僕自身がスケベになればいいのでは? 作:PhaseShift
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「僕を騙したなあああああ!!」
飯田君、迫真の咆哮。
10分たっぷり発目さんのマーケティングに付き合わされた飯田君が哀れすぎる。流石にこれは僕も想定外。ていうか正直な話サポートアイテム懐疑派なので、マーケティングするならもっと実戦的な状況で試してみてほしいもんだと思うばかりである。
そんなことを思いながら入場口でとぼとぼと歩いてくる飯田君を出迎えた。
「お疲れ様」
「発目さん……どうして……」
「めっちゃダメージ受けてて草」
頑張ってくれ峰田君と言い残し、意気消沈のまま去っていく飯田君に手を振って見送りながら深呼吸した。ステージに損傷はない。すぐに出番が来る……。
「早速次の試合やってくぜ!」
舞台に向かって足を踏み出す。
「すべてを溶かしつくすアシッドガール! 芦戸三奈!!」
「バーサス……クレイジーサイコスケベ忍者! 峰田実!」
舞台。
いや、違う。
リングだ。
「峰田、全力で行くからね!」
「うん」
左足を前に、右半身を下げて
「……!」
「対戦よろしくお願いします」
芦戸さん。女性。運動神経は多分女子でトップ。ダンス経験者はアクロバットな動きをしがちだ。しかもここは平地だし障害物は無いしちょっとアウェー。彼女は酸性の液体を全身から噴出出来る。でも今はコスチュームじゃなくてジャージだから酸の噴出経路は露出部位に限られる……いや、尊厳自爆特攻も視野に入れるべきか。
「スタートォッ!!」
まずは足場を崩して有利なフィールドに変える!
んぐぐぉおりゃあああああああッッ!!
……あれっ? んぉりゃあっ!!
「な、何!?」
所詮コンクリートのフィールドだと思ったけど結構堅い? いや、僕の覇気がちょっと足りてないのか。想像の出力と実際の出力に開きがある。くっそ心操君め! "使った感覚が無いリソース消費"がこんなに調子出ないとは思わなかった!
「アシッドショット!」
「遅い!」
飛んできた溶解液も六式を使わずに回避できる。よし、反射神経はまだまだ万全。ちょっと疲労感があるけど僕のスタミナも万全。素のフィジカルも特に異常無いなら覇気と個性をセーブしても全然やれるはずだ。そういう風にトレーニングした成果を出せ。実!
「忍法、粘着糸の術」
そのまま小さめの瓦礫を接着して即席のクソ長モーニングスターを作ってぶん回してみる。力強く、そして何より速くだ。
「よっ、ほっ、くそっ、おりゃあっ!!」
溶解液で溶かしてくるかと思ったけど普通に避けるか。まあ……避けるよな。続けざまに横薙ぎに何回かぶん回すけどまあ避ける避ける。足場も崩れてるのに相当粘るな。でも近づいてくる彼女にはもっと負荷を掛けなくちゃ。
「忍法、粘着糸の術」
即席クソ長モーニングスターの数を二本に増やし緩急も織り交ぜてぶん回す。段々速度を上げてテンポもずらす。ダンスが失敗する条件はリズムが崩れる事だろ? そしたら当然……。
「アシッドベール!」
使うよな。それを。
即席モーニングスターがみるみる溶けていった。コンクリートがあの速度で溶けるのはちょっとヤバいかもな。
……ある程度形状を操作できる溶解液で作られたアシッドベールは芦戸さんの両手でなぞった場所に出現する。シールドではない、ベールだ。じゃあやりようはあるよな。
手ごろな瓦礫を思いっきり蹴り飛ばす。
「無駄!」
いや、無駄じゃない。さっき以上の速度でもう一回瓦礫を、アシッドベールが瓦礫を受け止め、溶かし、
「カ、ハッ……!」
アシッドベールはその名前の通りベールだ。そして酸がモノを溶かすという事は、酸と物体が反応して酸が目減りしてると思われる。ある程度目減りした酸は芦戸さんが補充するだろうけど……溶かす速度と溶解液が補充される速度よりも、僕が次のコンクリを同じ場所へ蹴りだす方が速かったようだ。
そして芦戸さんはセンスが良い。塩崎さんと僕の"敵の攻撃タイプに合わせた攻防一体の形"についての話を聞いてた彼女でも、アシッドベールをアシッドシールドやアシッドキューブやアシッドスライムにすることは思いつかなかったようだけど……もう気付いただろう。
次から対応してくる筈だ。
「剃」
だからここでとどめを刺す。
剃で蹲る芦戸さんの目の前に立ち、回し蹴りを叩き込んで床に叩きつけた。
いや、叩きつけようとした。
「
は?
