IS 蒼き者の生き様 作:妖刀
あれ?前に何かで同じことを書いたような気がする。
アリーナの中ではブルーディスティニーを纏った蒼也と打鉄を纏った千冬だけしかおらず、蒼也は左拳を構え、千冬はブレードを構えていた。
「お前は何者だ。なぜこんなことをする」
誰もが聞いても返事をしない問いを千冬は聞いた。
「タダジガニシタガッテルダケ」
「この声、
この時、初めて蒼也が答えた。そして千冬は声の主を当てた。
「貴様、研究所に送られたはずじゃなかったのか?あそこはどうしたんだ」
「ミンナコロシタ。カンザシニアイタイ。ソレヲジャマスルヤツ、ミンナコロシタ」
「なっ……!?」
声の抑揚がどんどんなくなってきており、千冬はまるで機械と話してる感覚に陥って少し気持ち悪くなった。
「アンタハイッタ。セイトヲマモルノガシゴトダト。ナノニウラギッタ。シッテルヨ。アンタガケンキュウジョニオクルノヲキョカシタッテ」
「そ、そんなことはしてない!」
千冬は腕を振って否定した。
「ウソダ。オリムラトオレノドチラカヲセイフニワタセッテイワレタトキ、チュウチョナクオレヲエランダッテケンキュジョノヤツラガイッテタ」
「そ、それは……」
この時千冬は目を逸らし、額から汗を掻いていた。
「ナゼオレヲエランダ」
「そ、それはお前が織斑より成績が悪かったからだ。お前はラファールを専用機として貸していたのに、他の専用機と戦っても連敗。それだからここにいても無駄だと思って研究所に……あ」
思いっきり暴露をしてしまった千冬は手で口を押えたがそれも遅く、蒼也からはとてつもないほどオーラが出ており、それは蒼也の怒りを表しているかのようだった。
「ソレガホンネカ」
蒼也はそう言い、千冬は目を逸らした。そして向き合って口を開いた。
「……そうだ。お前が弱かったから研究所に送った。ただそれだけだ」
それを聞いた蒼也は俯いて、何かぼそぼそつぶやいていた。
「オレガヨワカッタ……?ウソダ、オリムラニハカテテタ。タテナシヤカンザシノオカゲデソレナリニタタカエテタ。アイツノイッタコトハウソダ」
そして蒼也は顔を上げて千冬を睨んだ。この時に出た異常なほどの殺気で千冬は怯み、後ろに二、三歩下がった。
蒼也は間をあけないように一歩一歩前に進んで、間を詰めた。そして右手をだらんとさせたまま左手を後ろに引き、足を開いた。
千冬は左正拳突きが来ると思いブレードを構えた。そして次の瞬間、ブルーが消えた。
「っ!?」
千冬は一瞬焦ったが、それでも構えを崩さずその場に居続けた。そして
「っ!」
千冬が一蹴の殺気を感じ頭を左に動かしたら、最初頭があったところにシールドの先端が高速で通過した。この時シールド先端が異常なほどのオーラに包まれていたので、直撃したら頭が吹っ飛んでいただろう。千冬は冷や汗を流した。
そして振り返りざまにブレードを横に薙ぎ蒼也を後ろに下がらせ、千冬は一気に加速して蒼也に近づいた後、ブレードを縦に振り下ろした。蒼也は体を横に逸らしてかわした後、そのままフックを繰り出すが、千冬はしゃがんで回避した。
「むっ!」
だが顎と脳天を目掛けて左膝蹴りと右肘落としが繰り出され、千冬はブレードを手放して両方を片手で受け止めたが、横顔目掛けてシールドの先端が迫っていた。
「ちっ!」
千冬は後ろに下がって攻撃を回避するが、それを機に蒼也は一気に攻撃を仕掛けた。ストレート、フック、アッパー、回し蹴り、蒼也はいろいろ仕掛けるが千冬は全てをかわすかブレードを使って防御をしていた。だが千冬は殆ど蒼也に反撃することができなかった。
「(恐ろしくすばやいが攻撃の防御はできる。だが、こちらの攻撃ができん……。だが下手に仕掛けたら、あの反応速度だ。軽傷ではすまないだろうな。さて、どうするか……)」
