僕自身がスケベになればいいのでは?   作:PhaseShift

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 病院の正面玄関に作られたクレーターの中で埋まってた僕は、意識が無いうちに病院に回収、治療を受けた。一連の流れをお医者さんと相澤先生に説明したらマジの顔で虐待を心配されたけど「こういう家庭なんで」「ヒーローを目指すためです」と伝えておいた。ちなみにお医者さん曰く、ノームとやらに襲われた時よりも怪我の具合が重いらしい。なんかもう笑っちゃったよね。

 

 

 

 で、こっちは笑い事じゃない。

 

 

 

「で、どうなんだい? 心当たりは?」

 

 丸椅子に腰かけるセメントス先生。

 そして滝のような汗を流す僕。

 

あります……

 

 返答を聞いたセメントス先生は極めて感情の分かり辛い表情でため息を吐いた。

 セメントス先生曰く。先日回収された僕のパソコンの中身から児童ポルノが大量に発見されたと雄英に通報があったらしい。これは僕が違法な行為で集めていたとかそういう訳ではなく、僕の自撮り。局部は映ってないけど、劣情を掻き立てるには十分な威力の物がざっと300ファイル程。男の子だからトップレスでも問題ないよね。

 セメントス先生が持ったタブレットには僕のセクシーな写真がいくつも映ってる。いやーめっちゃ撮ったからなあ。

 

「……あ、あはは~! 僕めっちゃスケベに映ってま」

笑い事じゃない

はいしゅみましぇん……

 

 校長では遠すぎる。ミッドナイトは異性。オールマイトは向いて無さそう。相澤先生は担任で近すぎるという理由から、格闘自習後の片付けで話す機会が多かったセメントス先生にお鉢が回ってきたらしい。ダメだ相澤先生より怖い。

 

「君の生い立ちは教職員一同、理解している。ネット上での人気もね。君の保護者がサークル主を務めるサークルで芸能活動に打ち込むとは……私もちょっと調べてみたけど、おじさんになってくるとあまりピンと来なくてね」

 

 マジですいません……インターネットのアングラな部分を自主的に調べさせてしまって……。

 

「とんでもない! Twitchとやらのランキングでも君はトップ100に居るじゃないか! 人気とはヒーローにとって大きなウェイトを占める要素だよ」

 

 えへへそうですか?

 照れるなぁ~。

 

「反面、裏返る事もある」

 

 へ?

 

「重ねて聞くけど、本当に虐待ではないんだね」

 

 え?

 

「俺たちは君の保護者が、君を使って違法な取引を行っていることを強く疑っている」

「は!? ち、違います! それは僕がどんな固定カメラのアングルが一番かわいく映るかを研究してるうちにちょっと趣味になっちゃったもので……ネット上には上げてません!

本当に?」 

あんまり過激じゃないのは上げた事あります……

 

 セメントス先生が怖すぎる僕はびーびー泣きながら話した。

 そのデータ群は流出を防ぐためデジカメの中にしかない事。そのデジカメをPCに繋げたこともない事。SNSに上げたのは僕のスマホで撮った事。それを使って取引するどころか第三者に渡したこともない事。そして何より、その画像の全てはおちんちんがしっかり隠れてるので ――ギリギリですらない―― 客観的に見てもレーティングはR15が精々である事を。

 

「……わかった。話してくれてありがとう」

 

 差し出されたティッシュで鼻をかむ。

 

「ちなみにこの話題はジャブね」

「え?」

 

 ジャブ?

 

「本題があるという事さ。君が18禁コンテンツを提供するサイトに登録してる件じゃないよ?」

 

 僕が児ポを連想させる超絶スケベな自撮りを撮り溜め、保護者がそれを小児性愛者に売り捌いてる事を疑われた挙句雄英教職員一同からは性的虐待の心配をされている件がジャブ???

 いやいやいやいや怖い怖い怖い!! え? 何!? これから何が飛んでくるの!? 今から僕の顔面に来る右ストレートは一体何!? 相澤先生がヴィランの個性で女性になったからお前の新しい保護者になってもらうねって言われても驚かないぞ!!

 

「君の電子機器が一時回収された、そもそもの理由さ」

「……あ」

 

 確かに。

 

「実は君の保護者も君も潔白であることはわかってた」

「わかってた?」

 

 じゃあなんで……。

 

「それでも心配だったのさ。今の時代、養子になった子が酷い目に遭う事件が増えているからね」

師匠(・・)はそんなことしません!!

 

 ぶっ殺すぞ!!

