ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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6月中旬 下積み1

 ロンメルが学生連合を支配下に置いて数日が経過した

 

 ロンメルは不満を溜めている皆にある提案を行う

 

「はい、注目これより私の事をいつでも攻撃する権利を皆さんに与えます。欲しかったでしょ?」

 

 ぽいっとロンメルはなけなしのお金で買ってきたナイフを皆の前に投げた

 

 全員の目の色が変わる

 

「そのナイフで攻撃して良いよ。私も怪我しない程度に反撃するし、その時は痛いと思うけど殺されるかもしれない権利をあげたんだから良いよね?」

 

「……狂ってやがる」

 

「ミッションタイマー先輩、その通り、私は狂っています。が、誰よりも正気です。なぜなら私を殺すことはこの場の全員がかかってきてもできないからです」

 

 クイクイっと手で挑発する

 

「全員かかってきなさい」

 

「や、やっちまえ!!」

 

 ミッションタイマーの合図でミッションタイマー以下4人がナイフを持たずに殴りかかってきた

 

 ドゴ ゴス ベチン

 

 腹部に膝蹴り、ラリアット、顔面ビンタ

 

 ミッションタイマー以外の殴りかかってきた3名はそれで撃沈

 

 痛みでうずくまったり顔を押さえて泣いている

 

「不満があるなら出しきらないと」

 

「て、てめぇ! 下級生だろ! 俺らに指図するんじゃねぇ!!」

 

 ミッションタイマーはナイフを持つとそのまま振ってくる

 

 ロンメルはそれを華麗に受け流す

 

 ロンメルはまるで舞いをしているかのように無駄の無い動きで避けたり受け流したり

 

「はぁはぁはぁ……」

 

「体力が全然無いね先輩、まずはトレーニングできる体力を付けないと」

 

「くっくそ!」

 

 ナイフを落として悔しがる

 

「かかったな」

 

 後ろから椅子を持った子がロンメルに振りかぶるが

 

「で?」

 

 バゴン

 

 椅子をロンメルは裏拳で粉砕した

 

「私は集中すると全周囲を透けた世界で見ることができます。私に死角はありませんよ」

 

 ニヤニヤとしながらミッションタイマーに近づき立て膝でへたりこんでいたミッションタイマーにロンメルはこう言う

 

「いつでも不満があればかかってきなさい。いつでも相手しますので」

 

 その場に居た全員が改めてコイツには逆らえないと実感した

 

「「かっ、かっけぇ……」」

 

「あ!?」

 

「す、すみません」

 

「コラコラ威圧しちゃダメだよミッションタイマー先輩。フェンリルさんとサクセスさんだね中等部の……みっちり鍛えるから私についてきてね」

 

「「は、はい!」」

 

「さて、危ないナイフは食べちゃいましょう。あぁ、これから私の事はロンメル先生と呼んでください」

 

 バリバリと合金のナイフをロンメルは食べ始める

 

 それを見てその場に居た全員がぎょっとし、冷や汗が止まらなくなる

 

「はい、じゃあ不満も無理矢理ですが解消したところで皆さんの学力を知りたいのでテストしまーす」

 

 片されていた机を触手を使って一瞬で人数分並べると座席に座らせて

 

「はいじゃあテストを配ります。あぁ、全員問題が違うのでカンニングは不可能と言っておきます」

 

 ニヤニヤとロンメルはピアノの椅子に座り

 

「では始めてください」

 

 と宣言する

 

「勉強なんかやってられっか!」

 

「おりょ? ディープバレット先輩テストを放棄しますか?」

 

「あ、ああ! 化け物見てぇなテメーの指図なんか受けねぇ! ミッションタイマー先輩も言ってやってください」

 

「いや、あれだけやられて、ナイフ食い出す様な化け物だぞ……もう従おうや」

 

「そうやって流されるから先輩こんなところまで落ちたんじゃないですか!」

 

「……まぁな」

 

「はい、ディープバレット先輩座りましょうねー、やらないとすごい量の勉強させますよ」

 

「ちっ……くそ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フムフム、ヌルフフフ」

 

『殺せんせーの笑い声の真似ですか?』

 

「いや、これから余裕のある時の笑い声は恩師である殺せんせーに習ってこれでいこうかと思ってね……律」

 

 ロンメルの手に持っていたのは学生連合全員のテスト用紙で成績はまぁ酷い

 

