ホシグマのヒーローアカデミア   作:鳥松

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ホシグマの強さ盛り盛りマンです。


ホシグマとUSJ(2)

 

 

「これで最後ですかね」

 

 

ホシグマはヴィランの内の一人の胸ぐらを掴み、気絶したことを確認しながら地面へと下ろす。

 

 

「ほ、本当に一人に全員片付けちゃった……」

 

 

「もうあいつ一人で良いんじゃないかな…」

 

 

ホシグマは宣言通り三十人程のヴィランを一人でものの五分程で制圧し、他の三人にも傷一つ付いていなかった。

辺りを見回していたホシグマだったがあることに気付き、視線を止める。

 

 

「!」

 

 

「勇さん?」

 

 

「いえ、まだここにっ!」

 

 

ホシグマがおもむろに地面に拳を突き立て、地中に腕を入れる。

 

 

「がっ!?」

 

 

なんと地中からヴィランが引き摺りだされ、ホシグマに首根っこを掴まれていた。

 

 

「舐め、るなァ!」

 

 

しかしヴィランは個性の電撃を発動させ、ホシグマを攻撃するがホシグマはまるで効いていないかのようにヴィランの首を握ったまま、相手を締め上げる。

やがてヴィランは大人しくなり、ぐったりとして意識を失ってしまった。

 

 

「大丈夫ですか?勇さん」

 

 

「ええ、全く問題ないです」

 

 

「しれっと電気効かないらしいぞ上鳴」

 

 

「ヒェッ…」

 

 

「しかしこれで本当に全員のようです」

 

 

「みたいですね」

 

 

周りを見てみればあるのは気を失ったヴィランの残骸が広がっているだけだった。

相澤が戦っている広場を見てみるとまだ戦闘は続いており、相澤は思いの外苦戦しているようだ。やはり相澤の本領は個性を消してから奇襲での短期決戦のようだ。やはり生徒を守るため、無理をして飛び出したようだ。

その様子をホシグマは少し考えながら見ていた。

 

 

「………お嬢様」

 

 

「ええ、分かっています。でも無茶はしないで、命の危険を感じたらすぐに戻ってくるように」

 

 

「了解です。お嬢様も異常を感じたらすぐ言ってくださいね。駆け付けますので」

 

 

「…では、行って参ります」

 

 

「お気をつけて」

 

 

そう言ってホシグマは大盾を持って相澤が戦闘を行っている広場へと向かう。ホシグマは相澤を助けに向かったのだ。八百万はそれを分かっていたかのようにホシグマを信頼して送り出す。

耳郞と上鳴はその一連の流れを見て今から命の危険性のある戦地に向かうと言うのにあまりにスムーズだったので置いてきぼりになっていた。

 

 

「………どういう関係?」

 

 

「ま、まあその辺りはまた後日お話しますね…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホシグマが広場に向かうと相澤は手だらけのヴィランと相対しているところだった。ホシグマはその男を見ると、ある部分から身体を突き刺すような感覚を覚えた。ホシグマにもこの感覚は初めての感覚であった。

手だらけのヴィランの掌が相澤の肘に触れようとした時、ホシグマがヴィランの身体の側面に鋭い蹴りを入れ、乱入する。

 

 

「ぐっ!?」

 

 

「星熊!?なんで来た!?」

 

 

「申し訳ありません!ですがあの男は危険です。手伝います」

 

 

「ダメだ!ここから離れろ!」

 

 

ホシグマの蹴りを喰らったヴィランは大きく吹き飛ばさる。相澤はホシグマの安全を第一に考え、離れるよう言うがホシグマは離れなかった。

 

 

「ってぇ~~…!なんでここにガキがいるんだ…!もうやられたのかよあいつら……!!悲しくなっちまうぜ………」

 

 

ヴィランはムクリと起き上がり、ホシグマがここにいることに愚痴を漏らす。

 

 

「その個性じゃ集団との長期戦はきつくないか?普段の仕事とは勝手が違うんじゃないか?君が得意なのはあくまで奇襲からの短期決戦じゃないか?それでも正面から突っ込んできたのは生徒を安心させるためか?」

 

 

ヴィランが口を開き、喋り続ける。ヴィランが喋っているとその奥にいる脳ミソが剥き出しの怪人の指先がピクリと動く。

 

 

瞬間。

 

 

 ホシグマの背中に先程よりも強く背中に突き刺す悪寒。全身の細胞全てが危険信号を鳴らす。

 

 

(コイツはヤバい!)

