ホシグマのヒーローアカデミア   作:鳥松

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盾で戦うって…いいよね…


ホシグマと雄英入試

事の始まりは、中国 軽慶市。発光する赤子が生まれたというニュースだった。

 

 

以降、各地で超常は発見され、いつしか「個性」と名を改め、時は流れる。

 

 

それはこの少女にも。

 

 

彼女の前にあるのは高校には似つかわしくない大きな校舎。その大きさには女性にしては大柄な身体の彼女も度肝を抜かれていた。

 

 

「さすがは天下の雄英ですね……校舎もこのサイズとは驚きです…」

 

 

そして、一人のおどおどと周りを見る少年が彼女の目に留まる。雄英の入試という一大イベントがもうすぐ間近に迫る中、緊張するのは当然だろう。

しかし…にしてもあの少年の挙動はいまにも…

 

 

(危ない!)

 

 

転んでしまいそうだった少年を彼女は急いで拾い上げる。なんとか間に合い、少年が転ぶことはなかった。

 

 

「お怪我はありませんか?危ないですよ、そんなおぼつかない足元では」

 

 

少年はしばらくボーっとしていたがすぐに気がついておどおどとしている。

 

 

「こんな日に転んでは縁起が悪いですから。私は星熊 勇と申します。あなたも受験生お見受けします。共にに頑張りましょう」

 

 

少年を転倒から救ったホシグマと名乗った少女は名乗った後、そそくさとその場を去り、校舎へと向かっていく。少年は顔を赤くしたまま固まってままだ。

 

 

「それではご武運を」

 

 

(女性と……喋っちゃった……!)

 

 

(にしても今の女性すごい大きい荷物だったな…個性に合わせた装備とかなのだろうか…角が生えていたし、それに身長も大きかった…やっぱりすごいな雄英…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

「受験生のリスナー。今日は俺のライブにようこそ!エヴリバディセイヘイ!!!!!」

 

 

しーん…

 

 

「こいつはシヴィー。」

 

 

「なら受験生のリスナーに実技試験の概要をサクッと説明するぜ。Are you ready!?」

 

 

しーん……

 

 

ここは筆記試験の会場。その筆記試験を無事終わらせたホシグマが席に座っていると壇上に金髪の男が前に立った。プロヒーローでもありこの学校の講師でもある。

 

 

「入試要項通りリスナーはこのあと10分間の模擬市街地演習を行ってもらうぜ!」

 

 

「持ち込みは自由!プレゼン後は各地指定の演習場所に向かってくれよな!」

 

 

しーん…

 

 

「オウケェイ!?」

 

 

(うーむ……何か反応をした方がいいのだろうか…。それより私の試験会場はBですか。どの試験会場も変わらないとは思いますが)

 

 

「演習会場には仮想ヴィランを多数配置していあり、それぞれの攻略難度に応じてポイントが振り分けてある!それぞれの個性を使って行動不能にポイントを稼ぐのがリスナーの目的だ。」

 

 

 

「もちろん。他人への攻撃はご法度だぜぇ。」

 

 

まぁ要は時間内に多くのロボットを倒そうってことである。そして試験には当然、障壁も存在する。

 

 

「質問よろしいでしょうか!」

 

 

 

ハキハキとした声が会場に響きわたる。

 

 

 

「配布されたプリントには4種のヴィランが記載されております!!このヴィランについて説明をお願いします!!」

 

 

 

「あとそこの君!先ほどからボソボソと気が散る!物見遊山のつもりならここから即刻、さりたまえ!」

 

 

「す、すみません……」

 

 

(あの少年はさっきの…見るからに一般人…だが先程実際触って確信した。あの少年には普通ではない何かがある…まるでオールマイトのような…)

 

 

「オーケー。ナイスなお便りサンキューだ。」

 

 

「そいつは0ポイント、いわばお邪魔虫。フィールドにいるギミックよ!倒してもいいが倒しても意味はない。リスナーにはうまく避けることをオススメするぜぇ。」

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

(なるほど…つまり避けて通るステージギミック…戦っても一切メリットはない、と。しかし…)

 

 

「それではリスナー!プルスウルトラァ!」

 

 

