ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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夏休みの特訓 1

 ウマ娘はだいたい12歳から15歳の間に【本格化】する

 

 本格化とは体つきが大きく変わる時期である

 

 人間だと二次成長期に近いが、ウマ娘の場合それが顕著である

 

 中央トレセン学園では本格化が始まれば学園に編入できる制度がある

 

 基本的に中央トレセン学園の入試はサポート科希望は学力テストのみ、人用のトレーナー科は高等部しかなく学力テストのみ、そして競走ウマ娘達トゥインクルシリーズに挑戦するウマ娘達は学力テストと体力テスト、テストレースが行われる

 

 このテストレースは基本的にトレーナーや一般公開されていない

 

 テストレースは公表しないことで個人情報を守るためという側面もある

 

 勿論教員による厳密な採点基準が存在するため不正入学はできない

 

 中央トレセン学園では完全に徹底されており戦後から今まで不正入学は無い事になっている

 

 というか本当に存在しない

 

 話を戻して1月中旬と2月中旬の2回テストが受けることができ、1回目で60%、2回目で残りの40%が合格枠となっている

 

 で、やはり生き物なので11歳で本格化したり16歳で本格化するみたいなズレがやはり出てくる

 

 そういったウマ娘の為に編入試験が存在する

 

 これは高難易度ながら受かればオープンクラスまではいけると太鼓判が押されているテストであり、11歳であれば天才、16歳であれば遅咲きのヒーロー扱いで編入が認められる

 

 勿論編入して開花しないウマ娘も多数いるが、暖かく迎えられる土壌がある

 

 で、ロンメルはというと実は中等部から普通に高等部エスカレーターで上がってきたウマ娘である

 

 本格化はロンメルは15歳からであったが、本格化前にトレセン学園に入れる生徒も一定数いる

 

 それは13歳14歳で本格化する可能性が有るからだ

 

 ロンメルの場合中等部の3年でレースに出始めたので、15歳ながら現在クラシッククラスにいるという状態である

 

 なので同期として走っているウマ娘は14歳か16歳のウマ娘が殆どで、15歳組は現在ジュニアを走っている感じである

 

 だから実は学生連合の中等部組の2名はロンメルと同期であったりする(現在中学2年生)

 

 まぁ本格化の時期によって色々とズレてしまう

 

 そして本格化の時期と年齢が近い者が同じクラスとなる……が、更にややこしい事にこの中央トレセン学園はカリキュラム制及び実力主義を導入しており、学力や実力別で受ける授業のクラスが変化する

 

 なのでロンメルは夏休み後はサポート科を押さえて学年1位を取ったので、サポート科犇めく最上位クラスで授業を受けることになる

 

 なのでクラスとしての繋がりが結構緩い

 

 が、スクールカースト問題が有るように授業以外……例えば体育だったりダンスや音楽等の授業はクラスで受けることとなる

 

 というかウマ娘の実力主義ならここを一番クラスではなく実力別にしないとヤバいのになぜかクラスごとなので体育がG1ウマ娘や重賞ウマ娘達による虐殺の場とかす

 

 ダンスや音楽は強いチーム所属が頭3つ位抜けて上手いのでここでもチームの差による格差が出てきてしまう

 

 でだ、ここまで来たら卒業についても語ってしまおう

 

 卒業はトゥインクルシリーズを走っているウマ娘達は衰えが始まったらか故障によるもののどちらかである

 

 ただ12歳で本格化したウマ娘が高校卒業の18歳まで最盛期を維持できるかと言えばナンセンス

 

 だいたいの生徒の最盛期は3年から5年(例外あり)で終わるので12歳の子だと速くて15歳で終わってしまう

 

 丁度高校1年生で引退となるとトレセンも功労者達をはい衰えたのでさよらなみたいな薄情者ではなく、ちゃんと高校卒業までは面倒を見てくれるし、トゥインクルシリーズを引退していれば社会人チームに加入することだってできるので走りたければそちらで走ることになる