 

 

「ところでヒーロー、本命は俺じゃない」

 

 

ヴィランがそう言った瞬間、脳ミソが剥き出しの怪人が動いた。

一瞬だった。怪人は瞬時に相澤の後ろに回り込み相澤の頭を掴み掛かろうとした。速さで言えばあのオールマイトと互角ではないかと思うようなスピードだった。あまりの速さに相澤も反応出来ていなかった。

 

 

しかし、ホシグマは違う。初めから怪人を警戒していた、ということもあったがホシグマはそのスピードに反応し、動いた。

相澤を守るため、ホシグマは相澤を突き飛ばし、位置を変える。そして怪人から伸ばされる腕からその大盾で防御する。

 

相澤はそれを見て声上げる。

 

 

「っ!すまん!」

 

 

(反応出来なかった…!逆に生徒に守られるとは…!)

 

 

「すごいなぁ……まさかこいつの動きに反応出来るやつがいるなんて思いもしなかったなぁ……」

 

 

そして怪人を抑えるホシグマは苦悶の声を漏らす。

 

 

「ぐっ…!!」

 

 

(なんて力…!このスピードとパワー…完全に私を上回っている…!!正面からぶつかり合うと負ける!)

 

 

相澤も勿論個性で()()()()()パワーに差異がない。つまりこのパワーは怪人の素の力。本来の肉体からオールマイト並のスピードとパワーを持っているということになる。

時間が経っても、個性が消されているような様子もないことからホシグマもこの事実を把握している。

スピードもパワーも怪人が上。ならば正面からではなく違う方法で攻める必要がある。

 

 

ホシグマは盾に掴み掛かられている怪人の腕を盾から引き剥がすため、受け流すように怪人の正面から消え、盾から腕を離させる。

そして、相手を一撃で仕留めれるだけのパワーで怪人の脇腹に左腕で渾身の一撃を繰り出す。常人であれば痛みにより動けなくなっているような一撃だった。

 

 

しかし、ホシグマの拳は的確にその脇腹に命中した筈だったが怪人には全く効いておらず、拳は怪人の脇腹で止まり、怪人には何の反応もなかった。

 

 

「なっ……!?」

 

 

ホシグマは予想外のことであったため、一瞬、身体が固まってしまった。オールマイト並のスピードを持つ者ならばその一瞬ですら決殺の攻撃を繰り出せる隙になりえる。

怪人はホシグマに一番近い左腕で、オールマイト並のパワーで殴り付ける。怪人の攻撃を腹に喰らったホシグマはまるでピンボールかのようにぶっ飛び近くの壁に激突する。

 

 

「星熊ァ!!」

 

 

「反応して攻撃を入れたのは見事だったけどそれまでだったなぁ。効かないのは『ショック吸収』だからさ脳無にダメージを与えたいならゆうっくり肉をえぐり取るとか効果的だね……それをさせてくれるかどうかは別として」

 

 

「おっと、動くなよヒーロー。それ以上動くとあそこにいるガキ共を殺す」

 

 

「!?なんであいつらここに…!」

 

 

手だらけのヴィランが指を指すとそこには緑谷、蛙吹、峰田の三人の生徒が水辺に隠れていた。あのスピードなら相澤が駆けるよりも速く容易く殺すことが可能だろう。その事実が相澤を縛りつける。

 

 

(くそ!すまん星熊!頼むから無事でいてくれ!)