受験生たちは立ち上がり各々の受験会場へと向かってゆく。ホシグマも立ち上がり、動きやすい格好に着替え、試験会場Bへと向かう。もちろん盾を持って。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふー…」

 

 

試験会場へ着いた受験生たちは位置につき、スタートと合図を待っている最中だった。そして、スタートを待っているホシグマの元に先程、転びそうなところを助けた少年が近づこうとしていた。しかし、そこを先程質問をしていたメガネをかけていたガタイのいい男が止める。

 

 

「あの女子は精神統一を図ろうとしていたんじゃないか?君はなんだ?妨害目的で受験に参加したのか?」

 

 

「あっ、いやその…。」

 

 

「あいつ校門の前で転びそうになってたやつだよな」

 

 

「注意されて萎縮しちゃったやつ」

 

 

「てかあの女子でかくね?」

 

 

「本当だ、色々デカイな…」

 

 

近くで会話が繰り広げられているが星熊は一貫して無視を決め込む。色々でかいと言われていたが当然である。彼女の身長は184cmと女性にしては大柄であり、頭には角、それに加え豊満な胸部など人の目を大きく惹き付ける見た目であった。

 

 

しかし、それ以上に彼らの目を惹き付けるのは彼女が手で軽々と持っている物であった。彼女が持っていたのは己の身長の半分ほどのサイズの三角形の大盾であった。

 

 

(……やはり目立ってしまうな、この盾は。さて、そろそろだと思うが…すぐ出発できるようにしておこう)

 

 

「はいスタート」

 

 

「「「!?」」」

 

 

「どうした、どうしたぁ!賽は投げられてんぞ!!?」

 

 

 

「「「「「「「「ええええ!?」」」」」」」」

 

 

 

「うおお!?あいつ速ぇ!?」

 

 

 

ホシグマは突然言われたスタートの合図に対応し、即時スタートを決めることが出来た。そして発見した敵影のロボットを近くに駆け寄り、直接盾で殴りロボットを粉々に粉砕した。

 

 

(こいつは…1Pか。にしては脆いな。これならもっと倒せそうだ)

 

 

「どんどん行こうか」

 

 

そう言うとホシグマは駆け出しロボットを見つけ次第どんどん盾や手で殴り、破壊していく。順調にポイントを増やし、54Pになった。順調だったホシグマの目に恐怖に怯えながらロボットから逃げる一人の少女の姿が。

 

 

 

ホシグマはその光景を見て直ぐに駆け出す。彼女を追うロボットを盾で破壊し、少女の元に駆け寄る。

 

 

 

「お怪我はありませんか?ここはロボットの数が多い。もう少し後方に行けば、ロボットの数は少ないと思います」

 

 

「は、はい!ありがとうございます!」

 

 

 

ホシグマは少女に微笑み、声を掛ける。すると少女は顔を赤くし、走ってその場を離れる。

 

 

 

(さて…私の今のポイントは54P。合格には余裕がある数字だろう。ならば少し戦ってみようか…0P)

 

 

本来ならば戦うのは避けるべきである0P。しかし、彼女は元来好戦的な性格であり余裕が出てきた今の状況は彼女の絶好のタイミングなのである。

 

 

 

少し走ると目標は大きい図体のおかげですぐにみつかった。獲物を見つけたホシグマはすぐに0Pの元へ向かおうとしたが0Pの足元にいたのは、茶髪でボブの少女と校門で転びそうになっていた緑髪の少年。少年の方は恐怖に怯え、歩くことも出来なくなっていた。

 

 

(あの少年…やはり見当違いだったのだろうか…)

 

 

ホシグマが二人を助けようとした所、緑髪の少年が茶髪の少女に気付くと一転。

 

 

先程まで怯えていた彼は戦ってもなんのメリットもない0Pに一気に跳躍し、握り込めた拳を0Pに向けて振るった。すると、0Pは大きな衝撃を受け崩れ去り、倒れてしまった。

 

 

しかし、少年はそのままなんの抵抗もなく地面へと落下していく。

 

 

「危ない!」

 

 

しかし、茶髪の少女が瓦礫を浮かして少年の近くまで移動し、彼を突然ビンタする。突然の行動に驚いたがビンタされた彼は無重力のように浮き、地面に激突することはなかった。

 

 

ホシグマも彼らの元へ駆け寄り、状態を確認する。

 

 

(少女のほうは…目立った外傷はなし。少年の方は…

ひどいな…右手と両足の粉砕骨折…個性の反動か…

まさか彼は一度しか個性を使用できないにも関わらず、少女を見てあの0Pに躊躇なく向かっていったと…?)

