世界一幸せなトレーナーとエアグルーヴ   作:たわけ

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旦那が出張に行って寂しいエアさん

ピーンポーンパーンポーン

たづな「四宮トレーナー、四宮トレーナー理事長室にお越しください。繰り返します、四宮トレーナーは理事長室までお越しください」

 

「うげぇ」

ルドトレ「なにやらかしたんだよ?おまえ」

「まったく心当たり無いんだけど」

「まあ、行ってくるわ」

 

 

 

コンコン

「四宮です」

 

ガチャ

たづな「どうぞ」

理事長「歓迎っ!!よくぞ来てくれた!」

「それで理事長、ご用件は…」

理事長「要求っ!!地方のトレセンに一週間ほど視察に行ってきてほしい」

「…お断りさせていただくことは、」

理事長「君がエアグルーヴと結婚して日が浅いこと、とても仲が良いこと、リーグ準決勝前で仕事が忙しいことは重々承知の上での願いだ」

理事長「シンボリルドルフをも超えるウマ娘を育て上げた君にこそお願いしたい」

理事長「地方にもまだ埋もれている逸材が、君によって芽をだす玉が、いるかもしれないのだ」

理事長「無理を承知でお願いしたい!!」

ゴンっ

「!!?」

「えっ!?だ、大丈夫ですか!?」

理事長「あぁ、心配することはない」

理事長「それで、出張の件は…」

「…わかりました。お受けします。」

理事長「感謝っ!」

理事長「出張にはたづなを同行させる。期間中のトレーニングは…」

「一応メニューはできてるんで、俺がほかのトレーナーにお願いします」

理事長「了解っ!」

たづな「何かあれば遠慮なくおっしゃってくださいね」

 

 

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そんなこんなで

「すまないエア…」

『全然平気だ、と言えば噓になるが…』

『仕事ならば仕方あるまい安心して行ってきてくれ』

「エア…」

『ほら、明日も早いんだ。寝るぞ?』

 

 

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そして出張当日

 

「じゃあ、行ってくる」

『あぁ、気をつけてな』

「うん。着いたら連絡するから…」

『わかった。では、』

「行ってきます…」チュッ

 

 

 

数時間後

 

「あ”あ”ぁぁぁぁ!!!」

「も”う無理!!エアにあ”い”たいよ”お”ぉぉぉぉぉ!!!!!」

ガラガラ

たづな「と、トレーナーさん?大丈夫ですか?」

「全然大丈夫じゃないです…。死にそう」

たづな「とりあえず先方にご挨拶に伺わなければならないので…」

 

「…」

チーン

 

 

 

 

 

たづな「では、さっそく明日から…」

校長「えぇ、よろしくお願いします」

校長「この後は、なにか予定は…?」

たづな「いえ、特には」

校長「では、お食事でもいかがですかな。美味しいところを紹介しますよ」

たづな「せっかくなので…」

 

 

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良い感じの居酒屋

校長「私のオススメは…」

たづな「こっちの日本酒も…」

たづな「四宮トレーナーはどうなさいますか?」

「俺は…」

 

店員「大変お待たせいたしましたー!」

 

校長「では、冷めないうちにいただきますかね」

たづな「えぇ、」

みんな「いただきます」

もぐもぐ ごくごく

 

たづな「!ほんとうに絶品ですね!」

校長「そうでしょう!ここは私の行きつけで…」

校長「四宮さんはどうですかな。お口に合いますか?」

「はい、とてもおいしいです」

 

あぁ、まだ一日終わってないのかよ

エアのごはんが食べたい

早くエアに会いたい…

 

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一方…

 

ガチャ

『ただいま…』

 

 

 

『今日は一人分、だからな、間違えないようにしないと…』

 

満足のいく出来上がりだと思ったんだがな

どうにも味気ない…

 

風呂は…シャワーで良いか

 

 

 

 

家事も課題も終え、もうやることがない

テレビも何も面白くはないし

 

 

そうしていつもより早く床に付き眠ろうと努力するが

 

ばさばさ

 

もぞもぞ

 

寝れない

 

なんだこのベッドは!広すぎだ!