 

 

一方、近くの壁に激突したホシグマはというと、

 

 

「ガッ……ハッ…!」

 

 

ホシグマは血を吐いて腹を押さえていた。当然だ、ホシグマの腹には壁の材質だろうか、()()が突き刺さっていたのである。個性により身体が頑丈とはいえ、ダメージが大きい。

 

 

(不味い…意識……が……お嬢…様)

 

 

殴られた腹は内臓の一部を破壊し、さらには鉄筋により穴が開けられている。どくどくと血が流れ、激痛がホシグマを襲い、意識が遠のいていく。

 

 

走馬灯のように今までの思い出が甦る。

幼少期から今に至るまでの記憶。そこには当然ホシグマの父親との記憶もあった。父親がヒーローとして活動し、人々を守りヴィランを倒していく姿。父親は厳しくもあったが、立ち振舞いは丁寧で優しく、鍛練にも付き合ってくれたホシグマにとって偉大な父だった。

そしてふと父親のある言葉を思い出す。それは二人で少し組み手のようなことをした時だった。

 

 

『何で攻撃が当たんねぇのかって?じゃあ良いこと教えてやるよ。戦いっていうのは戦ってる相手が全てじゃねぇ。周りの全部が戦いの要素だ、全部を見ろ、全部を感じろ。そうすれば()()()()()()

 

 

幼かったホシグマにはこの言葉の意味が分からず首をかしげる。

 

 

『ははっ、わかんねぇか!まあいずれ分かるようになるさ。自分とその全てが分かる感覚っていうのが』

 

 

(何故今…こんなことを……)

 

 

朦朧とする意識の中で甦る記憶を見て考える。

 

 

そして次は先程のヴィランとの戦闘の記憶。まだ記憶に新しいが思うところはあった。

 

 

何故あの時、地中のヴィランに気付けたのだろうか?今までだったら気付かなかった筈だ。

 

 

あのヴィランの擬態は完璧だった。音をたてず、戦闘に参加する訳でもなく、恐らく私たちが油断したところで一人を人質にでも取る作戦だったのだろう。あのヴィランは周到で完璧だった。

 

 

では尚更何故?

 

 

次は先程の怪人と手だらけのヴィランとの戦闘の記憶に移る。何故あの男の掌から異様な感覚を覚えた?何故怪人からあんなに危険を感じた?

 

 

そもそも何故自分は()()()()で済んでいる?

 

 

あのオールマイト並のパワーを受けて何故即死していない?本来ならば身体の内臓は全て破裂し、壁に激突したのならば背骨が折れていてもおかしくない筈だ。何故?もしやあの時辛うじて身体が反応していた?壁に激突するとき、受け身をとっていた?

 

 

何故?それは先程も感じた身体を刺すような感覚がしたからに他ならない。地中のヴィランを発見した時も、手だらけのヴィランの掌から危険を感じた時も、怪人がヤバいと思った時も、全てその感覚があった。

 

 

その事実に気付いたホシグマはハッとし、朦朧とした意識から目を覚ます。何故か分からないが痛みもあまり感じない。鉄筋を容易く抜き、立ち上がる。

 

 

「ハッハハッ!やっぱり死んでいないみたいだ。やれ脳無、平和の象徴としての矜持折ってやろう。おっと動くなよイレイザーへッド。人質を忘れたか?」

 

 

「ぐっ…!星熊!」

 

 

相澤は人質を盾にされ動けない。脳無は手だらけのヴィランの指示に従い、ホシグマにトドメをさすためホシグマに向かっていく。

 

 

ホシグマは命の危険に晒されているというのにいつも以上に落ち着いていた。ヴィランの声も、相澤の声も普段より澄んで聞こえる。周りの音も、声も、このUSJに散らばっている生徒たちの気配すらホシグマには感じ取れていた。全てを感じているような全能感。 

 

 

全ての情報がホシグマに流れ込んでくる。光を嗅ぐように、音を見るように、ヴィランの全てが、自分の全てが、周りの全てが。

 

 

そして、ホシグマの身体から赤く、血のような色のオーラが全身から、そして盾から噴き出す。コスチュームで見えないがホシグマの背中には鬼のような紋章、

 

 

ーーー般若が浮かび上がっていた。

 

 

 




オーラの元ネタはコーデを変えた時のスキル3のオーラから。ホシグマって背中に般若の刺青してるような記憶があるような気がする。無かったらごめんなさい。



次回、ホシグマ無双回。
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