アー写の撮影が終わって虹夏たちと別れた後、私は気になってたニューオープンのカフェに来た。
落ち着いた内装の雰囲気が気になってて、特に紹介に載ってたカレーが美味しそうだから来てみたんだけど……。
「……ふむ」
うん、まぁ。
別に殊更、美味しいわけじゃないな。
ネチャついた感じの少ないスープカレーで、良くスパイスも利いてるし、具も程よく口の中で溶ける。
総じて、決して味が悪いわけじゃない。
悪いわけじゃないけど……なんだか、味気ない気がする。
これなら家で食べる方が美味しいし……。
……いや、今のなし。こっちの方が全然美味しいわ。
それに、味は置いておくとしても、場所は良いしね。
スプーンを置いて水を口に含みながら、私は軽く店を見回す。
シックで落ち着いた内装に、落ち着いた静かな空間。
雰囲気とか客層は上々、こういうスペースは創作意欲をそそる。
曲の着想を練るには、悪くない場所だ。
欲を言うなら、これでベースを弾く許可が出れば、なお良かったんだけど。
その場で思い付いた音を試せるし……何より、他のお客さんに聞かせてドヤ顔できるし。
お客さんは良い演奏を聞けて、私は曲作りができる。お互いウィンウィンだ。いえい。
「……ん」
ま、流石にそこまではやらないけど。
静かで落ち着いたこの雰囲気を乱してまで弾くのは……。
……いや、それもロックか?
ふと、脳裏に1人の友達の影がよぎる。
夕日の中、頬に大きく走った傷を笑って見せてきた、ロックなヤツ。
チャコならあるいは、雰囲気なんて気にせず、ベースをかき鳴らしたかな。
……うん、しただろうな。なんたってチャコだし。
灰炉茶子。
今年から新しくできた、私の友達。
今年の春に文字通り身一つでSTARRYに駆けこんできたっていうあの子は、そのままアルバイターとして店長に雇用された。
その後虹夏に紹介されて、一緒に仕事をしている内にちょっとずつ仲良くなったんだけど……。
チャコの人となりを一言で表せば……「ロック」だ。
客に対しては横柄に、けれど決して怒らせるラインは踏み越えない態度を取って。
そのくせ清掃とかの仕事は、完璧以上にこなして。
虹夏や店長に対してはすっごく甲斐甲斐しく世話を焼くように接して。
私に対しては……何故か、すごくいっぱいお金をくれる。
チャコは、誰かの視線を気にして行動を変えたりしない。
もっと言うと、誰かに何かを言われても、その軸が全然ブレない。
あの子の中にある何かを目的として行動してて、それが決して揺るがないんだ。
自分勝手で自己中で、盲目的で真っすぐ。
エゴイスティックでグロテスクで、不可避的に人の目を惹き付ける。
それは、その生き方は。
きっと「ロック」と言われるものだ。
そんなチャコだったら、他のお客さんの迷惑なんて、全然気にしないだろう。
「雰囲気とか迷惑とか知ったことじゃないですぅ~!」なんて言って、平然と楽器をかき鳴らすかもしれない。
対して、私は……。
……そこまではやらない、かな。
私とチャコは、違う。
私はチャコ程に、全てを放り投げて自分の目的を貫くことはない。
そこまで……
正直に言うと、少しだけ、チャコのそういうとこに憧れる。
あそこまで自分を貫けるのは、羨ましい。
多分、ああいう子が音楽をやれば、すごく独特な曲を作るんだろう。
それこそ、世界にただ1曲限りの、「自分らしい」曲を。
……私には、作れなかった曲を。
『なんで普通のバンドっぽくできないの!?』
「……『普通のバンドっぽく』、か」
不意に思い出した言葉に、俯く。
半分くらい減ったカレーのお皿を、無意味にスプーンで掻き回した。
ホントはわかってる。
美味しいはずのカレーを美味しく感じないのは、ストレスがあるから。
今に、不満があるからだ。
虹夏は最近、「バンドらしいこと」にハマってる。
1人でグッズを作ってきたり、まだ撮る必要もないアー写を撮ってみたり。
それに……その「バンドらしくありたい」っていう方向性に、私は不満がある。
……わかってる。
虹夏は、売れたいんだ。
お姉さんのために、お母さんのために、STARRYをもっと客で埋めたいんだ。
『私ね、お母さんのためにも、バンド頑張りたいんだ。
私たちがいっぱい売れて有名になったらさ、拠点にしてるSTARRYも有名になるじゃん?
