「何? 損害賠償を払えだと」
「はい、前回の星のデデデ第三話こと『星のフームたん』に
カスタマーサービスが弾き出したソロバンの金額には〇が八つも並んでいた。
むろん金を一デデンたりとも出したくない大王たちに、こんな天文学的数字など論外であった。
「何年前に放送したものを今更。あれはアホオタキングが勝手に作ったものでゲス」
「さては貴様手持ちの現金がなくなりかけて、ワシに取り立てようとしているな。だいたいあいつらを送ってきたのはキサマゾイ。こっちは被害者ゾイ」
ことの発端は、デデデが自分が主役のアニメを専門家に任せようと『星のデデデ』の製作に再び乗り出した。だが、専門家としてナイトメア社が送ったオタキングたちは勝手に
「そういわれましても、直接的な被害を被ったのは私共ですし。あんな作品を朝に放映されたとあって評判がガタ落ちで」
「だいたいお前は出資者としてこっちの苦労を知らんゾイ。もっと現場の視点を持ってワシのアニメを普及する努力をせい」
まるでブラック企業の経営者のような言い方をする独裁者。カスタマーサービスとしては金を出すリスクを犯して損を出した上に、現場の苦労を知れと無茶苦茶な言い分に、汗が垂れるばかりと黒と緑の格子状のハンカチを取り出した。
「カスタマー、そのハンカチはなんゾイ?」
「あっこれ。今銀河中で流行ってる大人気アニメのキャラクター『魔滅の刀』の主人公の服をあしらったハンカチでございます。なかなか面白かったアニメでつい買ってしまった次第で」
「貴様のような大の大人がアニメにハマるでゲスと?」
「顔に似合わんゾイ」
「ホホホそういう皆様も大の大人。今やアニメはオタクと子供が見るサブカルから、大人も楽しめるメインカルチャーです。関連商品も子供から大人まで爆発的に売れておりますよ」
カスタマーが画面に映し出したのは『魔滅の刀』の関連グッズやコラボした商品の数々。劇場版が放映されたのちには、興行収入が銀河史上初の一位を叩き出すほどの空前の大ヒットを飛ばし、相乗効果もあって爆発的に売れ出した。
「ははぁ、実力があるアニメとなりますとグッズが文字通り飛ぶように売れるんでゲスな。って陛下? おーい」
大成功したアニメの実績と効果を聞いて、デデデは目を輝かさずにはいられなかった。エスカルゴンの呼びかけにまったく応じないほどに。
「それゾイ! 星のデデデが失敗した原因がようやくわかったゾイ」
「は? 失敗の原因?」
「宣伝ゾイ! あの大傑作を全宇宙に放送しても視聴率が0.0001%と低視聴率だったのは、貴様が宣伝を怠ったせいゾイ」
「陛下それはいくらなんでも」
失敗の原因はどう考えても第一話から作画脚本声優がガッタガタであったはずとエスカルゴンが止めに入ろうとするが、ばこんとハンマーで叩き潰されて、文字通り黙殺された。
「『星のデデデ』再復活をかけて、キャラクターグッズを作るゾイ!!」
『ププビレッジ聖地巡礼!?』
『ディスイズ、チャンネル。DDD』
『本日の特集はあの人気アニメ『星のデデデ』のキャラクターグッズが銀河中に一斉販売されることが決定したでゲス』
ここはデデデ城にあるパーム大臣一家の部屋。遊びに来ていたカービィと一緒に昼食を食べ終えた直後、『星のデデデ』というワードに全員が振り向いた。
何を隠そう、カービィを含め大臣も村人も全員『星のデデデ』第一話の製作スタッフなのだ。
「キャラクターグッズ!? あんな大失敗したのによく懲りないわね」
開口一番呆れた声を上げるのは大臣一家の長女のフーム。
「キャラクターグッズって、私たちのぬいぐるみとかが出るの?」
「パジャマを売るんじゃないか。黄色のネズミになりきるパジャマとか」
「グッズと言っても、食品とかおもちゃもあるけど。要するにキャラクターに関係するものならなんでもってこと」