 

 人気者であれば学生だけどテレビや雑誌、ラジオ番組、ライブ等で殆ど学校に来なくなるが、一応高校卒業にしてくれる

 

 なので生き残ることができれば18歳の高校卒業までは面倒を見てくれるのだ

 

 で、タバコを吸っていたミッションタイマー先輩に焦点を当てて見よう

 

 彼女は現在20歳であり学生連合最年長のウマ娘である

 

 本格化は15歳なのでかれこれ5年も走り続けているベテランで、クラスは2勝クラス、戦績は34戦2勝となっている

 

 まだ衰えてないのと5位までに入着していたため学費を自分で払うことができるのでまだ現役にこり続けている学園側からしたらこの成績で居続けられるのは新陳代謝の観点から見たら厄介極まりないウマ娘である

 

 学生連合の平均年齢は17歳

 

 来年には引退して卒業しようと考えている生徒もちらほら致た

 

 まぁロンメルが来たことによりこのプランがご破算するのだが……

 

 ちなみに現役が一番長いのはバカコンビの片割れのベストだかバストだかわからないベストエンジェルである

 

 17歳、本格化11歳の編入組で戦績は52戦1勝である

 

 11歳編入組なので本格化は勿論11歳の6年間走り続けているバカである

 

 バカだから自分のレースを研究しないから全然成長せずに留年からのチーム追放と完全に身から出た錆で没落したバカである

 

 ちなみに6年走っているのに衰えが全然来ていない為ベストエンジェルはたぶん10年コースの21や22まで走り続けるだろうと皆に言われていた

 

 地方トレセンだと衰えても現役OKなので社会人チームに所属できないがまだ走りたいみたいなウマ娘が地方に編入するのがよくあるパターンだったりして、それが天下りと揶揄されていたりする

 

 ちなみにロンメルの衰えが始まるのは22歳であることが異世界に行っている時に判明している

 

 というか触手細胞と全集中の呼吸による細胞の活性化(蘇生)により更に長くなる可能性が高かったりする

 

 まぁつまりロンメルはシニア期を最低6年は走ることが確定していることになる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 過去最高点を期末テストで取れた学生連合のメンバーはもうフィーバータイム

 

 旧校舎の音楽室にジュースや刺身、ロンメルが作ったおつまみの数々を並べてはっちゃけた

 

「バカコンビ赤点回避おめでとう!!」

 

「「やったー!」」

 

 このバカコンビ初めての補習回避である

 

「美味! 美味! ロンメル先生! 料理めちゃくちゃ上手いじゃないですか!」

 

「唐揚げに天ぷらの色めっちゃ綺麗ですし特製のタレ滅茶苦茶美味いです!」

 

「ロンメル最高! しじみ汁大好物だから作ってくれてありがとな!」

 

「ミッションタイマー先輩さすがに酒盛りは不味いですよ」

 

「ノンアルノンアル!」

 

「……ディープバレット耳貸して」

 

「なんだロンメル」

 

「ミッションタイマー先輩が飲んでるの、私が作った密造酒」

 

「ぶぅぅぅぅ!」

 

「うわ! ジュース飛ばさないでよ汚いじゃないですか」

 

「いや、不味いだろ!」

 

「バレないバレないラベルも無ければ作った場所もここじゃないから絶対にバレないし、あんたも隠れて飲酒してんの知ってるんだぞ未成年なのに悪い子だな」

 

「酒が美味いのが悪い」

 

「まぁバレたからチーム追放されたんだろ、タバコもやってたし」

 

「タバコはもうやめたよ」

 

「まぁ肺に悪いから辞めて正解だよ。酒は夜にこっそり音楽準備室に来なよ。酒少し分けてやるから」

 

「お前悪い奴だな!」

 

「先生は少し悪いくらいが丁度良いんですよ」

 

