僕自身がスケベになればいいのでは? 作:PhaseShift
大体どうするか決めたのでまったり投稿します。
感想、ここすきはとっても参考になりますし、励みにもなるのでぜひお願いいたします。
■追記
一般総合日刊ランキング95位32位、一般二次日刊ランキング73位24位!?!?!?
ありがとうございます。まったり更新ですが頑張ります。
なんかランキングじわ上がりしてて草。
雄英体育祭、激闘!
前代未聞! 1位2位不在、3位も片方磔!
スケベ忍者無双
「ふう」
額に入れた朝刊を自室の壁に飾り終わり、一息吐いた。目の前には実が駅前でヴィランをぶっ飛ばした翌日の一面、ヒーロー科1-Aがヴィランに襲われた翌日の一面、そして体育祭で1位を取った翌日の一面がずらっと並んでいる。
スケベ忍者無双と書かれた文字と共に、めっちゃボロボロでも"ヒーローかくあるべし"と言わんばかりに瞳を熱く燃やす実のアップ写真がでかでかと乗っている。この世界の技術力は凄いなぁと感心するばかりだ。戦闘中からもあんな角度から撮れるのは控えめに言ってヤバすぎる。技術者さんありがとう。
アタシは思わずため息をつき、額縁を撫でた。
もちろん絹の手袋を着けたまま。
「ヤダ、アタシの息子……格好良すぎ……?」
ヒーローニュースJP、100億点。
愛弟子かつ義理の息子の最強ワンショットだ。アタシは現地に行かなくても
「む」
起きたな。寝坊助め。
自室の襖を開け、古い日本家屋特有の足音を響かせながら向かう。
いやー実も一人暮らしになったし、いい加減リフォームしようかなぁ。日本家屋のお屋敷平屋200坪は見栄張りすぎたかも……いやでも庭と道場欲しかったし必要経費だな。いや、トイレとか風呂とかキッチンとか必要な所はモダナイズしてるしまだ大丈夫か。
「実、入るよ」
「……」
返事はゾンビのような唸り声。構わずに襖を開けてみると、そこで体を起こしていたのはゾンビではなく貞子。この子はヘアゴムさせずに寝かせると髪の毛がぐちゃぐちゃになって翌日滅茶苦茶機嫌が悪くなる……失敗したな。意識の無い実を風呂に入れて寝かせるなんて日常茶飯事だったのに、久しぶりだからうっかりしてしまった。
「……ぉはよ」
「ああ、おはよ実。飯食うか?」
返事は地獄の底から響く亡者の声のような音だった。
さて、あの激闘から二日が経っている。
実はミッドナイトの審判を聞いた直後にぶっ倒れ、優勝したのに授賞式を欠席するとかいう大事件が発生。ぶっ倒れたのは二位の緑谷君もなので表彰式はまさかの金メダル銀メダル欠席。片方の銅メダルは超仏頂面で全然嬉しくなさそう。しかももう片方は口枷を嵌められた上で柱に磔にされるという、前代未聞の式となった。
……そんな訳で昨日はアタシの必殺技である竜爪拳を顔面に食らいコンクリのステージに頭部を叩きつけられた緑谷君のお見舞いと謝罪に静岡へ向かったのだが、アタシが病室を訪れた時点で割と緑谷君はケロっとしていた。というか「もしかしてあの革命ヒーロー、サルヴォさんですか!?」とサインをお願いされたくらいだ。
実は頑丈なので最悪肉食わせて転がしておけば何とかなる。アタシは緑谷くんを心底心配していた。まさか実が切り札の一つをあの場面で切るとは思ってなかったので*1、配信から慌てて抜け出し、泡食って八木さんに鬼電しまくり、緑谷君の安否を確認しながら新幹線のチケットを取って病院直行したくらいに慌てていた。
緑谷くんのお母さまにももちろん頭を下げたが、「あんな大舞台での勝負事ですから……」とあの困り顔で言われてしまったら、真偽はともかく引き下がるしかない。実がマンツーマンでレッスンしてたから、信頼感があったのだろうか。
