悪の頂点の筈なのに何故かうちの喫茶店で魔法少女達が居座っている件   作:鉄血

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第十一話

商店街の氷結事件からはや三日。

慎一郎は喫茶店でいつもと変わりない日を過ごしていた。

だが、慎一郎はあの日から落ち着きはない。

なぜなら自分の手を取った柊白音の姿をあの日から一度も見ていないからだ。

白音の同級生である魔法少女達もこちらを訪ねてきたが、こちらにも来ていないと返事を返す。

 

「何処に行ったんだ・・・柊の奴」

 

カウンターの椅子に慎一郎は座りながらそう呟いたその時───

 

“カランカラン“と扉に設置されていた鈴が鳴り響く。

 

「あ、いらっしゃいませー」

 

慎一郎が挨拶をし、扉に視線を向けるとそこにいたのは───

 

「こんにちは。慎一郎さん」

 

店の入口にいたのは、制服姿の白音だった。

その白音の姿を見て、慎一郎は驚いた様子で白音に言う。

 

「柊・・・・・最近学校にも来てないって聞いたから心配したぞ」

 

「あはは・・・ボクも色々と準備をしてましたから」

 

「準備?」

 

準備をしていたと言う白音に慎一郎は首を傾げた。

 

「はい。引越しの準備をしてましたから」

 

「引越しって・・・おいおい、親に説明はしたのか?」

 

「もちろん。ちゃんと説明したら成績キープ出来るのなら良いと言ってくれましたから」

 

そう言う白音に、慎一郎は息を吐いた。

 

「・・・そうか。ならこれからも頑張らないとな。で?どこに引っ越したんだ?かなり遠かったりしたらシフトやアイドル業にも支障出るだろ?」

 

そう言う慎一郎に、白音は笑みを浮かびながら言う。

 

「ああ、それなら大丈夫ですよ?だって───」

 

「”ボクの引越し先は、この喫茶店の二階のマンションですし”」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

慎一郎は白音の言葉にそう呟く。

 

「ちょっとまて。それってうちの二階だよな?」

 

確かにうちの喫茶店のマンションは確かに空き家がある。まさかそこに?

ニコニコと笑みを浮かべている白音に慎一郎は顔を引きつらせる。

 

「そういう訳ですのでよろしくお願いしますね。慎一郎さん」

 

そう言う白音に慎一郎は顔を引き攣らせるしかなかった。

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

「・・・・ふふっ」

 

白音は学校の通学路で軽やかな足取りで足を進める。

 

「・・・慎一郎さん。驚いてたなあ」

 

そう呟く白音は頬を赤くしながらマフラーでニヤけた口元を隠す。

 

「今日から楽しみだなぁ。バイトだからって理由で早く帰らなくてもいいし」

 

そう言いながら白音は笑みを更に深くする。

 

「───だから慎一郎さん。“ボクをずーっと見てくださいね”」

 

彼女は───この場にはいない慎一郎にそう言った。

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「・・・やれやれ。本当に魔女になった魔法少女は恐ろしいものですよね。J2」

 

「ああ。まさか───此処までするとはな」

 

“とある家“で“氷の彫像となり粉々に砕かれた夫婦の死体”を見て二人はそう呟く。

 

「愛に飢えてたんですかね?だからと言って親を殺りますか・・・普通?」

 

「道具としてしか見て貰えなかったのだろう?なら、道具としてしか見ていない親より、自分という個人を愛してくれる者が現れると、そちらへと惹きつけられてしまうのは仕方ないだろう」

 

「ま、私達の仕事も減ったので良かったですけどね」

 

そう言って部屋から出るM4。

 

「お前は納得しているのか?」

 

「兄様やマスターがそれでいいなら私は口出ししません。ただ──“私の兄様に手を出すつもりなら殺しますけど“」

 

「・・・・・」

 

後はよろしくと言って部屋から出ていったM4に部屋に一人になったJ2は粉々になった死体を一目見てからJ2も部屋から出ていった。

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