「美味い! 美味しい!」

 

「やベー! ヤクルトガッツが暴食始めた! 皆止めろ料理が無くなる!」

 

「よし! 中等部コンビ指令だ」

 

「「はい!」」

 

「購買にダッシュして食材を調達せよ! お金はこれでメモはこれ」

 

「「はい!」」

 

「あまりは2人のおこづかいで良いから」

 

「「やった!!」」

 

「よーロンメル! 中等部の扱いが上手いな」

 

「マジックサンダー先輩」

 

「お前の事最初はただのヤベー奴だと思ってたが、1ヶ月で皆お前をトレーナーとして認めつつあるから……これからも頼むぜ先生!」

 

「ヌルフフフ、ミッションタイマー先生の次に年上のあなたに認められるとは嬉しいものです」

 

「期待してるぜ」

 

「ええ、期待に応えて見せましょう」

 

「ロンメルリゾットもう無いぞ! 追加頼む」

 

「はいはい! 今作ってきますよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに家庭教師組もテストの点数がはね上がって皆喜んでいた

 

 お祝いとして学生連合の宴会で余った料理と別口で焼いて作ったスポンジケーキをお祝いとして食べさせてあげた

 

 で、4人に相談した

 

「今私は学生連合っていうチームに所属しているんだけど、トレセンの施設が使えないから基本外でトレーニングしてるんだけど参加しない? 更に強く速くなるために君達の時間が欲しいんだけど」

 

 4人はケーキを食べるのを辞めて顔を見渡した後

 

「「「「やりたいです! 参加したいです」」」」

 

 と全員が参加を希望した

 

 親御さん達に許可を貰いに伺い、4人組もトレーニングに参加することとなった

 

 4人は中等部組と年齢が同じこともあり、直ぐに仲良くなり、お互いに切磋琢磨していくこととなる

 

 

 

 

 

 

 

 

 テストが終われば夏休みが始まる

 

 ロンメルは学生連合の皆を集めてこう言った

 

「1人1冊です」

 

「なにこの辞書」

 

「夏休みのしおりです。全部先生の手書きです」

 

 全500ページの辞書が全員分机に並べられた

 

「夏休みはバイトの兼ね合いもあるので練習は40日あるうちの25日間としました。で、各自トレーニングに参加できない時にして欲しいことや家でもできるトレーニング、小遣いの稼ぎ方、お勧めのスイーツや格安大盛のお店、格安業務用スーパーや律と連動した夏休みの宿題の解説等もあります」

 

「「「至れり尽くせりだなおい!」」」

 

「先生、小遣いの稼ぎ方ってなんですか?」

 

「律に解析してもらってクレーンゲームの周期予想及び周期外の反則技によって景品ゲットでそれを販売してお金を稼いだり、周辺の山にいるカブトムシやクワガタの捕獲方法、律の動画の手伝いやSNSスタンプの販売のやり方等100選作ってみました」

 

「「「お前どんだけ多才やねん!」」」

 

「お勧めは律の動画の手伝いですね。ゲームを遊んだり人が居ないとできない動画もありますからね……ヤクルトガッツ先輩は私と一緒に大食い挑戦で稼ぎましょうね」

 

「おお! さすがロンメル!」

 

「勿論食い過ぎるとあなたデブるので食後トレーニングですがね」

 

「むむ、致し方なし」

 

「まぁ読んでみれば色々とわかります」

 

「本当に至れり尽くせりだな、甲子園出場校の解説も載ってやがる」

 

「ん? 最後ページに付属があるぞ」

 

「それでは皆さん開封してみてください」

 

「「「……おお!! ……おぉ……」」」

 

「皆さんの予定を把握するのに苦労しましたがお盆休みの前後含めて5日間は空いているのがわかっていたので……北岳登頂5日間の旅を決行します! 参加費は中等部組を除いて5000円! 中等部組は正攻法のアルバイトができないので無料とします。ここの強化特訓で呼吸を完成させますよ!」

