ろっく?いや、ギターすら持ったことないけど?   作:クウト

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お久しぶりです。
なんとなく書いてみました。
もし待っててくれた人がいたら本当ごめんなさい。


後藤さんがお休みの日

後藤さんが風邪を引いてしまった。

はぁ、氷風呂なんかに入るからだよ……。

まぁもちろん学校に行っても後藤さんはいない。だからかクラスメイトや別のクラスの友達なんかは

 

『あれ?今日はお世話なし?』

 

『あれ?ピンクの人は?』

 

なんて言われる日々。

後藤ひとり係ってやっぱり目立ってたんだなぁと再確認できたり……後藤さんピンクジャージだもんなぁ。正直めちゃくちゃ目立つもんなぁ。

そんな事を考えながらトイレからの帰り道を歩いていると元気な声が聞こえてきた。

 

「あ!オトくーん!」

 

「ん?喜多?」

 

「今日バイト?クラスの子達とカラオケに行くんだけど休みなら一緒に来ない?」

 

喜多だった。

今日も相変わらず元気いっぱい明るさ全開。誰でも仲良くできるような性格で簡単に言えばものすごい陽キャ。ちなみに俺たちが知り合ったきっかけは運動部の助っ人をした事だったりする。

練習試合の打ち上げにカラオケに行く事になり少しばかり話すようになったのだ。その時すごく歌が上手い事を知ったし、ギターもやっている事を少し聞いたのだ。

だから狙っている人物である。

喜多を結束バンドに誘えたらいいよなぁ。

そんな訳で。

 

「休みだし行くよ。放課後にクラスに行けばいいかな?」

 

「やった!なら迎えに行くね!」

 

「そう?なら、待ってるよ」

 

どうやら迎えにきてくれるらしい。

……ちなみにそれ、俺が断りまくってたのが原因だったりする?バイトだったり、スーパーの半額争奪戦だったりとあんまり遊びに行ったりしなかったしなぁ。あと後藤ひとり係もあるし。あ、係なんて思っているが後藤さんと一緒にいるのは楽しいので!

そこだけは言っておかないとね。

 

「あ、もうすぐ授業始まっちゃうからまたね!」

 

「うん。また」

 

「今日はどこか行ったりしないでね〜!」

 

「はいはい」

 

……やっぱり断りまくってたのが原因だな。

俺も休日なんかはクラスの奴と遊んだりはしていたが、これからはもう少し交流を持つようにしよう。このままでは高校三年間後藤ひとり係と結束バンドで青春を終えそうだし。俺ももう少し……多少は彩が欲しいのだ。

そんな訳で久々のカラオケが決まったのだった。

 

 

 

何事もなく時間が進み放課後。

 

「オトくん!迎えにきたわよ」

 

ホームルームから十分もしないうちに喜多が迎えにきた。ちなみに待っている間、姉さんに友達と遊んでくるからとだけメッセージを送っておいた。

割とすぐに返信が来るものだからあっという間に時間が経ったな。相変わらず姉さんは心配してくるのだが俺ももう高校生でバイトをするぐらいなのだ。もう少し信頼して欲しい。ちゃんと晩御飯が作れる時間には帰るからね?

っと、今は喜多の相手をしないと。

 

「今行くよ」

 

「ちなみに今日は男の子もいるから安心してね?」

 

「それは助かる。女の子達だけじゃ肩身が狭いからなぁ」

 

「そう?前も結構堂々と歌ってたし、気にしてないかと思ってたわ」

 

「いやいや。歌に集中して意識しないようにしてただけ」

 

「えー?でも前回言ってたようにちゃんと男の子を集めたからね?誘う時は絶対にそうするから次も断らないでね?」

 

「バイトとかがなければね」

 

つれないなぁ。なんていう喜多。

いやぁ、しょうがなくない?喜多以外はよく知らない女の子だけのカラオケなんて面倒だろ?それなら後藤さんと一緒にいるか、スーパーに行っていたほうがいい。最悪、本当に最悪だが!きくりちゃんの相手の方が俺的には気持ちが楽だったりする。

でも今回のように、よくは知らないが男子がいれば多少マシなので次もこうなら参加しようかな。

 

「今日はどんな曲歌おうかなぁ」

 

「喜多は上手いからなぁ。どうせリクエストとかあるだろうし考えなくていいんじゃないかな?」

 

「そうだけど。でも自分で選びたいでしょ?」

 

「それはそう」

 

あまりリクエストされるのも困る。

ずっとマイク持ってるの悪いし。

 

「ていうか、リクエストはオトくんもでしょ?あんなに上手い男の子オトくんが初めてだったなぁ」

 

「お世辞でも嬉しいよ」

 

「お世辞じゃないけど!?」

 

そうなのか?

俺的には下手ではないが、そこそこ程度だと思っているんだけど。正直家で一人で歌っていることが多かったし、家族以外とカラオケなんて高校で初めて行ったしなぁ。比較対象が多い訳ではないからわからない。

 

「なにか一緒に歌う?」

 

「気分が乗ればで」

 

「えー?……オトくんって割と扱い雑になる時あるよね?後藤さん?にはもう少し優しくなかった?」

 

「いや……後藤さんは特別だからなぁ」

 

「……ふーん」

 

いや、だってなぁ。

俺が最初から優しさ全開だったせいで、喜多の様に接したらワタワタし出すときあるし……。もう少し慣れてくれたらありがたいんだけどなぁ。いつか冗談が言い合える様な仲になりたいものだ。

 

「それより場所どこなの?」

 

「あ、過ぎちゃってたわね」

 

「えぇ……」

 

しっかりしてよ喜多。

ちなみにこのあと久々のカラオケに楽しくなってしまい、喜多に結束バンドへの加入の相談をし忘れた事に気づいたのは家についてからだった。

 

 

 

少し落ち込んだ後の次の日。

この日は、この人に捕まった。くっそ!バイトに行こうとしてるのに!