……普通、実が全力全開手加減抜きで竜の鉤爪を仕掛けたら多分顔面が無くなる。しかもそこへ竜の息吹による内部破壊が合わさったらきっと脳味噌までどぱーんと吹き飛ぶ。核を上手く捉えられたらワンピ世界線の奴らでもない限り頭部の衝撃が全身に伝播して跡形も残らないだろう。
「でもそうはなってなかった」
テーブルに所狭しと並べた料理を食べ終わり、お茶を飲みながらきょとんとしていた実はアタシの話を聞いて顔を青ざめさせ、聞き終わったらほっとして湯飲みからお茶を啜った。
「全然そんなこと考えてなかった」
「アタシも絶対殺しちゃったって思ったんだけどね……強いて言うなら……恐らく実があの時点でほぼ完全にガス欠だったのと、緑谷君が部分的な身体強化を付け焼刃とはいえ習得してきたからかな?」
そう話すと実はうーんと小首をかしげる。確かにアタシも考える余地がある。最後の竜爪拳は本当に緑谷君をノックアウトできるほどの威力が出ていたのか?……アタシはもう一つの可能性について考えて始めたけど、実は疲れのせいか「まぁいっか」と呟いてのほほんとお茶を啜り始めた。
これ幸いと実の全身を探るように集中し、思わず笑みがこぼれる。うん、やっぱりこの子は追い込んで追い込んで、死地を乗り越えるほど爆発的に強くなるタイプだ。やっぱりちょっとマンネリだったからね。雄英に入れてよかったと思う。
「練り上げられているね」
「!」
……さて。
アタシが居住まいを正すと実も表情を引き締め、背筋を伸ばした。
「実。雄英体育祭、優勝おめでとう」
「!」
確かに実の実力は抜きんでてはいたけど闘いに絶対はない。ビルボード圏内のヒーローが木っ端ヴィランに殺される事もある。今回みたいな連戦は笑って乗り切れるようにならなきゃね。
「素養、地力、鍛錬の差に驕ることなくキッチリ勝利を掴める……言うは易し行うは難し。ヒーロー活動をするなら猶更ね。今後もその調子で頑張りな」
「はいっ!」
堅いのはこのくらいにしておこう。
あ、そうだそうだ。そういえば。
「そういえば実、緑谷君との試合で嵐脚出来てたじゃないか」
「えへへ……ありがとう。師匠とお揃いだよ。六式使い!」
実はもうにっこにこで照れ照れしている。可愛い。
「ちなみに原因は何だった?」
「太ももの脱力が足りなかった事かなぁ。足先だけだるーんと緩ませるんじゃなくて、もっと凪ぐ感じでやらんといけなかったみたい。コツは掴んだから忘れないうちに反復練習したいかも」
いやいや、完全回復まで何もさせないからね。
「実家に帰ってきたんだから少しはゆっくりしな。覇気が元に戻るまで修行は禁止」
「えー……でもパソコン無いし……」
「……」
「ハイ、ワカリマシタ」
日本兵のようにぶーたれる実。気持ちはわからんでもないので代わりにこれを授けよう。
キッチンから持ってきたのはこれ。
「じゃーん」
「あ! ドーナツ!」
「めっちゃ買ってきたから、これ食ってゴロゴロしてな」
ドーナツがパンパンに詰まった箱を六つ差し出すと、実はおめめキラキラお口ニコニコで箱の中身の物色を始めた。わぁーとかこれ食べたかったーとか無邪気に喜ぶ実を見てほっこりした後はコーヒーでも淹れに台所に戻る。
とりあえずこの休みは甘やかしてやろうかなぁ。最近ハードだっただろうし、爆買いの旅に連れてくのもいいな……そんな事を考えながら淹れたてのコーヒーを片手に戻ると、実はドーナツそっちのけでスマホをポチポチと触っていた。珍しい。いつもは食べ物が目の前にあったら集中するのに。
「SNSもほどほどにね」
「ううん、クラスメイト」
えっ実が?