「レースもダメ、勉強もダメ……まさに掃き溜めだね」

 

『どうするんですか?』

 

「どうするって利用するに決まってるじゃん。私は殺せんせーみたいに教師じゃないから打算とか欲望、野望ありきで彼女らを育てる。ステップ1、仲間作り」

 

 誰も居なくなった旧校舎の音楽室で律と喋りながらロンメルは問題集やトレーニングスケジュールを組み立てていく

 

「全員の筋肉の配列とかは見て、触手でさわって把握した……よっと、律これよろしく」

 

『何ですかこれは?』

 

「学生連合15人分のデータ。とりあえず学力と過去のレースの成績や走り方、私の独断で決めたステータスなんかが入ってる」

 

 USBを殺フォンに差し込み、律にアップデートを行う

 

『把握しました。私も手伝えばよろしいですか?』

 

「頼む! 私だけだと手が回らないから律にも手伝って」

 

『わかりました! 協力しますね』

 

「ありがとう」

 

 ロンメルはその日から美浦寮には帰ったり帰らなかったりと寮長から厳重注意をくらうが知らんぷり

 

 晴れて問題児の仲間入りである

 

 仲良くもない同部屋の子に深夜まで作業する関係で邪魔をするわけにもいかないのでお互いのために距離を取った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 6月中旬

 

 宝塚記念が近づき学園全体は夏休みと宝塚記念の予想で持ちきりであり、そんな中でロンメルはようやく生活サイクルが安定してきた

 

 まず2時に起床、だいたいは寮ではなく旧校舎の音楽準備室に寝具を持ち込みそこで寝ている

 

 15分で身支度をして誰も使っていないコースや坂路にて練習

 

 4時半に切り上げ6時までジム施設で筋トレ、6時から食堂が開くので朝一に朝食をいただく

 

 金が無いので安い定食か卵かけご飯をよくいただく

 

 そこから寮に移動してシャワーを浴び、図書室にて勉強

 

 朝礼開始5分前の8:25に席に着席して授業を受ける

 

 昼食後空いた時間は図書室にて勉強か家庭教師のアルバイトの資料作成、チームの練習メニューや勉強メニューの作成

 

 15:30に授業終了、45分よりバイトが入ってないチームメイトを召集して軽いミーティング後練習開始

 

 ターフやコースは使えないので、だいたいは河川敷まで走り、そこからトレーニング

 

 または市民プールでトレーニング

 

 勉強がヤバいチームメイトはロンメルが作った問題集を律に見てもらいながら勉強する

 

 18:45練習終了

 

 宿題を渡して解散

 

 19時から家庭教師の仕事

 

 現在1軒週2で1回5000円

 

 来年トレセン入学を目指しているスリームーンというウマ娘を教えている

 

 1時間勉強、1時間走り方等のトレーニング

 

 律のコピーに時間外サポートも行ってもらっているので評判は上々

 

 21:30トレセンに戻る

 

 戻るついでにスーパーで買い物

 

 もう食堂は閉まっているので旧校舎の家庭科室にて自炊

 

 調理器具は食堂で古くなって廃棄される道具や捨てられていた鍋等を修理して利用

 

 廃品置き場の冷蔵庫も修理して勝手に持ち込んで私物化してる

 

 22:15美浦寮にて入浴

 

 22:45旧校舎音楽室にて翌日の資料作りや勉強、律の動画配信の手伝い

 

 23:50就寝

 

 1日中全集中の呼吸によるトレーニングを行う

 

 また寝ている間に触手と呼吸による回復力にものを言わせて人工的に超回復を行わせる

 

 家庭教師が無い日は自主参加の追加特訓

 

 皆勤賞は以外にも元ボスのミッションタイマー先輩と中等部のフェンリルとサクセスの3名

 

 これがだいたいのロンメルの1日である

 

 膨大な作業量はマッハ20で動く触手と頭で時短している

 

「にゅふー、つ、疲れる」

 

『大丈夫ですか? ロンメルさん』

 

「触手を正確に動かすのが【身体リセット】の影響で身体がついてこない。もう1ヶ月くらいで何とか慣れると思うけど辛いなり~」

 

【身体リセット】……異世界から戻ってきたロンメルは異世界で習得した技術は身に付けているが、身体機能はよわよわの状態

 

「にゅふー、今日は早めに寝るわ……律配信頑張って」

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『電脳アイドル律の今日のニュース!』

 