母メームの疑問にフームが答えると、テレビの中のエスカルゴンが次々と関連グッズ一覧をサンプル付きで紹介し始める。
『まずは定番のデデデマン筆箱に鉛筆。さらにこれを履けば足が強くなるデデデマンシューズ』
『ドゥアハハ。これもカッコいいゾイ。着るだけでデデデマンになれるデデデパジャマ。フード付きゾイ』
カメラが切り替わって映し出されたのは、デデデマンパジャマを着ているデデデ。だが等身大のデデデの姿をそのままプリントアウトしただけの代物で、ブームたちは嫌悪感が出てくる。
『さらにさらにみんなの食卓にもデデデがやってくる。おいしいご飯がやってくる。デデデカレー・デデデふりかけ・デデデお茶漬け*1』
『ごちそうゾイ』
「なによ。箱にアニメのイメージ図をはっただけじゃない」
「カレーとふりかけとお茶漬けじゃあごちそうとは言えないな」
「ふむ、費用も手間もいらない商品ばかりだね」
次々と現れる購買欲求に駆られないキャラクターグッズに興味を失う大臣一家。ただしカービィだけはカレーとふりかけとお茶漬けには興味津々で舌なめずりをしていた。
「ぽよ。じゅる」
延々と紹介される宣伝グッズにもう飽きてしまったブンは懸念を抱いていた。
「ねーちゃんいいのか。カービィがまた悪者として売られるんだぜ」
「ちっとも良くないわよ。しかも私たちの許可もなくグッズを作るなんて肖像権の侵害よ」
「じゃあどうしてそんなに余裕あるんだよ」
「あの失敗アニメのキャラクターグッズよ。どうせデデデが借金を返すために一発逆転を狙って作ったんでしょ。どうせ失敗するわ」
「だろーな」
「そのうち返品されて、また借金で頭が回らなくなるわ」
それならばと姉の言葉を信じて、デデデが自滅するのを待つことにした。
『ほしーのほしーのほしーのデデデ。ほしーのほしーのデデデやっちゅうねん。ほしーのほしーのデデデ。*2こんなかっこいいデデデマングッズが買えるのは今のうちゾイ。ドゥワハハハ』
「ポヨヨ」
『星のデデデ』キャラクターグッズが販売されて一ケ月が経とうとしていた。
村人たちは最初は「私たちの作ったアニメがグッズとして世に出回るとは」と興味津々であったが。「グッズがデデデばっかり」「かわいくない」「デデデの鉛筆なんか使うと頭悪くなりそう」「このコラボ食品レトルトばっかりの安物だ。でもそのまま料理として提供すれば、儲かるね」と商品もさることながら、熱しやすく冷めやすい村人たちの性分もあいまって、ガングの店やタゴのコンビニには『星のデデデ』キャラクターグッズがワゴンの上に値引きシールを貼られて積まれている状態であった。
このまま売れ残って借金だけが残るとフームたちの考え通りに行く…………かと思われた。
夜が明けたばかりの時間、カービィはトッコリの家だった巣の中でスヤスヤ寝ていた。その時パシャパシャとカメラのフラッシュと音で起きてしまった。
「ポヨ!?」
「カービィだ」
「本物のカービィだ。じっとしててね」
話しかけたメガネをかけた人たちは次々とカービィを撮影しだした。
「なんだなんだ。この不審者ども。朝っぱらからおいらをたたき起こしやがって。あっち行きやがれ」
外の煩さでカービィの家から飛び出したトッコリが不審者たちを追い払う。不審者の一人がころりと手から怖い顔をしたカービィのぬいぐるみを落としていった。
「ん? こりゃお前のぬいぐるみか。にしてもやたら人相が悪く作られてるな」
騒動はこれで収まらなかった。村長が飼っている牧場の羊や見回りに来ていたボルン署長にまであの不審者たちが写真を撮りまくっていたのだ。
「まだ寝ている羊たちが写真の音で驚いて大変じゃった」
「うむ。ワシも普通に歩いていたら急に写真を撮られて」
「ボルン署長もかね」