思わず口が開きそうになったがぐっとこらえた。実は見られたくないものをつっつき過ぎると恥ずかしいやらなんやらで全てを台無しにするタイプなのだ。小さい頃、お絵描き中に後ろから覗き込んだらすぐ持ってるクレヨンで絵をぐしゃぐしゃにしてしまうような、夏休みの読書感想文を覗き込んだらその原稿を捨てて新しいものを書き始めてしまうような……本当はシャイで恥ずかしがり屋な男の子。
あれこれと手を尽くして"矯正"はしたが、根っこまで治ってるかと言えばそうではない。
「……」
座布団の上に座り、実に楽しそうにスマホを弄ってる実をドーナツの山越しに観察しながらコーヒーを啜る。
あの葉隠さんと今どうなってるのかめっちゃ聞きてェ~~~~……
一緒に出掛けようとか言う考えなんてどこかにふっ飛んでしまった。息子の恋バナの方が興味あるに決まってんだろ。正直息子が同年代の子とイイ感じになるとか全く考えられなかったしなー。去年まではうちの社員たちとイイ感じだったし……もうチューしたの?♡ 引き千切るぞ。
……よし見聞色使うか。
アタシの見聞色なら実の指の動きでなんて入力してるかくらいならわかる。実はアタシの見聞色で見られることに慣れ切ってるから、さりげなく……くらいなら探知されることも無いだろう。ましてや戦闘中でもないんだからね。アタシは極めて薄く、それでいていつも通り実の指の動きに気を巡らせた。
ああー見える。
ぼんやり脳裏に浮かんできたぞ……実が入力してる文字が……。
『起きたら実家の布団に転がされてた件』
『千葉の田舎。』
『静岡帰るのは明々後日かなぁ』
これは……誰だ? クラスのグルチャかな。いやでも中学じゃ絶対クラスのチャット普通に通知切ってたとか聞いたし、クラスメイトって言ってたから多分個チャ? んー、可能性がある順番に葉隠ちゃん、緑谷君、八百万さん、クラスのグループチャット、大穴で上鳴君とかかなぁ。うおおおマジで気になる。誰だ、誰とチャットしてるんだ息子よ!
『葉隠ちゃんは東京だっけ』
やっぱ君だよな。信じてたわ。葉隠ちゃんしか勝たん……あとアタシの明晰なサブカル頭脳はすぐに気になるポイントを探知したぞ。これは実がおはようとか起きたとか言ったんだろうか。
それとも葉隠ちゃんがめっちゃ連投しててそれにやっと反応した感じ? 超気になるわ。青春って感じで可愛いね♡ 親のチャットは既読無視するのに調子乗りやがって……。
『なんて読むんだこれ』
『ためいけさんのうか。さんのうが初見じゃ無理すぎる』
馬鹿でかいため息が出そうになったが堪えた。
……ちょっと待て。もしかして葉隠さんは溜池山王も読めない子と付き合わせちゃいけないくらいいい所出身のお嬢さんなのでは……? 溜池山王の地価ってヤバかった気がするんだけど……息子よ、もうちょい世間に興味を持て。都内で知ってる場所が秋葉原と御徒町と上野と池袋と中野と有明だけじゃ多分ダメだぞ。
『池のレイドボスじゃん』
ブフォァ
「わ。大丈夫? はいティッシュ」
バカ息子から貰ったティッシュで口の周りを拭いつつ心の中で悪態をつく。急に笑わせんなボケナスペニバンでブチ犯すぞマジで。
『だよね。めっちゃ強そうわかる』
思わず指銃で実のスマホを破壊しかけたがぐっと我慢する。
意気投合してるとか相性抜群か?
『うちは八千代緑が丘だよ』
『溜池山王ほど強そうじゃないかな』
『草』
『ため池の王様も大概だぞw』
うーん、この波長の合う感じよ。ラブよりもライク? ずっとおバカな話をしてるだけみたいなので、そろそろぶった切るか。アタシが誕生日プレゼントあげた時よりもニコニコしやがって。アタシの息子が聞いて呆れるよ。フィヨルドの恋人。
「実、食べないならアタシが食べちゃうよ」
「食べる食べる! いただきまーす」
慌てて一番お気に入りのドーナツを手に取る実に思わず笑いそうになったけど、実はおもむろにドーナツの山をパシャリ。
『見て見て! ドーナツ!』
4歳児か?
『みんなおはよう。みどりゃーは知らんけど僕は起きました。体育祭は対戦ありがとうございました。来年こそお前らを全員破壊するのでよろしくお願いします』
緩急激しすぎだろ!!
ゴンと勢いよく机に頭を叩きつけて冷静さを保つ。実は少しびっくりしてこちらを伺うが、「いつもの発作か……」と言わんばかりにスルーした。この黒髪ぱっつんストレートえちえち目元男子withぶかぶか半袖スパッツがよ……舐めてると潰すぞ……。
いや待て。あの4歳児みたいな発言は葉隠ちゃん宛てで、その次のはみんなって書いてるっぽいしクラスのグルチャなのでは……?
「ドーナツ久しぶりに食べたけどやっぱんまい」
え?