 

 

「君はすごいな…」

 

 

しかし、少年は既に痛みで気絶しており、ホシグマの声は届かなかった。そして……

 

 

『終了~~~!!!』

 

 

試験は無事終了した。

 

 

「誰か冷やせる個性の方はいらっしゃいませんか!?」

 

 

ホシグマが声を上げるが誰もその声には応えない。

 

 

(まずいな…固定をしなければならないのにこの骨折では…)

 

 

「お疲れ様~お疲れ様~」

 

 

突如として現れたのは小柄なおばあさん。格好から見るにこの学校の養護教諭だと言うリカバリーガールだろうか。リカバリーガールはホシグマと少年に近づき…

 

 

「チユ~~~!」

 

 

唇を伸ばして少年の身体に口付けをすると、なんということでしょう。あんなにボキボキだった腕と足が治ったではありませんか。

 

 

「あんたの方は怪我ないかい?」

 

 

「いえ、私は結構です。それよりもあの娘を」

 

 

 

「そうかい。あんた、大丈夫かい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

試験が終わり、皆が帰ろうとしている頃。

 

 

(彼は…個性が一度しか使えない状況でありながら少女を救おうと躊躇なく駆け出した…しかも直前までの怯え様…もしや彼は0Pで終わったのでは…?)

 

 

(あの場で最もヒーローだったのは他の誰よりも彼。そんな彼が不合格になるなど…。ならば私のすべきことは…!)

 

 

皆が校門から出て帰ろうとする中、ホシグマは校舎へと戻っていく。向かう先は試験の進行役だったプロヒーロー、プレゼントマイク。彼に自分のポイントを分け与えようとしていた。

 

 

しかしプレゼントマイクを見つようと校舎を歩いていた時のことである。廊下の曲がり角でバッタリと会ったのは先程いた茶髪の少女。

 

 

「あ!」

 

 

「あなたは…あの時の…!」

 

 

「こんなところでどうしたの?」

 

 

「いえ、私は…あの彼にポイント譲渡できないかと思い…」

 

 

「えっ、もしかしてあの緑髪のモジャモジャの人?」

 

 

「そうですが…もしかしてあなたも?」

 

 

「そうだよ…あの人せめて1Pでもって言ってたから…」

 

 

「では一緒に探しに行きましょう。彼のような人材が消えてしまうのは惜しいですから」

 

 

「そうだね!私は麗日お茶子!よろしくね!」

 

 

「私は星熊勇と申します。よろしくお願いします麗日さん」

 

 

偶然いた麗日と目的が一致し、プレゼントマイクを探すため、共に行動する。しばらく歩いていると廊下を歩いているプレゼントマイクを発見した。

 

 

「あのっ…!すみません…!あのぉ…頭もっさもさの人…そばかすのあった…分かりますか…?っと~地味めの~…」

 

 

「あのっその人に私のポイントを分けることって出来ませんか!?せめて私のせいでロスした分…!あの人助けてくれたんです!」

 

 

「私の方からもお願いします。あの場で彼は一番ヒーローでした。彼のような逸材を不合格にはしたくありません」

 

 

「オーケーオーケー!分けらんねぇし、そもそも必要ないと思うぜ、女性リスナーたち!」

 

 

「それってどういう…?」

 

 

「あとになったら分かるさ、今俺が言えるのは君たちリスナーのこともあの勇敢なリスナーのことも心配すんなってことだ」

 

 

「え、でも」

 

 

「……わかりました。では私たちはこれで」

 

 

「え!?星熊さん!?」

 

 

「この方は心配するなと仰いました。では信じましょう、嘘ではないはずです」

 

 

「そうだぜ、リスナー!彼のことは心配すんな!」

 

 

「そ、そうですか…わかりました。む、無理言ってすみませんでした…」

 

 