村人たちが不審者たちの集団に写真を撮られまくっている事態にフームたちも村に降りて調査に乗り出した。
「じゃあカービィは写真を撮られただけなのね」
「ポヨ」
「うんで、この人相の悪いカービィのぬいぐるみを落としていったってわけだ」
「これって、星のデデデのキャラクターグッズ」
「なんでこんなものを持ってたんだ?」
写真を撮るだけで星のデデデグッズを持っている不審者。何一つ接点がなく、事件は混迷を極めようとした時、再び不審者たちが現れ今度はフームに狙いを定めた。
「フームたんだ。星のフームたん」
フームにとって忌わしいオタアニメの名前が飛び出ると不審者たちは一斉に写真を取り出した。
「あなたたち、やめなさい!!」
フームの怒声に不審者たちはひっくり返った。ちょうどそのタイミングでボルン署長らが駆けつけて不審者たちを取り囲んだ。
「君たちはいったい何の目的で写真を撮っていたのかね。怪しい人間は逮捕しますぞ」
「まさかストーカーじゃねえのか」
「違います。聖地巡礼に来たんです」
「聖地巡礼? ここに巡礼に来るほどの宗教施設はないのに」
「いえいえ私たちアニメ愛好会でして。アニメのモデルとなった星を聖地と呼んでいるんです」
不審者改めてアニメ愛好会の人たちは、聖地巡礼として星のデデデの舞台となったププビレッジに来ていたというわけであった。
「ではあなたたちは観光に来たというわけですな」
「なはは。あんなひどいアニメを見たから来たってわけかよ。傑作だな。バッカじゃねーの」
自分もアニメ製作に関わっていたのも棚に上げて嘲笑するトッコリ。
「いえいえ、あんな酷いアニメだからこそですよ」
「素人のど素人が銀河中の番組枠を使って放送した闇深さと、出来の悪いアニメとはなんぞやとの良いお手本であると銀河ネットでカルト的な人気があるんです」
「……つくった私たち自身出来がいいとは思えないけど」
「こうまじかで酷評されたら傷つくな」
アニメ愛好会の聖地巡礼の話はすぐ村に伝わり、ププビレッジが観光地できると期待の声を上げ始める。
「いやまさか私たちのアニメが観光産業まで生み出していたとは」
「がんばって三日も徹夜した甲斐があったもんだ」
もちろん噂は村だけにとどまらず、デデデ城にも伝わった。その主の耳にも。
「今すぐアニメ愛好会たちをワシの城に集めるゾイ!! 星のデデデ第二シーズンのスタートじゃああ!!」
星のデデデを目当てに観光に来たと村に噂が知れ渡ると、村は一斉に歓迎ムードに。
「いらっしゃい。星のデデデグッズのおもちゃはガングの店で販売中だよ。在庫も陛下に押し付けられたからまだまだあるよ」
「レストランカワサキだよ。あのカブーの声を担当したのはこの俺なんだよね。今なら星のデデデカレーのご飯をカブーの形にしたカブーカレー販売中だよ」
ガングの店では売れなかった星のデデデグッズを店頭販売し、レストランカワサキではコックカワサキがレトルトカレーを使いまわして限定商品として売り出していた。それまで不良在庫扱いしていた星のデデデグッズをみんなして商品として扱い出して、フームは呆れ顔。
「まったくみんな現金なんだから」
「でも楽しそうじゃん」
「ブンこれがなんの催しかわかってる? あの人たち私たちがつくった下手なアニメを物珍しいから来たのよ。素直に喜べないわ」
「じゃがこうして作ったものが観光産業発展にまでつながったのですから」
「もう村長さんまで」
不服なフームとは反対に村人たちはアニメ愛好会たちを歓迎する。すると愛好会の一人が子羊をカービィの前に持ってきた。
「カービィ、羊を吸い込める?」
「ぽよ?」
「ちょっと、カービィは羊なんか食べないわよ! アニメと一緒にしないで」
「加工したやつは食うけどな」
「ブン」
「えーつまんない」
