太公望と普賢真人は、四不象に乗り、桃源郷へと急いだ。
「太上老君いるっすかね?邑姜ちゃんはあの姫発さんと結婚したっすよね??」
四不象は飛びながら言う。
「…ふむ、ならば邑姜は桃源郷にはいないであろう。女媧との戦い前も桃源郷からは出ていった、ワシらと一緒に。だが、太上老君は桃源郷へと帰っていったな、確か…」
「へぇー、なんか僕の知らない人の名前ばかり…太上老君とか姫発とか邑姜とか…どんな人なの?」
普賢真人が不思議そうに聞く。
「…まぁ簡単に言えば太上老君は申公豹の師匠、姫発は女好きだが人望のある王、邑姜はその伴侶よ」
「そうっすよ!普賢さんは知らないっすもんね!」
「へぇ、申公豹の師匠と、王様とその奥さんかぁ…」
普賢真人はあまり興味がなさそうだった。
「…にしても、まさか妲己と女媧が分離とは…。この星と一体になったのではなかったのか…では、次は一体何が目的なのだ?妲己…と女媧は」
「女媧はもう自分が住んでいた星と同じにしたいって願望はないんじゃない?…なんかそんな気がするよ、僕は。もうそんなわがままなことしても仕方ないしね」
「むむ…確かに。皆から、いや、ワシが食い止めたからのぅ、一回…。もう一度同じようなことを企んでもあまり意味が…。ということは妲己三姉妹が気になるのぅ…」
太公望は納得した顔で言う。
「太上老君なら絶対知ってるっすね!だって女媧が何を望んでいたか知っていたくらいっすから。妲己三姉妹のことなら軽くわかるはずっすよ!」
四不象は確信した表情で言い切る。
「……なんか、後ろが気になるのぅ。…もしや、申公豹が着いてきておるのか??」
太公望は四不象に乗りながら後ろを振り向くが…何も見当たらない。
「……申公豹様はご主人のストーカーっすからね」
「まぁだったらちょうどよい!太上老君とその弟子、申公豹に妲己三姉妹のことを聞かせてもらおうではないか…あっ!そうだ普賢、お主太極符印で申公豹か誰か近くにいるかわかるか!?」
「太極符印で…?わかった」
普賢真人は太極符印を起動させる。ピコーン、ピコーンと太極符印から音がする。
「……近くに二つ反応があるよ。誰かはわからないけど」
「うーむ…申公豹と黒点虎とは限らぬしのぅ…」
桃源郷では太極符印で誰かがいるのかは捕捉できない。覆い隠されたペルソナだからだ。
「にしても懐かしいっすね、桃源郷は。ボクが糸紡いだり、ご主人が羊の世話して色黒のムキムキになったり…」
四不象は思わず笑顔になる。
「望ちゃんが色黒の、ムキムキ…??そんなになっちゃったの?望ちゃんが??」
普賢真人は想像もつかなかった。
「そうだ、働かざる者食うべからずと言われてな…仕方なく羊の世話をしたらあんなムキムキになってしまったわ…」
「桃源郷にいる人って皆不思議っすよね。なんか動物の仮面?みたいなもの被ってるっすよね」
「動物の仮面…?桃源郷だからかなぁ?平和そうでいいね」
普賢真人は笑顔で言った。
「まぁとにかく進むしかない!急げ、四不象!」
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