「アシッドプリズン!」
慌てて足をひっこめた瞬間、芦戸さんのお腹から溶解液が放射される。慌てて急所をガードするけど想像した痛みはない。ああ、うん。この一瞬が欲しかったのか。僕は半透明のドームに覆われてしまったようだ。
控えめに言ってヤバい。
硬化した指先をドームに押し当て……一瞬でひっこめた。
「凄いな。僕一人を覆うくらいなら造作もないのか」
「降参して」
半透明の向こう側、ドームに手を付けている芦戸さんのシルエットはぼやけていたけど、お腹の部分がピンク色だから……そうか、お腹の中で溶解液を充填して解き放ったなら納得だ。
「私はドームの維持に必死で酸の調整が出来てない」
「要するに?」
「降参して。クラスメイトを溶かしたくないし……脱出するならまたメタル峰田に変身するしかないでしょ?」
「なんでそう思うの?」
「こうして話してる間にもどんどん酸の檻は分厚くなっていく……蹴りを出すほどのスペースもないでしょ?」
まあ、蹴るためのスペースすら無いから轟君のマヒャドぶっ壊すみたいなことは無理……ていうか観客席に溶解液が飛びかねないから選択肢から消さざるを得ない。うーん……これさぁ、すっごいいい手じゃない? 実際みどりゃーとかなら詰んでたんじゃないか?
……。
えへっ。
全身に覇気を纏いたくない。
そして足技で吹っ飛ばせない。
じゃあどうするか? シンプルな問題だよな。
「本当は維持もキツい癖に♡」
「ッ!?」
極めてコンパクトな動きになるように意識して、ドームを支える芦戸さんの掌に向かい加速した指先を放つ。
六式が一つ、指銃。
「……えっ」
ドーム越し。芦戸さんの左掌に小さく穴を開けた。本当にごめん。痛いよね。でも骨は傷つけてないし、これから僕も超痛いのでお相子という事にしてくれないかな。
……芦戸さんの制御を失った溶解液が天井から降り注ぐが、被弾面積を最小限にして武装色硬化。溶解液との接触時間も最小限に抑えてそのまま真上に。
「1ニョッキ!」
「はぁっ!?」
……と、全力ジャンプして飛び上がった。それでも超熱い。酸って火傷っぽい痛みなんだね。ああくっそ二度とたけのこニョッキゲームやらないからな。
……でもなんか。
「あッッッッッッ」*1
たけのこニョッキゲームで……。
「……う、ぐぐ。くっそぉおおお!! 降りて来い峰田ァッ!」
テンション上がってきちゃったなぁぁぁあああああああ!!!!!
「望み通り降りてやるよオラァァアアッ!!」
月歩で思いっきり加速、回転しながらの踵落としは紙一重で避けられた。いや、違うわ! これローションかなんかで打突ずらされたわ! 当たってたら絶対KNOCKOUT(流暢)してたんだけどな! なんかすっごいぬりゅんってなってる!
