ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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年度代表ウマ娘 挿し絵あり

『ロンメルさんロンメルさん、テレビ局からベストエンジェルさんとマスターハリアーさんの出演依頼が来ていますが』

 

「遅かれ早かれ来るでしょうね。どんなテレビ番組の出演?」

 

『次世代アイドル発掘みたいなコーナーです』

 

「あー、そんな感じが」

 

『どうしますか』

 

「番組の詳しい情報をちょうだい、それで判断する」

 

『わかりました』

 

 ロンメルは律との軽いミーティングと朝食を終えるとスーツに着替える

 

 今日はチームの順位発表と年度代表ウマ娘等の発表会が行われるからだ

 

 URAと提携するホールに移動すると既にそこそこのトレーナーやウマ娘が集まっていた

 

 トレーナーだけでも500人以上、これに担当のウマ娘も加わると1000人は軽く行く

 

 大ホールではビッフェ形式の食事がズラリと並んでおり、様々なトレーナー達やウマ娘同士が談笑していた

 

「ふーん、あんたが噂の現役ウマ娘トレーナーね」

 

 後ろから話しかけられたので振り向くと

 

 女性と少し小さなウマ娘がそこにいた

 

 

【挿絵表示】

 

 

「おや? ガイアスカーレットさんと奈瀬トレーナーではありませんか。噂はそちらの方が大きいのでは?」

 

「奈瀬だと姉の方が有名だろうから幸子って呼んで欲しいな」

 

「おや、失礼しました……私に何か用で」

 

「宣戦布告よ! あんたのレース映像は観たわ! 強かったし、1勝クラスのウマ娘の走りではないわ! 領域……見えてるんでしょ」

 

「ええ、見えてますよ」

 

「やっぱり! ほらトレーナー言ったじゃない」

 

「ロンメルさん、あまり領域は表に出さないでもらいたい。使えないウマ娘には領域の話は絶望でしかないので」

 

「なぜです? 素晴らしいものではありませんか」

 

「姉からの受け売りですが、一歩間違えればウマ娘が壊れかねない。普通のウマ娘が領域を出したら1回でガタが来ますよ」

 

「それをなんとかするのがトレーナーです。G1トレーナーの幸子トレーナーであれば理解してもらえると思ったのですがね……ヌルフフフ」

 

「私を無視しないで!」

 

「おっと失礼」

 

「いい! 私は今年お母様の取れなかった物を全て取って有馬記念に進むわ! その時あなたも来なさいよね! そこで核の世代だかウマ娘トレーナーだかいう話題性あるのを私が全てかっさらうわ!」

 

「おやおや聞き捨てならないことを言う後輩が居たものだ」

 

「そうかそうか次世代のスターはティアラに進み、母親と同じように有馬記念まで来れると良いね」

 

「楽しみですわ」

 

 そこにやって来たメルトダウン、リトルボーイ、ツアーリボンバーの核の世代

 

「始めましてですわロンメルトレーナー、現役でトレーナー試験合格の頭脳や最下位常連だった学生連合の立て直した手腕は称賛に値しますわ」

 

「本当に領域見えるのか? ホラだったら許さねーぞ」

 

「あ、あんた達良い機会だから言うわ! 来年首を洗って待ってなさい! ガイアスカーレットがあんた達を倒して最強になって見せるんだから!」

 

「言うねぇお嬢様、阪神ジュベナイルで勝ったからって調子にのってもらっちゃぁ困るなあ」

 

「良いじゃないですか威勢の良いことは……私から見たらメルトもリトルも同じ感じですし」

 

「「なにおう!」」

 

「ほらね、スカーレットさんもロンメルトレーナーもまずは舞台に上がりましょう。いくら外野で喚こうが舞台に上がれなければただの道化ですわ。私達は舞台で待っていますので何時でも挑戦は受けてたちますわ」

 

「まぁ私が連覇して終わりだよ。スカーレットちゃんはティアラでいきって終わり、有馬は渡さないから」

 