つまらなそうに帰っていく愛好会の人。アニメでのカービィの悪いイメージが無意識に植え付けられている。このままだとデデデが愛好会たちの様子を見て、星のデデデを作り出しかねない。なんとしてでも帰さないとカービィが悪者にされてしまう。
するとさっきまで商売に精を出していたはずのカワサキがヘロヘロになってレストランカワサキから逃げてきた。
「カレーを作りながらカブーの声をしたら喉がカラカラだよ」
「そんなことまでしてたの!?」
「だって、カブーの声を披露したらみんなウケて俺の料理買ってくれるんだよ」
「もーう! 見せ物になってまで売りたいの!!」
「しかし前に来た観光客よりはマシかと」
「大差ないわよ。前に言ったけどこの村に観光産業なんて無理なのよ」
フームの怒りをよそに、静かな村に似つかわしくない大重厚なエンジン音と排気ガスを撒き散らすオープンカーがやってきた。
デデデ大王とエスカルゴンだ。
ブレーキ音をけたたましく鳴らして村の広場に停車すると、デデデ大王がアニメ愛好会の人たちに向けて拡声器を手にして声を上げる。
「あーあー。我が国策アニメ星のデデデを愛するアニメ愛好会の諸君。ワシがプロデューサーのデデデ大王ゾイ。遠路はるばるアニメ製作の地に訪れた皆様方のために、記念として星のデデデシーズン2の製作現場を特別にご招待いたしますゾイ」
「「シーズン2!?」」
まさかあのクソアニメにシーズン2を作れる余裕があるなんてと愛好会の人たちは驚きながらどんなアニメを作るのか興味津々であった。
だが、シーズン2を作るなどフームたちにも寝耳に水であった。
デデデに連れてこられたのは、かつて『星のデデデ』をCGで制作しようとしたスタジオであった。背景には
「またCGアニメをつくる気なの。経費節約とアニメの面白さを捨ててまでして」
「はっ、遅れているでゲスね。今やCGアニメは手書きと同等に優れたアニメ製作テクノロジーでゲスぞ」
「カスタマーがそう言ってたゾイ。よし、撮影開始」
デデデの命令をワドルドゥ隊長に中継させてワドルディたちが一斉に動く。笑って殴って踊るデデデの動きをカメラが撮影してコンピューターに取り込み、背景と合成させる。
そしてできたアニメの映像が壁にあるグリーンバックに映し出される。
「画面の中に村とデデデが!」
「まるで本物ね」
「コンピューターで背景を取り込み、その中を陛下が動き暴れる。作画崩壊もなく、火を吐きワープスターに乗る演出なども自由自在。おまけに大量生産で暇と娯楽とアニメに飢えている人民どもに楽しいアニメを提供できるでゲス」
「毎日朝昼晩深夜に30分アニメを放映することだってできるゾイ。それに深夜放送ならcm料が安いから4本も5本も流せると今やアニメ大航海時代に乗りまくるゾイ」
「そんなにいっぱい見れるわけないでしょ。アニメを見るのが仕事じゃあるまいし」
いくらなんでもそんなに放送したらアニメをゆっくり見れないし、空き時間に見るはずの娯楽が目的になってしまう。そんなのできるわけがない。
「俺はそれくらい見るね」
「俺も1クール12話を一気見するよ」
「甘いな。俺なんて昔の52話もあるアニメを一週間かけて見終わったぜ。おかげで次の日寝不足だよ」
なんとアニメ愛好会の人たちが続々と何時間、何日同じアニメを見たか誇らしげに自慢しあっているではないか。これがアニメの未来なのかと絶望するフーム。
それをよそに、ワドルディたちがカービィの体にセンサーをつけ終えるとデデデ大王は企み顔でハンマーを手に取る
「では……本番スタートゾイ!!」
バゴーン!! デデデのハンマーがカービィに振り下ろされる。あの時と同じアニメ製作にかこつけて、カービィをいじめるデデデの企みだった。
「カービィ! やめなさいデデデ」
「ダハハ。やめろと言われてやめるのはやめる覚悟がある奴のみゾイ」
