機動戦士ガンダムこれくしょんX   作:星龜

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アミットフォース(後)


 

(?)

 

シィが目を覚ますと…

 

(ここ…

どこ…?)

 

視界に飛び込んできたのは、見たことのない、白い天井…。

 

そこでシィは、今、自分はどこかの施設のベッドに寝かされているのだと感じた。

 

「先生!!

気がついたよ!!」

という、女性…というよりかは、少女の声が聞こえた。

 

しかも、その声に聞き覚えがある…。

 

 

先生…

 

おそらく、教師ではなく、医者の方だろう。

 

つまり、今、自分は病院のベッドに寝かされているのだと、シィは実感した。

 

 

まもなく、ベッドの左側に先生が来た。

 

「気がついたかい?」

と訊いてくる先生。

 

眼鏡をかけた、背の高い、おそらく30代後半くらいの歳の男性だった。

 

「ここは、どこですか?」

と訊くシィ。

 

「ここは

フリーデンの医務室

だよ。

あぁ、フリーデンというのは

アミットフォースの母艦

だよ。」

と言う先生。

 

(フリーデン?

アミットフォース?)

 

何のことなのか、さっぱりわからない…。

 

シィは起き上がろうとしたが…

 

どういうわけか、体に力が入らない…。

 

「起きるのは、まだ無理だ。

まだ麻酔が効いているはずだからな。」

と言う先生。

 

(麻酔…?)

 

つまり、手術されたということか?

 

しかし、何の手術だろう?

 

手術を受けるほど、体に異常は無いはずだが…?

 

(あっ…!!

そうだ…

左腕…!!)

と、ブリトヴ([ドゥエト])ァのモノフィラメントワイヤーカッターで左腕を斬り落とされたことを思い出すシィ。

 

「先生…!!

私の左腕は…!?」

と訊くシィ。

 

「接合手術は成功したよ。

ただ、完治するまでは、まだ時間がかかる。」

と言う先生。

 

(接合…?

斬り落とされた左腕が、くっついたっていうの…!?)

と、驚くシィ。

 

「明日、我々のことについて

アミールさん

から説明がある。」

と言う先生。

 

「アミールさん…?」

と訊くシィに

 

「我々

アミットフォースの司令官

だ。」

と答える先生。

 

その

アミットフォース

というのが何なのか知りたかったが…

 

それについて、明日、説明されるというのなら、明日まで待とう…。

 

何より、眠い…。

 

先生は、麻酔が効いていると言っていた。

 

眠いのは、そのせいだろう。

 

なら…

 

明日まで、眠らせてもらおう…。

 

 

翌日―。

 

シィとディは、赤いパーカーを着た少女に案内されて、フリーデンの艦長室に来た。

 

室内には、案内してきた少女を含め、5人…いや、4人の少女がいた。

 

1人は、どう見ても成人女性で、執務席に座る少女の右隣に立っている。

 

 

正面の執務席に座っていた少女が立ち上がり

「アミットフォースの母艦フリーデンにようこそ。

私がフリーデンの艦長にして、アミットフォースの司令官の

アミール・オルフェーヴ

 

【挿絵表示】

 

です。」

と名乗った。

 

そして、シィとディの前まで歩いてきた。

 

(この少女(ひと)が、昨日、先生が言っていたアミールさん…?)

と、アミールを見るシィ。

 

ディと同じくらいの身長の、小柄な少女だ。

 

しかし、少女とはいえ、フリーデンの艦長にしてアミットフォースの司令官というだけあって、威厳を感じさせる雰囲気をまとっていた。

 

「左腕の具合はどう?」

と、シィに訊くアミール。

 

「まだ完治していませんが、痛みはありません。」

と答えるシィ。

 

そして、アミールと握手する。

 

ディとも握手をしたあと、再び、執務席に戻るアミール。

 

「紹介するわ。

私の秘書の

レイナ

よ。」

と、右隣に立っている成人女性を紹介するアミール。

 

「アミール様の秘書を務めさせていただいています

レイナ

 

【挿絵表示】

 

という者です。

以後、お見知り置きを。」

と礼をするレイナ。

 

「そして、そこにいるのが」

と、部屋の左側に並び立つ3人の少女を紹介するアミール。

 

「私

ガンダムエックスのMS娘のラン☆

 

【挿絵表示】

 

よろしくね☆」

と名乗るラン。

 

シィとディを連れて来た、赤いパーカーを着た少女だ。

 

ガンダムエアマスターのMS娘のスー

 

【挿絵表示】

 