「メルト、次は私だよ~」

 

「……絶対に負けないから」

 

「ヌルフフフ、若い人達の闘争は見ていてこちらも気力が湧いてきますねぇ」

 

「ロンメルトレーナーあなたも現役でしょうに」

 

「幸子トレーナー、今彼女達に何を言っても私は外野で騒ぐ1ウマ娘でしかない。ならば黙っているのが懸命ではないかな……それに」

 

 ロンメルはジュースを飲みながら目の前の言い合いを観戦する

 

「命の取り合いでもない平和ボケした娘達が本当に命懸けとなった時どの様に変化するのか楽しみでしょうがないよ」

 

「……良い性格していますね」

 

「よく言われるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ではまずは昨年度のチーム順位を発表します。150位以内が中堅、50位以内が強豪となります。では150位から発表です』

 

 チームの名前が呼ばれるごとに拍手が起こる

 

 150位以内に入ったチームは警戒しなければいけない相手である

 

 138レースの中央重賞プラス複数の地方重賞や海外重賞……だいたいチームで4勝すれば中堅に入れ、重賞を2つ勝てれば強豪に入れると言われている

 

 ただ重賞を勝てるようなウマ娘は複数個の重賞を取ったりするため強いウマ娘が1人居れば案外なんとかなったりする

 

 ただ強いウマ娘のためにチームが犠牲になるみたいな逆転現象もあったりするのでそこら辺はトレーナーの手腕しだいである

 

『13位学生連合』

 

 勝ち数は26と他の強豪チームに比べると少ないが重賞勝利ウマ娘が5人……うち1人はG1ウマ娘である

 

 最下位近くから強豪に……今年一番躍進したチームであることは間違いない

 

『続きまして技術賞○○○トレーナー、○○○トレーナー、○○トレーナーになります』

 

 チームの順位が確定すれば次はトレーナーの表彰に入る

 

 技術賞……怪我を治したり独自のトレーニング理論を実践したりして成果を挙げたトレーナーに贈られる

 

 ウマ娘奨励賞……ウマ娘の魅力をアピールできたチームのトレーナーに贈られる

 

 最多勝、合計獲得賞金、最優秀勝率、URAトレーナー賞が発表となり、URAトレーナー賞は主に海外レースにて活躍したトレーナーに贈られる

 

 最後に今年の最優秀トレーナー賞に選ばれたのはラファエルデュラントレーナーで最多勝、合計獲得賞金の二冠が響いたらしい

 

 続いてウマ娘の表彰に入る

 

 ここで呼ばれたウマ娘はURAが用意した別の勝負服が贈られる

 

 普通の勝負服よりも金がかかっているので豪華だったりする

 

 ただ、それだけ特別な賞であるのでトレーナーみたいに複数呼ばれるのはURA特別賞のみである

 

 最優秀ジュニア ガイアスカーレット

 最優秀ジュニアダート アルケンテル

 最優秀ティアラクラシック ササラ

 最優秀クラシック ツアーリボンバー

 最優秀クラシックダート ドサンコ

 最優秀ティアラ メッセージ

 最優秀シニア トウキビ

 最優秀ダート ヤマトハヤブサ

 最優秀障害 メイショウカグ

 最優秀マイル ツアーリボンバー

 最優秀短距離 イイネソング

 年度代表 ツアーリボンバー

 URA特別賞 メルトダウン

 URA特別賞 リトルボーイ

 

 こう決まった

 

「来年はクラシック以外独占したいですねぇ」

 

 ロンメルはそう呟いて表彰式は終わった

 

 

 

 

 

 

 

『電脳アイドル律の今日のウマ娘!』

 

 {まってました! }

 {金杯凄かった}

 {今日もゲストあり? }

 {wktk}

 

『皆さん落ち着いて落ち着いて……今日のゲストは両金杯を手に入れましたベストエンジェル選手とマスターハリアー選手です』

 

「「どうもー」」

 

 {爆乳コンビキター! }

 {金杯おめ! }

 {凄かったよ! }

 

