ホシグマのヒーローアカデミア   作:鳥松

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ホシグマと報道陣

 

 

戦闘訓練の翌日、ホシグマはいつも通り八百万と共に校舎に向かっていた。二人で校門から雄英に入ろうとすると、驚きの光景が目の前に広がっていた。

 

 

「………今日は何かイベントがありましたかね…?」

 

 

「い、いえ…そのようなことは…。ですがこの報道陣は一体……?」

 

 

二人の目の前に居るのは大勢の報道陣。それも校門を埋め尽くす程の報道陣が二人の目の前にはいた。ホシグマも困惑し、八百万に質問するが八百万も困惑しているようだった。

取り敢えず校舎の中に入ろうと校門に近付くとーー

 

 

「あっすみません!質問宜しいでしょうか!?

オールマイトの授業はどのような感じですか!?」

 

 

二人を発見した一人の記者が声を掛けるとそれに呼応するように他の報道陣も反応し、ぞろぞろと二人に群がり、二人を囲む。

 

 

「各々の個性を考慮した素晴らしい授業を……」

 

 

「ああー、すみません。私たち急いでいるので。それでは失礼します」

 

 

「ゆ、勇さん?」

 

 

真面目な八百万はその性格らしく報道陣に真摯に対応し、質問に答えるが一言答えるとさらに聞かれることを知っているホシグマは八百万の言葉を遮り、八百万の肩を抱えながら報道陣の壁を突破していく。

 

 

「あっちょっと!せめて一言だけでも!」

 

 

無理矢理報道陣を突破し、なんとか校門の中に入ると流石の報道陣も追ってこなかった。

 

 

「駄目ですよお嬢様。あの手の報道陣に一回答えてしまうと何時間でもずっと拘束されますよ」

 

 

「そうだったのですか…!?それは危ないところでしたわ…ありがとうございます勇さん」

 

 

「いえいえ、お嬢様を御守りするのが私の役目ですので」

 

 

「ふふっ、頼もしくて何よりですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。ブイと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみたいなマネするな。緑谷、個性の制御が出来ないから仕方ないじゃ通さねえぞ。俺は同じ事言うのが嫌いだ。個性の制御さえ出来ればやれる事は多い。焦れよ緑谷」

 

 

 

相澤は朝のHRが始まると、爆豪の行動と緑谷の個性の制御に対して苦言を呈した。相澤の言葉に爆豪は俯いて、緑谷は焦燥感に駆られながらも返事をする。そして相澤はHRの本題を切り出す。

 

 

 

「急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」

 

 

 

(((学校っぽいの来たー!)))

 

 

 

また入学初日のように臨時テストでもやるのか、と思い身体を強張らせたクラスメイトがホッとしながらも心の中で声を上げる。そして、すぐに皆が一斉に手を挙げて立候補し始めた。集団を導く学級委員長という役職はトップヒーローの素地を鍛える事が出来る為、ヒーロー科の生徒からは人気が高い。

ホシグマが教室を見回すと恐らく全員の生徒が手を挙げており、それは八百万も同じだった。ホシグマは八百万を尊重したいので手は挙げなかった。

 

 

「静粛にしたまえ!」

 

 

 皆が我も我もと立候補する中、飯田の声が轟いた。彼曰く、学級委員長とは多を牽引する責任重大な仕事であり、周囲からの信頼があってこそ務まる聖務だという。

 

 

「民主主義に則り、真のリーダーを皆で決めるというのなら…これは投票で決める議案!」

 

 

「そびえ立ってんじゃねーか!何故発案した!?」

 

 

 

 クラス内での選挙を提案しながらも、右手を高々と挙げていた飯田にツッコミが入る。しかし、その提案自体は真っ当なモノであり、相澤の『時間内に決まれば何でもいい』という発言もあったので投票で決めることとなった。

 

 

結果、緑谷と八百万が3票で同数となり、じゃんけんをして決めることになった。すると緑谷が勝利し、緑谷が委員長、八百万が副委員長となった。

 

 

(3票?お嬢様と私で2票だから…あと一人は一体……?)

