ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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夏合宿 挿し絵あり

 8月……合宿が始まると皆成田空港から新千歳空港に移動し北海道に渡る

 

「やっぱり北海道は涼しいね! 夏だけどこれならエアコンは要らなそうだ」

 

「でも扇風機くらいは欲しいよね」

 

 新入生組は和気あいあいとしているが、昨年地獄を経験している者達は顔が強張る

 

 事実ロンメルが渡した夏休みのしおりの中に合宿の日程が書いてあったが、朝6時から夜の9時までトレーニングがびっちり書き込まれており、新入生組があの分厚い辞書のようなしおりを読んでないんだろうなぁと遠い目をしながらまだ元気なメンバーを見ていた

 

 ちなみに今回お留守番なのはフェンリルだけであり、引退しているサクセスや料理人として修行中のディープバレット先輩もサポートとして参加となった

 

 新千歳空港で食事後再び飛行機にて利尻空港に移動する

 

 そこから移動して合宿の会場であるキャンプ場に到着する

 

 今回はコテージ2棟とバンガロー3棟を借りる

 

 コテージ1棟はロンメルとかコーチ陣(武内さん、ルビーカーバンクルさん、クロロさん、ブルチさん、ディープバレット)の6名とサクセスの7名

 

 もう一つのコテージはサポート科組の7名が入る

 

 残り3棟のバンガローに選手達が宿泊する

 

「というわけで約2週間お世話になるキャンプ場の管理人の鈴木さんに挨拶します。鈴木さんよろしくお願いします」

 

「「「お願いします」」」

 

「はいお願いされました。トイレは共同のが3ヵ所、近くに温泉も有りますのでゆっくりしていってください。消耗品は管理人小屋に色々有りますので気軽に声かけてください」

 

「「「はい!」」」

 

「では早速全員でカレーを作りましょう! 材料は買ってきていますので!」

 

 ロンメルの号令でカレー作りが始まる

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝6時

 

「起床!!」

 

 ロンメルが各バンガローに行って起こしていく

 

「はい、ラジオ体操開始!」

 

 寝具を片付けたらラジオ体操を始める

 

 ラジオ体操が終われば柔軟を始め、この間に少し早く起きたスタッフ陣は朝食を作っていく

 

 朝食のメニューはロンメルが決めており、そのレシピに沿って作られる

 

「白米最低どんぶり2杯、タマゴ2個!」

 

 朝食はロンメルが昨夜作った麻薬卵にウインナー、ポテトサラダ、豚汁、これに白米大茶碗2杯となる

 

「おわかり~」

 

 大食いのヤクルトガッツ先輩は余裕で2杯をたいらげ5杯目に突入

 

 その様子を横で見ていたナックルはうっぷと込み上げて来るものが有るようだ

 

 そんなこんなで朝食を終えるとロードワーク50キロを開始する

 

 武内トレーナーも自転車に乗り込んで応援しながら走る走る

 

 50キロが終われば坂道ダッシュを開始する

 

 急勾配の200メートルの坂道100本ダッシュ

 

 で昼食となる

 

 昼食は大盛の冷やし中華と大きなおにぎりが置かれており

 

「おにぎり最低2個」

 

 と選手達は詰め込まれる

 

 昨年を経験しているメンバーは大丈夫そうだが、新入生組は既にキツそうである

 

 特に食事が

 

 食事が終われば呼吸のトレーニングを行う

 

 これはサポートの面々も含めて全集中の呼吸で体の細胞を活性化させるイメージで肺や内臓を鍛える

 

 スカイプラザ先輩やヤクルトガッツ先輩みたいに神域に到達し透き通る世界が見えている人達は簡単そうにやってのけるが、他のメンバーはキツそうである

 

 まぁ天才のラインハルトやジークアイスはなんだかんだできていたりするが

 

 それ以外はロンメルがバシバシ指導していく

 

 約2時間呼吸のトレーニングをしたら筋トレを行う

 

 スクワット、腹筋、体幹、バービーetc

 

 自重を使ったトレーニング後は島1周(約63キロ)を2時間以内に走らせる

 

 勿論ロンメルも走る

 

 武内サブトレーナーは自転車で追いかける

 

 何気に呼吸を覚えて身体能力の向上は武内さんが一番大きいかもしれない

 

 今日だけでも100キロ以上自転車漕いでるし……

 

 サポート科のメンバーは午後は買い出しや洗濯、料理の仕込み等を行っていく

 

 くたくたになった所で仕上げの柔軟やクールダウンを行う

 

 そのまま温泉にロンメル以外は向かわせて、ロンメルは夕食を作っていく

 

 ロンメルはコテージのシャワーで体を洗い、夕食の準備を終えるとタブレットを取り出して明日の予定や予算を確認する

 

 19:30夕食開始

 

 新入生組はくたくたで食事が喉を通らなくなってるが無理矢理食わせる

 

 ちなみに夕食はスパゲッティ、ニンジンハンバーグ、サラダ、オニオンスープ、唐揚げ、ご飯である

 

