ホシグマのヒーローアカデミア   作:鳥松

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最近評価が赤になって喜んでたらすぐにオレンジに転落しててなんか笑っちゃった。
え?もしかして結託してる?上げてから落とそうとしてる?こわいねぇ~。
まあ評価が増えるのは良いことですからね。ありがとうございます。


ホシグマとUSJ(1)

次の日、再びヒーロー基礎学の時間がやって来た。教壇に立った相澤が『RESCUE』と書かれたプレートを生徒に見せて説明を始める。

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが、俺とオールマイト、そしてもう1人の3人体制で見る事になった。内容は災害水難なんでもござれの人命救助訓練だ」

 

 

「今回コスチュームの着用は各自の判断で構わない。中には活動を限定するものもあるだろうからな。訓練所は少し離れた場所にあるからバスに乗っていく。以上、準備開始」

 

 

そうしてほとんどの生徒はコスチュームを手に取り、更衣室へと向かっていく。緑谷はコスチュームの修繕の関係で今回は体操着で行くようだ。

 

 

準備を済ませてバスが待機している場所へ行くと、飯田がキビキビとした動きでクラスメイトを並ばせていた。

 

 

「ホシグマそれ乗るのか?狭いどころじゃないんじゃねぇか?」

 

 

切島がホシグマの大盾を指差しながら言った。ホシグマの盾はホシグマの足から腰くらいまでのサイズであり、尚且つ横幅も広いのでバスに乗るのは困難だと思われる。

 

 

「確かにそうですね……。皆さん先に乗って頂けますか?小官は前の席に座りますので」

 

 

「りょーかい!」

 

 

ホシグマが皆に向けて言うと芦戸などの生徒が元気良く返してくれた。

だが、乗り込んでみるとバスの席は対面するタイプだったので並んだ意味が無く、飯田は落ち込む。ホシグマ的にはこちらの方がスペースが広いのでありがたかった。

 

 

「にしても近くで見るとやっぱり大っきい盾だよね~」

 

 

「そうだよな、これであんなに素早く動くんだからそりゃ強いわ」

 

 

芦戸と上鳴が盾を見て言う。一般的に知られている盾は大きくて胴体が隠れるくらいだがホシグマの盾はそれより圧倒的に大きく、そして重い。ホシグマがこれを持って素早く動けるのは日頃の鍛練や個性の賜物だろう。

 

 

「しかし増強型のシンプルな個性は良いな!派手で出来ることが多い!俺の硬化は対人は強えけどいかんせん地味なんだよなー」

 

 

「人を守れる個性はとてもいいものだと思いますよ」

 

 

「僕もすごくかっこいいと思うよ。プロにも十分通用する個性だと思うよ」

 

 

自分の個性にあまり自信のないような切島にホシグマがフォローを入れると緑谷も合わせてフォローに入る。

その後はプロでの人気の話になり、爆豪が人気が出なさそうと言われキレたりしたが相澤が低い声で注意したことでバスの中は静まりかえった。

 

 

大きなドーム状の建物の前でバスが止まる。相澤に引率されて中に入ると、そこには某アトラクションテーマパークに似た光景が広がっていた。

 

 

「すっげー!USJかよ!」

 

 

「水難事故、土砂災害、火事、etc.……あらゆる事故や災害を想定し、僕が作った演習場です。その名も、ウソの災害や事故ルーム!」

 

 

 

 そんな説明をしてくれたのは雄英教師であるスペースヒーロー、13号。宇宙服に似たコスチュームを着ていて素顔は見えないが、災害救助の場でめざましい活躍をしており、紳士的なヒーローとしても人気が高い人物である。

 麗日はファンだったらしく13号の登場に歓声をあげていた。

 

 

「えー、訓練を始める前に、お小言を一つ二つ…三つ……四つ……」

 

 

 13号の増えていく小言の数に困惑しつつも生徒たちは彼女の話に耳を傾ける。

 彼女の個性は『ブラックホール』。なんでも吸い込みチリにしてしまう個性だが、その個性で災害から人を救い上げている。だが、それは同時に簡単に人を殺せる力でもあると彼女は言う。また、今の超人社会は一見成り立っているように見えるが、一歩間違えれば容易に人が殺せるような状況にある。そのような個性を個々が持っている事を忘れないように、と皆に訴える。