「さあアニメ愛好会の皆様、星のデデデによるカービィへの反撃でゲスぞ。がんばってデデデ陛下を応援……あ? あれ、なんで声がしない」
不思議に思うエスカルゴンが後ろを向くと、アニメ愛好会たちは一斉にブーイングをしていた。
「一方的すぎてつまんない」
「演技なら手加減しろ」
「カービィそんなアオデブ親父を踏みつぶせ」
「なにー!?」
「あのピンクボールは悪役魔獣でゲスよ!?」
「俺たちは長々むだ話をするおっさん主役より暴れるカービィの方が好きなの」
「推しがやられるはいや!」
なんと愛好会たちは
「おのれカービィめ、ワシが主役のアニメを乗っ取ろうとなぞ、極刑ゾイ! バトルウインドウズ、ワシのホログラムを出現させよ!」
デデデがグリーンバックに向けて命令を下すと、映像の中にいたデデデがスクリーンから飛び出してきた。
『ふっふっふ。カービィめ、正義のデデデマンが成敗するゾイ』
本物のデデデより何倍も巨大になったデデデマンは、口から火を吐きカービィを丸焼けにしようとする。突然映像の中のデデデマンが襲ってきてカービィは大慌てで逃げるばかり。
狼狽えるカービィをデデデたちは指を指して大笑いだ。
「見ろ、カービィのあのアホずら。ホログラムのワシはこんなにもカッコいいゾイ」
「さすが陛下、これで新作アニメも完成。カービィもやっつけられて一石二鳥。いや陛下のよさが知れ渡って三鳥かも」
「そうはさせないわ。カービィ吸い込みよ」
フームの合図でカービィは立ち直り、デデデマンに向かって吸い込みを始める。デデデマンは対抗して火を吐くがカービィはそれを吸い込んでファイアカービィにコピーした。
「ファイアデデデとファイアカービィの一騎打ちだ。こりゃアニメより面白いかも」
愛好会たちが大喜びする中、カービィはデデデマンに対してバーニングアタックするとデデデマンが燃え散る。
『クリティカルヒット!! デデデマンは80のダメージを受けた』
グリーンバックにその表示がされると、背景がどこかの神殿に入れ替わった。
『まほうつかいがあらわれた』
『まほうつかいはこおりのまほうをつかった』
画面から出てきたまほうつかいの杖から氷の塊がカービィの上から雪崩のように落ちてきて押しつぶす。
フームは悲鳴をあげた。デデデマンは倒したはずなのに、なぜ敵が。見たこともない敵に焦るフーム。そこに机の上に突如として現れた丸い人影。メタナイト卿だ。
「フーム! 実体化した敵を燃やしても無駄だ。バトルウインドウズは電脳魔獣。コンピューターの中だ」
「何ですって!」
部屋の中を見渡すと、ワドルディたちの前にあるコンピューター。よく見るとワドルディたちは手を動かしていないにもかかわらず、マウスとキーボードがひとりでに動いていた。あれが魔獣の本体だと気づいた。
「ならこいつを壊しちまえば」
ブンが駆け寄って、コンピューターを壊そうと飛び膝蹴りを喰らわす。ワドルディたちは不意を突かれてわにゃわにゃする。やったとブンが思ったのもほんの一瞬、ブンの足からぐちゃといやな音が鳴った。
『スライムはガードした。3のダメージ』
バトルウインドウズがとっさにくりだしたスライムを盾にしたのだ。スライムは特に何をするでもなくただコンピューターを守るだけで攻撃をする気配もない。
「こんにゃろ、こんにゃろ」
バシバシとブンはスライムに攻撃するが。
『スライムに1のダメージ
スライムに1のダメージ』
とまるで歯が立たない。
『まほうつかいはリュウセイグンをふらせた』
機を見てまほうつかいは最強魔法で星をカービィにめがけて降らせた。だがカービィは、星をかわすと落ちてくる前の星に火を吐いて、体を回転させる。
『カービィ火車流星群!!』
他の燃える星々と共にバトルウインドウズが入ってるコンピューターめがけて急降下!
