「やれやれだ…。」
戦場を崖から見下ろす一人の男。
その戦場、一方は漢軍の虎賁中郎将 孔融、もう一方は黄巾残党 管亥。
残党とはいえ数の有る黄巾軍に、漢軍は押され気味であった。
「まだアンタに死んでもらう訳にはいかないんだ、手助けでもしようかね、っとぉ!」
そう言って男は、躊躇い無く崖を、飛び降りた。
………
……
…
武名を轟かせる者の大半が女性と言う世の中、そんな中で男で有りながら負けず劣らずの武名を轟かせた傭兵。
太史慈 子義。
ふらりと現れては傭兵として、また、客将として雇われ、悉くの勧誘を断りまたふらりと居なくなる。
そんな自由な男と出会ったのは、こちらもまた自由な女。
「…たまには道に迷って見るものだな。こんな所で、虎の子と会えるとは。」
「貴方誰よ?って言うより虎の子って、どういう意味で言ったのよ?」
初見の出会いと印象は、最悪であったが。
………
……
…
「くっはははは!愉しいなぁ!孫策よ!あの、燻り未熟だった虎の子がここまでになるとはなぁ!」
「ふふふふふ、そうね、こんなにも昂るのは初めて、よ。
終わらせるのは惜しいけれど…残念、時間切れ見たいよ。」
方や無手、方や長剣で決められた動きをなぞるかの様に、踊るかの様に闘う二人の逢瀬は、引き分けで、終わりを告げる。
「伝令!劉繇様、敗走!各々の判断で逃げ延びよとの事!」
「…悪いな、孫策。ケリはまた次の機会になる。」
「良いわよ、別に。楽しませて貰ったしね。さっさと行きなさいな。」
やれやれと言うかの様に肩を竦める孫策に背を向け、伝令の首根っこを引っ掴み退散しようとする、が。
「あぁ、そうだ、私の真名は雪蓮よ。貴方は?」
「くはは、そうだな、一騎討ち
人一人抱えながら(引き摺りながら)馬を超える速さで走り去る太史慈。
「…私も人のこと言えない位人外じみてると思ってたけど、それ以上に人外よね。」
そのつぶやきは、誰にも聞かれず青空に消えて行った。
「くっはははは!ちっちぇ、ちっちぇ!揃いも揃ってお前らちっちぇ!そうじゃ無いだろう!?雪蓮!お前はもっと自由な女だ!五胡の軍勢?外史の管理人?知ったこっちゃ無いな!操られてる?お前がその程度に屈するタマかよ!?いつも通りだ。いつも通りの戦争
恋姫†夢想 • 太史慈編〜お前はオレの主君だ。だがその前に、人間であり、オレの、悪友、だろう?〜
「くっはははは!許せ冥淋。オレも雪蓮も自由人なんだ、こうなることくらい分かってただろう?だから許せ、この通りだ。」(仁王立ち)