ロンメルの本気   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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エピローグ

「結局のところ私は私自身の身から出た錆によって終焉になるのかなぁ」

 

『ロンメルさん……』

 

「律、エクリプスやマンノウォーがなぜ技術を広めることをしなかったのか……なるほど。自身1人であれば稀代の名ウマ娘で終わりますからねぇ」

 

「技術であれば広めれば追い付けると夢を見るだろう。あぁ、世界で暴れなければ国外に行くことも考えられ……いや、私は日本人……国外に行く選択肢は無いですねぇ」

 

『これからどう動きますか?』

 

「まずは私がトレーナーを引退した後も学生連合は続いていきますし、トレーナーが居なくても学生連合は解散とはなりませんからミッションタイマー先輩をヘッドコーチから顧問に昇格させ、マンシュタインをヘッドコーチに……組織改編をしなければなりませんねぇ」

 

 律から見たロンメルにいつもの覇気は無く……失望しているように思えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 白昼に起こったダービーの悲劇

 

 どこからか漏れ、そして曲解してマスコミに嗅ぎ付けられ、ロンメルバッシングが発生

 

 元から選手に無茶なトレーニングをさせているのは他のトレーナー達から話されていたのでそのロンメルが技術を開示しないからヴィザは亡くなったのだと……

 

 酷い話である

 

 ロンメルはその後宝塚記念、キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス、インターナショナルステークスを次々に快勝、悲願の凱旋門賞までロンメルは勝ち取って見せた

 

 しかし、言われるのは悪いことばかり

 

 栄冠も名誉も……ロンメルから離れていった

 

 勝てば勝つほど悪役にされる

 

 ロンメルは本当の意味で魔王と呼ばれる様になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「信長様、私はあなたの傍で死ぬべきでした。欲をかきすぎた。最強の選手、最高のトレーナー……二兎を追う者は一兎をも得ず……まさにこの通りになりました」

 

 日本人の悲願……凱旋門賞を勝ったのに、世間の目は冷たいままであった

 

 人殺し……ニュースでの話が曲解されまくり、私が手を下したみたいになった

 

 名誉毀損で新聞社やテレビを裁判中であるがこの悪評は私に一生付きまとうだろう

 

 なんだか疲れた……もういいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンメルはシニア4年まで走り続け、最強であり続けた

 

 絶頂期に負けたのは僅か3回

 

 チャンピオンズカップでの逆襲のラン……スカイプラザ

 

 3連覇がかかった有馬記念で選手生命を賭けた渾身の一撃……ラインハルト

 

 ブリーダーズカップ・クラシックでの覚醒の走り……コンヒュイル

 

 ロンメルは最初の凱旋門を勝った時点で活力は尽き、走る度に悪役、ヒールとして……倒すべき敵として走り続けた

 

 勝ったG1数 39勝

 

 52戦43勝

 

 ペガサスワールドカップ 3連覇

 

 サウジカップ 3連覇

 

 ドバイワールドカップ 3連覇

 

 天皇賞(春) 連覇

 

 クイーンエリザベスⅡ世カップ 

 

 宝塚記念 3連覇

 

 キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス 3連覇

 

 インターナショナルステークス

 

 凱旋門賞 3連覇

 

 ブリーダーズカップクラシック 連覇

 

 チャンピオンズカップ 3回

 

 有馬記念 3回

 

 ロンメルは選手をしながらも全集中の呼吸の技術を広め、選手引退と同時に姿を消した

 

 ロンメルが居なくなった後、マンシュタイン→グデーリアンとトレーナーとして彼女達が引き継ぎ、強豪の地位を守っていった

 

 これをロンメル=マンシュタイン=グデーリアンラインと呼ばれるバトンが繋がれた

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヌルフフフ……はぁ……まさかウマ娘の世界で孤立するとは思いませんでしたよ」

 

『ロンメルさん……お疲れ様でした』

 

「ありがとう律」

 

 ロンメルが走っている時にも色々な事が有った

 

 ペガサスワールドカップを3連覇した時のライブ中の狙撃事件

 

 豪雨の凱旋門賞

 

 学生連合王道路線完全制覇

 

 ナックルG1 2勝でスカイプラザの獲得賞金を超えて歴代2位に(最終的に124戦115勝 出走期間8年)

 

