騎士ガンダム様、只今異世界へお出掛け中 作:不死身の機動歩兵隊
皆さんのクエストをお待ちしてます。
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‐ローデン王国 とある森林の街道‐
「いやぁぁぁ!!!離してッ!!」
戦闘跡が残る林に挟まれた街道で貴族令嬢、ローレンの悲鳴が響き渡る。彼女を押さえ付けるのは複数人の賊達であった。そしてローレンと同様に押さえられたメイド、リタがやめる様に非難の声を上げる。
リタ
「やめなさいッ!あなた達、こんな事をしてどうなるか分かっているのですかッ!!」
盗賊A
「お前ぇは他人の心配してねぇで、自分の心配でもしてな!ハハハッ!」
ローレンが賊達の頭領に服と下着を破き、頭領が自身の一物で強姦を行おうとしたその時!何かが飛んで来る。その何かが頭領の首に突き刺さると同時に絶命して横に倒れる。
賊B
「へ・・・?」
賊C
「か、頭ッ!?」
突然何処からともなく飛んできた槍によって頭領が倒された事態に動揺する賊達。すると絶望の淵と化した街道に英雄譚から飛び出した銀と蒼を主体とした鎧に紅いマント。特徴的なV字の角が付いた兜を纏った騎士が舞い降りた。
‐数十分前 丘陵地帯‐
???
「ん・・・ここは?」
日が高く昇った一面緑の草叢に覆われた丘陵地帯の岩に腰かけていた騎士が緑の水面を吹き付ける風に撫でられる。そして緑の青臭さと、湿った土の薫りが混じり合い鼻孔に刺激されて意識が目覚める。同時に視界に映った日本では見る事が出来ない景色に驚き、思わず腰かけていた岩から立ち上がる。
???
「どういう事だ?確か、寝落ちするまでオンラインゲームをしながら・・・ん?」
何故こうなったかを顎に手を当てて思考しようとした時に騎士は自身の姿が見知った姿に変わっている事に気が付く。
???
「何か騎士ガンダムになってるんだがッ!?」
子供の頃から好きなSDガンダムシリーズの外伝の1つ。「騎士ガンダム物語」に登場する主役を務めるガンダム族の1人、ラクロアの勇者、
全身に纏った「
騎士ガンダム
「間違いない・・・剣の重さと手応えは本物だ。」
騎士ガンダムは数回素振りを行った後、ふとある事が思い浮かんだ。
騎士ガンダム
「まさかとは思うけど・・・せっかくだ、試してみるか。」
そう言って騎士ガンダムはナイトソードを構える。
騎士ガンダム
「【
横薙ぎにナイトソードを振ってゲームの時の様に技名を叫ぶ騎士ガンダム。すると剣閃が放たれ、前方にあった岩と森の木を容易く斬り裂いた。木々はゆっくりと森に倒れ込む。
葉が他の木々に擦れて音を立てながら倒れ、地面を打つ鈍い音が辺りに響き渡る。それに合わせて周囲の木々にいた鳥達が一斉に空に飛び立つ。
騎士ガンダム
「マジか・・・なら、アレも使えるのか?【
騎士ガンダムはナイトソードをナイトシールドに収納し、上空に向かって右手を掲げて先程と同様にゲームの技名を叫ぶと、右手から炎が火炎放射器の様に噴き出る。そこである違和感を感じる。
騎士ガンダム
「便利すぎる・・・いや、ゲームと違う。」
騎士ガンダムは寝落ち前の記憶を思い返す。ゲームの自キャラのメイン職業は天騎士でサブ職業は教皇。【
騎士ガンダム
「もしこれが夢やゲームでなく現実だとしたら、外見は騎士ガンダムで、中身はゲームで天騎士に就くまでに習得した各職業のスキルが使えるという事だろうか?」
「中級職業/魔導士 騎士 司教」
「小級職業/魔法士 戦士 僧侶」
騎士ガンダム