 

『はぁ、』

『はやく、帰ってこい…』

 

誰もいない枕を見つめて言う

 

プルルルルルルプルルルルル

 

『!』

『もしもし…』

「あっ、悪い起こしたか?」

『いや、まだ寝ていない』

「なら良かった」

『どうしたんだ?こんな時間に』

「うーん、特に用件があるって訳じゃないんだけど…」

「さびしくて」

『ふふっ、そうか』

「なっ、笑うなよ!」

『すまない』フフッ

「…エアは、平気だった?」

『そんなわけ、ないだろう…』

「そっか」

「はあぁー、寝れないなぁ」

『わたしもだ』

「こまったな」

『あぁ、』

 

「…ねぇ、エア」

『なんだ?』

「今日さ、このまま通話、繋ぎっぱにしない?」

『!それは…』

「っ、悪い。さすがにダメだよn『いいぞ』」

「えっ?」

『だから、いいと言ったんだ』

「ホントに?」

『何度も言わせるな』

 

「じゃ、おやすみしよっか」

『あぁ、おやすみなさい』

「うん、おやすみ。エア、愛してるよ」

『っ!///』

「ふふっ、今日はキスできないから…」

『…も、』

「ん?」

『わ、わたしもっ、あいしてるぞ』

「っ///これ、破壊力、やばいかも」

『あっ、あなたが始めたことだろう?』

「そうだけど、」

たづな「とれぇーなぁーさぁん!もっとのみまひょうよぉ」

「なっ!?たづなさん!?」

「なんでそんな酔って…」

たづな「もう、ご飯終わったらさっさと帰っちゃって、素っ気ないですよぉ?」

たづな「だかりゃ、つづき!さっきの、つづきしましょ?」

 

『…』

ピッ

「なっ!エア!!違うんだ!!!」

 

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ふんっ

なんなんだ!

さびしいだと!?

楽しそうにしてたじゃないか!!

もう知らん!!

 

 

 

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ぜっっっっっったい誤解された

なんてことしてくれるんだあの女!

「っ、繋がらない」

「はぁ」

 

[newpage]

最終日

 

結局、一度も連絡は繋がらず

メッセージも既読すらつかなかった

 

「エア、怒ってるよなぁ」

「はぁ」

 

 

 

 

ガチャ

 

スタスタ

 

「た、ただいまー…」

「!?」

えっ!?家めっちゃキレイなんだけど、ピカピカすぎて滑りそう

 

「え、エア?」

「エアグルーヴさんー?」

 

ガチャ

「…ここにいたのか」

『…』

「エア?」

『…』

「怒ってる、よな?」

『…』

「その、ごめん」

「ごめんってか、やましいことは何もないんだけど」

『…』

『…ろう』

「えっ?」

『好きにすればいいだろう!!』

『寂しいだなんだと言っていながら!ずいぶんと楽しそうだったじゃないか!!!』グスグス

『無理に…帰ってくることないだろう』

『ずっと、たづなさんと楽しくしとけば良かったじゃないかっ!!!』

「エアっ!」

ギュッ

『っ!やめろ!はなせっ!』

「いやだっ!!!はなさない!!」

「頼むから!頼むから話を聞いてくれ!」

「それでも嫌なら、信用できないなら、何でもエアの言う通りにするからっ!」

『っ!』

 

そうしてコトの顛末を話した

たづなさんとは部屋が別だったこと

食事のときに酒を飲んでいて、部屋での酒盛りを誘いにたづなさんが来ていて、つづきとはそれを指すこと

たづなさんは部屋のドアを蹴破って入ってきたこと

その後は別のフロアに宿泊したこと

 

『でも、そんなの、何の証拠にもならないじゃないか』

『第一、どうしてたづなさんがホテルのドアを破壊できるんだ』

「それは…わかんないけど」

「たぶんその時の様子は防犯カメラを見せて貰えば分かるから…」

『…』

『…本当、なんだな?』

「あぁ」

『信じていいんだな?』

「信じて欲しい」

『…もう二度と、私の目の届かない所で他の女性と二人きりになるな』

『出張も極力行かないでくれ…』

「わかった」

「理事長には今回の件を報告して出張は避けて貰えるようにお願いする」

「どうしても行かなきゃいけなくなったら、他の男性トレーナーも同伴させる」

「二人きりになるなってのは、難しい」

「GPSなり盗聴機なり好きにして良いよ」

『たわけ…』

「それ、久しぶりに言われた」

『そこまではしない』

『でも、嫌なんだ』

『私は側に居られないのに他の人はって』

『不安なんだ』

『目移りしてしまうんじゃないかって』

「ないよ、そんなこと」

「俺はエアさえ居れば充分なの」

「エアが安心できるならどんなことでも…」

『たわけ』

「えっ?俺いまたわけてた?」

『たわけ』

「また?」

『いまは、他にやるべきことがあるだろう』

「と、言いますと?」

『たわけ』

『他の女に夫を奪われるかもしれないという恐怖と不安のなか、ずっと放置されていた妻を目の前にして、何もない訳がないだろう』

「!」

「エア、ただいま」チュッ

『…たりないぞ』

 

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