「どうする、シィ、ディ。
私達と一緒に来る?
それとも…?」
と訊くアミール。
「どうする…と訊かれても…。」
と、ディと顔を見合わせるシィ。
「アチキは、アンタらについて行くよッ!!
パパとママの仇をとりたいんだッ!!」
と叫ぶディ。
そう…
シィとディの両親は、M.G.F. に殺されたのだ。
それだけでも、シィとディがアミットフォースに加入し、M.G.F. と戦う理由になる。
とくに、シィにとっては、左腕を治してくれた恩もある。
もはや、帰る場所も無いシィとディには、アミットフォースに加入する以外の選択肢は無かった…。
こうして、シィとディは、アミットフォースの一員となったのだ―。
◆
装甲服を脱いだドゥエトは、シンに報告するため、ブリッジに上がる―。
「部下を皆殺しにされただけでなく、脱走兵がアミットフォースに合流しただとぉッ!?」
と、ドゥエトの報告を聞いたシンが激怒する。
「ご…ごめんなさ」
「謝って済む問題じゃねぇんだよッ!!」
と、ドゥエトを蹴飛ばすシン。
「もうしわけございません。
私も、アミットフォースのMS娘を撃墜するべきでした。」
と謝罪するシャギア。
「当たり前だッ!!
この役立たずどもがァッ!!」
と、シャギアを蹴飛ばすシン。
「だいたい、テメェに出撃命令出した覚えはねぇぞッ!!
勝手に出撃しやがってッ!!」
と、倒れているシャギアを蹴るシン。
オルヴァは、シャギアとドゥエトが蹴飛ばされているのを見て、薄ら笑いを浮かべていた。
「おいッ!!」
と、倒れているシャギアの胸ぐらをつかむシン。
「フラッシュシステムは起動したのか?」
と訊くシン。
「それは…。」
と、顔を背けるシャギア。
「役立たずがァッ!!」
と、シャギアを殴るシン。
「おめぇらよぉ…
装甲服着て好き勝手暴れてくれるのは結構だがよ…
けどよ
おめぇらの本来の目的はよぉ、フラッシュシステムを起動させること
なんだよ。
つまりよぉ、おめぇらはな
フラッシュシステムを動かすための電池であって、モルモット
なんだよ。
でもよぉ…
フラッシュシステムを動かせないんじゃ、お前ら、いらない
わけよ。
そこんとこ、わかってんのか?」
と言い放つシン。
「はい…。」
と、力無く答えるシャギアに
「わかってたらよ…
よ。」
と言うと、艦長席に座るシン。
「ハルフェース6、発進だッ!!」
と命じるシン。
「アミットフォースを追うのですか?」
と訊くシャギアに
「だったら、よかったんだけどよ…
と言うシン。
「では、アミットフォースの追討は?」
と訊くシャギアに
「M.G.F. の一般部隊が当たるそうだ。」
と言うシン。
「それでは、シン・クロサキ兵団の名折れでしょう。
そこで
私とオルヴァをシン・クロサキ兵団の分遣隊として、アミットフォース追討部隊に派遣する
というのは、どうでしょうか?」
と進言するシャギア。
「テメェ…
ヘンなところで頭が切れる
な…★」
と、顔をしかめるシン。
「とはいえ、勝手なことはできねぇ。
おい、本部との回線を開け!!」
とオペレーターに指示するシン。
まもなく、モニターに、M.G.F. 本部の高官の顔が映し出される。
《どうした、シン?〉
と訊いてくる高官。
シンは、シャギアの進言を高官に伝えた。
しかし…
《その必要は無い。
アミットフォース追討部隊には
シン・クロサキ兵団に加入予定の新人が加わる。
お前達は余計なことをせず、ニューヤークに帰還せよ!!〉
と高官は言って、通信を切った。
(
何者だぁ?)
と、顔をしかめるシン。
「新人って…
どういうことなのでしょうか?」
と訊くドゥエト。
「つまりだ。
お前らが、いつまでたってもフラッシュシステムを起動させられないからクビ
ってこったろうよ★」
と言い放つシン。
そして、艦内放送で
「シン・クロサキ兵団司令官のシンだ。
これより我々は、ニューヤークに帰還する。
総員、発進準備に取り掛かれ!!」
と、ハルフェース6の発進準備を命じた。
20分後―。
ハルフェース6は、ニューヤークに向かって飛び立った―。
◇
アミットフォースの母艦フリーデンの艦橋では、レイナがシン・クロサキ兵団の母艦ハルフェース6が離陸したことを、アミールに報告していた。
「ハルフェース6が?