 バーチャルMyTuberとワラワラ動画を同時に接続して律は6月初めから動画チャンネルを開設して色々やっている

 

 動画時間は毎日4時間

 

 21時30分から翌日の1時30分までで4部構成になっていたりする

 

 例えばその日に有ったニュースを面白おかしく紹介したり、歌を歌ったり、自作ゲームで遊んでそれの販売をしたり、勉強を行ったりする

 

 最初の1時間はニュース、次に歌やゲーム、勉強ときて雑談タイムである

 

 SNSではフォローがまだ開設2週間なのに5000人、動画登録者は8000人と企業勢が蔓延るVTuberで個人なのに凄いのが現れたと話題になっていたりする

 

 それは圧倒的なクオリティーである

 

 テレビ顔負けの編集技術に超綺麗な3Dモデル、それがセットを使い分けながら飽きること無く話してくるので見ている人は楽しくてしょうがない

 

『さて、今日のニュースはこちら! 楽しい話題をもっとうに! 夏のお勧めレジャースポット! まずは北海道から!』

 

 事件や事故等の暗いニュースは流さずに明るく為になる話題性溢れて皆が得をするニュースを流す

 

『今日のニュースはここまで! 動画を作り治すので1分お待ちを……』

 

『はい、配信を建て直して今日のゲームの時間です! 今日はこちら! 時間が吹き飛ぶ学園経営シュミレーションゲームの椚ヶ丘学園を配信しながら紹介していくよ!!』

 

 律が作ったゲームを紹介しながら攻略情報を乗っけてお届け、概要欄のリンクには同人ゲームの販売コーナーに飛ぶようになっており、そこで実際に買えるようになっていたり

 

『今日は最近人気の彼は最恐を歌っていくよ!』

 

 と流行りの曲を律のアレンジで歌っていくこともある

 

『今日は数学の勉強です。高次方程式と連立方程式、不定方程式シリーズ第2弾をやっていこうと思います!』

 

 勉強では曜日ごとに勉強の学科を分けて、1時間みっちり教えていく

 

 ライブで行われるが、切り抜いて種類ごとに動画としてアーカイブに保存することも忘れない

 

『今日も最後の1時間となりました! 雑談ターイム! 今日はSNSで集めた質問箱から溜まったマシュマロを読んでいこうと思います』

 

 面白おかしくまったりと雑談を行いライブ配信は終わる

 

 これを毎日行うことでじわじわとファンを獲得していた

 

 まだ収益化は通っていないので動画での利益は出ていないが、ゲーム販売の利益は出ているため、それをロンメルの口座と連結してロンメルへの支援金や有料素材を集めたりに使っている

 

 ネットの神になる日はまだまだ遠い……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 市民プールで学生連合の皆を集めてプールトレーニング兼大会を行った

 

 鞭だけでは楽しくないので3チームに分けて5×100メートルリレーを行い、勝ったチームに食べ放題ながら焼き肉を奢る約束をした

 

「勝ったチーム焼き肉Queenで食べ放題メニューね、さぁ頑張ろう」

 

「「「おお!!」」」

 

 律のゲーム販売で得た利益を少し使わせてもらい焼き肉代が確保できたので今回の大会が開かれるに至る

 

「まずAチーム、ミッションタイマー先輩、ヤクルトガッツ先輩、カラスマーチ先輩、ファッションカラー先輩、サクセス」

 

 ・

 ・

 ・

 

 プールトレーニングでタイムは測っていたのでちゃんと均等になるようにチーム分けを行い、水泳大会スタート

 

「がんばれー!!」

 

「負けるな!!」

 

「焼き肉!!」

 

 50メートルプールを1人で往復し、壁にタッチして飛び込み台から次の人が飛び込んで泳いでいく

 

「えっぐ……えっぐ……」

 

 泳ぎきったコアランタン先輩が泣きはじめてしまった

 

「どうしましたか? コアランタン先輩」

 

「いや、何をするにも脚が痛くて苦しかったのに、強くばた足しても痛くないから……嬉しくて……」

 

 ロンメルは胸を貸してコアランタン先輩を抱擁する

 

「辛かったですね……よく堪えましたね……先輩は強くなりますよ……私に任せてください……強くなりましょう。見返してやりましょう。弱者が強者を打ち倒していきましょう」

 

「うん……うん!」

 