 

 

委員長になった緑谷は困惑しており、じゃんけんに負けて副委員長になった八百万は悔しそうにしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まあまあ、あれは運ですからそこまでお気になさらず…」

 

 

「そうですが……やっぱり悔しいですわ…」

 

 

時は変わり昼休み、八百万とホシグマは食堂にて食事をしながら談笑中だった。

 

 

「それに彼はお嬢……八百万さんが思っているより優秀ですよ」

 

 

「………前から思ってましたが以前言っていた優秀な人材というのは緑谷さんのことですか?」

 

 

八百万はホシグマが以前から緑谷のことを気にかけていたことを知っていたようで、疑念の目を向けながらホシグマに質問する。

 

 

「そうですよ。彼は私よりヒーローに向いているかもしれません」

 

 

「……私には彼があなたより実力があるとは思えませんが………」

 

 

「おや何も実力だけとは言ってませんよ。例えば……」

 

 

ホシグマが言葉を続けようとした瞬間、突如として警報が鳴り響く。食堂の他の生徒たちも騒ぎ出す。

 

 

「お嬢様、此方へ。私から離れないで」

 

 

ホシグマは警報が鳴った瞬間、席を立ち上がり八百万の元へ駆け寄る。だがホシグマは不足の事態に冷静さを欠く人物ではなく、実に冷静に物事を見ている。

 

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください』

 

 

「セキュリティ3……。校門から誰かが侵入したようですね。お嬢様、取り敢えず指示に沿って屋外へ……」

 

 

ホシグマは放送を聞くと瞬時に判断し、行動しようとする。しかしホシグマの目に窓の外の光景が映り、少し安堵した。

 

 

「勇さん?早く避難を………」

 

 

「………いえ、お嬢様。焦って避難する必要はないようです。侵入したのは先程の報道陣のようですから」

 

 

「え?………確かにそうみたいですわね」

 

 

八百万もホシグマに言われて窓の外を見ると報道陣が雄英に押し掛けている光景が見えたようで安堵したようだった。

避難している周りの生徒たちを見てみるとパニック状態に陥っており、人が人を押し潰しながら進んでいた。ホシグマと八百万は席が窓際だったこともあり、ぎゅうぎゅうの状態にはなっていなかった。

 

 

「………しかし避難指示でここまでパニックになるとは………このままでは怪我人が出てしまう」

 

 

「!?勇さん、あれ見てください!」

 

 

八百万が驚いたように食堂の非常口に指を指すと、そこには驚きの光景が。

飯田が非常口のピクトグラムのようなポーズで入り口に張り付いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「委員長はやっぱり……飯田くんがいいと思います!」

 

 

午後のHRでの委員決めで委員長である緑谷がそんなことを言い出した。

緑谷曰くあんなに人をまとめられるのだから飯田がやるに相応しいとのことだった。

緑谷の提案に他の生徒たちも快く承諾し、結果、飯田が委員長を務めることとなった。

 

 

(私の立場は……!?)

 

 

他の生徒たちが快諾する中、八百万だけは不満そうだったが雰囲気が雰囲気だったので言い出せずにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなに不満そうにしないでください」

 

 

「そ、そうですけど…!同票だったので余計に……」

 

 

HRも終わり、八百万とホシグマは雄英を出て家路についていた。二人になったタイミングで八百万は不満を漏らしていた。

 

 

「そんなに気にすることではないと思いますよ?委員長と副委員長の仕事にあまり差異はないと思いますが」

 

 

「そういうことではなく!これは立場の問題なのですよ!集団を導く学級委員長という役職はトップヒーローの素地を鍛える事が出来るので出来ればなりかったのです!」

 

 

「………ですがまさかじゃんけんで負けてしまうとは……」

 

 

八百万は残念そうにそれを言った。ホシグマはすかさず八百万を慰める。

 

 

「心配しなくてもお嬢様には集団を導く力は備わっていると思いますよ」

 

 

「本当ですか!?」

 

 

「え、ええ、勿論」

 

 

八百万が予想以上にキラキラとした顔で返答したのでホシグマは少し困惑したが、立ち直ったようで安心した。

 

 

そのまま二人は会話を続けながら家と帰ってゆく。その様子は実に楽しそうで微笑ましい光景だった。

 

今回の報道陣の騒動が実はヴィランの仕業ということも知らずに。




ホシグマは雄英の警備のシステムとかを全て把握しています。流石!
評価や感想をしてくれると作者は泣いて喜びます。
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