 バカコンビが唐揚げにレモンかけるかけない論争やミッションタイマー先輩が

 

「タルタルソース無い?」

 

 ということで急遽作ったり、ヤクルトガッツ先輩がご飯7杯食べたりしたが、とりあえず初日は乗り越えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 1週間が経過すると流石の去年経験したメンバーも疲労が溜まり始め、食欲がヤクルトガッツ先輩以外落ちてくる(落ちないヤクルトガッツ先輩は流石としか言えない)

 

 新入生組は選手組は今にも倒れそうな状態でトレーニングを続けている

 

 ノーザンインパクトなんかは食っているハズなのにドンドン体重が痩せてきている(現在マイナス3キロ)

 

 それでもロンメルは知ったことかと更にトレーニングの密度を上げる

 

「じ、じぬ~」

 

「はぁはぁはぁ」

 

「新入生組頑張れー」

 

「おらー、気合い入れろー!」

 

 サボろうにもロンメルや先輩達の監視でサボれず

 

 全集中の呼吸で疲労回復をとにかくすることで無理矢理体を動かす

 

 ロンメルが寝る前にやって来てマッサージしてくれているからなんとかなっているが凄まじく辛い

 

 ノーザンインパクトは

 

「ムリムリムリムリ」

 

 とささやかな抵抗をしたが、ロンメルが闘魂注入(顔面ビンタ)されて抵抗もできない

 

 それにこの島周りが海で囲まれているため逃げ出すこともできない(逃げ出したら帰れない、逃げる気力も無い)

 

 そして合宿10日目……最大の難所利尻山にて領域の強制開花をさせる段階となる

 

 去年やった組は山中ロードワークとなったが、他のメンバーは地獄の1日となった

 

 全力で殺気を飛ばしてくるロンメルから山頂目指して逃げる……ただそれだけであるが、捕まったら全身の穴という穴に触手をぶちこまれ、空中でジェットコースター真っ青な空中浮遊体験(マッハ20の触手による恐怖体験)をさせられる

 

 ムリムリと言っていたノーザンインパクトが逃げ足は速く先頭

 

 ラインハルトとジークアイスが続き、コンヒュイル、ペンタゴンと固まって逃げる

 

 ナックルはロンメルに捕まり失禁しながらも恐怖体験をさせられている

 

 山頂に到着する頃には疲労による肉体的限界と強烈な殺気による精神的負荷により領域に開眼する

 

 そうなるとアドレナリンがドバドバ出て全能感に浸っている新入生組と汗、涙、尿により干からびた魚みたいにしわしわになり、ムンクの叫びみたいになっているナックル

 

 ロンメルが新入生組を強制的に透き通る世界を擬似的に触手と眼球を繋げて見せる

 

 その情報量の多さに脳が限界を超え、鼻血や吐血、吐く者が続出する

 

「神域の世界の断片だ。少しは見れたかな?」

 

「カハッカハッ……これが……神域」

 

「……ゴポッ……スカイプラザ先輩やヤクルトガッツ先輩はこれを毎回視ているのですか」

 

「そうだね……私はほぼ常時これだ……オンオフできるがね……さて、おめでとう。これで皆は領域はできるようになった。自身の限界を超えた感覚はどうだい?」

 

「入るまでは強烈に不快であるが、入ってしまえば快楽で脳が焼ききれそうだ」

 

「ラインハルトに同意します」

 

「皆~……たしゅ……けて……」

 

「あの、ロンメルトレーナー……ナックルさんが死にかけてますけど」

 

「自業自得だから放置しておきなさい」

 

「汚物まみれで触りたくもない」

 

「ジークもそう思います」

 

「ひ……酷いよ……」

 

 そんなやり取りをしている新入生組だったが、コンヒュイルの様子が少しおかしかった

 

「コンヒュイルさん、どうかしましたか?」

 

「……ロンメルトレーナー、視界が……あれ? あれれ?」

 

「大丈夫ですか?」

 

「ロンメル……トレーナー……僕を……まず助け……て」

 

 気絶したナックルは放っておいて、コンヒュイルの肩を持って揺らす

 

「さっき見た透き通る世界……だっけ? 自分でスイッチできる……え? これ大丈夫なの?」

 

 コンヒュイル領域すっ飛ばして神域に覚醒

 

 ロンメルは驚きながらもその感覚を更に研ぎ澄ます様に伝える

 

 

【挿絵表示】

 

 

「世界が光に満ちています……まるで星のように……」

 

「まさか3人目がコンヒュイルあなたになるとは思っていませんでしたが……これだから教育は辞められない……おめでとう。そしてようこそ神域に」

 

 こうして山場は終わる

 

 翌日からのトレーニングは一皮剥けた新入生達も上級生に負けないパフォーマンスを発揮する

 

 クロロさんが聞いてくる

 

「どうやったのですか? 選手達の動きが別人ですが」

 

「魂を呼び起こしたのですよ」

 

 そう語った

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