STARRYを、星に届くくらいに歌と音でいっぱいにする。それが私の夢なんだ』
バンドを組む時、虹夏は静かにそう語ってくれた。
ただ売れたくて、バンドをやる。
それは、前に組んでたバンドで、私が音楽を嫌になった理由であり……。
……ただ実家の縛りが嫌になってロックを目指してるような私より、ずっと重い理由でもあった。
そして何よりも、虹夏は「リョウのベースが好きだ」って言ってくれたんだ。
虹夏は、私の音楽は好きでいてくれる。
だからきっと、バンドでも、私らしい音楽を大事にしてくれる、はず。
だから、多少の違いは呑み込んで、これからやって行こうって、そう思って……。
……けど。
『さて、本日のお題はこちらっ! ズバリ、「より一層バンドらしくなるには?」』
『この前思い付かなかったんだけど、まだあったんだよ、「バンドらしい」こと』
虹夏の口から「バンドらしい」って言葉を聞くたび、なんだか嫌になる。
本当にこれでいいのかって、不安になるんだ。
* * *
「……はぁ」
ため息を吐きながら、私はスプーンでカレーを掬い上げようとして……。
すかっと、スプーンが空を切った。
見れば、あれだけあったカレーがほとんどなくなっている。
「…………?」
馬鹿な、直前までそこにあったはずなのに。
思わぬ怪奇現象の発生に、私は思わず周りを見回して……。
そんなことをしている内に、スマホに通知が飛んで来た。
見ればそれは、ぼっちからのメッセージだった。
両親からのヤツなら数十分は放置するところだったけど……ぼっちが私にわざわざメッセージを送ってくるとは珍しい。
どれどれ、内容を拝見……。
『ぼっちです
まだ下北にいるのですが、できた歌詞を見ていただけたりしますでしょうか……?』
なんか仰々しい言い方だけど、要は歌詞ができたから見ろってことか。
今は別に用事なかったと思うし、ちょっと気分転換したかったし、丁度いいかな。
あー、でも、わざわざ出て行くのもめんどくさいわ。
私は「ここにいるから来て」と店の場所を送り付けて、私はぼっちの到着を待つことにした。
あ、でもカレー食べ終わったし、何も頼まずに居座るの、ちょっと気まずいな。
……しょうがない、もう1皿頼むか。
そこまで美味しいってわけじゃなかったけど、ぼっちを待つためにしょうがなく。
しょうがなく、ね。
2皿目のカレーを3割くらい食べて手が動かなくなってきた頃、ぼっちはお店にやってきた。
「あ、へっ、へい大将、やってるゥ~?」
おぉ、なかなかに奇抜な挨拶だ。
ぼっちにロックポイント300進呈。
「ぼっち、こっちこっち」
軽く手招きすると、ぼっちはすぐさま駆け寄ってきた。
なんか顔赤いな。もしかして走ってきた? そんなに急いで見せたいほど良い歌詞できたのかな。
ぼっちが書く歌詞には興味があったから、私は席に着いたぼっちが話し出すのを待ってたんだけど……。
……なんか、気持ち落ち込んだような空気のまま、全然話し出さない。
それでも待つこと5分程、流石に眠くなってきたので、仕方なく口を開くことにした。
「……歌詞、見せてくれないの?」
ぼっちはその言葉にびくりと震えて、おずおずと話し出した。
「あっ、その……えと、さっき、灰炉さんにも、歌詞、見てもらったんですけど」
「チャコに?」
「あっはい。え、まずかったですかね」
「マズくはないけど」
チャコ、ぼっちにゲロ甘だし、全肯定しかしなさそう。
というか、今までぼっちを否定してるとこ、見たことない。
歌詞や曲なんてものは、多くの価値観が重ならないと良いものにならない。
だからこそ、否定されることは大事だ。
ここが駄目、ここが好きじゃない、ここが嫌だ。
そんな風に色んな人が色んな見方をして色んな意見を出して、それらを取り入れたり取り入れなかったりすることで、音楽は良くなってく。
勿論、自分の中で煮詰めることだってすごく大事だ。
でもせっかく誰かに見せるんなら、ただ褒めてもらうだけじゃなくて、気に入らないところも聞いた方が良い。
そういう意味じゃ、チャコは相談相手としては不適切だと思う。
チャコがぼっちの書いた歌詞に難癖を付けるところなんて、想像すらでき……。
「そ、その時、その……灰炉さんを、すごく怒らせてしまったみたいで……」
…………。
「チャコを?」
「は、はい」
「怒らせた? チャコを? 虹夏じゃなくて?」
「え、はい……多分、そうだと思われるというか」
……チャコが、怒る?
