IS 蒼き者の生き様 作:妖刀
さてこんな話は置いといて本編どうぞ!
ここは第三アリーナ。今アリーナの中では一年一組のクラス代表決定戦が行われており、一夏とセシリアが戦っていた。
「ま、まさか……
セシリアはミサイルビットを直撃させたにもかかわらずピンピンしている一夏に驚きを隠せなかった。
一夏の手には雪片二型が握られており、一夏はをそれを見た後何かを呟いてセシリアの方を見た。
「いったい何を言ってるのですの?」
「俺は、俺は負けるわけにはいかないんだ!」
そう言って雪片二型からレーザーサーベルみたいのが出た後、セシリアの前から消えて、セシリアは気付けば雪片二型の殺傷圏内へと入り込んでいた。
「なっ、
「はぁぁぁぁぁ!!!」
そして一夏は一瞬でセシリアの懐に入り込んだ後、居合いの要領で一気にセシリアを切り上げた。
『勝者、織斑一夏』
そして観戦席から歓声が響き、一夏は片手を天に突き上げて勝利のポーズともいえることをした後ピットの中へと戻って行った。
「一夏、よかったぞ」
「箒、ありがとう」
一夏はそう言って微笑んだあと、箒は頬を赤く染めて顔をそむけた。一夏はなぜ背けたのかわからず首をかしげたが、わからないと判断してとりあえずベンチに座った。
そしてこの時ピットに千冬が入ってきた。
「織斑、次の試合は黒城としてもらう。今から十分後に始めるから用意しておけ」
「分かった、千冬姉」
「織斑先生だ」
そう言って千冬は一夏の頭を出席簿で叩いた。
「うごっ!?」
一夏は痛みのあまり頭を押さえており、千冬はそんな一夏を見て小さくため息を吐いた。
「あと織斑、さっきの戦いはよかったと言いたいが、途中で勝てると気を抜いてただろ。あれだからミサイルが直撃するんだ」
「うっ……次は気を付けます……」
そして千冬は満足したのか一夏のいるピットから出て行った。
そして千冬は誰もいない通路で小さくつぶやいていた。
「ふむ……、一夏が勝ったか……。これでクラス代表は一夏決定だな。黒城は昨日何かで大怪我したらしいからここには現れないだろう……」
千冬は選手控室の前を通って管制室へと向かって行った。この時千冬は気付かなかった、いや、気付けなかったと言ってもいいだろう。控え室を通った後、扉が誰も来ていないのに扉が開いたことに……。
「それじゃあ箒、俺、行ってくるよ」
「ああ、次も勝ってこい!」
一夏は白式を展開してカタパルトに足を載せた。
「織斑一夏、白式、行きます!」
一夏の掛け声と共にカタパルトから射出され、一夏はそのままアリーナの真ん中へと向かった。
「あれ、蒼也はまだ来てないのか……?」
既に試合開始時間になっているが蒼也が一向に現れないため一夏は腕を組んで首をかしげていた。
それから約五分ぐらいたっただろうか。千冬の声がスピーカから聞こえた。
『時間が押しているが、黒城が現れないなら織斑、おま「またせた……な……」何?」
その時、蒼也の声がしたため一夏は声のした方を向いたが、絶句した。
この時簪は部屋で力を失ったかのような感じで壁をずっと睨んでいた。
「蒼也……」
昨日、楯無が蒼也が怪我したこと、守れなかったことを謝りに来て以降ずっとこんな感じなのだ。別に楯無のことを何も悪く思っておらず謝りに来たのを別に怒ってなどいなかったが今日、蒼也が不戦敗したら切腹してしまうのかと思うと
その時スマホから一つ着信音が鳴って手に取ってみたら『お姉ちゃん』と出ており、簪は恐る恐る電話に出てみた。
「お姉ちゃん……、どうしたの……?」
「簪ちゃん、落ち着いてよく聞いて。蒼也が……」
「蒼也がどうしたの!?」
蒼也に何かあったのだろうか。簪は不安で胸がいっぱいになった。
「蒼也が病室から消えたの!」
「え!?」
それを聞いたとき、簪は急いで制服に着替えて部屋を出て行ったのであった。場所はおそらく第三アリーナ。
「いつも、無茶して……!」
そう言って簪は第三アリーナへと向かって行ったのであった。