だ★」

と、ぶっきらぼうに名乗るスー。

 

ガンダムレオパルドのMS娘のロア

 

【挿絵表示】

 

だよぉ〜☆

よろしくぅ〜☆」

と名乗るロア。

 

「エスタルド軍MS部隊所属、パイロンのシィです。」

と名乗るシィ。

 

「エスタルド軍MS部隊所属、パイロンのディだ。」

と名乗るディ。

 

「資料では、貴女達の名前は

クレア

ディアナ

となっているのだけど?」

と訊くアミール。

 

「おそらく、そうなのでしょうけど…。」

と言うシィ。

 

「どういうことかしら?」

とアミールが訊いてきたので、シィはエスタルド軍の人工MS娘について、自分が知る限りのことを話した。

 

「なるほど…。

貴女達は、その名前が気に入っているということね。」

と言うアミール。

 

せっかく、親からあたえられた名前だが、どうにも、しっくりこない…。

 

シィ()ディ()という無機質的な名前の方が、妙に愛着があった。

 

「わかったわ。

貴女達のことは、シィとディと呼ぶことにするわ。」

と言うアミール。

 

「あの…

アミールさん達は…?」

と訊くシィ。

 

アミットフォース

の事を知りたいのね。」

とアミールに言われ、頷くシィ。

 

「貴女達

アミット・オルフェーヴ

という人物の名前をご存知かしら?」

とアミールに訊かれたが、知らないので、シィとディは首を横に振った。

 

アミット・オルフェーヴ*1

 

【挿絵表示】

 

私の曽祖父にして、百数十年前の連合地球軍の将校

だった人物よ。」

と言うアミール。

 

アミールの話は続く。

 

「百数十年前…

黒色機動群の勢力圏も残り僅かとなったある日、アミットはM.G.F. の創設者であるシン・クロサキから、衝撃的なことを言われたの。

それは

連合地球軍がM.G.F. を吸収し、全世界防衛機構軍として権力を握る

という話だったわ。

そうなった時のために、シンはアミットに

腐敗した連合地球軍を止めるためのカウンターウェポンが必要になる

と訴えたの。

そのカウンターウェポンこそが、私達

アミットフォース

なの。」

 

(・・・・・・。)

 

アミールの話を聞いて、絶句するシィとディ。

 

「本来、M.G.F. は人類を黒色機動群から守り、地球を取り戻すための組織だったのに、今では人間に対し、その力を振るっているわ。

アミットは、間違った方向へ進んだ連合地球軍を止めるために、アミットフォースを結成したの。

その際、シンから

熾天使

有罪の死神

危険な銃腕

砂漠の獅子

天駆ける龍

が、アミットフォースの力になると話したの。」

と言うアミール。

 

「何ですか?

その…

天使とか、死神とかって?」

と訊くシィ。

 

アミットフォースのためにシンが開発した装甲服

のことよ。

表向きは

一般兵士でも使える装甲服の開発

という名目で開発されたのだけど

計画は失敗に終わったと偽り、完成した装甲服を世界各地に隠した

のよ。」

と言うアミール。

 

熾天使(セラフィム)…!?

 

「じゃ…

ウイングガンダムセラフィムは…!?」

と訊くシィに

 

「そうよ。

ウイングガンダムセラフィムは、シンがアミットフォースのために開発した装甲服の1つ

なのよ!!」

と言うアミール。

 

「それだけではなく、シンは

本物のMS娘を見つける方法もアミットに教えていた

の。

そうやって見つけたのが、そこにいるラン達よ。

ラン達は、人工MS娘じゃない。

モビルスーツの魂を宿した

本物のMS娘

なのよ…!!」

とアミールに言われ、ラン達を見るシィとディ。

 

「なんだよ…

話が全然違うじゃねぇか…ッ!!

シン・クロサキって野郎は、黒色機動群を撃退した後、M.G.F. を率いて世界征服した極悪人じゃねぇのかよッ!?」

と叫ぶディ。

 

「それは、連合地球軍によって捏造された話…。

アミットとシン・クロサキは、本当に人類と地球を守るために戦った英雄よ。

しかし、今の連合地球軍は、アミットとシンの理想を踏み躙った悪なのよ…!!」

と言い放つアミール。

 

シン・クロサキは、黒色機動群を撃退した後、M.G.F. を率いて世界征服した極悪人だと聞かされていたシィとディにとって、アミールが語る真実は衝撃的な話だった…。

 

*1
イラスト:黒瀬夜明 リベイク

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