ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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2月 ロンメルしれっと2勝目 

 アメリカトレーナークラブカップをファッションカラーが、東海ステークスをコアランタンがそれぞれ勝利し、まだ1月なのに重賞4勝と素晴らしい出だしとなり、更にバカコンビがテレビのオファーに答えてテレビ番組に出演した

 

 次世代のアイドル発掘という番組でバカコンビは歌とダンスを披露して高得点を獲得

 

 高得点を取ったらインタビューされるのだが

 

「ベストエンジェルさん、マスターハリアーさんありがとございました! いやー、キレッキレのダンスに歌も実に見事でした。何か一言お願いします」

 

「はい! 次サウジアラビアで走るのですが! 私達同じレースに出ます! 潰し合いです! 私達はコンビであると同時にライバルです!」

 

「海外レースは難しいと思いますが勝てるように頑張ります!」

 

 とここまでは普通

 

「ではもし次にテレビで何か出たい番組はありますか?」

 

「「トレーナーと一緒に無人島でサバイバル」」

 

 

 

 

 

 

 

「なに言っとるんじゃボケェェェ!?」

 

「ロンメルトレーナー落ち着いて!」

 

「この忙しいのにそんな事を言ったら……」

 

 部室のテレビの前で観ていたロンメルは発狂

 

 他のメンバーは大爆笑

 

『というかロンメル面白いから1人で無人島に送り込んでも良いかも』

 

『あ、私は他に激辛に挑戦したいです』

 

『私はクイズ番組』

 

 と自由に言い始めた

 

 頭を抱える

 

 するとロンメルのスマホにテレビ局から電話がかかってきて

 

『すみませんロンメルトレーナーは超人であると言う噂があるので最強芸能人軍団と夏に2泊3日の無人島サバイバル挑戦しませんか』

 

「言い出しっぺのバカ2人も連れていきますよ」

 

『勿論です! ギャラの方は○○万くらいでいかがですか』

 

「人気商売だからテレビに出るのは悪くないですが……はぁ、よろしくお願いします」

 

『ええ、あの二人面白いと上層部が判断しましたのでお二人の要望に答えて激辛とクイズ番組出させても』

 

「2月にそいつらレースなので1日、2日駆り出すのは大丈夫です」

 

『いやー、助かります! 中々現役のウマ娘はテレビに出演してくれないので』

 

「もうこのバカ二人はテレビで食っていくしかないと思ってるのでボロ雑巾のように出れる時はこき使ってください」

 

『わかりました!』

 

 電話を切り、ロンメルはため息を吐く

 

「断ればいいのによー」

 

「人気商売なところも有るからテレビ局のお偉いさんとの繋がりっていうのはいつか役に立つからさ……でもバカコンビはしばく」

 

「でもスカイプラザよりバカコンビの方が先にテレビ出演オファーが入るとはな」

 

「ダイナマイトボディだもん、そりゃテレビ映りも良いし呼ばれるでしょ」

 

「まぁスカイプラザも整ってるけど2人よりは劣るからな」

 

「胸と顔も整っていてそれでいて歌もダンスも上手いはズルいだろ」

 

「でもバカだよ」

 

「バカじゃなければ他のチームでもやれただろうに……いや、ロンメルの指導がなければ埋もれてたか」

 

「さて、練習戻るぞー、来週の根岸とシルクロードの重賞も取るからね」

 

「「「お!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 武内から連絡があり、もう一度話がしたいとのことだったので、今度はレストランにて会うことになったのだが、学生連合に在籍していた先輩であるルビーカーバンクルさんも同席することとなった

 

「ロンメルです」

 

「武内です。こちらが家内の」

 

「ルビーカーバンクルです。よろしくお願いします」

 

 とりあえず武内さんはサブトレーナーになることを了承するが、人手不足であればルビーカーバンクルさんも雇わないかと言ってきた

 

 ルビーカーバンクルさんもアイドル候補生から一気に掃き溜めであった学生連合に落ちもがいた末に引退してアルバイトをしながら武内さんを支えているが、チームを捨てられるという強烈な恐怖体験から精神病を患っており、できればチームに雑用でも良いので置いて欲しいと願い出た