 人心掌握術は戦国時代で身に付け、暗殺教室で様々なお手本を見て磨いた

 

 怪我を治したことでコアランタン先輩、カラスマーチ先輩、ファッションカラー先輩の3名は恩を感じているのがよくわかる

 

 フェンリルとサクセスの中等部2名はロンメルの姿を見て焚き付けられている

 

 ミッションタイマー先輩は私を認めようとしている

 

 他の人も嫌々かもしれないがとりあえず言うことは守ってくれている

 

 彼女らが呼吸習得するのは恐らく8月中頃

 

 怪我をしていた3名はリハビリがあるので時間はかかるが、腐りながらも隠れて練習を続けていたらしいミッションタイマー先輩は9月には始動できる

 

 まず勝利の喜びを覚えさせなければいけない

 

 コアランタン先輩にバスタオルをかけてあげて勝負の行方を見守る

 

「……そこまで! この勝負Cチームの勝ち!」

 

 水泳大会はCチームが勝利し、焼き肉を奢ることにした

 

 負けたチームにも頑張ったで賞として食堂の大盛カレー定食の食券を配る

 

「おお! さすがロンメル先生! アザッス!」

 

「素直でかわいいなフェンリルは……頭ナデナデしてやる」

 

「くすぐったいすよ!」

 

 フェンリルまでとはいかないが大盛カレーは皆嬉しいらしく何人かはよだれを垂らしていた

 

 それだけお腹ペコペコの人が多かったということである

 

 中等部組以外は皆バイトをしているが練習故にそこまで多くシフトに入れなくて稼ぐことができていなかった

 

 プール練習が終わり皆帰り支度をしているとロンメルが全員にこう言った

 

「1人300円、22時まで食事が待てるなら夕飯何とかしましょう。腹一杯食べましょうや」

 

「ロンメル料理できるのか」

 

「本職には劣るが一通りはできますよ。ヌルフフフ、先生にお任せください」

 

 

 

 

 

 

 

 

 焼き肉で勝利を勝ち取った5人とロンメルの6人で焼き肉Queenで食べ放題メニューを頼み、ロンメルがどんどん肉を焼いて皆に食べてもらう

 

「いやー! ゴチになるわ!」

 

「バイト代でも入ったのロンメル?」

 

「いや、バイト以外の副収入の売り上げが好調で、少し余裕ができたからね」

 

「へー」

 

「あぁ、牛タン取られた」

 

「早い者勝ち~!」

 

「……こんなことやってて本当に勝てるようになるのか? 空気をぶち壊すようで悪いが」

 

「タカタノソラ先輩どうしましたか? 不安になりましたか?」

 

「あぁ、ロンメルも知っていると思うが学生連合は本当にどうしようもない連中の集まりだぞ……怪我、素行、成績のどれかでチーム追放かスカウトから漏れた連中が来るような所だ……毎年10人前後が来て1勝もできないままに去っていく。腐ってしまうから勉強にも力が入らないで高卒で安い賃金で働くか水商売に落ちる先輩達もいた。クラスでも居ないものか虐められるような弱者だ……そもそも学生連合がここ10年で2勝クラスを勝った試しは無いんだぞ」

 

「じゃあ幸運でしたね」

 

 ロンメルは牛脂を5つ袋から取り出して舐めながら喋る

 

「私がその腐りきった現状を完全に破壊してやりますよ。ヌルフフフ、とりあえず今年度中に全員1勝を目標にしましょうか、中等部の2人も私同様に来年にはこのままだとクラス変更の書類が届いてしまいますからね」

 

「……この辛い呼吸で本当に強くなるのか? 息がし辛いから逆効果だったりしないのか?」

 

「ヌルフフフ、実証データは28……いや31名ものデータがあるので大丈夫ですよ。この辛い呼吸を完璧に15秒できるようになれば世界が変わりますよ」

 

「……ヌルフフフってめっちゃ不自然な笑いすぎるぞ、なあ皆」

 

「「「うんうん」」」

 

「にゅにゃ!? 尊敬する恩師の笑い方なのですが」

 

「どんな師匠だよ……」

 

 ニヤニヤとロンメルは笑い

 

「まぁ今は食べることがトレーニングですから腹一杯食べたすよ! とりあえずお肉50人前追加です」

 

「そんなに食えねぇよ!」

 

「いや、私は食べられますよ?」

 

「食欲も化け物かよ」

 

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