 アメリカが作ったクローンウマ娘と戦ったこともあった

 

 それら全てが過去のこと

 

 テレビをつけるとウマ娘のレースがやっていた

 

 ああ、今日はジャパンカップだったか

 

『あぁ、神! 私はいつまでもお待ちしております! 世間がなんと言おうと帰ってきてください! 我々はお待ちしております!』

 

 スリームーンがそこには映し出されており相変わらず狂信者らしい発言をしている

 

 祝勝のメッセージでも入れておくか

 

 ……強さ……か

 

「ラインハルトの様にもっと貪欲に権力を求めなければならなかった……ですかね……」

 

『今からでも遅くありません。表舞台に戻りませんか?』

 

「いや、これからは闇を歩こうと思う。研究施設も富士樹海に移しましたし……後はラインハルト、クロロさん、コンヒュイルがやってくれるでしょう……私はねぇ燃え尽きたのですよ。あと約70年の人生を次の世界の準備に尽くしましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンメル一強時代……レース時代の闇と言われる時代が過去となり20年後……ロンメル再評価運動が始まった

 

 それまでに色々な事が起こった

 

 朝鮮統一戦争

 

 ロシア統一戦争

 

 ラインハルトURA理事長就任

 

 コンヒュイル韓国大統領に就任

 

 クロロ王女によるサウジウマ娘改革

 

 ロンメルは地下でのほほんと趣味をしている間に時間が過ぎていく

 

 ロンメルはふらりと地上に訪れては子供をスリームーンに託し、研究を続ける

 

 預けた自身の娘達がダービーやG1の栄冠をテレビ越しに見るたびに悲しみが込み上げる

 

 何に対して悲しんでいるのかはロンメルしかわからない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンメルの再評価によりロンメルを批判したテレビや新聞社の行為は国益に損害を与えたという評価となる

 

 学生連合の初期メンバーが社会で大活躍を行うのを見て、ロンメルトレーナーは僅か2年のトレーナー生活で最高のトレーナーであるという評価となる

 

 そして彼女が残した全集中の呼吸法は確かにレースや練習での事故率の低下、強いトレーニングをしても大丈夫な頑丈な体を作るのには効果を現したが、ロンメルが行っていた領域に至る魂を入れると呼ばれる技法が誰も真似できなかったこと、波紋もチャクラの解析もロンメルが引き継ぎ作業や呼吸法を教えるため、そして選手として多忙なことにより解析が停止し、ガイアスカーレットやスカイプラザがなんとか技術継承をしようとしても核とも呼べる技術をロンメルが握りそして姿を消したことで解析不能となってしまう

 

 ガイアスカーレットも実業家として、スカイプラザは宇宙飛行士としての業務が多忙となり解析は完全に停止

 

 チャクラを持ったバカコンビは解析を早々に放棄し、発展だけを求めた

 

 チャクラを体の一ヶ所に集めたり、美容の保持に全振りした結果40歳にもなるのに20代前半の美貌を保ち続けて今日もバラエティーに出ている

 

 ラインハルトが行った集団農業は膨大な利益をもたらした

 

 レースからあぶれた人員が大量に投入され、地域活性化に大きく貢献

 

 ラインハルトが国政に参加する足場となる

 

 ジークアイスが理事長職を引き継ぎ、日韓沙ウマ娘協定を締結し、留学や招待レースの増加を行った

 

 コンヒュイルは兵役中に統一戦争が発生、ウマ娘駆兵として戦場を駆け抜け、英雄となり、韓国大統領に成り上がる

 

「弾丸が止まって見える。神域に到達していなかったらチョは死んでいた」

 

 と話す

 

 ミッションタイマーはマンシュタインやグデーリアンを支えなんとか学生連合が空中分解しないように調整役に徹した

 

 ヤクルトガッツはドリームクラスに移籍し、暴れまわった後サブトレーナーに転身し、そこそこ上手くいっているらしい

 

 サクセスは水泳選手となり金メダルを獲得

 

 フェンリルは集団農業に後から参加、スプリームを支えたらしい

 

 ディープバレットはラーメン屋として大成功

 

 ユラン、タカタノソラ、ナックル、ペンタゴン、ノーザンインパクトもドリームクラスに移籍、その後は皆コーチになったり、獲得した賞金で事業を始めたりしたらしい

 

