」

 

『支えましょう、団結の絆!』

 

 冷静さを取り戻すために軽口を挟んで自分を落ち着かせてから、レミエルが限界を迎える前に新たなユニットにライドします。

 ライドしたのは“団結の守護天使 ザラキエル”。レミエルが副長を務める青い翼の天使たちで構成される特殊医療部隊“瑠璃色の守護天使(ラピスラズリ・セレスティアル)”の隊長で、ちょっとせっかちなところもあるレミエルと違って温和で冷静な慈愛の天使様です。

 

『落ち着いて、マイヴァンガード。怒りと焦りは視野を狭くする、統率する者がそれではダメ』

 

「そうだよね、冷静にならないと……なんで瞬間移動できたのか解かなきゃ……!」

 

 ザラキエルの言葉を受けて、仲間のユニットたちを傷つけられたことで湧き上がる怒りを抑えて昂る心と思考を落ち着かせます。

 

 銀髪オッドアイは性急な追撃を仕掛けることなく、ゆっくりとこちらに歩きながらザラキエルにライドした僕の様子を観察しているようにじっとみてきています。

 ライドしても邪魔してこないし、やっぱり僕のことを調べるのが目的みたい。

 

 さっきあいつがどうやって抑え込まれた状態から抜け出したのか、そのカラクリを見つけ出さないと。

 ベカたちをやられたことに怒ってる場合じゃない、冷静になって何があったのか考えなきゃ……! 

 

 両手は押さえていたし、両脚は2人が食い止めてくれていた。背筋で押し除けた訳じゃないし、そもそもあの時はまるで瞬間移動したように消えて、僕の下からいつの間にか背後にいた。

 ──そう。あれは抜け出されたというより、瞬間移動したと言った方が正しい。

 

「瞬間移動……あいつの能力……? でもそれなら前に──前に?」

 

 壁に空いた穴を潜り、銀髪オッドアイが寮の中に入ってきました。

 北海道の時もそうだけど、この器物破損の責任は全部お前にあるからな銀髪オッドアイさんよ。

 

 ……北海道? 

 

 ふと、前に北海道で超大型醜鬼を召喚してけしかけられた時のことを思い出し、僕は一つの仮説が浮かびました。

 

 そうだ、この銀髪オッドアイはあの時現世で襲ってきたし、醜鬼たちをクナドを使って呼び寄せてました。

 それも固定化されたクナドではなく、まるで自在に出現させることができるかのように都合よく出てきたクナドを使って。

 それが偶然銀髪オッドアイにとって都合よく出てきたクナドじゃなくて、コイツ自身がクナドを自由に出現させる能力があるとすれば……? 

 

『──答えが導き出せたようですね』

 

「さっきも自分の下の地面の中にクナドを作って、それを通って抜け出し僕の背後をとったということ。それなら今のだけじゃなくて、サリエルのキャンドルを消したのとか、北海道の時も夜雲さんから逃げ切ってみせたこととかの説明がつく……!」

 

「…………」

 

「君、クナド使えるんでしょ!」

 

 正解を導き出してズビシッという効果音がつきそうな勢いで人差し指を突きつけたところ、銀髪オッドアイはゆっくりと近づいてきていた足を止めました。

 間合いをとる──ではなく、僕の推測が図星だったみたいです。

 

「──肯定。クナド形成機能の利用による奇襲、以後目標に対しては有効性の著しい低下が推測される」

 

 分かりにくい表現だけど、本当に正解みたいです。

 やっぱりコイツ、現世と魔都を自由に行き来する能力まで持ってました。

 

 からくりが分かればこっちのもの。

 普段は隠しているザラキエルの瑠璃色の翼6枚を展開、全力モードに切り替えます。

 

「そうと分かれば戦い方はある! 力を貸して、ザラキエル!」

 

『勿論、私の全力惜しむことなく!』

 

「目標に形態変化を確認。新たな召喚は確認せず。戦闘を続行」

 

 

 

 

 




次回はオリ主(ザラキエル)VS銀髪オッドアイになります。









魔都精兵のスレイブのアニメがスタートしたみたいですね。
(でもNetflixでは見れない……(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`))
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