ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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マンシュタイン着任

「来ちゃった……」

 

 船橋から約1時間

 

 マンシュタインはキャリーケースと大きなリュックを担いでトレセンの前で佇んでいた

 

「嬢ちゃんどうしたんだいこんな時間に、ここは関係者以外立入禁止だよ」

 

 門近くにある受付から守衛さんがマンシュタインに話しかける

 

「あの、ロンメルトレーナーよりこちらのサポート科に編入することになったマンシュタインという者なのですが」

 

「ちょっと待ってくれ……ああ、了解した。失礼しました。マンシュタインさん、どうぞお入りください。前の大きな建物の裏の旧校舎の音楽室にロンメルトレーナーは居ると思うよ」

 

「ありがとうございます」

 

 中央トレセン学園は船橋トレセンと比べても何倍も大きく、とても広い場所でした

 

 今の時間は皆授業中らしくトレーニングしているウマ娘はいませんが、これからこの広い校舎で学べるなんて夢みたい

 

 選手じゃなくてサポート科ですけど、サポート科も様々な勉強をするらしいので地方の田舎(船橋は田舎ではありません)娘が太刀打ちできるとも思えないし……というかロンメルさんは本気でなぜ私を引っ張ろうと思ったのでしょうか

 

 それが一番の謎です

 

 守衛さんに言われた旧校舎の音楽室に行くと凄まじい量の書類の山を高速で片付けているロンメルさん、いや、ロンメルトレーナーが居ました

 

「お、マンシュタインさんお久しぶりですね。今これを片付けるので机に座ってお待ちください」

 

「あ、お気になさらず」

 

 なんか触手みたいなのがペンを握ってシュバババと書類がどんどん右から左へ置かれていく

 

 手元でもタブレットをスライドさせたり入力したりしているようです

 

「マンシュタインさん、ますばようこそ中央トレセンへ」

 

「はい!」

 

「今書類を片付けましたのでトレセンの案内をしたいと思います……付いてきて貰えますか」

 

「わかりました」

 

 ロンメルトレーナーに連れられて音楽室を出る

 

「まずはここ、旧校舎、学生連合が勝手に占領しているけどそのうち解体されると思うよ……ただ3階以上の特別室……ここの音楽室や家庭科室、理科室、生徒会室、会議室は誰にも使われてないけど、1階の教室は本校舎に入りきらなかったサポート科の学生の教室や2階の教室は他のチームの物置として利用されてるからうろついたりはしない方がいいよ」

 

「なるほど」

 

「相変わらずのメモ魔だね」

 

「書いてないと落ち着かないので」

 

「マンシュタインさんをスカウトした理由はそこだよ。好きこそものの上手なりけれ……好きじゃなければ上手くはならない。マンシュタインさんはメモや文字に起こして整理するのが得意でしょ。それにウマ娘を見る目もしっかりある。だからスカウトしたの」

 

「でも私よりも凄かったりする人は幾らでも居ますよ」

 

「足りなければ育てれば良い。マンシュタインさんは私と同じ15歳でしょ、若さは何物にも代えがたい武器ですよ。ヌルフフフ」

 

 階段を降りて旧校舎を出る

 

「まず出て目につくプレハブ小屋だったり、木造の家だったり、お洒落な建物達はみんなチームの部室だよ」

 

「これ全部ですか」

 

「ああ、チームの成績によって年に1回交代になるの。来年から学生連合の部室はお洒落な建物に入れると思うよ」

 

「へー、チームの建物の中には何があるんですか?」

 

「チームごとに変わるけど、基本的にトレーナー用の事務机くらいで後はチームが自腹で買えってスタンスだね。広さはだいたいが普通の教室1個半くらいで小さいところだと10人入るのがやっとのところもあれば、2階建てで教室4つ分の広さの部室もあったりするよ」

 

「凄いですね……チームの部室はトレセンに幾つくらいあるのですか」

 

「確か300棟かな。チーム総数は約500チームだから200チームは余るんだけど、そういうチームは教室を間借りしたり、トレーナーの部屋をチーム部屋代わりに使ったりするそうだよ。弱小チームは基本的に人数も少ないからトレーナーの部屋でも間に合っちゃうんだよね」

 

「なるほど」

 

「で、ここがトレーナー棟、来年には私も部屋を貰えるハズなの」

 

「まるでマンションですね」

 

「ここに住んでないトレーナーもいるけど若手や結婚していないトレーナーはだいたいここに住んでるよ。女性トレーナー棟と男性トレーナー棟の2棟があって、ここが女性トレーナー用」

 

「へぇー」

 

「で、第三コースがここ」

 