それも、ぼっちの書いた歌詞で?
私が首を捻ると同時、後ろの席からガタッと大きな物音がした。
木製のプレートか何か落とした音かな、これ。いや、それにしては大きかった?
いや、そうじゃなくて。
チャコが、ぼっちの書いた歌詞を読んで、怒る。
……いや、やっぱりちょっと想像できない。
チャコはいつだって、無表情だけど楽しそうで、クールなようでノリノリなヤツだ。
これまで私が何をしても、不機嫌になったようなことはなかった。
試しにかなり高額のアンプをねだった時も、むしろ嬉しそうに財布を出してきたくらいだ。
更に言えば、チャコは何故かぼっちに激甘。
ぼっちがどんなことをしても「後藤は偉いね」と褒めたたえることを忘れない、良いトコ探しの達人だ。
そんなチャコを、怒らせる?
ぼっち、どんな歌詞を書いた?
どんな歌詞なら……あのチャコの感情を、動かすことができる?
「……それ、見せてもらっていい?」
「あっはい」
少なからず、興味が湧いた。
一体何が、チャコを怒らせたのか。チャコの感情を荒ぶらせたのか。
ロックは、何も綺麗なだけじゃない。
時には人を苛立たせ、不快にさせ、狂わせるようなモノこそが良いとされることもある。
……少なくとも、毒にも薬にもならない、そこら中に氾濫した言葉よりも、余程。
だから私は、ぼっちがおずおずと出してきたノートを、少なからぬ期待を持って開いて……。
……取り敢えず、サインを書きまくってるページは、後に回すとして。
何度も修正を入れた跡のある、歌詞の羅列を見た。
『もう無理
そう言って進むことをやめた君
果てしなくつづく道の途中で
どこにも辿り着けないんじゃないかって
不安でいっぱいになってるのかな?
だけど ほら 耳を澄ませて
ひとりじゃない みんながいるから
心折れそうな君に送るエール
夢は必ず叶うよ
最後まであきらめないで!
夢は必ず叶うよ
信じて さあ また 歩きだそ!
その先に きっと栄光がまってる
世界中の頑張る君に Go for it!』
「…………」
それは……。
どこかで見たような、どこにでもありそうな、ありふれた歌詞だった。
ジャンルで言えば、応援ソング。
新生活で不安な子を、部活とかを頑張ってる子を……ファンを応援する歌。
歌詞自体には、特に否定すべき部分はない。
意味は繋がってるし、特徴的なワードもある。サビやメロディーのことも頭に入れてるっぽい。
これに合う曲を作ろうと思えば、そこまで難しくはないと思う。
……でも。
その文面からは、苦戦の跡が滲んでいた。
誰に書いてるものなのか。
自分が何を言いたいのか。
自分は本当にそう思えるのか。
この言葉でいいのか。
何もわからないまま、それでも書かなければいけないから仕方なくありがちな言葉を並べた、すごく無責任でつまらない歌詞。
ぼっちには悪いけど、それが私の第一印象だった。
こんなもので、チャコの心を動かせるだろうか。
チャコは芸術とか感覚的な美しさとか、そっち系にすごく敏感な方だ。
専門知識が必要になることはさておいても、リズム感とか音感みたいな感覚的なところはきちんと掴めてるっぽいし、音楽以外のことなんかそれこそ専門家みたいな感じ。
そんなチャコが、このつまらない歌詞に心を動かすとは……。
……いや、むしろ逆か?