そして、この授業では心機一転して人命救助の為に個性の活用法を学んでいこう、と13号は朗らかに言うのだった。

 

 

「君たちの力は人を傷つける為にあるのでは無い。助ける為にあるのだと思って下さい。以上、ご静聴ありがとうございました」

 

 

 13号が自身の胸に右手を添えて恭しく頭を下げると、多くの生徒が万雷の拍手で答えた。麗日は黄色い声援を13号に送り、飯田に至ってはブラボー!と何度も感極まった声をあげる。

 

 

「そんじゃあ、まずは…。……?」

 

 

早速授業を始めようとした相澤が何かに気が付いたかのように振り返る。ホシグマも何か異変を察知したように相澤と同じ方向を向き、そこをじっと見つめる。

何人かの生徒が視線につられて同じ方向に目を向けると、広場の噴水の前に黒いモヤが漂っていた。火災救助訓練用の黒煙でも漏れてきているのか?と考えた時である、正体不明のそのモヤは瞬く間に大きくなっていき、漆黒の渦を巻き始める。そしてモヤの中から悪意に満ちた瞳がこちらを覗いた。

 

瞬間、相澤は叫んだ。

 

 

「一固まりになって動くな!13号、生徒を守れ!」

 

 

急激に増大した黒いモヤからは悪趣味な格好をした人間が次々に姿を見せる。しかし、ほとんどの生徒は状況を把握しておらず、相澤の声に対して、呆けたような反応を示していた。

 

 

「動くな!あれは敵ヴィランだ!」

 

 

「どこだよ、オールマイト…せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさ…子どもを殺せば来るのかな?」

 

 

 だが、相澤の警告と体中に手を貼り付けた男から発せられた悪意によって、生徒たちは否が応でも気付かされる。ヴィランの襲撃。その事実に生徒の多くが目を見開き、顔を引き攣らせてしまう。

 

 

「ヴィランンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」

 

 

「何にせよセンサーが反応してねぇのなら、向こうにそういう事が出来る個性ヤツがいるって事だな。バカだがアホじゃねぇ。これは何らかの目的があって用意周到に画策された奇襲だ」

 

 

 轟は冷静に状況を判断して言い放つと、場の緊張度が更に増す。相澤も轟と同様の判断を下し、すぐに的確な指示を飛ばし始めた。

 

 

「13号避難開始!学校に連絡試せ!センサー対策も頭にあるヴィランだ。電波系の個性が妨害している可能性もある。上鳴、お前も個性で連絡試せ」

 

 

「っス!」

 

 

 上鳴は慌てながらも『放電』を利用した連絡を試す。失敗しても諦めず、あの手この手で試すが結果は振るわない。妨害されているのは間違いないようだ。

 

 

「先生は!?1人で戦うんですか!?」

 

 

 相澤はゴーグルを着けて首元に巻いている捕縛武器を構えるが、緑谷はそんな臨戦態勢をとった彼を引き留める。ヒーローオタクの緑谷はイレイザーヘッドの戦闘スタイルまでも詳しく、彼がたった1人で正面戦闘を行う事は無謀だと知っていた。

 

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん。13号、生徒を任せたぞ」

 

 

 

 相澤は階段を飛び降り、大勢のヴィランへと真っ直ぐに向かっていった。個性を消されて混乱しているヴィランを捕縛武器で絡め取り、更に打撃を与えて次々に沈黙させていく。

 

 

「すごい…!多対一こそ先生の得意分野だったんだ」

 

 

「分析してる場合じゃない!早く避難を!」

 

 

「お嬢様、行きましょう。小官から離れないで」

 

 

 飯田に急き立てられ、緑谷も慌てて避難を開始する。ホシグマを八百万を先導しながら八百万の後ろを走る。

しかし生徒たちの逃走をヴィランが見逃す筈もなかった。

 

 

「初めまして。我々はヴィラン連合。僭越ながらこの度ヒーローの巣窟、雄英高校に入らせて頂いたのは平和の象徴、オールマイトに息絶えて頂きたいと思っての事でして」

 