「我慢してたの?」
「ううん、あんまり外で遊ぶ暇なかった」
はぁ、とため息を吐きながら実は愚痴り始める。
「余った時間は勉強に回さんとちょっとキツい」
「ああ、なるほど……」
「ルーチン確立するまで無理。ヒーロー科で勉強ここまでやるかって感じだった」
まあ天下の雄英高校だし仕方ないね。普通のヒーロー科は五科目のテストなんてあって無いようなもんだし、赤点でも下駄履かされたりして卒業は普通に出来たりするのが普通だもんなぁ。
「オールマイトの戦闘訓練とかはどう?」
「うーん……最初はテンション上がったけど……」
えっマジ? バトルジャンキーの実はすごいすごいって顔を輝かせると思ったんだけど……酢豚にパイナップルが入っている事に気付いた時のような、すんごい微妙そうな顔だった。
「立ち回りは……超参考になるね……うん……戦う時に気を付ける事とか……」
「……」
「意外とフツー……?」
おいコラ八木。ちょっとヤバいんじゃないか。
「ちなみに何を期待してたの?」
「もっと僕にダメ出しをしてくると思ってたらそんなこと無かった。なんか……僕はそこそこ出来てるから他の子にリソース割かれてる感じ」
ああー……気持ちはわかるかもしれない。
なんだかんだ新人教師だもんな。
「仕方ないんじゃない? まだ入学からそんな期間経ってないし」
「うん。ぶっちゃけ救助訓練とかの方が身になってると思う」
「いいじゃんいいじゃん。足りないところを補いな」
今のうちに失敗しておいた方が良い。
これから多分、特大の困難が降りかかるのだから。
アタシもそろそろ身の振り方考えないとな。
「あと、騎馬戦の時の事なんだけど」
ギクッとドーナツを食べる実の手が止まる。
「何が言いたいかわかるね」
「……うん」
心操君の行動も限りなく黒に近いグレーだとアタシは思うけど……まあこいつが気を抜かなかったら防げた話だ。アタシに言わせたらやらせてしまった実が悪いの一言に集約される。でもまあ、アレが無かったら今回の最終トーナメントは盛り上がりに欠けたものになってただろう。実に対して勝負の体裁を保てるのは緑谷君、轟君、爆豪君、八百万さんくらいだ。
「……」
黙り込む実を見て思わずため息が出る。別に失望したからじゃない。親としてわかってしまったからだ。あの瞬間、どうしてこの子が純度の高い殺意を持ち、そしてそれを直ぐに霧散させたのかを。
「あの子がそうなんだね」
「……」
こくりと頷く実の側まで寄り、座ったままの彼をそっと抱きしめた。
「実があの子を見ているように」
「うん」
「あの子も実を見ている。わかるね?」
「うん……」
あーあ。子離れって辛いなぁ。
この子をコミケに参加させてから今まで。
……今後もいいお母さん代わりで居てあげよう。
「そぉれ!」
「ひゃあっ!?」
悔しいし悲しいし感慨深いしで思わず実を天井にぶん投げる。だるだるのTシャツを靡かせながら着地した実は不満顔だ。
「急に何!?」
知らなくていい事さ。
そんな事を思いながらアタシは実の頭を撫で、コーヒーのお代わりを淹れにキッチンへ戻る。実も高校生だからなー。そりゃもうそういう時期だよなぁ。
『クラスチャットにドーナツの画像を誤爆した事を心よりお詫び申し上げます』
『あ、はい。寝起きのエネルギー補給です。決して皆さんの心配の声をスルーしたわけじゃないです』
誤爆してんじゃねーよ!!
『うん、葉隠ちゃんに送ろうとして間違えたw』
『くっっっっそ恥ずかしい』
多分最初の二つはグルチャ宛て、後ろ二つは葉隠ちゃん宛てかな。思わずフィルターからぶちまけてしまったコーヒーの粉を掃除しながらため息を吐いた。マジで大丈夫か? 少なくとも今のお疲れうっかり忍者の状態でSNSには触らせない方が良いな……。
『え』
『僕もそうしたいんだけど、お出かけ用の服が全部静岡にあるんだよね』
『うん、浴衣と着物くらいしかないから』
……ん?
……浴衣デート!?*2
『え』
『まぁ確かにそうかも』
『じゃあがっつりメイクしてくね』
オイオイオイオイオイ。
それ誰から教わったの? お姉ちゃんたちからか……?