「私からも申し訳ありませんでした。お忙しい中対応してくださり」

 

 

「いいってことよ!それじゃあな!」

 

 

そう言ってプレゼントマイクは去っていく。この状況で嘘を言うことはないと思うし、ならば彼も大丈夫だろう。そして、二人は校舎の外に出て、校門の前を歩いていた。

 

 

「本当に大丈夫かな…心配だな…」

 

 

「採点をしていただろう彼が言うのであれば大丈夫でしょう。私はそろそろ帰らなくては。それでは麗日さん、またここでお会いしましょう」

 

 

「……!うん!ありがとう!」

 

 

そう言って二人は別れる。帰る方向は反対のようだ。

 

 

「全く…ヒーロー科というのはすごいな…私も頑張らないといけないな」

 

 

ホシグマは家に向かって歩く。そろそろお嬢様も帰ってくる頃合いだろうから急がなくては。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま帰りました」

 

 

ホシグマが入っていった家はかなり大きい家。一般的にいえば豪邸といえるぐらいのサイズである。その豪邸の一角にある部屋にホシグマは向かっていく。「MOMO」と文字が書かれているドアを前にし、それをノックをして開ける。

 

「お嬢様?入りますよ?」

 

 

ドアを開けるとそこには本を読みながら座っているポニーテールの少女がいた。

 

 

「お帰りなさい、勇さん」

 

 

「お勉強中でしたか、申し訳ありません」

 

 

「いえ、いいのです。それよりも随分と帰りが遅かったようですが…何かあったのですか?」

 

 

「それは……いえ、特に何も」

 

 

ないことはない。だが、ポイントを譲渡しに行った話などこの方はあまり興味を示さないだろう。

 

 

「そう、ならよかったわ。それより試験はどうだったの?」

 

 

「はい、恐らく合格出来るかと思います。それに優秀な人材も見つけましたので」

 

 

「あなたがそこまで言うなんてさぞ素晴らしい人なのでしょうね」

 

 

「勿論です、あの人は誰よりもヒーローでしたから。そういえばお嬢様の試験はどうだったのです?推薦入試だったのでしょう?」

 

 

 

「私の方も特に問題なくやれましたわ」

 

 

 

「さすがはお嬢様、あの雄英に推薦されたのですからお嬢様の実力も学校にしれわたっていることでしょう」

 

 

「当然ですわ」

 

 

 

目の前に座っている彼女は鼻を高くし、答える。普段は冷静でクールな彼女だが褒められると顔を赤くし、照れてくれる可愛げのある人だ。

 

 

「それよりも盾の調子はどうでしたか?壊れたりしませんでしたか?」

 

 

「勿論大丈夫でしたよ。旦那様には感謝を申しあげなくては。おかげで父が使っていた時と同じように動作をしました」

 

 

「そう、ですわね。この盾はあなたの父親の形見ですから…」

 




こんにちは鳥祭です。アークナイツの中で一番ホシグマが好きです。盾で戦うって…いいよね…。ホシグマってキャラ的にすごいヒーロー向きだと思います。


今回一話で入試終わらせたからすごく長くなってしまいました。

薄々わかってる人も多いと思いますが、この小説でのホシグマは八百万さんの豪邸で居候させてもらっています。
理由については先のお話でやります。


関係ないけどホシグマさんに助けられて「大丈夫ですか?」とか言われたら惚れる自信がありますねぇ…マジでイケメンです。


この小説でもホシグマ。

·個性『鬼』
異形型であり、頑丈な身体や高い治癒力、怪力などが特徴。個性の影響で角が生えている。
身体が大きいのは個性の影響ではなく両親の遺伝である。


少し補足をば。

·緑谷を転倒から助けるホシグマ
キャーイケメーン!

·表記について
漢字を使うとなんかホシグマっぽくないのでカタカナ表記にします。

·大盾
ゲームでもホシグマが持っているもの、格好いい。
ゲームではホシグマの父親の旧知の仲の人が作ったとボイスであったがこの小説では父親の形見ということになっている。

·名前
東方の人とは関係はない。名前思い付いて、調べてたら東方の人と同じような名前でビックリした。


今回はこの辺りで。続きが出るのは先のことだと思いますがよろしくお願いします。
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