「んん~~~~~~~~????」
「な、何……?」
ローションねとねとで超気持ちよさそうだなぁ……massageのタグで出てくる動画で男がmassage受けててもいいし女の子がmassage受けてても……どっちでもシコれるのが僕……でもたまにはspy視点じゃないmassageの動画も見てみたいな……。
あ、そうだ。
「芦戸さん、ローション鬼ごっこしよ?」*2
「えっ」
なんだか全身が熱いなぁ。*3
んひ。お互い溶解液でぬるぬるじゃんね。*4
ってことは……そういう事なんじゃんね。*5
僕は体に着いた溶解液を舐めとった。
ああ、これだ、これ。
舌の先をビリつかせる痛み。
僕を焦がす激情。闘争。覇気の気配。
「僕が鬼♡」*6
「ひぇっ……」
じゃあ捕まえるからね♡ 絶対に動くなよ。
「あっち行け変態! アシッドショット!」
「指銃、"撥"」*7
指先で相手をバキュンと打ち抜く技、
……。
剃。
「へっ!? アシッドベー……」
遅い。
右手でジャージを掴んで引き寄せる。
「捕まえた☆」
右手で引き寄せた勢いで左ボディを叩き込み、返す刀で右ストレートをぶちかました。
……残心。手ごたえが超あったけど、思いっきり倒れた芦戸さんを見ながらいつでも剃からの蹴りを叩き込めるように準備する。ああやめろやめろ立つな。フラフラじゃないか。つま先に力を籠め、芦戸さんを注視する。
あ、倒れた。
まあめっちゃ思いっきり右が入ったしな。
「芦戸さん、戦闘続行不能! 峰田君、二回戦進出!」
はぁ~~~~~勝った。
肩の力を抜いて嘆息する。やっぱり誰が相手でも初見殺しがあるから怖すぎるね。ミッドナイト先生試合止めてくれてありがとうと内心で叫びながら、剃を使って芦戸さんに駆け寄ってみた。
「ナイスファイト」
そう声を掛けると仰向けの芦戸さんは一瞬体を強張らせた後、肩から力を抜いて僕に笑いかけてくれた。流石に試合終了してるのに追撃とかしないよ*8
「峰田強すぎ……」
「まあ芦戸さんよりは強いかもあ……あっ立ち上がっちゃダメ。安静にしないと」
「いや貴方も安静にしなさい。思いっきり酸浴びてるんだから」
僕は飯食えば治るから後回しでいいんです。
「ご飯あります?」
「肉料理がスタンバってるわ」
やったぜ。
さて。
セメントス先生がステージを修理してる間、僕は用意されていたご飯をむしゃむしゃして元気いっぱい。ボロボロのジャージから新品に着替えて……次の試合まで観客席で大人しくしよう。
■ハイウェイちゃん@今週末は雄英体育祭!@ToumeiGIRL2231
雄英高校、過酷すぎる
《画像:全身包帯塗れのスケベ忍者が客席でぐったりしてる》
――代理投稿か?
――マジでこいつ頭おかしい
――志々雄真実み無いやん
――スケキヨっぽくね?
――六式とかいうトンチキ技
――刃牙から異世界転生した男
――何から驚けばいいのかわからん
――でもやっぱり女の子にも容赦なくて笑った
――ストレートよりも左ボディの方が痛そう定期
――男女平等ワンツーパンチ
――女ヴィランさん相手でも信頼感ある
――戦闘能力がおかしいんだよな相手
――放課後デートしたら殺す
――出来ると思ってんのか
――草
■スケベ忍者@今週末は雄英体育祭!@SUKEBE_NINJA
被弾面積を最小限にして波紋防御があの1ニョッキです。
――酸の幕をにょっきで突っ切るのイカレてるよ
―― デ ス ニ ョ ッ キ
――「1ニョッキ!!!(大迫真)」
――間違いなく世界一過酷なにょっきだった
――すぐに種からお花になりそう
――にょっきはトトロの中だけでええんや
――でもあの一瞬だけメタル峰田になってたな
――ていうかいい加減六式と覇気ってなんだよ(困惑)
――BLEACHの白打と瞬閧ちゃうんか?
――ふんたーの四大行じゃないのかあれ
――絶対に念能力でしょ
――応用技全部習得してない?
――↑これ
――いやー適当ですね
――あれ無個性でも習得可能ってマジ?