 スリームーンはロンメルの子供を15名預かり全員をスパルタ(洗脳)教育してG1を勝利させている

 

「ロンメルトレーナー、いつまで引きこもっているのですか?」

 

「死ぬまでかなぁ」

 

「皆、あなたの帰りをお待ちしているのですよ」

 

「スリームーン……すまない」

 

 ロンメルは裏に潜り研究者として、そして死神の名前を襲名して暗殺者となった

 

 日本を守るために今日も暗躍する

 

 サンライズはトレーナーとなりチームを作り、アンラッキーは紆余曲折あり東京都知事に、スノーアイランドは父の食品加工会社に就職した

 

 

 

 

 

 

 

 

 2100年……世界は宇宙移民が始まった頃、技術集積と自身のスキルを鍛えていたロンメルの元に1人のウマ娘がやって来る

 

「ロンメルさん! いるんでしょ! こんな樹海の深部で何してるんですか」

 

 地上に繋がる隠されたドアの前にウマ娘が立っていた

 

「ロンメルさーん、異世界転移者のシスターアナログです……入りますよ」

 

 律の防御プログラムをハッキングして少女は侵入する

 

「全く……ロンメルさん! 出てきてください! 未来のあなたから届けて欲しいって言われて来たのですが……寝てるんですか~おーい!」

 

 クビ元に刃が迫る

 

「あ、無駄です。私死なないので」

 

 バチーンと何かにロンメルの刃が弾かれる

 

 ぬるりとロンメルが現れる

 

 老いていたが80を超えているとは思えない若々しい体であった

 

「何者だ」

 

「いやー、異世界転移者のシスターアナログですよ。シスターマルコーの孫の! イタリアのナポリ生まれ……まぁイタリアのレースはほぼ壊滅しているのですが……それを復興するために頑張ってます」

 

「そう……」

 

「いやー、ずいぶんと雰囲気違いますね。私が見てきたロンメルさんは覇気に満ち溢れていましたが」

 

「隠居して長いからな……もうあと数年で寿命が尽きる」

 

「そうですか……なら間に合って良かった良かった」

 

「で、隠居老人に何か用か? ……茶と茶菓子くらいはいれてやるが」

 

「ならポケモンの木の実で作ったゼリーが欲しいなぁ。甘いので」

 

「……良いだろう」

 

 ロンメルはゼリーをマッハ未満の速度で用意しお茶を用意する

 

「で、改めて何のようだ」

 

「うお、凄い殺気……流石最強のウマ娘……年老いても最強のままですか……まぁ触手細胞のせいで老化がとにかく遅いから地上で生活しないで正解だと思いますがねぇ」

 

「だから何用だ?」

 

「私に全集中の呼吸と波紋、チャクラを教えてください……未来のあなたから3つの技術解析が完了していることは知っています」

 

「……呼吸は広まっているハズだが?」

 

「あれ? 知りませんか? 呼吸方伝言ゲームみたいになって学生連合以外は失伝間近ですよ。波紋とチャクラはスカイプラザ、ガイアスカーレット、ベストエンジェル、マスターハリアー4名が亡くなったことで完全に失伝しましたし」

 

「そうか……亡くなったか」

 

「あなたの世代で生きてるのはカラスマーチ、サクセス、スリームーンくらいですよ。スリームーンさんは認知症でもう子供の名前も思い出せない状態ですが、ロンメルさんを今でも待ち続けていますよ」

 

「……そうか……そうか」

 

 この老人が世界最恐のロンメルなのか? 

 

 殺気は凄いが覇気も無く……教え子の死にもそうかしか言わない

 

「なぁなぜそんなに外との接触を断つ? この地下施設だけ見てもお前さんの技術レベルは100年先に行っているだろ? なぜそれを人類の為に使わない?」

 

「興味が無いから」

 

「興味が……無い?」

 

「あぁ、そうだ。私は最強の選手かつ最高のトレーナーに成りたかった。が、焦りすぎた……結果私はトレーナーを辞めさせられ、選手としても悪名ばかりが膨らんでしまった……再評価はされたがな……」

 

「そうじゃないでしょ……闘争を求め過ぎた。違う?」

 

「闘争……」

 

「未来のロンメルはこう話しているわ。凱旋門を勝った辺りで悪名も広がったけどやることが無くなってしまった……戦う理由を見いだせなくなった……凱旋門以降は惰性で走っていたと……あんたの心は成り上がり、戦国時代からアップデートされてないわ」