 

 ルビーカーバンクルさんは資格として簿記2級や調理師免許を持っており予想外の掘り出し物である

 

 精神病も薬を飲むこと、無理をしなければ働ける

 

 何より武内さんの事を自分が恋愛を優先したことで足を引っ張ったと思っているらしくお願いさせた

 

「頭を上げてください。当時の学生連合は今以上に掃き溜めだったのでしょう。精神を病みながらも簿記を取り、社会人になっても調理師免許を取るなど頑張るあなたを誰が責めましょうか……前のトレーナーの妨害などは私に任せなさい。私達でゆっくりチームを良くできれば良いのですから」

 

「ありがとう……ございます……」

 

 一度心が折れてなお愛する人の為に頑張る

 

 それはとても美しい事だ

 

 ロンメルは2人を暖かく迎え入れた

 

 同時にこの2人を守るためにとあるチームと敵対関係になるのだがそれはまた別のお話

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、吸って吐いて吸って吐いて……違う違う、ここに力を入れて! もう一度」

 

 マンシュタイン、武内サブトレーナー、ルビーカーバンクルさんの3名は呼吸習得をして貰うためスパルタトレーニングを開始した

 

 勿論無理の無い範囲でだ

 

「サポーターの私達はこの特殊な呼吸を覚えるより他の事を覚えた方が良いのでは?」

 

「そもそも人間は覚えられるのですか? 全集中の呼吸なるものを」

 

「私達のチームの根幹だ! これを覚えて教えられるくらいにならないとサブトレーナーやスタッフとして選手をアプローチすることはできませんよ!」

 

「ロンメル坂路10本終わったぞー、次プールトレーニング行ってきて良いか?」

 

「ミッションタイマー先輩引率お願いします。スタッフを鍛えなければいけないので」

 

「難儀だな選手を鍛えるためにまずスタッフを鍛えるって」

 

「ええ、でもこれを覚えて貰わないと始まりませんからね。ああ、ディープバレット先輩、調味料のいれる順番が違います! これ間違えると風味が変わってしまうのです」

 

「おお、わりい」

 

「ロンメルごめん、この過去問のここわからないんだけど」

 

「はいはい、ここはこうですからね」

 

「……凄いなこのチームは、ロンメルトレーナーの負担が凄まじい」

 

「ええ、それを少しでも軽くするはずの私達がこの有り様ですし……頑張りましょう武内トレーナー」

 

「はい、マンシュタインさん……ルビー大丈夫ですか?」

 

「ええ、少し疲れるけど問題ないわ……でも凄いわね……私が知っている学生連合と全然違う」

 

「ルビー先輩だっけ? 全部ロンメルが来てから変わったんだよ。それまではたぶん先輩達と同じ腐ってたからさ」

 

「ディープバレット先輩、炒め方が甘い! もっと早く振ってください」

 

「おう! おりゃぁぁぁ!」

 

 武内からしたらロンメルの指導は革新的であった

 

 まずウマ娘は速く走るということを優先しがちで時にトレーナーの言うことを無視することもあるのだがロンメルは部内掌握を完全に握っている

 

 更に他のチームでサブトレーナーをしてきた自分でも無茶だと思えるトレーニングを選手に強いているが、選手が壊れるような様子は無い

 

 坂路は多くて3本が普通だ

 

 それを10本など脚の寿命を縮めるに等しい

 

 が、選手達はロンメルの指導に従い続ける

 

 怪我をしてもロンメルが治してくれると信じて疑わないし、マッサージや柔軟もロンメルが作ったメニューを見たが、これ程綿密にかつ個人個人に合わせたメニューを作り上げ、マッサージの効率を上げるために律というAIを用いたマッサージマシーンを自ら作るとトレーナーとしては完璧……いや、他のトレーナーと次元が違っていた

 

 呼吸に関しても座学で理論も習ったが、こんな呼吸法が有ったのかと感心したものだ

 

