悪の頂点の筈なのに何故かうちの喫茶店で魔法少女達が居座っている件   作:鉄血

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第三十二話

午後七時。

個人で喫茶店を経営している慎一郎にとっては、もう店を閉店して家で寛いでいる時間。

だが、慎一郎は自分の店でモノと白音、都に葵の四人をテーブルに座らせながら慎一郎は調理室にいた。

 

「今からちょいと遅いが晩飯にするぞ。何がいい?」

 

そう言った慎一郎に都は目を丸くする。

 

「でも、もうお店の方は・・・」

 

「気にしなくていい。どうせ、明日は定休日だしな」

 

ケラケラと笑いながら慎一郎は波々と水を入れた鍋に火をかけた。

 

「んー・・・じゃあ海鮮パスタ。何時もボクに内緒でラインハルトに作ってるヤツ」

 

「・・・ちょっと待て。なんで知ってる?」

 

モノのその言葉に料理の作る手を止めた慎一郎に、モノは椅子に背を預けながら唇をニヤリと歪めた。

 

「シンの店に盗聴器つけてるからねー?」

 

衝撃のカミングアウト

 

「おいちょっとまてやこら。盗聴器?何処につけたおい」

 

「さぁ〜ねぇ〜?」

 

「盗聴は犯罪です。ボクにソレを渡して下さい」

 

「君には渡さないよ。絶対に持ち帰る気でしょ」

 

「そんな訳・・・ないじゃないですか」

 

「その間はなんです?」

 

ニヤニヤと箱型の物体をわざとらしく見せるモノに、詰め寄ろうとする慎一郎。言い淀む白音に、その間はなんだと聞く葵。そんな彼等を見て、都はクスリと笑った。

 

「「・・・ん?」」

 

笑った都に動きを止めて視線を都に向ける慎一郎とモノに、都は口を開く。

 

「皆さんは仲が良いんですね。白音ちゃんも馴染んでて良かった」

 

「まあ、何だかんだ俺とモノはもう九年以上の付き合いだしな」

 

「確かに。ボクはボクで訳ありの魔法少女だし」

 

「今思うと此処にいる全員訳ありでは?」

 

「魔法少女と能力者と魔女狩りアンドロイドだぞ?訳ありだらけだわ」

 

組織のボスである慎一郎に違法魔法少女のモノ、魔法少女の第三位に堕天した魔法少女に魔女狩りの葵。

 

「・・・・そう思うと碌な奴がいねぇ」

 

「ボク含めて魔法少女に碌な奴居ないよ」

 

「・・・・・」

 

「あ、あははは・・・」

 

モノの言葉に目を逸らす白音と都。

そんな彼女達を見て葵は言う。

 

「それはそうと兄様」

 

「ん?」

 

「雨宮さんをこれからどうするおつもりですか?いくら堕天した状態を誤魔化す腕輪とはいえ、何時までもそんな無骨な腕輪をつけておく訳にもいかないでしょう?」

 

「ああ、それなんだがな・・・」

 

慎一郎は少々気まずそうな表情で都に視線を向ける。

 

「いくらなんでもその腕輪だとデカいし邪魔になるから小型化出来ないか考えるつもりだ。それに柊の学校って確かアクセサリー禁止だったよな?」

 

「確か、そうだった筈です」

 

そう答える白音に、慎一郎は言った。

 

「だからしばらくはモノと同じでオンライン通信教育を受けて貰うしかないな」

 

そう言って慎一郎は頭をかく。

 

「・・・仕方ないですよね」

 

そう言って表情を少しだけ暗くする都に慎一郎はキッチンへと戻る。

 

「あーっ、辞めだ辞め。暗い話になっちまう。そんな時は、美味い飯を食って元気になることだ」

 

そう言う慎一郎に白音は思い出したかのように顔を上げた。

 

「そういえば・・・慎一郎さん」

 

「ん?」

 

「今回の事件の能力者の件は───」

 

その白音の質問に慎一郎は───

 

「明日、地下のスラム街に言って情報収集する。能力者絡みだったら行き着く先は彼処だ。俺だってそうだったからな」

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