あまりPAさんやぼっちちゃんを動かせてないのが悔しい。
やっぱりこれ知ってるのアニメだけだと無理ないかなぁ!!本欲しいんだけどぉ!!
激動の高校生活も早一ヶ月。
この長くも短くも感じる期間の間に色々な事があった。うん……あった。
まずは家での出来事から話そうかな。
さて、では姉さんが帰宅してからの時間に遡ろう。
「ただいま帰りました〜」
「おかえり。お疲れ様」
「……はい!ただいま!!」
姉さんの帰りはそれなりに遅いのだが、必ず日付が変わる前に帰ってきている。
仕事でお疲れだし、早速晩御飯でも〜と言ってあげたいのだが、遅い時間から晩御飯も体に悪いので毎日俺の弁当を作るついでだが姉さんにも弁当を持たせている。その弁当箱を受け取り、洗い物の間だけ俺と少し話をした後にお風呂に入る姉さん。
しばらくした後、俺は洗面所への扉を少し開けて声のボリュームを少し上げながら姉さんへと話しかける。
「入るよ〜!」
『はーい』
風呂から声がする事を確認した俺は、次の日の朝の時間短縮の為に洗濯機へ服をぶち込み予約セットを完了させ足早に退散。
次は明日の朝に作る予定の姉さんのご飯が何かというメモを冷蔵庫に貼り付ける。あ、言い忘れたがもちろん下着なんかは自分で洗濯機にぶち込んでもらっている。もしくは後回しで自分でやってもらう。あの辺はネットに入れたりと細かい事はわからないしなぁ。
話がそれた。メモは昼ごはんは何かとか、起きたらしておいてほしい事とかを書いてある。あとはついでだが、生活費を稼いでくれている姉さんに仕事頑張れ程度のメッセージだな。
そんな感じでしばらくバタバタと動いて、家事が終わり一息つきお茶を飲みながらリラックスを始めたあたりで姉さんがお風呂から戻ってくる。
「ふぅ……。やっと落ち着きました」
「それはよかった。今日も友達とゲームするの?」
「そ、そうですね。こ、これでも人気者なんで……はい」
「?」
この一ヶ月で分かった事がある。
姉さんの趣味の一つがゲームである事や、友達が多いらしいという事。この件について話すたび何故か挙動不審になるのだが……まぁ、弟が姉の交友関係に口を出すのもおかしいのでスルー。
ただ、ある日の事だ。トイレに行きたくなり深夜に起きてしまった俺は姉さんの部屋の前を通った。
『前も話したけど弟が〜』
『姉さん?』
普段ならスルーしていたと思う。
だが言い訳をさせてほしい。まず、姉さんの部屋の扉が少しだけ開いていた事。そして俺は寝起きでぼーっとしていた事と、姉さんの話し方がいつもと少し違った感じに聞こえて、つい声をかけてしまったのだ。
『ひぎゃあ!!お、おおあお音寧君!?!?』
『あ、ごめんね。声が聞こえてきたから』
『い、いえ!大丈夫ですよ?何かありましたか?』
『……ちょっとトイレ。おやすみ』
『お、おやすみなさーい気をつけてぇ〜……』
邪魔をしてしまったようだ。
この時は寝ぼけながらも悪いことをしてしまったと理解して、しっかりと扉を閉めてさっさと退散することにした。
次の日の朝、なんとなく気まずそうにしている姉さんだったが、気にせずに友達とゲームを楽しんでほしいと話をした事で、なんとか元通りになってくれた。
『き、気付いてない?よかったぁ……』
なんて変なことを言っていたが……?