ドガーンン!!
勢い余って撮影スタジオの壁ごと壊してしまい、バトルウインドウズとグリーンバックもろとも燃やし尽くしてしまった。なおワドルディたちは寸前のところで逃げ出して無事だった。
「ワ、ワシの。星のデデデ第2シーズンの夢が」
「それより保管していた機材と城の壁の修理代が……」
魔獣バトルウインドウズが倒されたこともあり、星のデデデ第2シーズンは製作中止とならざる終えなかった。
だが、ここで話が終わるわけではなかったのである。
翌日王の広間にあるデリバリーシステムから『星のデデデ』グッズが送られてきた。それも二つも三つも山が形成されるほどの。
あまりに大量に送られてきたものでデデデもエスカルゴンも驚きのあまり口が開きっぱなし。
「な、なんゾイこの山は!?」
「返品でございます。宇宙中に星のデデデを再放送しつつキャラクターグッズを販売したところ、売れ行きはさっぱり。ワゴンセールでも売れずじまいとのことで」
「やっぱり。こんなキモ親父のグッズなんぞ誰も買うわけないでゲ……ッソー!!」
「うぬぬ。ワシのカッコよさを邪魔する表現規制団体め!」
ズンズンと手を振るわせながらデリバリーシステムに山積みになった『星のデデデ』グッズを漁るデデデ。すると「ん? あ? ああ?」と売れ残りのグッズにおかしなことがあった。
「ん? あ? ああ?」
「どったのよ?」
「カービィのグッズだけないゾイ」
「えー実は星のデデデキャラクターグッズの中で唯一完売できたのは、なんと憎たらしいことにカービィのグッズだけでして」
「「ええっ!?」」
「どうも星のデデデの中で特に作画がよく、かわいいのに強くて暴れまわるギャップが人気となったそうで、またアンケートも実施したところ、以下の回答がありました。「次回放送するときは、魔獣カービィが破壊と暴食の限りを尽くすカービィ主役のアニメを」とか「ピンクの他に赤や黄色などの他のカービィを出演させて『カービィ大進撃!!』を放送してほしいと。いやはや、下手な善人より己の欲望に忠実な悪役の方が人気が出るものですね。ホホホ」
「うるさい!」
怒りのあまり電源を落としてカスタマーの顔を消すデデデ。だが残っているのは大量に売れ残ったグッズの山と借金の山だけ。
「どうするんでゲスかこの返品の山!」
「知らんゾーイ!!!!」
それを部屋の影から泣き叫ぶデデデの自業自得さを見物していたフームたちはクスクスと笑っていた。
「ぽよ。がうう」
みんなカービィの最新作『星のカービィディスカバリー』はもう買ったかな。
カービィたちが自然豊かな異世界で大冒険!
コピー能力と新たな技『ほうばりヘンケイ』を使って囚われたワドルディたちを助けよう!
『次回予告』
みんなが使ってる電気はどこから来てるか知ってる?水力火力太陽光といろんな科学の力を電気に変えて私たちの生活を支えているの。
でも急に電気が来なくなるといつもの生活ができなくなって大変。
そういえばププビレッジの電気ってどこから来てるのかしら。
次は電気を大切にというお話よ。