こんなものだからこそ、チャコの心は、喜びじゃなくて怒りに動いた、のか。
チャコは、音楽がわからない。
私が話題を振ると嬉しそうに聞き役に徹してくれるけど、内容まで完全に理解できてるわけじゃない。
言ったら一度で覚えるし、理解も早いんだけど、根本的に知識量が足りてないんだ。
……でも、多分文章として見れば、チャコは正当に評価できる。
この文章の中にある、苦戦と妥協を読み取ることができる。
そしてチャコは、ぼっちのことが好きだ。
いつも甘やかしてるし、「後藤は偉いですね」と口癖のように言ってるし、「何がそんなに好きなの」って聞いたら3時間くらい口の動きが止まらなかった。いや、3時間経過した時点で私が逃げたから、その後何時間動きっぱなしだったかはわからないけど。
チャコはぼっちのことをすごく好んでる。
もはや愛してると言っていいレベルで、ぼっちの個性に対して好感を覚えてる。
だからきっと、チャコは……。
ぼっちが、「ぼっちらしい」歌詞を書いて来ることを期待したんだろう。
言葉や音には、性格が出る。
乱雑か繊細か、粗悪か上品か、前向きか後ろ向きか、積極的か消極的か、具体的か抽象的か。
その他何十何百っていう無意識に積み上げた構成要素が、その人の人となりを示すんだ。
だからチャコは、そこにぼっちらしさを求めて……。
そうして、このありふれた歌詞に、裏切られた。
本心からじゃない、建前とか嘘で書かれた文字列。
売れ線の歌詞をそのまま引っ張ってきたようなつまらなさ。
ここには、ぼっちらしさが欠片もない。
それに……あるいは、ぼっちがそうせざるを得なかった状況に、怒ったんだ。
「……チャコ」
チャコは、望んでくれるのか。
ぼっちに、ぼっちのロックを。
私たちに、私たちだけのロックを。
だったら……うん。
虹夏には、ちょっと悪い事をするかもしれないけど。
私はやっぱり、普通のバンドらしい音楽じゃなくて、自分たちらしい音楽をやりたいよ。
* * *
「リョウさん……?」
「ぼっち的には、この歌詞で満足?」
「えっ、あ」
コップを握って窓の外を見ていたぼっちは、慌てたようにこっちを見て来て……すぐに、視線を逸らす。
「それは……ヒットしたバンドらしいのがいいのかなー、と……」
「バンドらしい」。
みんな、そんな言葉に踊らされてる。
虹夏も、ぼっちも、前のバンドのメンバーも。
そうすべきで、そうしなきゃいけなくて、それが一番良いんだって、そう思い込んでる。
音楽は……ロックは、もっと自由でいいはずなのに。
「……言ったっけ。私、昔は別のバンドにいたんだ。
そのバンドの、青臭いけど真っ直ぐな歌詞が好きだったんだ」
ぼんやりと、過去を吐き出した。
苦々しくて口触りの悪い、ゲロみたいな想いと共に。
「でも売れるために必死になって、どんどん歌詞を売れ線にして……それが嫌になったから辞めたんだ。
辞める時もちょっと揉めたりして……」
本当はもう、あれでやめてしまうつもりだった。
バンドも……音楽も。
所詮親への反抗心から始めた、一時のお遊び。
あんな想いをするなら、自分のロックを貫けないなら、やめてしまえばいいって、そう思って。
……でも、虹夏に、繋ぎ止められた。
「バンドそのものが嫌になってた頃、『暇ならベースやって? 私リョウのベース好きだし』って虹夏に言われて、もう一度バンドやってみようかなって」
私の音楽を受け入れてくれる人が、少なくとも1人は、目の前にいる。
そう思ったら、「なら続けてみようかな」って、そう思えた。
……でもそれは、逆に言えば。
あの時、「音楽が好き」って言われなかったら……。
「個性捨てたら死んでるのと一緒だよ」
