ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

57 / 89
香港チャンピオンズデー 前編

 ファン大感謝祭が終われば平常運転に戻る学生連合

 

 練習に勉強と大忙し

 

 特に新入生達はロンメルに毎日こってりしごかれて死屍累々となっていた

 

 それは呼吸が使えるラインハルトやサポート科の面々も例外ではなく……いや、サポート科の方は通常の勉強の他に各々専攻する勉強も教えられ、皆頭から湯気が出るくらい詰め込まれていた

 

 そんな姿を見てミッションタイマーは

 

「ほら、お前ら風呂入るぞ……ダメだこりゃ、皆新入生背負って寮に行くぞ」

 

「「「おー!」」」

 

 と死んでいる新入生達を風呂まで運ぶのが日常となっていた

 

「なぁロンメル、新入生は才能にも恵まれてるんだろ。スカイプラザやヤクルトガッツみたいに神域に入るのガンガン生まれるのか?」

 

「ディープバレット先輩も気になりますか?」

 

「まーな、一応去年まで選手としてお前にしごかれたし」

 

「そうですねぇ……正直に言うとわからないです」

 

「お前でもか?」

 

「肉体面はいくらでも見れますが、各々が持つ心の部分は流石に私でもわかりませんし、私の教育が全部が全部有っているという確証もない。もしかしたら別のトレーナーの方がその選手に有ってるかもしれませんよヌルフフフ」

 

「意外だな。お前なら神域の選手を量産すると思ったが」

 

「領域は量産できても神域は更にスピリチュアルな部分ですからねぇ。私でさえ全ては把握できていませんし」

 

「ちなみに今は何を読んでるんだ」

 

「これですか? 歴史書です。呂布と赤兎という中華最強コンビのウマ娘の話ですよ」

 

「呂布というウマ娘も赤兎というウマ娘も神域到達者だったのでしょうね。あー、中華はやっぱり凄いですよ。歴史の量が段違いですから積み重ねられたそれは私にとって黄金よりも価値がある。残念ながら中華歴代王朝の闇と文化大革命により方法は失われてしまいましたがねぇ……呼吸法ももしかしたら中華戦国期には有った技術かもしれませんし……元々この全集中の呼吸も剣術を行う為の技術でしたし」

 

「剣術~? よくもまあそんな技術を実用化までこぎ着けたものだな」

 

「ヌルフフフ、まぁそこら辺は企業秘密ということで」

 

「へいへい、ほいよ、俺なりに改良してみたがどうだ?」

 

「……水を変えましたね。ほんの少しだけマイルドになってますねぇあとは飲み水も烏龍茶ですか」

 

「あぁ、黒烏龍茶にしてみた。油っぽいから胃もたれする奴のケアに黒烏龍茶は最適だからな」

 

「市販……いや、ブレンドしてますね」

 

「ああ、暗殺ラーメンにはまったお客さんに茶葉を取り扱っている人が居てな。黒烏龍茶のブレンドを依頼したんだ」

 

「なるほど……良いじゃないですか」

 

「よし! 早速今夜のラーメンに追加してみるわ」

 

「トレセンは様々な水が手に入りやすいですからね」

 

「あぁ、まさかこの水じゃないと飲みたくないみたいなお嬢様が居るとは思わなかったな」

 

「硬水、軟水、どこのわき水か……地層によって変わってきますしねぇ……まぁ私は気にしませんが」

 

「とか言いつつレモン水にしてたじゃねーか」

 

「レモン水にすることで飲み水の風味等をリセットできるからですよ。麦茶にしているのもそうです。文句を言わせない為ですよ」

 

「そこら辺はしっかりしてるんだよなぁロンメルは」

 

「水の味で脚が早くなるわけ無いのに迷信に取り憑かれているバカが何人も居ますからねぇ」

 

「じゃあ俺夜食の準備入るわ」

 

「ハイハイお疲れ様です。私は私のトレーニングをしてきますかねぇ」

 

