「ふーむ、今日は釣れぬわ…」
全てが終わった太公望は、丸い巨岩に座って趣味の釣りをしていた。
四不像は、仙人界の淀みのない空気の中を飛び回っている最中だ。
川のせせらぎが心地良い。透き通った川水、気持ち良さそうに泳いでいる川魚…。
気晴らしに太公望は釣りをしていた。
「…望ちゃん」
(……む?)
後ろから声が聞こえる。
太公望は聞き覚えのある声に、思わず後ろを向いた。
そこには、太極符印を持つ、封神されて神界にいるはずの普賢真人が、笑みを浮かべて立っていた。
「……普賢!?普賢ではないか…!なぜ、お主が…」
太公望はあっけらかんとした顔をして驚いた。
「…お主、神界にいるのではないのか?封神されて」
「…神界って、何だっけ?」
すっとぼけておるのか、こやつは、と太公望は思った。
「いや、お主はな、聞仲に殺られて封神されて、ワシが考えた神界にいるはずなのだが…」
本人は覚えていないのか、すっとぼけているのか、太公望にはわからなかった。
いちいち説明するのも面倒くさい。
「いや、望ちゃんこそ、何で仙人界にいるの?望ちゃんは王天君と合体して、幽霊化した僕らと協力して女媧を倒したじゃない…」
もはや、どこからツッコんだらいいか、太公望はわからなかった。
「いやワシはな、実は王天君とは魂魄は分離したのだよ。奴と同じ魂魄はなんか気持ち悪くてのぅ、拒否反応が…て、お主もなぜここにおるのか説明せんかい!」
太公望は思わず釣り糸を引き上げ、普賢真人の方に向かって立ち上がり言った。
「僕はね、元始天尊様の許可がおりたから仙人界にいるんだよ」
太公望の頭にハテナマークが浮かぶ。
「なぬ…?元始天尊様の許可がおりれば幽霊化しても仙人界に来られるのか?ではやはりお主は幽霊ではないか…」
「いや、違うよ、望ちゃん」
「???」
太公望は一体どういうことだ?と疑問に思うばかりだった。
「だからね、要は、元始天尊様が封神台に行った皆を生き返らせてくれたんだよ。皆で女媧を倒してくれたお礼だって…」
普賢真人はクスッと笑う。
「元始天尊様はそんなことができるのか…。まぁ封神台は元始天尊様の宝貝だからのう、できてもおかしくはない」
太公望はそれを聞いてしばらく放心状態だったが、納得はできた。
「…では、ワシが考えた神界はまるっきりムダだったという訳ではないか!あの耄碌ジジイ〜!!」
太公望は怒りをあらわにする。
太公望はハッとした顔をする。
「お主…だから神界ってなんだっけ?などとぼけおったのか…」
「そうそう、そういうことだよ」
普賢真人はお腹を抱えて無邪気に笑った。
今後どんな封神演義二次創作小説がみたいですか?
-
シリアス
-
ギャグ
-
シリアス&ギャグ
-
面白ければなんでも