Horolive the Xover   作:黒武

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主人公

クロス・イベント(X-Event)

上書きと呼ばれる力を持った男性。とある女性に殺され、とある世界に転生した。


死んだときに上書きの力を無くした。


Newgame

「君は、何故その力を振るわない?」

 

花畑で寝転んでいる俺に、同じように寝転んでいる女性が突然聞いてくる。

 

「...こんな危険な力、使う気にもなれないからだ」

 

自分の手を見て、俺は女性の質問に答える。すると女性はおかしそうに、そうか。と笑っている。

 

overwriteと書かれたボタンを出現させ、忌々しそうに見る。

 

使いたくもない。いや、使えない方が良かった。俺が生まれつき持っている力は、自分さえ飲み込んでしまうほど強くて、怖くて、恐ろしい物だった。

 

自分の思うがままに世界を書き換えてしまう...

 

「そうか...君は自分自身がいてはならない存在だと思ってるんだ」

 

女性は俺を見て、そんな事を呟く。その通りだ。俺は本当はいてはいけない存在で、出来るだけ早く死ななくちゃならない。

 

俺はいつか世界を掻き乱し、混沌に陥れるだろう。そんな事が起きる前に自身の息の根を止めなくては。

 

「...それじゃあ、私がせめて苦しまないようにしてあげる」

 

「本当か?」

 

「ええ、本当よ...でも、貴方はそれでいいの?」

 

悲しそうな声で俺に聞いてくる。

 

「ああ、俺はそれでいい」

 

「そう...」

 

女性が指を鳴らすと、俺の首が突然はじけ飛んだ。痛みは全く感じない。...そうか、俺は死んだんだな。

 

男の体が地面に倒れ、首から流れる血が花畑を赤色に変える。最後に、過ごした場所を汚してしまったのは悔やまれるな。次はどうか、いい人生を歩めまうように...

 

男の意識は、その言葉を最後に深い眠りに着いた。

 

「もしも彼がまた生きられるのなら...次は...幸せに生きられますように」

 

女性は死体の前で手を合わせ、ただ神に祈っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嫌な事、思い出しちまった」

 

ゲーム雑誌を片手に持っていた青年が、頭を押さえながら呟く。部屋はホロライブとよばれるアイドルグループのグッズと自分のやっているゲームで溢れかえっている。

 

「今日はホロライブ・オルタナティブの発売日だってのに、これじゃまるで厄か何かの前触れじゃねぇか」

 

ハァ、とため息を吐いて涙目になる。俺だってたまには全力で楽しみたい時があるのに...なんでそんなときにだけこんな事を思い出すんですかねぇ。

 

沈む気持ちをゲームで抑えるためにヘッドギアをを被る。ダウンロード版で予約していたホロライブ・オルタナティブはもうすぐでダウンロードが終わるところだった。

 

「いやー、待ちきれないな!β版を遊びつくしちまって製品版をずっと心待ちにしてはいたが...」

 

ベータ版の壁抜けバグの事を思い出す。まさか壁抜け学があの世界で通じるとは思わなかった...

 

確か、ストーリーとかはアプデで追加されるんだっけ。β版とかだと1章までだったからRTAとかやってる人いたなぁ(俺)

 

そんな事を言っているとゲームのダウンロードが完了したようだ。やったね!これでまたデバッグが出来るよ!

 

ゲームを起動し、意識を全てヘッドギアに預ける。気付けば白い空間に立っており、目の前に何か出現する

 

「...えっと、β版の特典はアイテムセットと装備、後ステータスの引継ぎか。勿論適用っと」

 

ボタンを押して、装備を初期装備から変更する。この装備...ししろんの服みたいで結構いいな。

 

目の前が白くなり、何処かへと転送される。...帰って来たぞ。

 

「ハロー、ワールド!」

 

始まりの街で、一人の青年はそう叫んだ。

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