「第三? コース幾つあるのですか?」

 

「10コースあるよ。昔は1つだったらしいけどチーム数と学生の増加で増えたらしいよ」

 

「なるほど」

 

「コースごとに芝だったりダートだったりウッドチップだったりニューポリトラックなんかもあるよ」

 

「へぇー、凄いですね」

 

「で、第三コースと第四コースの奥が高等部の学生棟になるよ」

 

「……ビルですね……何階まであるんですか?」

 

「6階建てで1階12教室+α、1階でだいたい480人が収容できるようになっていてそれが6階、レース科の学生はここで勉強を受けるよ」

 

 中に入るとズラッと並ぶ教室

 

 気を付けないと迷子になりそうだ

 

「で、高等部と中等部、サポート科を隔てる中央棟には巨大な購買、資料館、図書室、職員室なんかがあるよ(アプリ画面起動するとウマ娘が出てくるあの場所)」

 

「ガラス張りで綺麗ですね……おお! 購買がスーパーみたいな広さがありますね」

 

「文房具類やレースに必要なストップウォッチや時計なんかもここが安いから購買で勝った方が良いね。あと1月の部室交代で家具なんかも売りに出されていることがあるよ。中等部も同じような作りだからサポート科やトレーナー科がある場所に進もうか」

 

「はい!」

 

「ここがサポート科やトレーナー科が入っている棟」

 

「他の教室よりも広いですね」

 

「サポート科は実験したり資料作成の為に大型のコピー機を使用しないといけないし、プレゼンテーションの会議室も兼ねてるから大きいんだ」

 

「なるほど」

 

 再び外に出る

 

「真っ正面の噴水が三女神像で横がカフェテリア、反対側が食堂だね。カフェテリアと食堂ではメニューや値段が違うし、多く食べたいなら食堂、カフェテリアはトレーナー達が息抜きに使ったりするかな。あと甘味類はカフェテリアのハニートーストが絶品だよ」

 

「私甘いの好きなので嬉しいです」

 

「そうかそうか、で、正面入口出て道を挟んですぐ奥にあるのが美浦寮と栗東寮だね。私は今は美浦寮所属ということになってるけど殆ど帰ってないね。で、寮の中に大浴場とシャワールームが有るからそこでみんな体の汚れを落とすよ」

 

「私は栗東らしいですね」

 

「了解了解、まぁ部屋の作りはほぼ同じ2人部屋だから同部屋の子とは仲良くした方がいいよ。サポート科だからって見下してくる子とかもいるけど、そうしたら私の貰う予定のトレーナー室で寝なよ。歓迎するよ」

 

「ありがとうございます」

 

「で、運動場、テニスコート、第五コース、第六コース、第一体育館、武道場、第二体育館、第三体育館、第七コース、第八コース、野外ステージ、ステージから東門まで続くサブストリート……別名屋台の道(イベントがあるごとに屋台が立ち並ぶから)で第九コース、男性トレーナー棟、バー」

 

「待ってくださいなんでバーがあるんですか? ここ学校ですよね?」

 

「トレーナーや教員、20超えてる学生が多数居るから外で酒関連で問題起こされるよりも学校内で押さえてしまおうって上は考えてるらしいよ。ちなみに入るときに年齢確認が有るから私達はまだ入れません。ミッションタイマー先輩なんかは2日に1回は行ってるよ」

 

「えぇ……」

 

「で、室内プールがあって他のコースと坂路がそれぞれある感じかな」

 

「だいたいわかりました」

 

「あと今度府中の町を紹介するよ。色々買わないといけない物もあるだろうし……さーて、旧校舎に戻るか、マンシュタインさんは明日からでしょ授業……平行してサブトレーナーの試験も来年の4月に受けて貰うからよろしくね」

 

「え、えぇ! 4月ですか!? 私自信ないですよ……」

 

「大丈夫大丈夫、ちゃんとサポートするから……あと学生連合のスタッフはもう1人居て……律」

 

『はい聞いていましたよ!』

 

「スマホの中にキャラクターが?」

 

『自律思考固定砲台、律と皆さんから言われています! よろしくお願いします』

 

「あ、どうも」

 

「律はAIなんだけど感情も持ってるし、普通の人よりも有能だから律にどんどん頼ってね」

 

『よろしくお願いしますマンシュタインさん』

 

「よろしく律さん」

 

 こうして学生連合に新たなスタッフが着任した

 

 マンシュタインの情報収集能力は1ヶ月後には力を発揮し、敵チームの情報を丸裸にしていった

 

 更にスカウト、サブトレーナーとしても有能なのだがそれは追々語っていこう

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