「まぁ、この際だ。気にしても仕方がない。これだけの職業スキルが使用できるのであれば、訳分からん世界でも生きれるであろう。運営の浪漫だけで設計された天騎士のスキルしか使用できない。っと言う事態にならなかっただけで大分違うからな。」
メイン職業の固定されなかった事に一安心した騎士ガンダムは人か街を見つけ、今後の方針を考える為、現在位置から移動する事にした。
騎士ガンダム
「【
騎士ガンダムは魔導士の補助スキルを発動させると、足元に直径3メートルはある青白い光の魔法陣が浮かび上がる。
騎士ガンダム
「本来なら行先の場所を選択して転移するが、まぁ何とかなるだろう。」
そう言って転移した結果。前方に3メートル程進んだ崖に転移して落下しかけた。
騎士ガンダム
「ぜぇ、ぜぇ・・・な、成程。この世界がどういった場所かは分からない以上、転移先のイメージがない現状では使えないか。だが、もう1つの移動スキル【
早速魔法士の補助スキルを試す騎士ガンダム。結果は成功した。
騎士ガンダム
(本来は任意の場所をタップするとその場所に移動するスキルであったが、この世界になると自分で目視できる距離を一瞬で移動できる短距離転移魔法になるのか。再発動に必要な待機時間が短く、かなり使い勝手の良い移動手段だ♪)
丘陵地帯を真っ直ぐ移動してくると、前方に大きな川を確認した騎士ガンダムは、そこで水を飲んで一休みする事にした。
騎士ガンダム
「(本当はろ過と煮沸消毒をした方がいいのだが、)それにしても・・・」
騎士ガンダムは水面に顔を映しながらファイティングゴーグルを外す。が、顔はガンダムのままであった。
騎士ガンダム
「これはガンダムクロス*1みたいな感じかと思ったが、これ完全に種族が人間からガンダム族に変わってるな。もしこの世界の宗教的な教えで亜人やらの他種族が迫害されている可能性も捨てきれない。下手をすれば討伐、奴隷、人体実験。何て事態になりかねない。」
冷や汗をかきながら嫌な絵図を思い浮かべる騎士ガンダム。そして今後の方針が決まった。
騎士ガンダム
「出来る限り目立たずに活動しよう。この格好だと目立ちはするが、多分大丈夫だろう。一先ず川沿いに下れば人の住んでる場所が見付かるだろう。そして生活基盤に必要な金を稼ぐ算段をつけなければな。」
ファイティングゴーグルを被り直し、騎士ガンダムは移動を再開する。暫く川沿いを転移しながら移動し、地面の土を踏み固めた道を見付けた騎士ガンダムはその道を河の下流方向に向かって行く。すると視界の先に馬車と複数の馬が停まっているのを確認する。それと同時に風に乗って血の匂いが漂う。
騎士ガンダム
「非常に宜しくない感じだなッ!」
騎士ガンダムは様子を探ろうと辺りが見やすい位置に転移。その場から馬車付近を覗き込む。そこには護衛の兵士達と、賊らしき者達の亡骸が馬車を中心に転がっていた。
そして賊に押さえ付けられた貴族令嬢の少女とメイドが眼に入る。すると貴族令嬢の少女が賊達の頭領に強姦されようとしていた。
騎士ガンダム
「ッ!」
騎士ガンダムは背中の電磁スピアを装備し、それを賊の頭領に投擲する。
‐現在‐
賊D
「な、何だテェ―――ッ!?」
ローレンを押さえていた賊達を騎士ガンダムはナイトシールドから抜剣したナイトソードで一閃。押さえていた賊達は両断されて絶命する。
賊E
「うわぁぁぁぁッ!!!」
賊F
「ば、化け物ぉぉぉ!!!」
そしてリタを強姦しようとしていた賊2人や、物品を漁っていた他の賊達は異常事態に気付き、その場から逃げ出す。騎士ガンダムは一度ナイトソードをナイトシールドに収め、また抜剣する。
騎士ガンダム
「【
放たれた剣閃は逃走する賊達を斬り裂き、肉塊へと変える。騎士ガンダムは周囲に敵がいないかを確認する。