 

「じゃあどうすれば良かった! 惰性でも勝ててしまうほど触手細胞に侵食され……もうウマ娘とは言えなくなっていた。スカイプラザもコンヒュイルもラインハルトも選手生命を削らなければ私には勝てない……私は惰性だ。命がけですらない……私は……私は……」

 

「未来のロンメルからこの言葉を伝えてくれと言われているわ……次は王を作れ、お前は上ではなくその覇道を支える忠臣の立場が一番合っている……ダメなら民主主義を引け、なに、お前が求める闘争は異世界にある」

 

「まだ……私が欲する闘争があるのか……」

 

「話を聞く限りとびっきりのが4つもありますよ。聞きますか?」

 

「いや、辞めておこう。楽しみはとっておきたい」

 

「少し活力が戻りましたね……さてじゃあ交渉といきましょう」

 

 アナログはモンスターボールを2つ出してきた

 

「出ておいで」

 

 出されたのはポリゴンと呼ばれるポケモンとロトムと呼ばれるポケモンであった

 

「この2匹は未来のロンメルさんがもっと早くにいて欲しかったと言っていたポケモン達です。ロンメルさんと交渉するために捕まえてきました。この2匹を譲渡しますのであなたの技術を教えてください……お願いします」

 

「……ふっ」

 

 ロンメルはアナログの腹部を殴った

 

「かは!?」

 

「横隔膜を刺激することにより、肺の空気を絞り出す……全てだ全てを吐き出すんだ。そして」

 

 ロンメルはアナログの胸に指を当てる

 

「チャクラは体の至る所から産み出されるが、心臓を刺激することによりチャクラは増大する」

 

「ごほっごほっ」

 

「そして脳に透き通る世界を覚えさせる……覇!」

 

 バチンと脳がチカチカする

 

 視界が……透ける!? 

 

「全身から力が沸き上がる!?」

 

「波紋の呼吸とチャクラ、透き通る世界が見えれば十分であろう。全集中の呼吸は波紋の呼吸の劣化でしかない。……沸き上がる力はどうだ?」

 

「はは、凄いわ……最高のトレーナーだよ」

 

「では2体を頂こう。……シスターアナログ。あなたはどんな異世界を歩んできたのですか?」

 

「魔法少女達とインキュベーターの世界、ポケモン……そして勇者の世界」

 

 目に見えない何かがいる

 

「勇者じゃないと見えないんですがほら」

 

 コップが浮かび上がる

 

「まぁその世界は日本の四国以外滅んで居たのですがね。なんだろう。私はバッドエンドの世界と親和性があるみたいなんですよね。夢も希望も無い……ポケモンの世界も絶滅戦争してましたし……」

 

「まぁこの世界がバッドエンドに成らないことを願うよ」

 

 ロンメルは久しぶりに色々な話をし、情報を共有していく

 

「実に有意義な時間だった。町まで送ろう」

 

「いえ、私はここで別れますよ。ロンメルさん良き未来を」

 

「あぁ、良き未来を」

 

 

 

 

 

 

 

 数日後ロンメルは寿命により眠りにつく

 

 それと同時に研究所は爆発し、地下に埋没した

 

【世界の魔王ロンメルここに眠る】




皆さんロンメルをご愛読ありがとうございました

ロンメルの物語はまだ続いていきますがウマ娘編はこの辺で終わりにしたいと思います

書きたいネタはまだあったのですがどうしても引き延ばしにしかならないのでここは終わらせようと思います

とてもハッピーエンドではなく、どちらかと言えばバッドエンドに近いかもしれません

が、ロンメルはこの経験を糧に更なる飛躍を遂げるでしょう






ここからは作者の反省点

ウマ娘と言えば明るい話か曇らせなのに中途半端だったのがいけなかった

またレース描写が研鑽不足で歯痒かったのが申し訳ない

感想はこれからも全部返すので欲しい情報がありましたらお書きください

・・・有馬記念が良すぎた

そこから更なる発展が考えられなくなった作者の力量不足をお許しください

改めて誤字報告、お気に入り、評価、感想をくださった皆さんありがとうございました

批判等は活動報告にスペース起きますのでそちらに書いて欲しいです(感想欄だとコメント見れなくなるかもしれないので)
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