裏ボスはメアリー・スー   作:後書きは信用するな

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いっきに原作主人公が雄英受験する直前まで時間を飛ばします。
レディナガンへの原作知識開示は・・・・・・今度できたら。
冒頭の青年は原作キャラです、はたして誰でしょうか。


トガヒミコが最低限の社会的常識を身につけながらも狂気と凶器を携えているのは朗報か悲報か

 「かのタルタロス襲撃事件から一年、脱獄したのが元プロヒーローってことで今でも陰謀論が湧き上がり膨れ上がりのカーニバル。全く、平和でいいねぇみんな」

 

 キラキラと輝くネオンが、都会の夜を照らす。

 マンションの屋上から眺める夜景はとても綺麗で、このままずっとここにいれたら、それはどんなに素晴らしいことかと彼女は考えてしまう。

 

 「ま、平和なのはいいことだ。自ら生み出した膿から目を背けるのも別に悪いことじゃない、フツーそんなん気にする余裕はねぇよ」

 

 誰に届かせるわけでもなく、言葉は宙に消えていく。

 ここでの独り言は誰も知らない誰も聞いてない。

 だからだろうか、まるで世界には自分しかいないような感覚になる。

 少し遠くを見れば道路を走る車が見えるというのに。

 

 「まーたポエムチックなこと言っているんですかボス、いい加減にして下に降りてきてください。()()()()()()()()()()()()()

 

 丁度階段を上がってきた青年が転生者に声をかけた、既に計画は動き出している。

 

 「へぇ、あの子時間を守るようになったのか。てっきりいつも通り一時間は遅刻してくると思ってたよ。朗報朗報、んじゃ俺も降りるとしましょうか」

 

 毎度毎度遅刻ばかりする血狂いの少女、そんな彼女が定刻通りきたことに驚きつつメアリは指輪に触れた。

 左手の薬指につけたその指輪はとても簡素なもので、本当に小さな銀色のナニカがついているだけのリングだった。

 とはいえメアリは結婚しているわけではない、だが誓いのリングという意味では間違ってはいないだろう、

 その指輪には祈りと怒りを諦観、そして狂気が込められているのだから。

 

 「待ち合わせ場所は一階のエントランスだったっけ?」

 

 「ええ、その通りで────」

 

 タンッ、と小気味いい音がしてメアリは宙に飛び上がり舞い上がる。

 その肢体の軌道は柵を超えてその先へ、空中を真っ逆さまに落ちていく。

 加速、加速、どんどんその速度は上がっていき20階もあるマンションの駐輪場の地面に近づいていく。

 十数秒ほど経つと長いようで短い空中飛行は終わりを告げた。

 

 

 ぐしゃり。

 

 

 

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 トガヒミコがいつそれ(転生者)に出会ったか、何故それに協力するのか、知っているものは恐らくメアリ以外にいない。

 ただ一つ、トガヒミコは現在メアリの庇護下にあり彼女の計画のピースであるという事実のみは彼女に近しい者ならば知っていることだろう。

 

 「遅れて悪いねトガちゃん。まさか君が時間通り、しかも五分前に来てるとは思ってもいなかったよ」

 

 「遅いです、せっかく早起きしたのに」

 

 明らか不機嫌そうなトガヒミコ、『今は夜だけど早起きとは?』と突っ込みたくなるのを抑えてメアリは計画の話を切り出す。

 

 「悪いね、屋上で黄昏てた。ん?黄昏れるって夜の状況では使わないんだっけか?」

 

 「私は知らないです」

 

 「じゃあお互い知らないってことでこの話終わり、明日の最終確認をしよっか」

 

 またしても指輪に触れるメアリ、するとどこからともなく血液が入った瓶が出てきて机の上に置かれた。

 なんとも摩訶不思議な指輪だが、これは個性ではなく人類が生み出した科学技術の産物である。

 まあ、使われている技巧には一部世間未発表のオーバーテクノロジーが含まれているが。

 

 「チウチウした────」

 

 「おいおい興奮するなよ?まだ飲んでもらっちゃ困る。これは()()()()()()()()()()()()()()()()()なんだから」

 

 いつもの気味の悪い笑みとは違い、母性のようなナニカを浮かべながら彼女はトガヒミコに話しかける。

 トガヒミコのなにかしらがメアリの琴線に触れたのだろうが、それが何故かは誰も知らないわからない。

 過去回想にて挟まれる神の声(ナレーション)を待つしかないだろう。

 

 「さ、頼むぜトガちゃん。雄英に行ってる間の言葉使いの予行練習だ。今ちょっとやってみてくれない?」

 

 身バレや諸々の理由からメアリはトガヒミコの口調を一時的に変えさせようとしていた。

 今後もトガヒミコが諜報に参加するとなれば、当然口調が同じだとバレるリスクが上がる、

 ならば一時的にでも喋り方を変えて仕舞えばいいじゃないかという考えだ。

 

 「……嫌です、あれは可愛くないのです」

 

 不機嫌継続、せっかく時間を守ってきたのに相手側が遅刻したことへの苛立ちとも呼べる何かが彼女の心の中で燻っていた。

 決して口調そのものが問題なわけではない。

 

 「えー、割といいと思ったんだけどな『一人称は俺様』にして『語尾に中華娘っぽくアルをつける』あの口調」

 

 前言撤回、口調にも多大な問題があったようだ、

 当然トガヒミコも嫌がる、当たり前だ。

 

 「まあダメならダメでいいよ、顔は変えるんだから口調くらいどうにかなるさ。それより雄英の筆記試験の替え玉の話なんだけど……」

 

 夜は更けていく、二人以外誰もいないエントランスで計画は詰められていく。

 午後九時の高層マンションのエントランスに誰もいないという不可解な状況、それすらメアリが作り上げたもの。

 当然聞かれたくない話を外でするわけがない、つまりここは既に『なか』なのだ。

 株式会社カララギ社の社長でありとある組織のボスであるメアリー・スーが保持しているマンションであるからこそできること。

 マンションの住民全員が組織の一員だからこそできる話。

 秘密が漏れることなど、ありえない。

 そう、()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




文字数少なめ展開遅め回収できなさそうな伏線マシマシ
次回はホークスとレディナガンの現在とトガヒミコの独白あたりを。
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