3月……それは別れの季節である
受験を終え、それぞれの夢に向かって頑張っていたストリートパス先輩、マジックサンダー先輩にトレセンを卒業してラーメン屋を目指すディープバレット先輩がこのチームを卒業となる
ディープバレット先輩は当面の間スタッフとして料理の腕を磨きながら、こちらが出すお給料で生活することとなるので卒業といっても毎日顔を会わすのだが……
ストリートパス先輩は卒業後イラストレーターになりたいらしくその道の専門学校に、マジックサンダー先輩は一流商社に就職したいので大学へ進学となった
卒業する3名の送別会と新加入のメンバーと為の歓迎会は部室で盛大に行われ、ロンメルとルビーカーバンクルさんが料理をどんどん作り、皆美味しそうに食べていく
「さて、皆も知るように3名が卒業となるけど学生連合で学んだ事を誇りを持って次のステージでも頑張ってください!」
「「はい!」」
「おう!」
「何か迷ったり困ったりしたら遠慮なく私に声をかけてください。メッセージでも電話でもしてください! 相談に乗りますのでね」
ミッションタイマー先輩は3人との付き合いが長かったから抱き締めて
「頑張れよ」
と声をかけた
卒業式は卒業生と保護者、抽選で通った在校生、生徒会と先生方、トレーナー達が集まり2000人近くがホールで式が行われた
ロンメルは抽選にハズレたのでホールの天井に設置したカメラ越しに卒業式を眺めた
今年の卒業生は決して強い人は多くない
ドリームシリーズに移籍する選手も5人ほど居るが、苦戦するだろうというのが大方の予想だ
それでも良い
本人が納得しているのだから外野がとやかく言う必要は無いのだ
私は私の扱える範囲の選手は救うが、外部を救えるほどの器量は……どうだろう? 持っているのかな?
まぁそろそろ16歳になるし、あと6年は選手を続けるから卒業はまだまだ先だ
トレーナーとしての卒業はいつになることやら……
ロンメルはニヤニヤしやがら映像を見続ける
バカコンビと中等部組が退寮申請をし、新居探しが始まった
ちなみに卒業により寮を出るディープバレット先輩も新居を探さなければならないので探すことにした
ちなみに府中のマンション一室買うと3LDKで4000万位、賃貸で月額4~8万位である
とりあえず賞金が1000万いってないディープバレット先輩は近場のマンションの一室(月4万1LDK)を借りる
ディープバレット先輩らしい堅実さである
ちなみに今は教習所に通って車が欲しいとぼやいていた
車を買ったらロンメルが改造してラーメンのキッチンカーを作ってあげると言ったからであるが……
ちなみに準中型免許を取りに行っている
バカコンビはマンション一括購入しようとしていたので早まるなと抑え込み、3LDKのマンションを借りた(月8万を折半)
防音であり、歌や踊りの練習を考慮して1階の角部屋である
日当たりも良くなかなかの当たり物件であるが、紹介してくれたスリームーンのお父さんは
「学生連合の皆さんには娘もお世話になっていますし、誠意をみせなければ悪いですから」
とのこと
最後に中等部組はとにかく学校に近い1軒屋を借りた
ただ1軒屋なのにやたらと安かった(月額2万円)
なぜかと聞いたら事故物件で前に住んでいたウマ娘が自殺したのだと
一応お祓いはしてあるとのことだが
「うーん、お風呂も広いし、綺麗だし、何か問題が有ればすぐに出ますよ! こんな好立地ですし、事故物件というのを考慮しても魅力的なので借りたいです」
「俺幽霊へっちゃらだから大丈夫!」
バカコンビとは別の意味で不安なのだが大丈夫だろうか……本人達の意思が強いので借りたが……というか近場だと訳有りか事故位しか安いのは無いのだと
事故でも大丈夫なのを選んでくれたのでスリームーンのお父さんも申し訳なさそうにしているが、2人が喜んでるし大丈夫だろう……私は霊感なるものが有るとは思えないが……なんかピリピリするんだよなぁこの物件
とりあえず皆の新居が決まり、家具を買って、引っ越し準備を行う
寮の道具を段ボールに詰めてどんどん運ぶ
というか私が殆ど持っている
触手が有るから大量に運べるけどさぁ
バカコンビ何気に荷物が多い