 

「わかっているよ。落ち着いて、私の話を聞いてほしい」

「……」

「俺たち雄英の教職員はきっと大丈夫だと思いつつも、念のため君の口から事情が聴きたかった。事前に貰っていた報告と差異は無い。君はネットリテラシーも備わっているようだからね。さっきのジャブは"そう疑われかねない"という、俺達から贈る警告でもある。余計なお世話と感じたのなら、申し訳ない」

 

 警告。うん。そりゃ、まあ、有難い事ですけど……むー。「でも何事もないならそれでよかったじゃないですか」……とは子供のセリフなんだろうな。一回悪意ある伝え方をされたらいくら説明しても勝手に話が作られて行ってしまうのがインターネットの常だ。僕が先生の立場になったら一応本人の口から聞きたくなるし、警告もしたくなる。理屈は分かる。

 

「ここまではいいかな?」

 

 はい。

 

「じゃあさっきもちらっと話した、本題だ」

「僕の家の電子機器が持っていかれたそもそもの理由、ですか?」

 

 

 

 


 

 

 

 

『結論から言うと、君も複数の個性を持つ脳無なのでは? と公安は強く疑ったのさ。冷静に考えて、弱冠15歳の学生があんな動き出来る訳が無い……とね』

 

『それに君が気絶した後は……知っての通りオールマイトが交戦したわけだけど、脳無はそのオールマイトのパンチに耐えたのがまた、公安の警戒心を煽った様だ』

 

『雄英は君を信じている。だから今回の件、公安に対しては厳重に抗議しているよ』

 

 

 しばらくして。

 無事退院した僕はクラスの皆からの熱烈な歓迎を受け、昼休みに至る。ぶっちゃけ集中できてなかった。やっぱりまあ、そうだよね。あのノームとやら……脳が無い、で脳無って言うらしいけどあれと同類にされちゃったのかー。そっかー。まあ傍から見たら僕の個性は髪の毛の変質、増強、索敵の三種あるって疑われても仕方ないよね。ていうか普通に考えてオールマイトのパンチ吸収する敵を打撃で凌いだ時点でもう公安からマークされるのは当然だったんだろうな。

 

 ランチラッシュさんのご飯もそこそこに ――入院中の差し入れについてはしっかりお礼を言った。―― 無心でフレンチトーストを頬張る。パクパクですわ*1。途中、僕のテーブルが想像以上に空いてる(・・・・)事に気付いた上鳴君たちが押し寄せて元気づけたりもしてくれたけど、まあ、食欲はあんまり戻らないよね。教室に戻ってから皆に心配されたので胸中をリリースしたいけどそうもいかない。こういう公安絡みの事は言っちゃダメっていうのは僕でもわかる。

 

 

 

 

「あの真っ黒脳味噌マンと間違えられるなんて!! どっからどう見ても!! 僕の方が可愛いんだし見分けがつくでしょ!!」

「「「えぇ……」」」

 

 でも我慢できませんでした。

 僕の方が絶対可愛いしスケベなので。

 

「全く失礼しちゃうよ。ね、青山君」

本当だね☆

 

 時刻は放課後。いつもの体育館Σで格闘自習をするために集まった皆と柔軟しながら駄弁る。青山君体柔らかいなー。今日のメンツはヤオモモ、芦戸さん、耳郎さん、葉隠ちゃん、青山君、瀬呂君、上鳴君である。みどりゃーは用事があって遅れるそうだ。監督のミッドナイト先生が来次第、僕が居ない間の成果を見せてもらうつもり。

 

「もしかしてお昼少なめだったのってずっとそれに怒ってたから?」

 

 いや、さっきまではシンプルに傷ついてただけだよ葉隠ちゃん。メンタルは今回復した感じ。回復したらこう、一周回って怒りが湧いてきた。みたいな? そんな感じ。

 

やっぱ峰田っておもしれー頭の構造してるよな!」 

「うるせーんだけど……」

「でも峰田さんの……ええと、覇気があなた自身の修練の結果であるというのはわたくし達痛いほど身に染みてますわ」

 

 ヤオモモの言葉に周りに居る皆がうんうんと頷いた。

 少し前、格闘自習で"覇気を習得したい!"というリクエストにお応えして僕が習得した際の修行をそのまま行ったことがある。一番の参加人数だったなぁ。

 

「『まず皆を起き上がれない状態にするから、気合で起き上がって』だっけ」

「キツかったね……」

 