一夏は現れた蒼也を見て絶句していた。
「そ、蒼也……、おまっ……」
「織斑……、速く、試合は始めようぜ……!」
蒼色のラファール・リヴァイブに乗っている蒼也がおり、地面に足を付けていたが問題はそれでなかった。顔は鼻から上がほとんど包帯まみれになっており、唯一右目が露出している状態であった。胴体に限ってはISスーツを着ておらずあちこちが包帯まみれになっており、ISスーツのズボンをちゃんと履いているくらいであった。
この状態でも蒼也は若干かすれた声を上げながら獣のような獰猛な狂気とも言える笑みを浮かべており、一夏は背筋にが凍るかのような感覚に陥った。
観戦席の女子達も例外でなくなぜ包帯まみれなのか、あんな笑みを浮かべてるのか、
「そ、蒼也!お前いったい何があったんだよ!」
「これ……か?なぁに、この学園にいる女子の誰か二人に金属バットでボコボコに殴られただけ……だ……」
それを聞いた一夏はさらに絶句した。
「え、嘘!?」
「そんな人がいるの?」
「嘘よ!あんなのただの演出だわ!」
「そ、そうよ!注目を集めるためだけのパフォーマンスだわ!」
観戦席の方も大きく騒めいており、一部の女子が狂乱しているのを近くにいた先生に連れていかれる騒ぎまでなっていた。
「な、なあ蒼也、ソレ、嘘だよな?嘘であってくれ」
一夏は狼狽しながら言うが、蒼也は先程と変わらない笑みで答えた。
「なら、見せて、やろうか……?」
そして左目の近くにある包帯を掴んで上に少し上げて一夏だけ見せた。この時一夏は恐ろしいものを見たかのような顔をして「もういいから閉じてくれ!」と叫んだ。それを聞いた蒼也は包帯を元に戻した。
「そもそもなんでそんな状態でこの試合に参加するんだよ!」
「お前も、知ってるだろ?俺がこの、試合に負けたら切腹して……ぐぅっ……!切腹して今までの態度を、詫びるってことを……」
蒼也は痛みに耐えながら少しかすれた声で言っている。そう、この噂は学園中に広がっており、これで蒼也が負ける様を女子達は見に来ていたのだ。だがすでに蒼也は満身創痍。だがその目にはあきらめている感じはなかった。
「俺はなぁ、正直言うとこの勝負なん、かどうでもいいんだよ。ただ、オルコットにあいつ……、簪のことを馬鹿にしたことを謝ってもらいたい、ただそれだけなんだ……。だから……」
そのあと蒼也は何かつぶやいたき右手に粒子が収束し始め、それが固まって姿を見せたときアリーナにいた観戦席の女子も先生も息をのんだ。
蒼也の右手に握られてたもの、それは『全長四メートルほどある大太刀』だった。刃は途中から地に着いており、重さのせいか地面に少しめり込んでいた。
「で、でけぇ……」
「来い織斑、戦おうぜ」
そう言って蒼也は挑発するかのように左手をクイクイと曲げた。だが一夏は動くことができない。まあ怪我人相手に戦うことなんてそうそうできることではないだろう。
「そうか……、なら」
そう呟いた後蒼也は、
「だぁぁらっしゃぁぁぁい!!!!」
謎の叫び声とともに肩に担いだ大太刀を一夏目掛けて投げた。
「……なぁぁぁぁ!?」
一夏はいきなりのことで反応できなかったが、飛んでくるスピードがそこまで速くなかったため横に回避した。大太刀はそのまま一夏の横を通過した後、速度がどんどん落ちていき地面に刺さった。
一夏は大太刀の方を見ていたがそれが命とりである。
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
「えっ……、うぉぉぉぉ!?」
一夏は叫び声のする方を向いてみると、そこには蒼也が自身より高めの位置におり、そして所の両手に握られていたのは『全長四メートルほどある大太刀』である。そう、ブルー・ラファール・リヴァイブの
「に、二本も持ってるのかよ!」