 それと同時に人間でもこの特殊な呼吸が行えるというのはとんでもないことである

 

 速さよりも頑丈さを

 

 全ウマ娘に領域を

 

 チームの勝利を

 

 ここまで徹底してると怖さすらある

 

 が、こんな怪物トレーナーが本気で育成しているのだから強いのは当たり前かぁと納得する自分がいる

 

「武内さん、呼吸が乱れています! もう一度」

 

「失礼しました」

 

 当面は役に立てそうに無いが学ぶべきことは多数ある

 

 俺はここでどれ程成長できるのだろうな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 皆さん初めまして学生連合所属のユランという者です

 

「……おお! ユラン居たのか」

 

「あの最初から居ましたが」

 

「わりい、影が薄いから気がつかなかった」

 

 私はなんか影がとても薄いです

 

 バカコンビと同じ年(17歳)で私はバカコンビみたいな誰にでも愛される様なキャラでもなければ、凄く強いみたいな印象あるキャラでも無いのだが……ロンメルトレーナーはそんな私にもちゃんと平等に扱ってくれるから年下だけど好きだ……好きなのだが

 

「ロンメルさん、私だけお留守番ってどう言うことですか! 私もサウジアラビア行きたいですよ!」

 

「だってユラン先輩呼吸の定着が遅かったから差ができてしまってるのですよ……いや、ユラン先輩が本気でトレーニングしていないとかサボってたとか言いたいんじゃなくて……呼吸も向き不向きが有りますから時間がかかってしまったのは仕方がないですよ」

 

「うう、私は落ちこぼれのカスです……」

 

「あぁ、自己嫌悪に陥っちゃった……戻ってきてください」

 

「は! いや、そうだ! それは良いのです! なんでお留守番なんですか! 私もサウジアラビア行って石油王達とお話したいですよ」

 

「なんか勘違いしてないか? ……というかユラン先輩はサウジカップデーの翌日の阪急杯に駒を進めて欲しいのですが」

 

「阪急杯……1400の?」

 

「ユラン先輩このままだと同距離のタカタノソラ先輩とフェンリルの食い合いに負けますよ……ただでさえ影が薄いのにこのままだと消滅しますよ」

 

「やだぁ消えたくない……ロンえもんなんとかして……」

 

「ならちゃっちゃと重賞勝ってください。実力あるんですからそのふにゃふにゃメンタルもなんとかしてくださいよ……じゃあ阪急杯勝ったらドバイ連れていきますからそれで良いでしょ」

 

「ほんと!? 本当にドバイ連れてってくれるの!」

 

「金持ちの国ドバイで一攫千金狙いますよ。その為には国内重賞を勝つ必要があります! ほら頑張って」

 

「うおおおお! やる気出てきたユラン頑張ります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユラン先輩大丈夫かな

 

 呼吸とここまで相性悪い人始めてみたと言うか呼吸がどんどん変化するんだよな

 

 初めは炎の呼吸だったのに煙の呼吸っていう私の知らない呼吸に変化したと思ったら更に変化して灰→塵ってどんどん消えてくんだよ……本人の性質もあると思うけど……だから呼吸定着が遅れに遅れたけど塵でおさまったからたぶん塵の呼吸が一番適合してるんだと思う……たぶん

 

 しっかし本当に影が薄いな

 

 逃げとかなら面白いかもしれないけど彼女考え続けて走るのが好きだから先行差し気質だし……ドバイ連れてくって約束したけど阪急杯勝つよね? 勝ってくれるよね? だいぶ空き巣の重賞狙ってるんだからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに私は1月の最後の週にダート2100メートルの2勝クラスを勝ちました

 

 本当は芝走る予定でしたが抽選落ちたので仕方なくです

 

 私の上半期のレースはこれで終わりです……トレーナーの仕事が忙しすぎて私がレースに出てる暇が無いです(涙)

 




たぶん学生連合これで全員名前出せました

ユラン先輩ごめん忘れてた訳じゃないんだ
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