「あぁ~!ヤバいっすよ!血の雨で溶けるっすよ!」
「王天君!チート宝貝を使うでない!」
紅水陣の空間に入った人は全員大慌てだ。
「全く王天君は何を考えているのですか?紅水陣など使っては死人が出るでしょう…さすがはまだ元始天尊を恨んでるだけありますね…。見ているだけと言いましたが助け舟を出します。巻き添えを食らわないように注意なさい、雷公鞭!!」
アイスクリームの形の宝貝雷公鞭の周りにバチバチと小さい雷が纏わりつく。
紅水陣は太公望や普賢真人、四不像、四聖、聞仲を四角い空間に閉じ込めている。
何故か黒麒麟だけは紅水陣には入っていない、何故だろうか…。
雷公鞭から発せられた雷は紅水陣の空間をバリバリ、と砕くように割った。
「…申公豹、お前見てるだけじゃなかったのかよ」
王天君は邪魔をするなと言わんばかりの表情だ。
「これは例外です。元始天尊に逆らうわけにはいきませんからね。あなたが何を企んでいるのかはわかりませんが…もしや軽症を負わせてそれで紅水陣を解除するつもりだったのですか?…だとしたらお遊びが過ぎますね」
「お遊びだぁ?大きなお世話だよ。十天君の金光聖母、申公豹の相手してやれ」
「……私に勝てるとでも思っているのですか?戯れ言も大概になさい」
申公豹の体に雷公鞭による雷がビリビリと纏う。
「あー!!申公豹様が怒ってるっすよぉぉー!!聞仲より怖いっすよ!!!」
「……もはや何が何やら…。申公豹VS王天君になっておるのぅ…」
四聖達も聞仲も混乱している。なぜ王天君が黒麒麟だけ紅水陣の空間に入れなかったのは謎だが…。
皆動揺していたが、さっきと同様に普賢真人だけはあまり動揺していなく、冷静だ。
「あのさ、望ちゃん、提案なんだけど」
普賢真人が太極符印を両手で持ちながら言う。
「む?なんだ?」
「…ここは申公豹に任せてさ、いっそのこと退散しようよ。なんか、意味ないしムダな争いだよ、これ」
言えておる、と太公望は思った。
仙人同士の殺し合いは元始天尊様により禁止。それにいくらなんでも王天君や十天君が、申公豹に勝てるとは思えない。
申公豹はこのままバカげた争いを自分だけで治めるつもりだ、恐らくは…。
「…王天君と十天君が申公豹に勝てるとは思えんな。四聖と黒麒麟、金鰲島内は荒れるだろうが多分平気だ。退散するぞ」
「はい!聞仲様!」
四聖のリーダー、王魔は即返事をし、聞仲らは走ってどこかに行ってしまった。
「…ワシらもそうするか?混乱に乗じて聞仲と同じく逃げるか…」
「そうだね、望ちゃん…」
「帰るっすよ!帰るっすよ!!」
「いいから落ち着け、四不像…」
そう言って三人は去り、残るは申公豹と王天君と十天君のみになった。
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