私のロックは、死んでいただろう。
「リョウさん……」
開いていたノートを閉じて、ぼっちに返しながら言う。
「だから、色々考えてつまんない歌詞書かないでいいから、ぼっちの好きなように書いてよ」
「で、でもそうすると、根暗でどんよりな歌詞が」
「でもそれ、リア充っ子に歌わせたら面白くない?」
「え?」
あの郁代が、根暗でどんよりな歌詞を歌うなんて……。
うん、すごくユニーク。
きっと世界に1つしかない、特別な歌になる。
……だから。
こうしたら売れる、とか。
こうしたら売れない、とか。
そんなことを考える必要、そもそもないんだ。
だって、ロックっていうのは……。
STARRYで、その茶髪を振り乱して誰より楽しんでる、あの子みたいに。
素の自分を、自分勝手な想いを曝け出すことで始まるんだから。
だから大事なのは、誰かに迎合した色に染まることじゃなくて……。
自分の、自分たちの色を、作り出すこと。
「バラバラな個性が集まって、1つの音楽になって、それが結束バンドの色になるんだから」
* * *
カタンと、椅子が引かれる音がする。
どこかの席のお客さんが席を立ったらしい。
私はそれを聞きながら、頬杖を突いて尋ねた。
「それにぼっち、チャコに好かれる歌詞を書きたいんでしょ?」
「あっ、はい!」
ズドン、と背後で重い音。
……え、何? 何か倒れた?
振り返ってみても、特に何かが倒れてる様子はない。
周りの客も、何事かと周りを見回している。
……いや、あれ? でも、さっき椅子の音がしたのに、誰も立ってない?
「リョウさん?」
「あ、いや、なんでもない」
まぁ、そんなことどうでもいいか。
私は再び窓の方に向き直って、ぼっちとの話を続ける。
「ぼっちの気持ちもわかるよ。私もチャコにあっと言わせるような曲、作りたいし」
「で、ですよね……!」
チャコは、今、結束バンドを見てくれているけど……。
結束バンドの「音楽」に惹かれてるわけじゃない。
どこが好きなのかは知らないけど、チャコは……私たちの音楽なんて、ハナから聞いちゃいない。
それが、ちょっとだけ、ムカつく。
音楽なんてどうでもいいって言われてるみたいで。
だから、
お前が舐めてた音楽は、私たちの
「だからこそ、普通のバンドのありきたりな曲じゃ駄目なんだよ。
チャコがビックリするような、オリジナリティのある曲じゃないと」
「オリジナリティ……」
「そう、私たちの、結束バンドだけの……ぼっちだけが書ける、ぼっちらしい歌詞じゃないと駄目だ」
だから頼んだよ、ぼっち、と。
かけた私の声に、ぼっちは少しだけ固まったけど……その後、深く頷いてくれた。
* * *
……さて、カレーで粘るのもそろそろ限界か。
「そろそろ出よう」
「え、あの、カレー……」
後藤が指差す先には、2段に積まれ、上にはまだ半分以上残ってるカレー。
「……いや、2杯は無理」
「え、頼んだのリョウさんじゃ……」
「行けそうな気がしたんだけどね」
「えぇ……」
「任せて、残さないように、考えはあるから」
その後、会計で財布を持ってきてなかったことを想い出して、ぼっちにお金を貸してもらって、冷たい目を向けられたり……。
カレーの持ち帰りをお願いして、店員にちょっと驚いたような目を向けられたりもした。
……ふ。
悲しいけど、ロックは他人には理解されにくいものだ。仕方ないな。
以上、山田が本編で多分一番カッコ良いシーンでした。
今後? そりゃお前……ベーシストですよ。
それにしても、ようやくアニメ4話相当のお話まで終わりそうです。
いやホント全然進まないぞ展開……ちゃんとアニメ完結、せめて初ライブまで書き切れるのかコレ……?