『今日はそんな金杯コンビとお送りします。まずは教えて律の質問コーナー』

 

「「いえーい」」

 

『このコーナーでは律が学生連合宛に届いた質問を答えていきます。金杯コンビのお二人にも振りますので油断しないでください』

 

「「はい!」」

 

『では、ロンメルさんが前回のレースと今回のレースであれ程の差が出たのは何故だと思いますか? という質問ですね。ロンメルトレーナーの質問結構来ているのでここである程度消化してしまいましょう』

 

「前回が10月の1800で、今回がたぶん2500のレースのことだよね」

 

『はい、そうです。まぁスタートの失敗とアクシデント、肩が外れた事によりスピードが出なかったと言えばそれまでですが、もう少し詳しく解説していきましょう……では負けた時のロンメルトレーナーの時お二人はどう思いましたか?』

 

「凄い殺気だって入れ込んでいるのが印象的だったかな?」

 

「そうそう怖かったよね」

 

『はい、レース後にロンメルトレーナーに聞きましたがやはり緊張していた、負けられないと言う思いが焦りを生んだと語ってくれました』

 

「あんな殺気だったら私は近くに寄りたくないから全体のペースが上がったのもわかるな……逃げって明言していたウマ娘が出遅れして、背後から殺気バリバリ飛ばしてきたら死ぬ気で逃げるから……それにあのアクシデント避けるのに大きく外へ逸れたよね……やっぱりあのアクシデントが一番大きかったのかな?」

 

「いや、それよりもロンメルは10月時点だと上がり3ハロン最速が36秒しか出なかったから逃げるしか勝つ方法が無かったんだよね」

 

『はい、あの時のロンメルさんは筋力が足りずに上がり最速が36秒しか出ませんでした。なのでスタートをミスした時点で負けが確定しました』

 

「最後詰めよった様に見えたのも確か……全力疾走で前がスタミナ切れを起こしたからだったよね」

 

『はい、なのでロンメルさん以外は37秒というとんでもないスローでラスト3ハロンを走っています』

 

「逆にじゃあレコードが出た12月のは?」

 

『まず前提条件としてロンメルトレーナーはスタミナお化けです。それこそ5キロ(本当は呼吸が続く限り)くらいはハロン12秒ペースでずっと走れます。なのでスタートさえ成功してしまえば逃げきることができる体力を持っています』

 

「あと気配を消してたよね?」

 

『私からだとそんな風には見えませんでしたが』

 

「完全に消えていたね。逃げで気配を消されたら無理でしょ」

 

『そうですね……あと油断や慢心みたいなのが無くなりました。脚の負担にならない程度でやれるスキルは全部使ったというのが勝因でしょうか。秘められている闘争本能は大きいのでいつか解放するでしょうが』

 

「まあ終始落ち着いていた印象が大きかったな。やっぱりロンメルは感情的にならない方が強いの?」

 

『ケースバイケースではないでしょうか、そもそも10月と12月では体の作りから変化していますからね……とりあえず最初の質問はこれぐらいにしておきましょうか、次の質問ですロンメルさんの触手ってなんなんでしょうか? それとその触手どれだけ速く動かせるのですか? とのことです』

 

「あー、それ私達も気になる」

 

「律さん何か知ってる?」

 

『うーん、ロンメルさんには普通の人には無い臓器(触手の心臓)が有るのですが、そこから漏れ出たエネルギーと言えば良いかな……ちょっと詳しくは私もわかりません(わかって居るが言えない)。ちなみに触手の最高速度はマッハ5だそうですが、成長しているらしいので更に速くなるらしいです』

 

「あの触手そんなに速かったの!?」

 

「そりゃあんなに早くラーメン作れるよ」

 

『では次の質問……というか願いですね。金杯のお二人の歌を聞きたいとのことです。歌っていただけますか?』

 

「「勿論!」」

 

『それでは曲は』

 

「「律さんの【Specialな日々】で!」」

 

『了解しました音楽流しますね』

 

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