 芦戸さんのげんなりした声に葉隠ちゃんが同意した。まあ覇気を命の取り合い以外で習得するならあれしかなかったんだよ。何故か突然相澤先生とミッドナイト先生まで混ざってきたから思わず滾っちゃったのもあるけど。*2

 

「でも峰田を知らん人達には個性いくつか持ってるように見えちゃうのは事実でしょ? 今回はタイミング悪かったのもあると思う」

「おい耳郎、そんな言い方」

「いや、事実だよ上鳴君。耳郎さんも、ありがとね」

 

 そう。

 外見は全く違っても複数の個性持ちって公安に疑われてるのは事実。

 ならどうすればいいか? 答えは死ぬほどシンプルだ。

 

「なら知らしめればいいじゃん!」

 

 葉隠ちゃんがいえーいと両手フリフリしながら叫ぶ。

 

「雄英体育祭で!」

 

 うんうん。

 

 

 

スケベ忍者を!!

 

 

 

 一斉にみんなが噴き出した。

 葉隠ちゃん? 僕のハンドルネームをお出しにならないで?

 あとヤオモモ? 君割と下ネタ大丈夫そうだね。一段階ギア上げるぞ。

 

「ス……ケベ……忍者!」

「ダメだいつ聞いても面白い」

 

 お前らマジで張り倒すよ?

 滅茶苦茶恥ずかしいんだけど。

 

「ご、ごめん峰田、ふふっ、でもいい機会だよ」

「そそ、そ、う、そうそう。へへ、峰田君が……ふはっ、ヴィランなんてあれ知ったら思いっこないって!」

「『忍者のスリケンを食らえ!』*3が一番好きだわ」

「ウチ『忖度絶無の尊厳破壊10-0』*4めっちゃ好き」

 

 上から順に芦戸さん、瀬呂くん、上鳴君、耳郎さんである。

 あのー、いい加減泣くよ? 恥ずかしくて泣くよ?

 

「わ、わたくしアルバムを購入しまして」

「誰の?」

「峰田さんの……」

「「「えっ!? アルバム!?」」」

 

 マジ!? ヤオモモ買ってくれたの!? 嬉しい!!

 ……でも何故か一同絶句である。知らなかったのかと尋ねたら葉隠ちゃんとヤオモモ以外知らなかったそうだ。売り上げに繋がるんだからちゃんと宣伝しなよ~と葉隠ちゃんに言われたけど恥ずかしいのでしません。ググって勝手に買って。ちょっと恥ずかしいから。

 あ、待ってくれ。ヤオモモはどこで買ったんだ……? で、電子で買ったなら売ってるサイトが一歩間違えると桃色になっちゃうしお嬢様には刺激が強いと思います。

 

「……どんなの歌ってんの?」

「ええと、ありがちなオタクソングのカバーだよ? 全然陽キャ向けじゃないよ?」

 

 ちょちょちょ耳郎さんの圧が強い。

 スマホで検索掛けながら圧を加えるのやめてほしい……。

 

「ふ~~~ん」

 

 なんか意味深な感じですね、耳郎さん。

 

「悪ィ、ちょっといいか」

 

 お?

 青山君の背中から手を放し、声のした方を見る。そこにはスマホ片手にブレザー姿のなんとも珍しい人物の姿が。

 

「轟君!」

 

 レアキャラだ! 参加してくれるのかな?

 

「場所は緑谷から聞いた。ちょっと峰田に話があって来た」

「僕に?」

「今いいか? あんま長くは時間取らねえ」

 

 うーん、仕方ない。

 ヤオモモにぶん投げを始めるように伝えて、轟君と体育館の外へ。急にヤオモモがクラスメイトをぶん投げ始め、どたんばたんと大きな音が響くようになったからか、轟君は驚いたように言う。

 

「……あれなんだ?」

「受け身と起き上がりの練習、人を抱える練習、攻撃じゃない痛みに慣れる練習。増強型が誰も居ないから一番フィジカルがあるヤオモモ担当」

「男女で分けなくていいのか」

「要救助者とかヴィランが異性な場合も多々ある。慣れだよ」

 

 で。

 

「話って?」

「……本当は見舞いの時に聞きたかったんだが」

 

 え? じゃんけんで負けちゃったの?

 そう聞くと轟君はバツが悪そうに眼を逸らしたのでありがとうと伝えておく。

 

「うん。いいよ」

「オールマイトが苦戦したヴィランと事前に戦ってたって聞いた。怖くなかったのか?」

 

 えぇ? 怖くなかったのか?