そして回避等を繰り返していた千冬だったが、背中が何かにあたった。
「なっ!?」
千冬は焦った。いつの間にかアリーナの壁の方に誘導されていたのだ。そして蒼也の右横蹴りを放ってきたためそれを避けようと右に動くが
「がっ……!?」
だが左横蹴りが千冬の横腹に直撃し、そのまま一気に吹き飛ばされた。そして飛ばされた先で体勢を立て直すが、いつの間にか迫っていた蒼也が回し蹴りを繰り出してきて再び吹き飛ばされた。
蒼也はただ見ていた。目の前に映るEXAMの制限時間を。時間はすでに七分を切っており、その間に千冬を倒さなければなかった。そうしなければ、また研究所に戻される。だがなぜ倒すのか?誰のために?自分のために?蒼也にはそれが分からなくなっていた。ただ倒す。システムがそう指示するから、そう動く。
元々簪に会いたいからこの機体に乗ったはずなのに、なぜ戦う羽目になったのか?そうだ、一夏が簪に危害を加えたから攻撃したのだ。そしたら一夏に惚れている女子達が攻撃を繰り出してきた。
ただ怖かった。殺される、それだけが耳に聞こえて攻撃した。だが現れる。自分を攻撃するやつ。
そして蒼也は考えるのをやめた。ただ潰せばいい、それだけを考えてればいい。そして蒼也は千冬を、いや、潰すべき目標を睨みつけた。
「くっ……!!」
千冬は体勢を立て直し、スラスターを使って一回離れることにした。蒼也はそれを追いかけることはなく、その場に若干猫背気味で止まっていた。
「さて、どうやって無力化するか……、ん?あれは……」
千冬はあることに気付いた。蒼也の右手から大きく紫電が走ってるのだ。この時装甲の右肘から先が溶けかかっており、それを無理に動かしていたせいか右肘から先の装甲の至る所に罅が走ってるのだ。
「これは試してみる価値があるな……」
千冬はニヤリと笑った後ブレードを両手で構えると、
千冬がブレードを振り下ろそうとしたとき、蒼也のバイザーが赤く光った。そして振り下ろしたときに蒼也はシールドで受け止め、そして右手で横腹目掛けてフックを繰り出したが千冬に左手で受け止められた。そしてお互い地に足を付けていたが、力の差か、千冬が後ろに押され始めた。
「ぐっ……!何だこの異常な力は……!だが、これならどうだ!」
千冬は蒼也の右手を引っ張り、前に力を入れていたせいか蒼也は前につんのめった。そしてブレードの柄頭を右腕に直撃させて前腕部の装甲を砕いた。
「ッ!!??」
砕かれたとき、時蒼也が後ろに下がって蹲った。千冬はやったと思ったが、蒼也の腕を見たとき絶句した。
砕けた装甲の中から蒼也の腕が見えるが、装甲の欠片があちこちに刺さっており、そして骨は折れているのか腕が青黒く変色していた。蒼也は右手を抑えながら千冬を殺さんとするほどの目で睨んでおり、バイザーが怪しく光った。
千冬は元生徒の骨を折ってしまった罪悪感で押しつぶされそうになっていたが、逃げたら自分のプライドが許さないため、千冬はブレードを構えた。
痛い、痛い、痛い、痛い。
目の前のモニターにはダメージチェックの表示が所狭しと表示されており、一定間隔で鳴るアラームが耳元でなるた、頭がガンガンしていた。蒼也は痛みを我慢しながら指示通りに処理していくが、表示は次々と現れてアラームも止まる気配がなかった。
蒼也は痛みに耐えながら前を見た。目の前には足が若干震えながらも、それでもブレードを構え自身を睨みつける女性、織斑千冬がいた。
なぜ戦える。俺には分からない。だが、もういい。考えるだけ無駄だ。
蒼也はゆっくりと俯いた。