騎士ガンダム
「・・・(彼女達を助ける為とは言え、人を殺めたのに自分の手や感情にもそれ程強い衝撃や罪悪感は全く無い。相手が賊だからか?)」
などを考えつつ、敵影や気配などが無い事を確認した騎士ガンダムはナイトソードをナイトシールドに収め、ローレンとリタの元へ行く。
騎士ガンダム
「お二方、大事ないか?」
リタ
「助けていただき、感謝します。こちらは、ルビエルテ家のローレン・ラーライア・ドゥ・ルビエルテ様。私は侍女のリタ・ファレンと申します。」
騎士ガンダム
「いえ、私は偶々この道を通り掛かっただけです。」
リタ
「あの、貴方様のその出で立ち、何処の主にお仕えする騎士様でございますか?」
騎士ガンダム
「(やっぱりこの格好だとそう聞かれるか。)あー私の事よりも、早くお召し変えを優先してほしい。目のやり場に困るので。」
顔を逸らした騎士ガンダムの言葉にリタとローレンは顔を赤くする。
騎士ガンダム
「向こうの川で少し身体を洗い、着替えてくるといい。その間に私は賊の後始末を行う。」
リタ
「は、はい。ありがとうございます。さ、お嬢様あちらへ。」
リタは馬車に駆け寄って荷物から大きな1枚布を引っ張り出してくると、ローレンをその布に包んで川の方へと手を引いて行く。それを騎士ガンダムは見届けた後、改めて戦闘跡が残る辺りを見回す。
騎士ガンダム
「賊の遺体が10人。護衛兵の遺体が6人。護衛兵は一先ず街道脇に置くとして、賊は反対側の街道脇まとめて処理しよう。その前に、チラッ。」
騎士ガンダムは向こうの川で身体を洗っている最中の2つの人影を見た。
騎士ガンダム
(よし!今ならこちらを見ていない。賊の所持品を根こそぎいただこうッ!)
騎士ガンダムは倒した賊全員の遺体や賊の馬6頭の荷物から以下の所持品を手に入れた。
騎士ガンダム
「(好きなキャラの姿で遺体を漁るのは忍びなかったが、途方に暮れて飢えて死ぬよりはマシだな。)さて、野花の肥料になるがいい。【
反対側の街道脇まとめた賊の遺体の山を【
ローレン
「この度は危ない所をお救い頂き、ありがとうございました。」
騎士ガンダム
「最初に言った通り、偶々この道を通り掛かっただけです。気休めしか言えませんが、お二方だけでも無事で良かった。」
リタ
「我々はこれより、ルビエルテへと参ります。もしよろしければ。」
騎士ガンダム
「その街までの護衛であるな。承知した。それと護衛兵の遺体や武器、馬はどうされますか?」
リタ
「遺体は街道脇に、後程他の兵の方に引き取りに来て頂きます。武器と馬だけは持ち帰りますので、お手数ですが準備の方、宜しくお願い致します。」
騎士ガンダム
「分かった。」
その後、騎士ガンダムはテキパキと作業を済ませ、その場から出発する。それぞれ牽引した馬達もトコトコとついて来る。
リタ
「騎士様。改めて此度の事、誠に感謝の念に堪えません。」
馬車の御者をしながら、横に馬を付けて歩かせている騎士ガンダムに改めて礼を言う。
騎士ガンダム
「礼には及ばい。偶然近くを通りかかったまでの事。」
そう言って視線を前方に戻す騎士ガンダム。すると馬車の窓からローレンの双眸がじっとこちらを見据える。それに騎士ガンダムは自分を見据える事に首を傾げる。それにリタはクスリと笑う。
リタ
「騎士様。まだ我らは、お名前を窺ってません。」
そう指摘され、ハッとした騎士ガンダムはまだ自己紹介をしていない事に気付く。
騎士ガンダム
「私は風来の旅をする騎士。騎士ガンダムと申します。」
こうして、新たな騎士ガンダムの物語と伝説が始まった。
第1話END
次回「流離う蒼銀の騎士」