一夏の声も無視して蒼也はそのまま大太刀を振り下ろし、一夏はそれを回避せず雪片二型で受けたがあまりの重さと蒼也の押しつぶす力によって白式の推進力をもってしても地に叩きつけられそうになり、一夏はなんとか刃を逸らす形で軌道から逸れて、蒼也はそのままアリーナの地面を叩き割る。
地面を叩き割った時に出た破片はそのまま四方八方へと高速で飛び散り、一夏の方にもその破片がまんべんなく飛んできてガリガリシールドエネルギーを削った。
「なっ、こんな攻撃……!?」
一夏はまさか飛んできた破片に反応できず大量にくらったがシールドエネルギーはまだ軽く半分以上あり、戦うにはまだ問題ない量だ。そして一夏は地に足を付けた状態の蒼也を発見したためスラスターを吹かして一気に距離を詰め、一夏は雪片二型を振り上げ、そして蒼也めがけて振り下ろした。
蒼也は咄嗟の判断で大太刀を手放して後ろに回避したが、手の甲を掠めた際に零落白夜が発動していたらしくシールドエネルギーが一気に三分の一削られて少し苦い顔をした。
「くそっ……、ぐっ……!?」
蒼也は毒づいたが急に体に走った痛みに顔を歪め、そしてつま先から着地しようとしていたのが踵からになってしまい、バランスを崩した蒼也はそのまま後ろに高速で転がって最初に投げた大太刀の鎬に頭からぶつかった。そして
一夏は動きが止まった蒼也にとどめを刺そうと零落白夜を発動させた状態で一気に突っ込む。
「終わりだぁぁぁぁ!」
そして雪片二型を振り下ろそうとした時だった。
「がふっ!?」
一夏の喉に強い衝撃が走る。一夏は何が起きたのかわからないまま後ろへと吹き飛ばされて背中から墜落した。
「ぐぉぉ……、いったい何があったんだ……よ……」
一夏は起き上がって蒼也の方を見て自身の目を疑った。蒼也は掌底でカウンターをくらわしたポーズをしていたがそれは問題でなかった。一夏が見たものは……、
「はぁぁぁ……」
顔の包帯を赤く染めた蒼也の周りには何か赤いオーラらしきものがゆらゆらと出ており、血のように赤かった瞳はまるでルビーのように色が鮮やかになっており、その姿は鬼神を思い当たらせるかのような気迫が出ていた。
「俺は……勝つん……だ……」
そして蒼也は糸の切れた操り人形のように力尽き、そしてうつ伏せで倒れて意識を失った。
『勝者、織斑一夏!』
『わ、わぁぁぁぁぁぁ!!』
終了のブザーと共に歓声が上がったがそれは観戦席にいた生徒半分以下であり、残りの生徒はあまりの光景に絶句するしかなかった。
「……あ、あぁ……。負けちまったか……」
周りがうるさかったせいか意識を取り戻した蒼也は体に鞭打つかのように無理やり体を起こした後、自身のピットに向けてゆっくりと浮上して向かっていく。そしてカタパルトの端に足を付けようとしたが痛みでバランスを崩して地面に落ちようとしたが、
「蒼也!」
落ちることはなかった。蒼也が落ちようとした瞬間、ピットに一足先に到着した簪が未完成の打鉄二式を展開して蒼也の手首を掴んだ。
「かん……ざし……」
蒼也は小さくか細い声でそう言った後、簪に引き上げられてそのままピットの中へと引っ込んで行った。
セシリアはこの試合を控室にあるモニターから見ていた。
「な、何ですの……、あの方は……?」
セシリアは一夏と戦った時に彼のことを本気で知りたく思い、そして今まで自身のしていたことを恥じ、そして蒼也あのときのことを謝ろうと考えていた。だが、セシリアが見たものは、最初っからボロボロながらも一夏に立ち向かう蒼也の姿だった。
『確か切腹って調べたら自殺の一種ですのね』
蒼也の言った切腹の意味を前調べて、それを思い出したセシリアは一気に顔を真っ青にした。
「ど、どうしましょう……。これで私が出て彼が出てきたら戦わなければなりませんの?これで私が勝ったら彼は自殺……、私は一体どう知ればいいですの!?逃げる?いや、それは私のルールに反しますわ。なら彼が出てこないことを祈る?いや、あそこまでボロボロでも出てくるってことはこの勝負に本気になってるってことですわ。そしたらまた出てくる可能性が……。どうすればいいですの!?」