「無理するなよ。お前が倒れたら今の学生連合は潰れるからな」

 

「わかっていますよ」

 

「あ、ロンメルトレーナー、新入生でこちらに入らなかった選手で有力そうなウマ娘を纏めました」

 

「ありがとうマンシュタインさん」

 

 

 

 

 

 

 

 学生連合は更なる飛躍の為に香港のシャティンレース場で行われるチャンピオンズデーに登録

 

 チェアマンズスプリントプライズ タカタノソラ

 

 チャンピオンズマイル ヤクルトガッツ

 

 クイーンエリザベスⅡ世カップ バカコンビ

 

 がエントリー、同日に行われるマイラーズカップにユランが登録者されたのでユランはまた日本でお留守番である

 

「そんな~」

 

 ちなみにチェアマンズスプリントプライズ、チャンピオンズマイルが賞金約1億8000万、クイーンエリザベスⅡ世カップが約2億2000万である

 

 有力ウマ娘だった香港の短距離王センカイはユランによるドバイでの激走により体調を崩してしまい出場を辞退してしまったのでロンメルから見たらボーナスコースと認識されてしまった

 

 一方バカコンビは春4戦目となるが元気一杯

 

 というか毎月走っている

 

 更に合間でテレビ撮影もしているから本当にタフである(タフにしたのはロンメルであるが)

 

 ちなみにロンメルの予定だと一番酷使されるのはユランの予定である

 

 マイラーズカップからヴィクトリアマイルから安田記念→イギリス遠征(6月 連闘予定!?)と春6戦させる予定である

 

 ユランは走れば走るほど輝くというロンメルの謎理論によるものであるが、ユランは頑張ればグローバル・スプリント・チャレンジ達成の可能性が残っているためイギリス行きをさせるのである

 

 タカタノソラも同じ理由でイギリス遠征が計画されている

 

 まぁロンメル的には個人でもイギリスとアメリカには行く必要があるのだが……

 

 話を戻して香港遠征は急遽決まった計画ではなく、昨年の段階から決められた物であり、スカイプラザの覚醒に触発された選手達の為にレースの数を増やしてなるべく神域へと到達させようと目論んでいた

 

 なのでサポート科の面々も経験のために香港遠征に同伴することが決まり、パスポートの準備させたり、海外レースで必要書類の申請のやり方を教えたりしながら時間が過ぎ、香港にいよいよ遠征となった

 

 シャティンレース場……香港にある2つのレース場の1つであり、1周1899メートル、直線距離430メートルの芝コースとその内にオールウェザーコースが併設されている

 

 芝の保全活動は世界屈指であり、香港の芝コースこそ理想的であるという者すらいる

 

 多雨多湿の環境ながら水捌けもよく不良になることはめったに無い

 

 フルゲートはどのコースも14人

 

 幅も約30メートルとなかなかの広さであり、1200メートル、1600メートル、2000メートル全てでスタート位置が全然違うのも特徴である

 

 レースが日曜日な為と日曜日にスプリームのレースが有った(残念ながら2着)為に火曜日に香港に到着して余裕の無い調整が始まるが、香港の芝はサウジやドバイの芝と似ている為初経験のタカタノソラ先輩以外は直ぐに馴染んだ

 

 タカタノソラ先輩にはこの芝は柔らか過ぎるらしいが、強烈なピッチ走法によりいかに加速するかが重要なシャティンの1200メートルでは問題ないとロンメルは判断

 

 香港でのレースまで調整を続けるが、やはり香港ではウマ娘がトレーナーをするという文化が無く、更に現役選手でもあるロンメルは注目が集まる

 

 調整をしながらロンメルは広東語で記者や質問に来た人達に返答していく

 

 ただそれだけチームも期待されている様であり、皆の香港名も公表された

 

 タカタノソラ 高田空

 

 ヤクルトガッツ 乳酸菌努力

 

 ベストエンジェル 最高天使

 

 マスターハリアー 掌握鷂

 

 4名が香港のレースに挑む

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。