 

「うぇ〜い。探したよぉ〜音寧ちゃ〜ん」

 

「きくりちゃん?それおっさんが言ったら捕まるからね?」

 

「私は女だから大丈夫!」

 

「何も大丈夫じゃないんだよなぁ」

 

高校生を捕まえる泥酔女性。

普通に警察に見られれば捕まえられるんじゃないだろうか?

 

「ねーねー。ほれよりお弁当余ってたりしない?甘い卵焼きたべたーい」

 

「呂律回ってないじゃないですか。ちなみに残ってないですからね?電話でも言ったでしょう?」

 

成長期男子の食欲を舐めないで欲しい。

晩御飯の後ケーキを食べるぐらいには食欲があるのだから。……クラスメイトは深夜にラーメン食べるらしいけど……。

…………と、とにかく!

弁当なんて残る訳ないでしょう?前あげたのも色々とあって食べる時間がなくなったからだしね?ちなみにタダで弁当をあげるのは嫌だったので菓子パンと交換してあげた。

いや、だってさぁ。こんなに酒ばかり飲んでる人って食生活心配だし……初めて会った時も食費削って酒飲んでたし……。それに普段からなんかおつまみばっかりで栄養偏ってそうだし少しぐらい……なんて思った俺は馬鹿だったんだなぁ。それからずっと連絡来ちゃうだもんなぁ。

 

「そっかぁ……残念。なら次はだし巻きをリクエストしとこ」

 

「作りませんよ?」

 

「そこをなんとか!あ、私の家来る?作る?」

 

「作りませんし行きません」

 

「えー?」

 

なんか本気で残念がってる……。

いや、冷めた弁当でそこまで美味しかったと思ってもらえたのは素直に嬉しいのだ。姉さんのために作っている料理が他の人にも美味しいと言ってもらえるのは、俺にとって活力?になるしやる気も出る。

って、そんな事を考えていれるほど暇じゃなかったんだった。

 

「それより!今日はなんかあったんですか?俺、この後バイトなんであんまり時間ないですからね?」

 

「お!?どこで働いてんの?私もっ行っていーい?」

 

何言ってんだこの人?

 

「もう少し好感度上げてからにしてください」

 

……ん?何言ってんだ俺。

あーもう!この人と一緒だと色々と今まで通りじゃなくて変なこと言っちゃうなぁ!もう!

 

「えー?……なら仕方ない。これをあげよう」

 

頭を抱えていた俺にきくりちゃんは何かの紙を取り出した。

……何これ?クシャクシャだし、ポケットに直で入れてたからかしっとりとしてる気がする……。

なんだこれ?なんて思って紙を開く。

そこにはコピー用紙に殴り書きで書いた様な文字。

 

『SICK HACKライブ招待券!おとねちゃんせんよー』

 

ご丁寧にきくりちゃんのサイン?まで書いてある。

これ、サインで合ってる?文字が汚いだけとかある?ない?……どっち!?

 

「色々と迷惑かけちゃってるからね〜。よかったら来てよ」

 

「え?いいんですか?こういうのってお金払うんですよね?何円ですか?」

 

「こっちから招待してるんだからいいよいいよ!むしろ来てくれないと困る」

 

「困る?」

 

「また怒られちゃう」

 

何があったんだろうか?

暗い表情になったきくりちゃん。でも次の瞬間にはおにころを飲みだして幸せスパイラルとやらをキメはじめた。……それ、本気でやめません?

 

「プハッ〜!これでもそれなりに稼いでるしね!まぁ?どうしてもって言うなら?だし巻きで手を打とう」

 

「はぁ」

 

「ため息〜?まぁ、アレだよ」

 

「?」

 

「来て後悔はさせないよ」

 

「…………」

 

きくりちゃんは、たまにカッコよくなるから困る。

酒飲んで、泥酔して、チャランポランでどうしようもない酒カスのくせしてたまに出る威圧感?カリスマ?正直、びっくりしちゃうからやめて欲しい。

……でもまぁ、ここまで言うなら後悔しないのは本当なんだろうな。

なら、一度きくりちゃんのライブを見に行くのもいいかもしれない。

 

「場所は……」

 

「新宿FOLT。私達の拠点だよ」

 

……だから、急にカッコよくならないでほしい。

 

 

 

なんとか遅刻せずにSTARRYに着いたのだが.……。

 

「……ねぇ音寧くん?たまにつけてくるこの匂いはなんですか?お姉ちゃんに教えてください。ね?ねぇ?はやく」

 

「姉さんの気のせいじゃない?」

 

「音寧くん?正直に言ってください」

 

「酔っ払いに道を教えただけだよ?」

 

「いえ、前も同じ匂いでした、そんなに何回も迷う人なんていません。音寧くん、正直に言いましょうね?」

 

姉さん?

匂いだけで判断しないで欲しい。

最近、うちの姉までどんどん人外じみていく。

 

「着替えてきまーす」

 

だがすでにバイト開始時刻になってしまう。

あまり姉さんの相手をする暇はないのだ。

 

「ちょっ!ちょっと音寧くん!?帰ったらちゃんと聞きますからね!?」

 

どうやら逃げられない様だ。

まぁいっか。姉さんの対処はバイト終わりの俺に任せて、今の俺は仕事で忘れるとしよう。

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