悪の頂点の筈なのに何故かうちの喫茶店で魔法少女達が居座っている件   作:鉄血

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第三十五話

「・・・それで?なんでお前等も来るんだ?学校はどうした学校は」

 

慎一郎は朝早く店の前で待っていた白音と都の姿を見てため息をつく。

 

「今日は祝日なので学校は休みですよ?」

 

白音は今日は祝日ですよと答えると、慎一郎は知ってると返事を返した。

だが、部活動とかアイドル業があるだろうにと慎一郎はボヤく。

 

「いやまあ、そうなんだが。情報収集をするだけだって言っているのにお前等二人が来る理由はないだろ」

 

「情報収集なら一人より三人で探した方が良いと私は思うかな。そしたら手分けして探すことができますし」

 

都の間違いではないその返答に、慎一郎は再びため息をつく。

一応、この都市のスラム街にこれから行くと言うのに彼女達は危機感と言うものが───

 

「いや、この二人魔法少女だったわ・・・」

 

魔法少女の中でも上位陣が一人居たわ。

 

「?」

 

「?」

 

慎一郎の独り言に白音と都はキョトンとした表情で不思議そうに首を傾げた。

 

「・・・はぁー、仕方ないか。本当だったら正規ルートから行こうと思ってたんだが、裏側から行くしかねえな」

 

「正規ルートってあるんだ・・・」

 

都は驚きを隠さずにいると、慎一郎は応えた。

 

「ああ。本来、スラム街に入るには交通許可証がいる。八番地区から九番地区にかけてスラム街及び、地下スラムだからな。で、正規ルートは八番地区から交通許可証を見せて行くんだが、今回はお前等も一緒ってなると話は違う。十番地区の地下通路から入れる抜け道があるんだよ。とはいえ、そこから入るにもあの爺からの許可がないと基本入れないんだがな・・・」

 

苦々しい表情で慎一郎は白音と都を見る。

確か二人はこの辺では偏差値がやたら高く、そして魔法少女と言う国の軍事所属のエリート勢だ。だが───

 

「大丈夫ですよ。ボクは上には報告なんてしませんし」

 

「私は・・・逆に居られなくなっちゃったから」

 

「俺が言うのもアレだが柊はそれでいいのかよ」

 

都は分かるが白音、お前は一応向こう側だぞ?一度魔女狩りから目をつけられたとはいえ、国の仕事に不真面目な第三位に慎一郎はツッコミを入れると、白音は苦笑する。

 

「別に良いんですよ。ボクは慎一郎さんのことを信頼してますから。それに慎一郎さんが〈組織〉のボスだってこともみゃーこ以外に言ってませんし」

 

「私も言うつもりはないかな。だって慎一郎さんは私の恩人だから。それに〈組織〉の人達も悪い人ばかりじゃないって慎一郎さんやモノさんを見て、色々と考えさせられたから」

 

「いや、そうか・・・なんか、ありがとう」

 

ここまで信頼されると少々照れくさい気分になる。

モノやラインハルトも俺に全信頼をしてくれているが、それとはまた違ったものだった。

 

「じゃあ、慎一郎さん行きましょうか」

 

「あー、ちょっと待った」

 

慎一郎は二人を呼び止めると、二人の格好を見る。

白音は何時もの赤いフレームの眼鏡にマフラーをつけ、厚手のコートの下には白のセーターにジーパン、ブーツとかなりオシャレなのだが、目立つ。

それは都も同様だった。

白音と同じ厚手のコートをしっかりと着こなし、ロングスカートとどこかのお嬢様といったような姿だ。

そんな彼女達に慎一郎は言った。

 

「その服は今からいくスラム街だと目立つが、大丈夫か?多分絡まれるぞ」

 

「大丈夫です。その時はボクがみゃーこを守るので」

 

「・・・そうかい」

 

そう言う白音に、慎一郎はもう一度ため息をついてから白音と都に言った。

 

「じゃあ行くぞ。ここ三番区からだと電車の乗り換えが必要だからな」

 

「「はいッ!!」」

 

慎一郎のその声に二人は元気よく頷いた。

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