撤退していく
「あの…
レイナさん…。」
と言う
《何ですか?〉
と訊いてくる
「本当に…
これでいいんですか?」
と訊く
《もちろんです。〉
と答える
「でも…
ネオタリバンの人達が…。」
と言う
《問題ありませんよ。
こちらは、ちゃんと約束を守ったのですから。
あとは
向こうの問題
です。〉
と言う
◆
の奇襲をうけたとはいえ、連合地球軍の損害は軽微なものであり、ネオタリバンの本拠地攻略に支障をきたすほどのものではなかった…。
連合地球軍の大部隊接近に、ネオタリバンの本拠地は騒然としていた。
どのようにして入手したのか、黒色機動群の旧型機動兵器である
ZK級4機
GM級4機
GF級2機
が起動する。
さらに、ジェニスの装甲服を装着した人工MS娘6名も配置につく―。
戦闘指揮所では、アブドラがレイナと交信していた。
「何ッ!?
奇襲に失敗しただと…ッ!?」
と、絶句するアブドラ。
《はい。
私達の戦力だけでは、微々たる損害しかあたえられませんでした。〉
と言うレイナ。
「ならば、こっちに来い!!
今は、1人でも戦力が欲しいッ!!」
と言うアブドラだったが
《残念ですが、そちらに送れる戦力はありません。〉
と、レイナはアブドラの援軍要請を拒絶した。
「何言っていやがるッ!!
オレ達とお前達は同盟を結んでいる
んだぞッ!!」
と怒鳴るアブドラに
《同盟?
何のことですか?〉
と言うレイナ。
「何…ッ!?」
と、絶句するアブドラ。
《あなた方ネオタリバンと、私達アミットフォースが、いつ、同盟を結んだのですか?〉
と言うレイナ。
「お前…
何を言っているんだ…?」
と言うアブドラ。
《ですから、あなた方ネオタリバンと、私達アミットフォースが、いつ、同盟を結んだのかと言っているのです。〉
と言うレイナ。
続けて
《最初に言ったはずです。
貴方達の戦力など必要無い
と…。
貴方も
アミール様の下につく気は無い
とおっしゃいました。
それで
どうして、同盟を結べるのですか?
挙句の果て
アミットフォースを乗っ取って、連合地球軍と黒色機動群を倒して英雄になろう
って…。
聞いていて、笑いを堪えるのに必死
でしたよ。〉
と言うレイナ。
「レイナ…
お前…ッ!!」
と、顔面蒼白なアブドラ
《そういえば、アミール様の下にはつけないけど
私の下にならついてもいい
とおっしゃってましたね。
それについては
私も了承します。
なら、早速命令です。
貴方方は、連合地球軍や黒色機動群にも対抗できる戦力があるのでしょう?
なら、今、そちらに向かっている連合地球軍を撃退して見せてください。
撃退できれば、その時、あらためてお話しましょう。〉
というレイナからの通信を聞いたアブドラは
「レイナアァァァァッ!!」
と絶叫する。
《交渉成立ですね☆〉
で、レイナとアブドラの交信は終わった…。
それから1時間後―。
レーダーが、南方より接近してくる、多数の機影を捉えた。
空を圧する、連合地球軍のネオタリバン攻略部隊だ―。
「敵接近!!」
と、兵士が叫びながら戦闘指揮所に入ってきた。
「来たかッ!!
迎撃開始ッ!!」
と叫ぶアブドラ。
ネオタリバンの本拠地に設置されているビーム砲やミサイル、高射砲、機関砲…
ありとあらゆる火砲が火を吹いた。
だが、この対空砲火で撃墜されたのは、ドートレス・フライヤーが数人のみ…。
ガディールの空襲により、ネオタリバンの砲座は次々と破壊されていく…。
とうとう、敷地内に連合地球軍のMS娘が降下した。
最初に降下してきたのは、
「オラァッ!!」
と、両手首に装備されているハイコールドショーテルで、ネオタリバンの兵士達を斬殺していく―。
次に降下してきたのは、
「一撃で死ねば、痛くないよね?」
と、ビームサイズを振るって、ネオタリバンの兵士達を斬殺していく。
プリズム粒子コーティングによる光学迷彩で
最後に降下してきたのは、
「やれやれ…★
こういう、荒事はやりたくないのですが…★」
と言いながらも、両腕のドラゴンハングでネオタリバンの兵士達を惨殺していく…。
2機のZK級がマシンガンを乱射する。
「ウゼぇんだよ…ッ!!」
と、弾幕など気にせず、ZK級に斬りかかる
逆に、ZK級の射撃で、ネオタリバンの兵士数名が死亡した…。
「ォㇽラアッ!!」
と、
「一撃で死ねば、痛くないよね?」
と、ビームサイズを振るって、GM級を斬り裂く
プリズム粒子コーティングによる光学迷彩は、黒色機動群の機動兵器にも通用する。
GF級は、ZK級の改良型と思われる、黒色機動群の機動兵器だ。
その姿は、ZK級に似ているが、頭の中央に角がはえており、両肩がスパイクアーマーになっていて、左腕には六角形のシールドを装備している。
左拳は5連装機銃になっており、右手首には、電流を流すの鞭が収納されている。
ZK級よりも白兵戦を重視したと思われる機体だが、現在では旧式兵器として、黒色機動群は廃棄していっている。
黒色機動群が廃棄するほどであるから、その性能はしれたもの…。
残る2機のZK級も、降下したドートレスに破壊された…。
6人いたジェニスも、降下してきたドートレスとの銃撃戦で、全員射殺された…。
「黒色機動群の巨人兵は全機破壊され、ジェニスも全員戦死しました!!」
と、兵士が叫びながら戦闘指揮所に駆け込んできた。
「どうしますか!?」
と訊いてくる副官。
「ずらかるに決まってっだろッ!!」
と、アブドラは逃走を試みるが…
戦闘指揮所に、ドートレスが入ってきた―!!
「うおおおおお…ッ!!」
と、雄叫びをあげながら、右手に持つピストルを撃つアブドラ。
アブドラのピストルには特殊な銃弾が使われていたようで、戦闘指揮所に入ってきたドートレスはアブドラに射殺された…
が…
続けて入ってきた4人のドートレスのマシンガンの乱射により、アブドラをはじめ、戦闘指揮所内にいたネオタリバンの兵士達は、全員射殺された…。
こうして、
アミットフォースを乗っ取り、連合地球軍と黒色機動群を倒し、英雄になろうとしたアブドラの野望は、連合地球軍の実力を過小評価していたことと
レイナの裏切り
により、脆くも崩れ去った…。