逆にディープバレット先輩はミニマリストだったらしく最低限の物しかないので何か趣味というか料理本なんかを進めたがタブレットに入れておけば良くない? と言われて確かにと轟沈
引っ越し終わったと思ってそういえばサウジ組はどこに住んでるんだろうと思ったらなんか豪邸に住んでいた
いつの間にか家政婦のウマ娘も雇ったらしくなんか凄かった
ちなみにだがスカイプラザ先輩やミッションタイマー先輩等の他の先輩は寮で満足しているのと同部屋の人とも仲が良いので別に良いらしい
ミッションタイマー先輩なんかは
「同部屋の奴に金できたから外食連れ出しできるようになったし、アクセサリーなんかの趣味もある程度できるようになったわ」
とのこと
皆趣味に走るのは良いが金使いが荒くなって破産は嫌なので律に頼んで株や国債、金、仮想通貨の複合投資をプログラムし、運用を開始した
勿論律が皆のお金を預かるわけなので皆にも勉強してもらい、知識をつけてもらった
3月はクラシッククラスの重賞が多くなり、ロンメル達は一時のお休み期間に入った
もっともドバイ遠征や高松宮記念、大阪杯が控えているので調整の意味合いも強いが
そんな最中、引っ越したフェンリルとサクセスの様子が少しおかしかった
というか精神的に不安定になっている感じだ
引っ越してから5日も経ってないがあの事故物件絡みだろうとロンメルは思い、2人にカウンセリングを行った
そしたら髪の長くて白いウマ娘の話をされた
というかロンメルにモーロイちゃんはいつレースに出るのか、モーロイちゃんにも重賞を勝たしてあげてとモーロイというウマ娘が存在しているかのように語られた
ロンメル怒りの討伐を覚悟
トレーナー室に閉まってあった刀を取り出し、サクセスとフェンリルの家に数日泊まることにした
料理を作ってあげてもサクセスとフェンリルはお皿を4人分用意したりと異常行動が更に見て取れた
食事を終え、2人がお風呂に入っていると、スマホが鳴り出す
スマホに今まで起動しなかった2つのアプリが起動していた
悪魔召喚プログラムとポケモン図鑑である
前世の恩師が作ったスマホだがいらないアプリが多数入っているのだが、いらない筆頭格のアプリが2つも起動したのだ
悪魔召喚プログラムにはロアと表示されており、更に詳しくするとペトロという霊が出てきた
ポケモン図鑑の方はソウブレイズと出ている
「おいおい、いつからこの世界は異世界みたいになってるんだ?」
ロンメルは悪魔召喚プログラムの指示に従い対象を物質化を行う
現れるのはウマ娘だった
「君がモーロイか」
〈……ここは私の家よ誰にも邪魔させない! 私の居場所よ! 出ていけ……出ていけ!! 〉
「こりゃずいぶんと厄介な」
ロンメルは触手でモーロイをつかむと窓を開けて外に放り投げた
「どんな技術を使っているのやら……世界を移動したことで本物になったのか……わからんなぁ」
外に放り出されたモーロイは屋根に落ちるとロンメルが刀を持って追撃を行う
「物質化されていれば私の攻撃は届くハズ」
首を真っ先に狙う
スパンという音でモーロイの首が体から落ちる
〈く、首が……え? 斬られた……斬られた斬られた斬られた怖い怖い怖い〉
体が首を持とうとしているが上手く拾えないようだ
〈役立たず! 私の体はいつもそうだ! レースに出たくてもすぐに壊れて! くそ! くそ! 〉
「それは体のケアを怠ったお前のせいだ。体が悪いわけではない」
透き通る世界で見ているとコアの様な部分が見える
〈くそ! くらえ! 〉
頭を拾うのを諦めた体は刀の様な炎を出して私に斬りかかる
素人の攻撃など効くハズも無く体ごとサイコロみたいにバラバラにしてやった
〈ひいぃぃ、き、消える! 消滅する! 〉
首だけになったモーロイは目を瞑り震えている
「全くお前は何がやりたいんだ? 生きている者を玩びたいのか、家から追い出したいのか、生きている者を殺したいのか……全てが支離滅裂だ」
〈ひ、ひいぃぃ〉
「……あぁ、こりゃ駄目だ悪霊の部類だ。ただ生きている者に害を与えるだけの存在だ。救済の余地無し」
ロンメルは炎の呼吸でコアを突き刺して燃やした
「さて、帰るか」
フェンリルとサクセスの調子は数日後には元に戻り、いつもの日常に戻った
ただロンメルはこの世界にも不思議な現象があるのだなぁと思うのだった