■スケベ忍者@今週末は雄英体育祭!@SUKEBE_NINJA
でも確かに四大行と応用技全部できるかもしれんw
――草
――ふわっふわで草
――確かに
――覇気とは一体
――気合
――気合でしょ(適当)
――えぇ……
――マジで気合っぽいんだよな
――過去発言からしてマジで気合
――気合で空間把握してメタル化出来るんか?
――実際に出来てるし……
――そうなんだよな……
■レンジでチン_ふるばす主催@FruitBasket
・六式
→6種類の体術。理論上無個性の人間でも習得可能。
何種類習得してるかで〇式使いと呼称される。
・覇気
→向き不向きがある2種類と才能ガチャの1種類。
習得難易度は覇気>>>>>>六式です。
この世界の現代人間、成長性Aなので。
――習得可能マジ!?!?!?
――えぇ……すげえ武術来たな
――もう人じゃないねん
――これ増幅系の活路では
――あと20年早く知りたかった
――スケベ忍者とママさんは何式使いなんですか?
■レンジでチン_ふるばす主催@FruitBasket
私は六式使い、息子は五式使いですね。
まだあの子は足で真空の刃を作れません
RT >>スケベ忍者とママさんは何式使いなんですか?
――普通は無理
――真空の刃??????
――蹴りで居合斬りすんのか
――もしかしてババアは忍者より強い説
――そりゃ師匠だからな
――数か月前トレスで騒いだ絵師生きてるんか?
――草
――草
――草
――草
――垢消し逃亡してたよなw
――……消されちゃったって、コト!?
――最悪のハチワレ
――いや割と本編寄りの発言
――島編長すぎワロタ
――結局島二郎はなんだったんだよ……
■レンジでチン_ふるばす主催@FruitBasket
ヤバいセリフ、しっかりカメラに抜かれてて草
《画像:僕が鬼♡》
――色々衝撃の戦闘で忘れてた
――こいつヒーローの卵です
――まーた炎上するぞ
――放火されてる定期
――ハイライトどっかいっちゃった
――でもすっごい色気だよな
――わかる。アンバランスさがいい
――俺はちょっとヒソカみ感じる
――ヒソカで草。
――ドロッとしてるよなw
――でもムーブがキモ過ぎる
――イケメンか男の娘ならセーフ
――言うほどセーフか?
――酸舐めて全身振るわせてからの
――ローションプレイのお誘い
――相手は同級生かつJK
――アウト過ぎる
――核地雷級の3アウトなんだよな
――罪状
――有罪
――没収
――死刑
――処刑人の剣!
――ボロン
――その粗末な剣仕舞えよ
――急に刺さないでもろて
■ハイウェイちゃん@今週末は雄英体育祭!@ToumeiGIRL2231
ちゃんと叱っておきます
《画像:ボロボロの芦戸と包帯塗れの峰田がガオーのポーズ》
――正妻かな?
――プリでたまにやる奴
――デコりが物騒過ぎる
――ガーゼ! 包帯! 青タン!
――青春や……
――体育祭の1ページ
――灰になる やめろ
――吸血鬼おる
――圧倒的光のオーラ
――忍者……嘘だよな……
――陰キャの癖によ ぺっ
――俺ら皆吸血鬼定期
――黴臭い陰キャ
――カス
――放課後デートしたら殺す
――あっお疲れ様です
この作品を更新してて一番辛いのは、そとみち氏のめっちゃ面白そうな二次創作を読めない事です。展開被りしてしまった際に盗作だと言われないため、また潔白を証明するために持ってるデバイス全部でお話の部分までアクセスしないようにしてるんですよね。盗作だと判断するのは運営さんなので。
ていうか読んだら絶対面白いし影響されちゃうので悲しいし辛いけど連載中は我慢してます。
なぜこんなこと急に書いたのかというと、ハーメルン巡回中、該当作品のタイトルに完結の文字が見えたからです。
そとみち氏、お疲れ様でした。
この作品完結したら絶対読みに行きます。