 

「勿論近くまでバスだよな……」

 

「勿論徒歩ですよ! スタートはここからです」

 

「バカだろ! 死ぬわ!」

 

「一辺死ねよ。死線を感じるくらい頑張ってみなけりゃ自身の限界突破なんて不可能なんだよ! 往復330キロやるぞ。しおりの付属に持っていった方が良い物書き込んだからそれが一通り揃っていることと、呼吸が完成すれば疲れが軽減されるハズだから死ぬ気でそれまでに呼吸をなんとかしろ。私も律もサポートするから頑張ろう」

 

「「「お、おぉ……」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っていう約330キロの旅を4泊5日でやるけど君達もやるかね?」

 

 家庭教師組にもしおりを渡し、聞いてみたところ

 

「やりきれば強くなれますか?」

 

「勿論だよ。今の自分とは段違いに強くなれるだろうね」

 

「なら……私はやります」

 

「スリームーン……」

 

「皆もやろうよ! 自分の限界を知りたいし、限界を突破して強くなりたいし!」

 

「安全はどうするのですか?」

 

「なにぶんやるのが初めてだからトラブルはあるだろうけど私が全てなんとかする。事前に私が試してルートも決定するから安心して」

 

「「「どこも安心できる要素が無いのですが……」」」

 

「はぁ、私もやるわ! スリームーンだけが強くなって置いていかれるのはやだし」

 

「サンライズ……わ、私も!」

 

「うちもやる!」

 

「よし、全員参加ね! しおりの付属に持っていった方が良い物は書いてあるから頑張ろう」

 

「「「「おお!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 夏休みに入り各チームは夏の合宿やバカンスシーズンが始まる

 

 金のあるチームは海のホテルを借りて海の近くでバカンス兼トレーニングをし、弱小チームは強いチームが居ないうちにトレセンの施設を使って少しでも強さを埋めようとする

 

 学生連合はというと全員呼吸習得と体力作りとアルバイトと勉強に躍起になっていた

 

 ロンメルが家庭教師用に借りている物件に集まり住み込みでトレーニングをする中等部組や一部メンバー、律の動画の手伝いのバイトが簡単だと釣られたバカコンビ2名が律が撮影しようとしてできていなかった料理を食べる食レポや律のポケモン実況の為のポケモン厳選を永遠とさせられたり、編集作業を覚えさせられて切り抜き動画のテロップ作成等させられたりした

 

 その他もプールの監視員のバイト、海の家のバイト、夏祭りの屋台のバイト、普段やっている飲食店や服屋のアルバイトをしたりと稼いだりして合宿費を稼いだ

 

 体力作りはプール練習や山登りで低酸素トレーニングをしたりと色々とやった

 

 家庭教師組もトレーニングに勿論参加して毎日クタクタになるまで頑張った

 

「皆ー、ごはんできたよ」

 

「「「おお!」」」

 

 ロンメルは自分のトレーニングをしながら手を変え品を変えで飽きないようにトレーニングメニューを組み立て、皆の体ができるように食事を作ったりしてとにかく頑張った

 

 7月30日と31日は全体を休みにしてロンメルは先行して1泊2日330キロの強行軍を決行

 

 結果疲れで死にかけたが、道中の地主やキャンプ場と交渉して皆が合宿の間にキャンプをしても良いという許可をいただき、準備を着々と済ませていく

 

「ゼーハーゼーハー……疲れた……けど呼吸ができていれば2日間に短縮しても実現可能だとデータは取れた……問題は食事だよなぁ」

 

 食事をどうするかが問題である

 

「何か……ルートにヒントが……!! スーパーや道の駅が近くに有るな……よし! なんとかなる」

 

 問題点の洗いだしができたら少し休んで皆の為に更に頑張るのであった……

 

 

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