チャンピオンズカップ……それはジャパンカップダートと呼ばれていた歴史有る秋のダート最強決定戦……なのだが、最近はサウジカップの前哨戦扱いである
フェブラリーSと双璧をなすダートG1なのだが……賞金もダート最高額の1億2000万なのだが……どうしてもサウジカップが強すぎるのと地方の強豪は東京大賞典の方に行くの最強決定戦? と例年であればなってしまう
そう例年であれば
今年は世界最強のスカイプラザが出場するとアメリカの強豪ウマ娘が4人も参加するという例年に無いくらい豪華であった
日本のウマ娘にやられっぱなしではアメリカンスピリッツが廃ると挑んできたウマ娘達は情報を集めている最中変なウマ娘が居ることに気がつく
[ロンメルってウマ娘スカイプラザのトレーナーなのに選手なのか? ……んん? 体重110キロ? ]
どんな巨女だよとアメリカウマ娘達はホテルで集まり情報を共有する
今回アメリカのウマ娘達はライバルではあるがチームだ
日本のダートは本国アメリカと違い走りづらく本国ではそこそこイケてる自分達でもアウェーで無策で突っ込めば全滅するのは過去のチャンピオンズカップが証明している
日本のレベルも上がっているのは事実だからこうして4人で集まり、映像を視るが
[なぁスカイプラザスタート失敗しなければ俺ら勝てなくないか? ]
[芝じゃねーんだぞ、スピードスケートみたいに滑るように走るな]
[来週の天候は晴れか……雨だったら良かったのに]
[とにかくゲート練習はするとして……逃げに付いていかなければ話にならないわよね? ]
[このスピードだぞ、本国の連中に乗せられた俺らがバカみたいにじゃねーか。ただの噛ませ犬だぞこのままだと]
[とにかく最初からこいつに着いていけば絶対にバテる。かといって着拾いってのもなんかなぁ]
[[[[うーん]]]]
三人揃えば文殊の知恵と言うが4人揃っても彼女らに解決策は思い付かなかった
それは日本のウマ娘達も同じである
「頼む、スカイプラザ調子絶不調で頼む」
「ボルボックス、スカイプラザのデータが出たぞ……残念ながら絶好調だ。最終追いきりだが……ウマなりでこれらしい」
「嘘でしょ!? 私の本気と大差無いじゃん」
「ボルボックスも重賞ウマ娘なんだから自信持て……とは言いづらいな」
「ラキ珍のユニコーンステークスだからなぁ」
「本人がラキ珍言うなよ……」
「いやでも絶望しかないんだけど、下からはコンヒュイルとか言う韓国のディープインパクトみたいなの居るし」
「ディープじゃなくてパンサラッサとかに近いがな」
「ガッデム! また逃げか! 逃げなのか! というか学生連合逃げ先行ウマ娘多くない?」
「やっぱり差し追い込みは花が有るけど完全すぎる逃げや実力有る先行ウマ娘には勝ちづらいでしょ。追い込みはスタートが下手だったり勝つための秘策というか脚をとにかく溜めるのが上手いウマ娘だったり……まぁ一風変わってるよな」
「そもそも核の世代も先行逃げだし、ガイアスカーレットだって逃げだし! 何なの強い後ろ脚質なのベストエンジェルくらいだよ!」
「まぁあれもまくりだしなぁ」
「ええい! トレーナーどうする! このままでは勝てないぞ」
「かといって勝つために行ったらぶっ壊れるぞ……あ、ロンメルトレーナー出るじゃん。彼女のペースで行けばいいんじゃない? スカイプラザ級ってことは流石に無いでしょ。よし、そうしよう」
「あのトレーナー……ロンメルトレーナーの体重壊れてない? 110キロ? え?」
「マジだぞ、全身筋肉のばんえいウマ娘よりも1周りデカイ、ゴツイ、趣味剣道や武術らしい」
「こんなんが武術したら死人でるよ!」
「ほらロンメルトレーナーがMyチューブであげられた剣道の動画」
「……!? 瞬間移動? え、竹刀だよね? なんでサンドバッグ斬れてるの?」
「手刀でも斬れるって」
「サイボーグじゃん! ウマ娘でもそんなことできないよ!?」
「あ、ロンメルトレーナーの挑戦シリーズあがってる……パンチングマシーンで遊んでみた……ミットが粉砕してるけどウマ娘ってこんなことできるの?」
「できるか!! え! 万が一接触したらこれ吹き飛ばされるんじゃないの?」
「うん、ボルボックス、生きて帰ってこい」
「戦場!? え! 私戦場にでも行くの?」
「ボルボックス二階級昇進」
「勝手に殺すな!!」
学生連合の選手は強豪なので控え室は個室が用意されるのだが、スカイプラザ、コアランタン、カラスマーチが4人で走るのも最初で最後だからロンメルと一緒に居たいと言って大部屋の控え室を用意してもらった
「私はどうやら異質らしい」
「ロンメル急にどうしたの? 今に始まったことじゃないじゃん」
「……私は異世界を旅してきた。戦国、大正、現代……どれもウマ娘は居なかった。もしかしたら私達が今居る世界は奇跡の中で成立っているのかもしれない」
「異世界かぁ前にも本当に軽く言っていたね」
「律さんも異世界の産物なんでしたっけ?」
「それがどうしたのロンメル」
「私は何度も命が消える瞬間や逆に誕生する瞬間、才能が開花する瞬間を視てきました……さて、皆さんに見せた透き通る世界も元々は剣術の1つでしかありません。異世界で私は何百人とこの手で殺してきました。どの世界でも殺しを行ってきました。敵を、鬼を、死神を……私はこの手で殺してきました。世界の礎となることも有れば、世界を救うこともありました。友を救うこともありました。主君の死に際に居ることもできないこともありました」
「恩人が死に、敵から笑いながら学び、妖怪等と呼ばれることもありました……さて、完全体になった私は過去のあらゆる世界よりも力を得ました。貴女達を教えるという実験を行い、先行タイプとして一定の成果を得ました。スカイプラザ、ヤクルトガッツという想定以上の成果も得ました」
窓から光が射し込む
「私はこれより歴史を離れ、神話を始める……3人は特等席で魅せてあげましょう」
「……ロンメル、気がついていたんだけど……リミッターをうち達にかけているでしょ。それを外せ」
「ダメです」
「なぜ!」
「それは自身を弱者と認め、努力の放棄でしかありません。……痣というのはそういうものです」
「痣?」
「全身に紋様が浮かび上がります。体温を39度以上、心拍数を200を超えること、耐えられる肉体を持つこと、全集中の呼吸を使えることの4つです」
「それを使えばロンメルに勝てる?」
「ええ、勝てるでしょう。まぁレースを終える前に死ぬでしょうね」
「……え」
「私は貴女達をレースに勝てるようにチューニングしてきました。痣は剣士が怪物を倒すために編み出された技術です。何年もかけてしっかりとした肉体及び内臓を作らなければ心拍数異常で心臓か血管が破裂しますよ」
「私だって60年以上かけ、肉体を改造された今でも痣を使えば寿命が縮みます。ええ、25歳で例外無く死ぬことになります。そんな欠陥品を使わなくても私は更に進化することを望んだ……心拍数200? 体温39度? 私はそれを超えている。が、痣なんて1つも出ていないでしょう。私は更に先の技術を会得している」
「さぁ、領域を超えてみなさいコアランタン、カラスマーチ……神域を超えなさいスカイプラザ……私は先に行きますよ」
魅せては誤字ではありませんので