なぜ?」
と訊くアミール。
「理由はわかりませんが、おそらく、エスタルドの降伏により、ここに駐留する理由がなくなったためかと…。」
と言うレイナだったが
「しかし、私達アミットフォースがいるのに、なぜ、ニューヤークに戻るのですか?」
と、アミールは訊き返す。
「たしかに…。
言われてみれば、そうですね…。」
と驚くレイナ。
(私達を無視する理由…
それは何…?)
と、アミールは考える。
「あと、私達自身はどうしますか?
エスタルドに駐留しているM.G.F. と交戦しますか?」
と訊くレイナ。
「そうね。
ガスタールとノーザンベルからの援軍が到達するまで、ちょっかいは出すべきね。
そして、頃合いを見計らって撤収よ。」
と言うアミール。
「了解しました!!
ラン達に出撃命令を出します!!」
と、レイナはアミールに敬礼した―。
レイナは内線で、ラン、スー、ロアに出撃命令を下す。
「出撃?
シャギア達が、また来たの!?」
と、自室で半裸姿でいたランが訊き返す。
《いいえ。
エスタルドに駐留しているM.G.F. に攻撃を仕掛けてください。〉
と言うレイナ。
「そっか☆
それで、シャギア達をおびき出すんだな☆」
とランが言うが
《いえ。
シン・クロサキ兵団は撤退しました。〉
と言うレイナ。
「えっ?
シャギア達、いないの?」
と訊くランに
《はい。
鬼の居ぬ間に何とやらです。
おもいっきり暴れてきてください☆〉
と言うレイナ。
「まかされたぁ☆」
と、敬礼するラン。
内線を切ると…
「ラン…。
また、戦いに行くの?」
と訊く、ヘッドにいる半裸姿の少女。
「うん☆」
とランは答え、部屋の電気をつける。
明るくなったことで、ヘッドにいる半裸姿の少女は、シーツで躰を隠す。
ランは、赤いパーカーを着て、黒いホットパンツを履くと
「じゃ、行ってくる、ティファ☆」
と、ヘッドにいる少女―ティファにキスをしてから、部屋から出ていった―。
フリーデンの医務室では―。
「何、出撃?
本艦も?」
と、医務官のテクスが、内線で話をしていた。
「何かな?」
と言うシィ。
「なんか、出撃がどうとか言っていたぜ?」
と言う、シィの見舞いに来たディ。
テクスが、シィとディの所に来た。
「これから、ラン達が出撃するそうなんだが…
本艦も支援砲撃するために進撃するそうだ。
ここには怪我人がいるから支援砲撃はやめてほしいと、レイナに言ったんだがな…。」
と言うテクス。
医務室にシィがいるので、支援砲撃の中止をレイナに進言したが、却下されたようだ。
「アチキも行く!!」
と言い出すディ。
「君に使える装甲服があればな。」
と言うテクス。
「あのガンダムがあるじゃないかッ!!
アチキはこれでも、エスタルド軍のMS娘なんだッ!!」
と叫ぶディ。
「あれは今、調査中で使えない。」
と言うテクス。
「そんな…!?
頼むよ、先生ッ!!
アチキも行かせてくれッ!!
パパとママの仇をとりたいんだッ!!」
と、テクスにつかみかかるディ。
「落ち着きたまえ!!
そんなこと、私に言われても困る!!」
と、ディを引き離すテクス。
「まったく…
しょうがない娘だな…!!」
と怒りながらも、テクスはレイナに内線をつなぐ。
「いいのか?」
と、テクスがレイナに訊き返しているのが聞こえた。
内線を切り、ディに向かって
「使える装甲服があるようだ。
1人でも戦力が欲しいようだ。」
と言うテクス。
「よっしゃぁーッ☆」
と喜ぶディ。
「行ってくるぜ、シィ☆
シィのパパとママの仇もとってきてやるぜ☆」
とディは、喜び勇んで医務室から出ていった―。