セシリアは頭を抱えてどうすればいいか考えたが、名案が思いつかず重い足取りでピットへと向かって行ったのだった。
「蒼也、頭の傷が……!」
簪は焦っていた。蒼也はすでにブルー・ラファール・リヴァイブが解除された状態でベンチもたれかかった状態っでおり、頭の包帯が赤く染まっていることで簪の正常な判断を奪っているのだ。その時簪の頭に、蒼也に手が置かれた。
「大、丈夫……だ、問題、ない……」
蒼也は簪を安心させようと思ってやったことだろうが、それが死亡フラグと知っていた簪はさらに取り乱す結果となる。
「蒼也!大丈夫!?」
その時だった。ピットに入ってきたのは楯無で、その手には応急道具が入った箱が持たれていた。それを見た蒼也は何か安心したのかベンチにぱたりと倒れ、簪は大いに焦ったが楯無は応急箱から必要な道具を取り出した。
「簪ちゃん、手伝って!」
「う、うん!」
そして二人は蒼也に応急処置を施していくのであった。
そして応急処置が施した後、蒼也は簪に膝枕された状態で眠っていた。
「お姉ちゃん。蒼也、次の試合も辞退しなんだよね……?」
「……そうね。彼、昔っから戦い事好きだったし。それでよく怪我とかしてたし……」
「だよね……」
そう呟いて簪は蒼也の頭を優しく撫で、蒼也はそれに反応するかのように少しもぞもぞ動いている。
「ところで、ブルーは?」
簪が言ったブルーとはブルー・ラファール・リヴァイブのことだろう。
「残念なことに傷があんまりついてないから、エネルギーを補給したらすぐ出れるそうよ」
「……そう……」
簪は少し悲しそうな返事をし、楯無はそんな簪の頭を優しく撫でていた。
その時だった。
『黒城、始まるから用意しておけ』
「う、あぁ……、そんな時間、か……」
そしてピットに設置されたスピーカーから千冬の声がし、蒼也は若干めんどくさそうに目を覚ました。
「蒼也……、行くの……?」
「ああ、すまんな。行ってくる」
そして蒼也は一歩を踏み出そうとしたが何かに腕を掴まれ、振り返ると簪が蒼也の右腕首を竜手でつかんでいた。
そして神座愛は小さな声で話す。
「約束して、必ず帰ってくるって」
「……わかった」
この時楯無はどこの戦争映画?と思ったが、ここで口にするのも野暮だと思い心ので言うだけにしておいた。
そして蒼也はブルー・ラファール・リヴァイブを展開し、カタパルトに足を載せる。
「黒城蒼也、ブルー・ラファール・リヴァイブ、出るぞ」
そしてカタパルトから一気に射出されるのであった。
「だから千冬姉、ほんどぶっ!?」
「織斑先生だ」
ここは管制室。一夏は箒を連れて千冬の所に訪れていた。
「だから言ったはずだ。黒城から赤いオーラなど出ていなかったと。もう一回先程の試合が記録された映像を見るか?」
「いや、いい……です」
一夏は先程見た蒼也が纏っていた赤いオーラが気になってその映像を見に来たが、確認するとい蒼也がカウンターを決めたシーンで赤いオーラは一切出ておらず、ただ首をひねっていた。
「織斑、まさか気迫に押されて幻覚でも見たって言うまいな?」
「い、いや、そんなわけ……」
「織斑先生、時間です」
「うむ」
千冬に言い詰められて冷や汗を掻きながら何か言い訳をしようとしたら、近くにいた先生がそう言ったため一夏から離れてマイクを手に取って蒼也にももうすぐ開始であることを伝える。
「ん?織斑先生、山田先生は?」
一夏は麻耶がいないことが気になって千冬に聞いた。
「山田先生は今日は別の仕事でここにはいない」
千冬はそう断言し、一夏は何か言おうとしたが千冬に睨まれて何も言えなくなり、そしてアリーナに蒼也とセシリアが出てきたのを確認した。
アリーナの真ん中では蒼也とセシリアがいた。セシリアが空で浮いているのに対して、蒼也は地に足をつけて上を向いてセシリアを見える片目で睨んでいた。
まだ開始のブザーはなっておらずお互いに得物を展開せずにいるが、