まぁいいや。とにかくだ!俺と一緒に暮らすことで、姉さんの趣味を奪うなんて事はあってはならないのだ。だから俺は、この件についてはあまり話題にあげないようにしている。ただ今度一緒に買い物に行った時にオススメのゲームなんかを聞いてみることにしようか。
二人でパーティーゲームなんてのも面白いかもしれないし。
「じゃあ俺は先に寝るし、楽しんでね。お腹空いたら戸棚にスープの素があるからそれでも飲んでね」
「は〜い。お、おやすみなさ〜い」
「おやすみ」
夜はこんな感じだ。
朝は六時に起きて、準備を開始する。
俺の朝ごはんはパンにジャムを塗るだけでいい為、俺の弁当と姉さんのお昼ご飯と、晩御飯になる弁当を作る。そのあとはサッと洗濯を済ませておき、時間が余れば洗い物、時間が無ければ冷蔵庫に貼っているメモの姉さんにやってほしいリストに追記。
あとは学校に行って、買い物に行って帰宅しての繰り返しなのだが……。
学校でもそれなりに色々とあるのだ。
主に後藤ひとり係という大仕事が……。
その話も必要というか……これから起こることだな。
学校へと到着。
後藤さんの朝は物凄く早いらしい。片道二時間もかけて通学していると聞いた時は驚きのあまり唖然としてしまった。何かこの学校でやりたいことでもあったのだろう……いや、ないな。自分を知っている人間がいない場所へなんて理由だと思う。最近なんか少しずつ分かってきた自分が怖い。
そうそう。この短い間に、俺のあだ名も決まった。
まぁ、単純にオトと呼ばれるだけなのであだ名と言っていいのか分からないが……。何故この呼び方なのかだが、ある有名な映画から来ているみたいだ。
俺が後藤さんに話しかけると。
『あ』
『え』
とか、になるしそんな後藤さんを移動教室とかで誘導している姿を見たクラスメイトが決めたそう。
なんか顔が無い妖怪を誘導している主人公みたいだね!天見君って、ポニーテールにしてるし女の子みたいな顔だし!って言われた時は数秒理解ができずにフリーズした。
貴女それは俺に対しても後藤さんに対しても失礼すぎるだろ?
そう思わなくもないが、こういうノリってのは止める間もなく広がるもので……。気がつけばオト、オトと周りが呼んできていた。とりあえず俺がその呼び方を許可する事で矢面に立ち、後藤さんに顔なしの妖怪ってあだ名がつくことだけは阻止することに成功する。そこまで行くとイジメになってしまうし。
「おはよう。後藤さん」
「あ、お、おはよう……ござま!ございます!」
……なにこれ?
今日の後藤さんは一味……いや、なにこれ……一味どころか全然違うファッションというか。
「き、気合い入ってるね」
「そ、そうですか!?」
なんで明るくなっているんだろうか?
ていうか、これ、ギターか?
「ギター?」
「へ?あ、はい」
「弾けるの?」
「えっ、そ、少し〜……」
「へー。そういや、最近姉の影響でロックとか聴いてるんだよね。まぁ、初心者すぎて全然詳しくないんだけどね」
「そ、そうなんですね」
「だからって訳じゃないんだけどさ。後藤さんも何かオススメのバンドとかあったら教えてほしいな。そのグッズのバンドとか」
「え?あ、へ、はい」
と、ここでチャイムが鳴る。
どうやらタイムアップである。俺は家が近い事もあり、家事をギリギリまでやっているからいつも朝はギリギリなのだ。だからあまり詳しく話せないままで申し訳ないな。
だがここからが問題であった。
ホームルーム後、移動教室で後藤さんを誘導。
休み時間、先生から頼まれごとをされ呼び出し。
昼休み、別の友達に一年レギュラーの為にとバスケの練習に誘われて何故か連れ去られる。
その他、後藤さん係をしていれば、いつのまにか放課後である。
「あ、あーっと、帰る?」
「……あ、はい……」
すまない!!!
全然話す暇なかったよね!!
朝はめちゃくちゃバンドグッズで身を固めていた後藤さんだったが、色々な装備をパージしていつものジャージ姿にギター装備になっていた。
それはそうだよね!!色々とくるものがあったよね!多分時間が経つにつれて色々と考えが巡ってこうなってしまったのだろう。
特に会話らしい会話もなく、小さな公園のブランコに二人並びながら座っている俺たち。
「あ、あー。後藤さんはどんなのを弾くの?」
「え?」
「ギター。弾いてるんだよね?」
「あ、はい。えっと、流行りの曲は一通り」
え?凄くない?
「え?凄くない?」
「そ、そんな、私なんて全然……うへへ」
いや、全然とかそんな事ないと思うのだが。
ていうかあれだな。ギターヒーローだったか?その人みたい……ジャージ似てるな。
「今朝も話したけど、最近バンドに興味があってさ。よくネットで見てたりするだよね」
「あ、言ってましたね」
「うん。でさ、オススメによく出てきたんだけどギターヒ「あぁ!!ギター!!!」ん?」
一人の女の子が走ってきた。
何故かわからないが、今日は帰るの遅くなりそうだなと感じる。
一応後で姉さんに連絡入れておくか。今日は少し遊んでから帰りますって。
なんか感想書いてくれる人多くて嬉しい。
けどそれだけ見てくれる人がって思うと恐ろしい。