ていうかなんでメイク……あっ! 変装か!!
なるほど葉隠ちゃん考えたな……。
『あの』
『メイクさ』
『もし失敗してても笑わないでね』
『うん、一緒に治してくれるとほんまタスカル』
オイオイオイオイオイオイオイオイオイ。
その雌男子仕草誰から教わったの? 天然? やっぱぽっと出の小娘にこのエロ男子は些か刺激が強すぎるんじゃないか?……あっやべっ脳が破壊されそう。義母視線のWSS*3とかシャレにならないんだよね。助けてオールマイト……*4。
『浴衣でいい?』
『おk』
もしかして葉隠ちゃん、実と出かける約束取り付けた?
……デートやんそれ。
「ししょー、案件って直近だと何するって言ってたっけ?」
「直近の案件ならLootersのスト鯖、冷食の食レポ……」
「あー……」
マジで興味無さそうだな……。
あ、そうだ。
「これ雄英体育祭の一週間前にお願いされたんだけど」
「んー」
「今度の4urora view*5に展示品とサプライズゲスト登場させても問題ない?ってオーロラから確認来てるよ」
「えっマジ!?……個チャには何も来てないんだけど」
「まあスケジュール管理してるアタシを通してからにする予定だったんだろうね」
オーロラと他の社員も今めっちゃ忙しいから許してあげてほしい。
「……ん? 展示品?」
「世界一可愛い配信者の展示*6をまたやりたいんだって」
「えー?……まあいいけど」
……良い修行になりそうとか考えてるんだろうな。
ちなみに前回やらなかった理由は前々回、ガラスケース越しに薄い本見せつけられて思わず履いてるスウェットをシコるために脱ぐ……脱がなーいってティッシュ片手にやったのが動画で拡散された挙句会場からクレームが来たからです。
「でもスペシャルゲストって何するの?」
えーと……スペシャルゲストの方は。
「ストリームファイター2で配信者最強決定戦するから、そのエキシビジョンマッチ」
「エッ!?!?!?!?!?」*7
「ハンディキャップ*8、希望者に武器*9、痛覚フィードバック*10、そしてなんと個性ありです」
「ヒフャァッ!!!」
ぴょいーんと垂直に飛び上がって驚愕の実。
猫みたいな飛び方するじゃんね。
「ち、ちちちなみに何するの?」
えーと。
「チャンピオンにベルト授与のタイミングで『配信者最強はこの俺だ~』みたいに言わせて」
「うん……」
「そしたらスクリーンにインタビュアーがガラスケースに入ってるお前にインタビューする様子を中継で映し出す」
「おお」
「雄英体育祭優勝おめでとうございますって普通のインタビューのやり取りした後、所で配信者最強は俺だって〇〇さんが言ってましたよってインタビュアーに言わせる」
「おお……!」
「ガラスケースの中に入ってる世界一可愛い配信者っていうプレートが簡単に外れるようになってるから、それをペンと付箋で世界最強の配信者って修正、ガラスケースをぶち破って移動、ここで会場のスクリーンは消える。実は関係者通路で早着替え、金メダルぶら下げたヒーローコスチュームで入場。速攻でセットアップして戦闘開始、終わったら戻るって感じかな」
「おもろそう」
実際面白いと思うので実が良かったら即採用かな。
こいつもサプライズ好きだから絶対食いつくとは思ってたけど。
雄英体育祭で金メダル取ったんだし、このくらいの役得は許されるでしょ。
「あとで連絡しときなね」
「わかった……案件じゃない奴でなんか企画してるのある?」
「えーと……非公式のスケベ忍者クラスタ鯖に降臨、フォロワー限定MTGの対戦オフ会、後お疲れさまでしたのお買い物ロケ、あと雄英体育祭の裏話は撮りたいかな」
特に裏話はマジで撮りたい。ここまでインターネット文化に漬かり切った雄英体育祭優勝者なんて他に居ないからね。そう告げるとむーんと何か考える表情の実。レアだな。
「……じゃあ明日ちょっと出かけるくらいはいい?」
デートやん……!!
「アタシ的には休んでほしいけど……どこ行くの?」
「カドショ行ってから後は流れで」
これはオタクムーブや。デートちゃうな。
「お友達と行くの?」
「えっ、あー……」
……。
「うん。友達と」*11
……デートや!!!!!!
次はデート回かラジオ回。