 あの時は皆を助けるのに必死で……。

 

「みんなが傷つくのは怖かったけど、ヴィランに対して怖いとかは無かったかな」

「嘘だろ」

「本当。僕の覇気は命の取り合いを繰り返して培ってきたからね。そういうの慣れてる(・・・・)んだ」

「……相澤先生も言ってたぞ。俺を見捨てるのが最も合理的って。お前ほどの奴がミスるとは思えねえ。わからねえんだ。なんでお前が逃げない事を選んだのか。峰田の足なら逃げ切れるだろ」

 

 納得できません、っていう不満さを轟君は隠そうともしない。

 でも違う。違うんだな。

 

「出せる引き出し全部使って、命も賭けて戦ったよ」

 

 だって。

 

「僕、冷たくなっちゃった相澤先生の前で……あの時は先生を見捨てて逃げるのが合理的でしたなんて言えないよ」

 

 みんなの命は尊いものだ。

 失った事があるから。

 よく(・・)知っている。

 そうだよね。

 うん。

 

「後悔したくない。命は……命は、大事だから」

「……悪ぃ。泣かせる気は無かった」 

 

 貰ったポケットティッシュを使ってぐしぐしと目元を拭った。

 

「俺が無神経だった」

「ううん。大丈夫。平気……そのティッシュ貰っていい?」

「……ああ。使ってくれ」

 

 もう、轟君紳士的なんだから!……なんて照れ隠しはガンスルー。クールだ……。邪魔したなと言って去っていく轟君を見送り、入れ替わりでジョギングしながらやってきたみどりゃーを体育館の前でお迎えした。

 

「轟君とすれ違ったけど……大丈夫?」

「う、うん! 平気。ありがとね、みどりゃー」

 

 ずびび~~~~!!! と思いっきり鼻をかんでから……ゴミ箱無いじゃん。後で捨てよう……? ああ、そんな心配そうな目で見なくても。本当に大丈夫だよみどりゃー。なんでもないんだって。

 

「気にしない気にしない。鈍ってないか見てあげるね」

「……うん。体育祭も近いからね!」

「そだね。追い込みかけようか」

 

 

 

 

 雄英体育祭が、明々後日に迫っていた。

 

 

 

 


 

 

 

 

スケベ忍者@今週末は雄英体育祭!

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スケベ忍者@今週末は雄英体育祭!@SUKEBE_NINJA

 こんばんは。コンディション最高なので明々後日の雄英体育祭にはしっかり出場します。フルーツバスケットの皆も当日は応援ミラーリング配信をしてくださるらしいので、公式配信をぼーっと見るよりかはそちらを見た方が100倍楽しめると思います。ラインナップはイケメン3人と天の声が1人です。現地にお越しになるヒーローの方は、目ん玉かっぽじってご覧くださいね。ちなみに僕の見どころは主に腋の下です。

▽Reply 45 □Retweet 3052 ☆Favorite 9169


スケベ忍者@今週末は雄英体育祭!@SUKEBE_NINJA

 あと選手宣誓もします。一回固辞しましたが、次はオールマイトがお願いしに来たので断れませんでした。ごめんなさい。

▽Reply 212 □Retweet 12043 ☆Favorite 8万


 

 

 

*1
パクパクですわ!:言ってない

*2
上鳴注:ちなみに峰田、先生たちを行動不能には出来てなかったぜ。動きがテクいから本気になると大怪我させちゃう、だってさ。やっぱ先生ってスゲーんだな!

*3
忍者のスリケンを食らえ!:VRFPS配信での出来事。ここぞという場面で投げたグレネードが奇跡的な物理演算によって跳ね返りを起こし、足元で起爆して自滅した事件。この時忍者は拾ったレアアイテムを落っことしてロストした。

*4
忖度絶無の尊厳破壊10-0:VR格ゲー配信での出来事。メスガキキャラで人気の大手女性Vtuberから「私が勝ったらコーチング」「貴方が勝ったら名誉」という条件で申し込まれた決闘に対し、忖度抜きで10先した結果相手をマジ泣きさせてしまい大炎上した事件。わからせろとは言ったがマジで泣かせろとは言ってない









 オールマイトに頼まれたら子供ってほぼ誰も断れないと思う。好きな特撮のキャラが現実に居て、そいつが目の前で「断ったようだけどどうしてもお願いしたいんだ! 頼めないかな! この通り!」ってやられたらこの人ズルいと思いつつ嬉しいやら恥ずかしいやら申し訳ないやらで断れないと思います。



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