魔人異世界奇譚   作:ゲット虚無

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帝都物語の二次創作増えろ。何ならfgoで出してくれ。


魔人降臨

DMMO-RPG”ユグドラシル”......このゲームは今、終わりを迎えようとしている。

というか逆によくここまで続いていたものだと思う。この手のゲームであればもう何タイトルも上位互換的なゲームがありプレイヤーが離れていくのも時間の問題のようだった。ピーク時にいた数千万人のプレイヤー数も現在では数万人とまで減り過疎っていた。ギルドを組んで遊んでいたプレイヤーもその多くが解散、引退していった。

その点の俺なのだがソロプレイヤーだったのであまり問題は無かった。拠点は作っていたが皆のようにNPCを創造することはしていなかった。自分の性癖をとことんまで詰め込んだ嫁や有名なアニメやゲームのキャラを創造するものがプレイヤーの大半だったのに対し俺はそういったことは全くつけなかった。

 

ただ唯一、俺がしていたのはとある作品のキャラを再現した自キャラ作成だった。そのキャラとは「帝都物語」に登場する「加藤保憲」。

 

原作は小説でアニメや映画にもなってはいるのだかやはり余りの古さ故に現在ではかなりアングラな作品………いや古典と言ってもいいかも知れない。

 

だが旧日本軍の軍服で様々な魔術、式神や陰陽術等を使う魔人というその設定は今でも全然通じる廚ニ設定である。

まぁ作中では帝都、東京を滅ぼそうとしている悪人ではあるがカッコいいんだから仕方ない、仕方ないんだから仕方ない。

 

原作と同じ能力やアイテムの制作+旧日本軍繋がりで「覚悟のススメ」の零式防衛術も作った。一時期、強化外骨格も作ろうかと考えたことが流石にそれはもう魔人加藤ではなくなってしまうのでやめた………………。

 

ソロプレイ中、たまーーーに自キャラが加藤保憲だと気づいてくれる同士と出会ったりしたときはとても感激していたのを未だに覚えている。

 

そんなゲーム、いや世界が後数分で消える。

意外と俺がしんみりしているのはなんだかんだこの世界がゲームが好きだったという…………証拠だろうか?

 

ーー現実は糞を煮詰めたようなロクでもない世界だ。

 

貧乏人は一生苦しみ、金持ちは一生豊かな生活が出来るなんていう理不尽、そんな世界に後、数分で俺は引き戻されてしまう。

 

ああ、嫌だ。あんな世界に戻るぐらいならここにずっといたい…………。

 

だがそれは叶わぬ願いだと自分でも分かっている。

 

後、五分。

 

 

 

 

 

 

後、三分。

 

 

 

 

 

 

…………後、一分。

 

世界(ユグドラシル)が終わる。

 

 

「もし、俺が()()でも加藤保憲だったらあんな世界、ぶっ壊してやるんだけどな……………。」

 

 

 

▼▼▼▼▼

 

…………おかしい、ゲームが終了しない。

.時間が来れば強制ログアウトがされ、現実に戻される筈だが何も起きない。

 

「何かのトラブルか何かか?」

 

おかしい…………コンソールが開かない。

 

 

バグ、ユグドラシルサービス終了延期、いやどれも違う。

 

匂いを感じる。空気を感じる。

 

拠点である屋敷から飛び出し、俺は見た。

 

 

暗い夜空に輝く星々、澄みきった空気。風に揺れる草。

 

あまりのことに驚愕した。小説の中の話と思っていた異世界転移という事象に遭遇した。

 

近くの池で己を見た。

 

長身痩躯で、こけた頬、やたら長い顔、そして鋭い眼光。

外套を纏った旧日本軍の軍服姿。両手にはドーマンセーマン、五芒星の紋様が描かれた白手袋を着けていた。

 

俺が作った自キャラの姿、いや"加藤保憲"がそこにいた。

 

 

もしこれが夢ではないのならば…………妄想や幻覚ではなければ…………この手で俺は、

 

 

次の瞬間、突然謎の頭痛が俺を襲った。

 

 

 

とある記憶が流れ込む。

 

 

その記憶は加藤保憲の記憶だった。

 

映画やアニメ、小説、漫画で知っていた内容が自らの視点で再生される。

 

痛みに耐え兼ね、膝を着くと謎の声が囁きかけてきた。

 

「何なんだ………これは」

 

 

 

 

 

ーーー感謝するぞ。小僧。

 

 

ーーーよくぞ、この"俺"を作った。

 

 

 

ーーー新しき我が肉体を…………強き肉体をよくぞ作った。

 

「いや…………まさかそんなあり得ないお前は…………」

 

 

ーーー我が名は加藤保憲!!

 

ーーー帝都を憎む者!!

 

 

「馬鹿なお前は…………架空の存在だ」

 

 

ーーークックク…………なるほどあれから百年以上は経っているのだ。歴史が闇に葬られることなど珍しくもないか………

 

 

 

 

魔人の声が頭の中で響く。

 

 

ーーーさぁ、明け渡せ…………その体を。

 

 

ーーー礼として、帝都をいや世界を滅ぼしてやろうではないか?

 

その言葉は俺を腹立たせるには十分な言葉だった。

 

 

「断る」

 

ーーー何?

 

「誰が明け渡すか…………誰が代わりに滅ぼさせるか。また将門公の復活をする気か?いい加減、学べよ亡霊。」

 

 

ーーー小僧!!貴様!!

 

 

 

「だが提案だ…………自我を喰わせはしないが同化なら許してやる」

 

ーーー馬鹿な。今の俺は消滅から生き残った残留思念とは言え…………人間が正気を保てるような物ではない…………失敗すればこの俺も貴様も消滅し、肉体のみが残る。

 

「だが俺が許可を出さなければ、お前も乗っ取ることは不可能だ。お前だって俺の深心領域で過ごしたくはないだろう?」

 

 

ーーーしかし…………………クック…………そうか、その自信。

己が平井の血筋だと気づいたな?

 

「お前が本物ならと、思った博打発言だったんだけど。やっぱり?」

 

ーーー自惚れるな小僧。貴様の血は血筋としてはかなり薄い。成功の確率はお世辞にも高くなどないわ。

 

「成功するなら、それに賭ける。」

 

 

 

ーーーそこまで憎いか?

 

 

「お前が帝都を憎みのと同じだ。俺がこの体を得たのならいつか…………この世界から抜け出し…………元の世界に戻り…………そしてこの手で滅ぼす。…………将門の力は借りん!!己の手であの腐れた世界を滅ぼしてやる!!」

 

 

ーーーそうか、そうか。フッならば、よかろう。俺も賭けてやろう。

 

 

ーーー魔人 加藤保憲はここに復活するのだ!!

 

 

▼▼▼

 

膝を着く軍服の男はムクリとたつ。

 

そして閉ざしていた目を開いた。

 

「我が名は加藤保憲…………我が世界を憎み、生まれた新しき魔人なり!!!!」

 

 

成功した。加藤保憲、平井の子孫は自我の同化を果たした。新しく生まれた人格ではない、彼らの魂は融合した。

彼は加藤保憲の肉体を持った元人間でもない。加藤保憲が復活を果たした存在でもない。

 

いつしかこの世界を抜け出し、自身の世界を滅ぼすと決めた新しき…………魔人が降臨した。

 

 

 

 

 

 

 




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