悪の頂点の筈なのに何故かうちの喫茶店で魔法少女達が居座っている件   作:鉄血

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第十四話

「あ!おはよう白音!」

 

学校の教室でコウハが教室に入ってきた白音を見て、笑顔を作る。

 

「おはよう。コウハちゃん」

 

教室にいる友人のコウハに白音は挨拶を返す。

 

「あ、柊さんおはよう」

 

「うん。おはよう」

 

周りの同級生からも挨拶を返し、白音は自分の席に鞄を机の上に置く。

そんな中、コウハが小声で白音に言った。

 

「ねえねえ、白音ちゃん。四日前の事件知ってる?」

 

「四日前・・・?」

 

「うん。白音ちゃんは三日間学校休んでたから知らないと思ってさ。“七番区の商店街が氷漬けになったって話”。もしかしてって心配してたんだけど、“白音ちゃんじゃなくて“良かったぁ」

 

「・・・・っ」

 

安堵した表情を作るコウハに、白音は喉を詰まらせる。

人を巻き込んだ魔法少女はすぐに処分される。氷を操る魔法少女は自分を含めてかなりの人数がいる。

暴走となればかなりの被害が出る事を魔法少女達は理解しているので、“誰が暴走したのか分からない”のだ。

だからこそ、魔法少女が居なくなるという事は殺されたということ。

コウハが良かったと言っていた理由は、“街を氷漬けにしたのは友達の自分じゃない”と安心しているからだ。

 

(・・・本当はボクがやったのに)

 

コウハに対して罪悪感が胸に残る。

だが、白音は安堵するコウハに本当の事を言うことが出来なかった。

──と、教室にもう一人の友人が入って来るのが見えた。

 

「おはよう白音ちゃん。三日間学校に来なかったけど、身体の方は大丈夫?」

 

心配そうに雨宮都が声を掛けてくる。

 

「うん。ちょっと引っ越しの準備してたから。今日から一人暮らししてみようかなって思って」

 

「あっ、引っ越しだったんだ。何処に引っ越したの?」

 

「えっと・・・バイト先の上のマンション」

 

白音はそう言うと、都はあっと手を叩く。

 

「もしかして・・・〈イオニアン〉の上のマンション?」

 

「うん、そこ」

 

都の返答に白音は頷くと、コウハは言う。

 

「てことは・・・白音、毎朝店長さんに会ってる感じ?」

 

「えっと・・・たまに、かな」

 

そう言って笑う白音に、二人は「「おおー!」」と声を上げる。

周りの生徒達も一部聞いていたのか、話が盛り上がった。

 

「え!?柊さんに好きな人出来たの!?」

 

「マジかよ!!」

 

「お前、柊狙ってたもんな」

 

「言うなよ!」

 

「〈イオニアン〉の店長って確か・・・」

 

「良くサービスしてくれる店長さん!」

 

「いいなー。私も好きな人出来ないかなー」

 

色々な会話が教室に飛び交う中、キーンコーンカーンコーンと、朝礼のチャイムが鳴る。

 

「あ、もうこんな時間」

 

「じゃあまた後で聞かせてね!」

 

「うん」

 

皆がそれぞれに自分の席に着く。

と、白音は自分の隣の席が空席になっているのを見て、小さく首を傾げた。

 

「・・・あれ?」

 

欠席を一度もしたことのない生徒の席に白音は疑問を浮かべていると、教室の前の扉が開かれた。

 

「出席を取るぞー」

 

担任の先生が出席簿を手にしながら名前を呼んでいく。

そして───

 

「柊白音」

 

「あ、はい」

 

白音は自分の名前を呼ばれ、とっさに返事を返す。

 

「今日はいるな」

 

担任の先生はそう言って、出席簿をチェックする。

そんな先生に、白音は気になる事を口にした。

 

「あの・・・先生」

 

「ん?どうした柊?」

 

顔を上げる先生に、白音は口を開く。

 

「あの、七宮さんは・・・?」

 

隣の空席の生徒の名を呼ぶ白音に、先生は言った。

 

「七宮なら“四日前から行方不明“だ。警察もまだ捜索中らしい」

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