そしてモニターの端に映るEXAM発動の制限時間を見た。残り時間はすでに三分を切っており、EXAMの発動状態の終わりがもうすぐであることを示していた。これが終われば体が動かなくなって自分も終わる。
蒼也は諦めたかのように小さく笑った後、モニターに映る警告表示を無理やり消してモニターにとある項目を出した。それは痛覚神経の伝達停止と書かれており、蒼也はそれを許可した。
「行くか……、ブルー……!」
「(何だ……?やけに静かだ……)」
千冬は先程まで自分を睨んでいた蒼也が、全く動かないことに疑問に思った。先程まで出されていた殺気も潜めており、嵐の前の静けさともいえる静けさがアリーナを包んでいた。
だがそこまでだった。蒼也は何事もなかったかのように立ち上がった後、バイザーが赤く光った。
千冬はブレードを両手で持って構えた後、蒼也は左手を引いて最初に見せた正拳突きの構えをした。そしてお互いにに動きが止まった。
そして一分ぐらい経っただろうか。ついにその時が来た。
蒼也は先程と違い、まっすぐと千冬目掛けて突っ込んだ。そしてシールドを振りかざして千冬の胸部に叩き込もうとした。
「甘い!」
千冬は当たる瞬間にしゃがんで、ブレードを腰に当てて居合い切りの体勢になった。そしてブレードを引いて胴の部分を切ろうとしたが、蒼也の折れているはずの右手でのどを掴まれた。ブレードは蒼也の脇腹にあたるが、勢いよく掴まれたため装甲を少し削るだけで終わった。
「なっ……!?」
千冬は逃げようとしたが、人間では出せないかのような力でのどを掴まれ、そして腹部に強い衝撃が走った。シールドの先で腹を殴られたのだ。
「がはっ!?」
そして千冬はこの時の衝撃でブレードを落としてしまい、首を絞め上げられた状態でボディーブローをくらった。千冬は
そして、二発、三発、四発とどんどん殴っていき、千冬は意識が朦朧としだした。そして蒼也は殴るのをやめた後、首を持ったまま背負い投げの要領で、千冬を頭から地面に叩き落とした。
「あ、あぁ……」
千冬は頭から叩き落されたせいで意識がはっきりしておらず、蒼也は千冬の首を足で抑えつけ、左手にマシンガンを展開した。
「オワリダ」
そして引き金に指を掛けた。
『何者かのハッキングによりエラーが起きました。EXAMを緊急停止します』
「ガ、ァ……!?」
その時だった。いきなりEXAMが停止したのだ。このせいで蒼也は体全体に走る痛みに襲われ、その場でのたうち回った。
「あ、あぁ……、ここは……。っ!くぅ……、首が痛むな……」
そして意識が戻ったのか千冬は首を抑えながらゆっくりと起き上った。だが痛みのせいでうまく立ち上がることができず予備のブレードを展開して、それを杖代わりにして立ち上がった。
「ガァッァァァ!!!!!」
その時大きな断末魔が聞こえ、千冬はその方向を見た。そこには地面をのたうち回る蒼也がいた。
「イタイ!イタイ!イタい!痛イ!痛い!痛い!」
蒼也の声ははっきりとした声になってきていた。そして
「くそ……ぉ……。お、俺は……負ける……わけに……は……」
そして蒼也の動きは止まった。千冬は、ただその姿を見ていた。
簪はアリーナに続く通路を走っていた。
ここを抜ければ一気にアリーナにたどり着く。簪通路を抜ける途中で、打鉄二式を展開してアリーナに出た。そして見たものは
「蒼也っ!」
簪が見たのは、ブレードを地に刺した満身創痍の千冬と、地に倒れた蒼也の姿だった。
「あ、あぁ……、蒼也ぁぁぁぁぁ!!!!!」
そして簪の悲鳴がアリーナで木霊した。
戦場の絆を久しぶりにしました。カードをなくしたので最初からやり直しましたが、面白いですね。あ、軍はジオンです。連邦の機体の小説ばっかり書いてるけどジオン一択です。あぁ~、早くイフリート改使いて~