「オルコット、お前だけは絶対に……、倒す!」
既に蒼也の右手には粒子を纏い始め、戦う気満々になっている。そんな中、セシリアはゆっくりと地上に降りて、蒼也と同じように地表に足を付けた。
「……何のつもりだ?」
「黒城さん、本当にすみません!」
セシリアは頭を下げて謝った。
蒼也は包帯まみれで分かりにくいが少し驚いた顔をしており、とりあえずセシリアの言葉に耳を傾けることにしてみた。
「私があんな態度を取ってしまい、それでここまで事態が発展するとは思っておりませんでしたわ。ですから勝敗関係なくあなたの婚約者さんに謝らせてください……」
そして再び頭を下げたセシリアを見て、蒼也はボチボチ口を開く。
「……そうか。なら、どちらにしても俺が勝たないと……、な」
痛みで蒼也は痛みで顔を歪め、セシリアはとても不安そうな顔を浮かべる。
「黒城さん、『試合、開始」』「うおらぁぁぁぁ!!」きゃあ!?」
セシリアは何か言おうとしたが、試合開始のブザーが鳴ったとともに蒼也が野太刀を横薙ぎで振ってきたため、セシリアは急上昇して回避した。
「くっ!降参してもらおうと思ったのですが仕方がありませんわね。それなら!」
そして腰のパーツが外れたかと思うと、それがいきなり動き出して先端からレーザーを放ちながら蒼也めがけて襲い掛かる。
「ファンネルかよ……!」
蒼也はどうにか回避しようとするが痛みと機体に完璧になれてないせいで、ピラニアのごとく攻撃してくるビットのレーザーをくらっていた。
途中からマシンガンを展開してビット目掛けて連射するが全く当たらず、シールドエネルギーがどんどん減って言っていく。そして残りが二ケタほどになった時だろうか、蒼也の真上からレーザーが放たれ、蒼也の顔をギリギリで掠めたときに、
「あっ」
レーザーの熱量で包帯が焼き切れてしまったのだ。そしてどんどん顔を覆っていた府お体が解けていき、顔の全貌があらわになった時アリーナにいた全員がその顔を見て絶句した。
左瞼は酷く腫れ上がって目が開かず、先程の試合で出た必死に拭き取ったのであろう血の跡が顔半分を汚していた。そしてあちこちにまだ塞がったばかりという傷があちこちにあることがショッキングすぎて、セシリアは動くことができずにいた。
「なっ……、ぁ……」
だが蒼也はこのチャンスを無駄にはしない。
「野太刀ぃぃぃ!!」
思いっきり叫びながら野太刀を展開して、セシリアめがけて思いっきり投げた。
「しまっ!?」
セシリアは油断していたせいで刃の部分をほぼ直撃してしまい、スターライトmk-3が破壊されてそのまま地面に墜落した。追撃しようとした蒼也は今ので無茶したのか片膝を着いて動かず、セシリアも今のダメージのせいか動くこともできなかった。
そして先に立ち上がったのは、
「ぐ……お……!」
蒼也である。今さっきので無茶をしたせいか顔の部分部分から血が出ており、それでなおかつ口角が上がってるものだから狂気が漂ってるようにも感じる。そしてセシリアの前にきてマシンガンを展開し、セシリアの喉元に銃口を当てた。
「俺の……勝ちだ……っ!?」
その時だった。いきなり後ろからの攻撃に驚き振り返ると、そこには一機のビットがこちらを向いており蒼也はそれをマシンガンで潰すが、
「インター・セプター!」
その時マシンガンにアーミーナイフが突き刺さる。だが、
「終わりだ!」
マシンガンの下部に装着されていたグレネード発射口からグレネードが放たれ、二人はその爆発に飲み込まれる。
そして爆炎が晴れた後に残っていたのは、互いに吹き飛ばされて伸びている二人の姿であった。
『勝者、無し!』
そして引き分けという結末で代表決定戦は幕を閉じるのであった……。
マシンガンはイメージ的にゼーズールが使っていたマシンガンを実体弾使用にした感じで、野太刀は鞘と鍔のついてないガーベラストレートをイメージしてくれると助かります。
さて、過去編は約20話ほどで終わらせないとな……。