 

 そのヴィランの言葉に生徒の多くが息を呑んだ。理解出来ない、いや理解したく無かった。オールマイトを狙って来たのならば、つまりヴィランたちにはオールマイトを殺せる算段があり、それ程の戦力で襲撃しに来ている事になる。だというのに、ここにはオールマイトが居ないという事実が生徒たちに重くのしかかっていた。

 

 

「小官の後ろへ」

 

 

他の生徒が息を呑む中、ホシグマだけは冷静だった。盾を構えながら八百万と近くにいた耳郞と上鳴を守る体勢に入っていった。相手がどのような個性か分からない以上、無闇に攻めるのは危険だとホシグマは判断した。

 

 

「まあ、それとは関係なく私の役目はこれ」

 

 

 そう言って黒いモヤのヴィラン、黒霧はユラリと動きをみせるが、13号は『ブラックホール』を構えて黒霧を牽制する。ホシグマも身構えて攻撃に備える。

 

 

次の瞬間、先手必勝とばかりに切島と爆豪が黒霧に襲いかかった。2人の立ち位置は13号の前であり、そこは『ブラックホール』の射線上だった。二人が邪魔になり、13号は個性での対処ができなかった。

 

 

「その前に俺たちにやられる事は考えてなかったか!?」

 

 

「ダメだ!どきなさい2人とも!」

 

 

「危ない危ない。そう、生徒といえど優秀な金の卵。散らして、嬲り、殺す」

 

 

 爆豪の『爆破』によって黒いモヤが一瞬散るが、すぐに集まり再び姿を現す黒霧。13号は2人に下がるように大声で注意するが、相手が上手だった。黒霧は爆豪と切島を盾にしてモヤを周囲に展開する。

ホシグマも後ろの三人から付かず離れずといった様子で盾を前に突きだし、三人を守る

 

 

13号は『ブラックホール』で必死に吸い込むが、黒いモヤは一向に消える気配は無く、ついに生徒たちを包み込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山岳ゾーン

 

ホシグマの目の前には一面の岩山が広がっていた。どうやら黒いモヤのヴィランによってワープさせられてしまったらしい。

 

 

「皆さん、無事ですか?」

 

 

「え、ええ。なんとか…」

 

 

「こっちは大丈夫!」

 

 

「同じく!」

 

 

ホシグマの後ろにいたのは先程と同じように八百万、耳郞、上鳴のメンバーだった。

 

 

「おっ来たみたいだぜ、4人だ」

 

 

「おーおー、学生のくせに別嬪ぞろいじゃねぇか」

 

 

周りには岩山の他に三十人はいるであろうヴィランがホシグマたちの周りを囲んでいた。どうやらホシグマたちに対し邪な考えを持つヴィランもいるようだ。

 

 

「お嬢様、二人を頼みます。倒すことは考えなくて構いません。生存することを第一に考えるようにお願いします」

 

 

「了解しました。勇さんは?」

 

 

「全員、小官が倒します」

 

 

「「えぇ!?」」

 

 

ホシグマはヴィランの配置と人数を確認し、八百万に指示を出す。今回は戦闘訓練のように共闘するわけではなく、単独でここにいるヴィラン全てを一掃する気でいる。

その様子に驚愕したのか上鳴と耳郞が声を上げる。

 

 

「一人で!?この人数を!?危ないよ!協力してやった方がいいって!」

 

 

「協力しよ?な?俺怖ぇよ!」

 

 

「ご安心ください。あなた方の安全は小官が保証します」

 

 

「でも……」

 

 

「お二方、私もいるので大丈夫です。それに……」

 

 

「勇さんはお二方が思うよりずっと強いですよ」

 

 

八百万が自信満々に二人に対して言う。幼い頃からホシグマと暮らしてきた八百万だからこその自信だろう。

 

 

しかし、相手は個性も分からない多勢。多勢に無勢という言葉もあるように単独でこのヴィランたちを倒すのは至難の技だろう。




キリがいいのでここで切りますね。次回も早く投稿出来るように頑張ります。
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